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※8.眞知さん、いい?
しおりを挟む「あー、眞知さん、肌きれい、どこもかしこも、いい匂い」
「待って、そんなに嗅がないでくださいっ、な、舐めないでっ……」
毎日のボディケアがこんなところで効果を発揮してしまっている。
愛犬ジャスティスにも舐められたことのないところに舌が這い、声が裏返って、本当に恥ずかしくて隠れたいのに許してくれない。
「ずっと我慢していたんです。妄想で、何回も眞知さんを抱いてました。現実で、もう、歯止めなんかききません。覚悟してください」
「ああっ、そんなところ、ダメですってば……っ」
本当に俺はタチとして、駄目な奴だったんだな。と、遠い記憶になりつつあるセックスの思い出が脳裏によぎった。恋人が準備もリードもしてくれて。お邪魔しますよって感じで挿入して、なんとなく気持ちよくなったり、中折れしたりと、ほんとうにつまらないセックスだったんだなって今ならわかる。
こんなにも、かき乱されて、吹き飛びそうなほどの恥ずかしいことをされて、それでもって、溶かされそうなくらい、熱い。これが、恋人とのセックスなんだ。
良かった。俺がタチやるなんて言わなくて。
とろとろに甘やかされて、蕩けさせられて、鶴さんの指が挿入ってくる。
「んっ……」
「苦しい?大丈夫ですか?」
「へん……な、感じ……っ」
「眞知さんの中、すごい温かくて、指だけで気持ちいいのがわかる。ここに入るの、僕が初めてなんて、本当……息止まりそう」
はぁはぁと、乱れた息を必死に整えている鶴さんの、大きくなったものがお尻に当たっている。
俺に、欲情してくれているんだ。それなら、頑張るしかない。
たとえ、お尻が爆発しても。
めちゃくちゃ本番が痛かったとしても。
鶴さんだったら、いいんじゃないかと。
やっと三本目の指を受け入れながら、そう思った。
ローションが追加されて。
ピリッとゴムの封を切る音がする。
四つん這いになって、待っている三十路のおっさんは、鶴さんの綺麗な瞳にはどう映っているのだろうか。
「やっぱやめます」とか、言われたりして。
「眞知さんっ……、僕、眞知さんのこと、一生大事にします……」
やめる宣言じゃなくて、プロポーズまがいなことを言われてしまった。
もう、年甲斐もなくときめいてしまい、覚悟が決まった。
「眞知さんの、初めて、もらいます」
「……うん、いいよ、きて……ください」
これでもかっていうくらい、俺の入り口は頑張った。
そこもイケメンな鶴さんのものがゆっくりと入り込んでくる。
痛いよりも、広がって苦しい感じがして。
息を止めて耐えていると、うなじにちゅっとキスされた。
「気持ちいいよ、眞知さんの中。もっと、奥に入らせて。ゆっくり息吐いて、そう、上手──」
「ふっ……あっ……」
耳に直接響くような、色気を含んだ声に、背筋がゾクゾクとする。
うなじや背中に唇を落とされるたびに、身体の緊張が緩んでいって、長い時間をかけて、やっと鶴さんとの距離がなくなった。
ぐずっと鼻をすする音がして。背中にポタポタ落ちると雫を感じた。
「鶴さん……泣いてます……?」
「は、はい……。幸せすぎて。死んでしまいそう。眞知さん、好きです、もう、どうしよう、僕……」
うつ伏せだから、抱きしめられないけど。
幸せと言って、泣きじゃくる、恋人を愛おしいと、そう思った。
「鶴さん、俺も……」
「ひっく……えっ……?」
「過去いち幸せ……かも……」
その言葉に、俺の中にいる鶴さんの質量が増した、気がした。
「眞知さんが、かわいすぎて……僕、もっとゆっくり、馴染ませた方がいいって、わかってます、わかってますけど……」
「……いいですよ、動いて」
「っ!!」
そっと動かされたものが、引いては最奥を狙って突き進む。
遠慮がちな動きは徐々に速度をはやめていく。
快楽とはまだ遠い、内臓が擦られるような感覚。
でも、荒くなっていく鶴さんの呼吸が心地よくて。
気持ちいい。
「眞知さんっ……」
グイッと腰を持ち上げられて、浮いた隙間から自分のものを手で包まれた。え?と思った瞬間に、先走りと共に刺激され、一気に熱を持つ。
抽挿と合わせてスライドして、目の前が真っ白になりかける。
「手、どけ……て、汚し……ちゃ……っ」
「いいよ、眞知さんっ……一緒に──」
「あああっ──」
白濁した自分の出したものが、鶴さんの手を汚して、シーツにも染みを作っていく。
「ご、ごめ……っ」
慌ててティッシュで拭き取り、身体を鶴さんの方へ向けると、ゆっくりと鶴さんが自分から抜けていって、その刺激でまたビクリと方を揺らしてしまった。
ゴムにも鶴さんの吐き出したものが溜まっていて。
俺でもイケたんだとホッと息を吐く。
鶴さんは無言でゴムを外し、流れるような動作で新しいゴムの封を切った。
「え?」
「眞知さん、いい?」
最中は顔を見れなかったから。初めて向き合った鶴さんは。
獲物を狙う肉食獣のような顔をして。
超絶美形のオーラを過度なまでにぶち上げて、色気だだ流しで俺に詰め寄った。
「待って、鶴さん、俺──」
「眞知さん、すごく可愛いし、気持ちいいし、一回じゃおさまらない。お願いっ……」
どうしよう。こんなセックス、初めてだ。
こんなに求められて、一回じゃ、終わらないなんて。
「今度は、正常位でしよう?」
その日、見事に俺は、後ろを開発されてしまった。
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