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破落戸どもから助けてくれた白い剣士様に思わず抱きついてしまいました
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長屋で顔つきの厳つい男達に捕まってしまった私はあっという間に後ろ手に縛られてしまった。
「ちょっと離しなさいよ……うぐ」
その上、私は猿ぐつわまでされてしまった。
ドンドンドンドン
外から扉が叩かれる。
「おい、開けろ!」
「姫様、大丈夫ですか?」
外から声がするが、私は口を塞がれて声がかけられなくなった。
「わんわんわんわん」
ころちゃんは男達に吠えてくれるが、男達は無視してくれた。
「おい、すぐにブルーノらを裏口に戻せ」
ベイルと呼ばれた男が、他の男に指示をだす。
男が一人裏口から出ていった。
私は男達に奥に連れて行こうとされた。
「あーあ」
サーヤを呼んでも声が出なかった。
その時だ。
ダーーーーン
ガッシャーン
大きな音とともに窓ガラスが割られた。
「姫様!」
騎士さんが顔を出すが、その騎士にベイルが斬りつけていた。
「ギャッ」
騎士さんが血を流しながら、後ろにひっくり返った。
その時だ。
ダンッ
大きな音がして、扉のちょうつがいが吹っ飛んでいた。
何らかの力を使って鍵をかけられた扉をこじ開けてくれたのだ。
扉が蹴破られて騎士さん達が入って来た。
「動くな。この王女がどうなっても良いのか?」
ベイルという男が私の首筋に剣を突きつけてくれた。
ヒィィィィ
私は刃物を突きつけられるのは初めてだ。
一瞬頭が真っ白になる。
中に入ってきた騎士さん達も思わず躊躇する。
「動くな」
ベイルは私に剣を突きつけながら、動こうとした騎士さん達に命じていた。
「何をする。貴様こそ王女殿下を離せ」
騎士さん達が言うが、
「何を言っている。退かないと王女を傷つけるぞ」
刃が私の首に少し食い込む。
ヒィィィィ
私は恐怖で顔がゆがんでいたと思う。
私に剣が突きつけられる場面なんて、想像だにしたことがなかったのだ。
騎士さん達の額に脂汗が流れるのが見えた。
「そこをどけ!」
ベイルが叫ぶ。
騎士さん達が少し下がる。
「もっとだ」
私を連れてベイルは一歩前に出た。
騎士達はやむを得ず扉の外に出た。
それに続いてベイルは私を連れて外に出た。
外では民衆が遠巻きにして見ている。
騎士さん達が私たちを囲んで抜剣している。
「ひ、姫様」
「動くな!」
サーヤが駆け寄ろうとしてベイルが叫んでいた。
「全員、この王女を殺されたくなかったら、剣を捨てろ」
「はああああ! 貴様こそ、完全に囲まれている。剣を捨てて投降しろ」
騎士さんが忠告した。
「この王女が死んでも良いのか!」
ベイルはにたりと笑って私の喉元に剣を突きつける。
私の首筋が少し暖かくなった。
刃が食い込んで血が流れ出したみたいだった。
「ひ、姫様! た、隊長、ここはこいつらの言うことを聞いた方が」
「し、しかし」
サーヤの言葉に騎士の隊長は躊躇してくれたみたいだったけれど、
「やむを得ん。皆、剣を捨てろ」
「しかし、隊長」
「さっさと剣を捨てろ」
隊長の強い言葉に騎士達が諦めて、ゆっくりと足下に剣を捨てるのが見えた。
「「「キャッ」」」
騎士達の後ろで悲鳴が上がる。
そちらを見ると人を突き飛ばすように馬車が突っ込んできたのだ。
「避けろ」
騎士さん達は慌ててその馬車を避けた。
「ヒヒーン」
2頭立ての馬車が私とベイル達の前に止まった。
「ベイル乗せろ」
御者台にいる男が叫んだ。
「キャッ」
ベイルが私を馬車の中に強引に中に入れる。
「よし、出すんだ。後は俺が引き受ける」
ベイルの声がした。
馬車の扉が閉められる。
中にいた男に私は抱きしめられていた。
私が暴れようとしたが、男の力が強くてどうしようもなかった。
馬車が動き出した。
騎士達が剣を構えるが、そこに、ベイルが剣を抜いて騎士達を斬っていく。
「姫様!」
サーヤの悲鳴が聞こえた。
でも、私が最後に見えたのは剣を抜いた白い衣装の剣士が何故かベイルを斬り結ぶ所だった。
あの剣士は誰なの?
子供の頃にみた白い騎士様みたいに見えたんだけど……
通行人達に悲鳴を上げさせながら馬車は高速で走る。
しかし、何かが後ろから駆けてくるのが見えた。
私が目をこらすと白馬に乗った白い剣士様だった。
その見た目は絵本で見たようにとても凜々しかった。
「何やつだ?」
馬車の御者が叫んでいるが、あっという間に追いついてきた剣士は御者の男を鞘をつけたままの剣で一瞬で突き落としていた。
「止まれ」
そして、剣士は馬に命じていたのだ。
何故か馬はその命令を聞いて止まってくれた。
「くっそう」
私を捕まえていた男は私に剣を突きつけて外に降りた。
「この女を殺されたくなかったら剣を捨てろ」
男は剣士に叫んでいた。
でも、凜々しい白い剣士様は悠々と馬から飛び降りて私たちの前に立ってくれた。
「聞こえねえのか? 剣を捨てないとこの女を殺すぞ」
男はヒステリックに叫んでくれた。
「ふん、雑魚が何か叫んだか」
次の瞬間何が起こったか私には判らなかった。
私を掴んでいた男が一瞬で後ろに吹っ飛んでいったのだ。
そして、支える者がいなくなった私はバランスを崩して倒れそうになった。
その私を白い剣士様が抱き留めてくれたのだ。
「大丈夫か?」
剣士様はそう聞いてくれた。
私が頷くと、剣士様は私を縛っていたロープを切ってくれて、猿ぐつわも外してくれた。
次の瞬間、私は何でそんな行動をしたか理解できなかった。
思いっきりその白い剣士様に抱きついていたのだ。
怖かったというのもあると思うが、その助けてくれた剣士様が何故かとても懐かしい人のように思えたのだった。
************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
王女は白馬の騎士に助けられました……
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
「ちょっと離しなさいよ……うぐ」
その上、私は猿ぐつわまでされてしまった。
ドンドンドンドン
外から扉が叩かれる。
「おい、開けろ!」
「姫様、大丈夫ですか?」
外から声がするが、私は口を塞がれて声がかけられなくなった。
「わんわんわんわん」
ころちゃんは男達に吠えてくれるが、男達は無視してくれた。
「おい、すぐにブルーノらを裏口に戻せ」
ベイルと呼ばれた男が、他の男に指示をだす。
男が一人裏口から出ていった。
私は男達に奥に連れて行こうとされた。
「あーあ」
サーヤを呼んでも声が出なかった。
その時だ。
ダーーーーン
ガッシャーン
大きな音とともに窓ガラスが割られた。
「姫様!」
騎士さんが顔を出すが、その騎士にベイルが斬りつけていた。
「ギャッ」
騎士さんが血を流しながら、後ろにひっくり返った。
その時だ。
ダンッ
大きな音がして、扉のちょうつがいが吹っ飛んでいた。
何らかの力を使って鍵をかけられた扉をこじ開けてくれたのだ。
扉が蹴破られて騎士さん達が入って来た。
「動くな。この王女がどうなっても良いのか?」
ベイルという男が私の首筋に剣を突きつけてくれた。
ヒィィィィ
私は刃物を突きつけられるのは初めてだ。
一瞬頭が真っ白になる。
中に入ってきた騎士さん達も思わず躊躇する。
「動くな」
ベイルは私に剣を突きつけながら、動こうとした騎士さん達に命じていた。
「何をする。貴様こそ王女殿下を離せ」
騎士さん達が言うが、
「何を言っている。退かないと王女を傷つけるぞ」
刃が私の首に少し食い込む。
ヒィィィィ
私は恐怖で顔がゆがんでいたと思う。
私に剣が突きつけられる場面なんて、想像だにしたことがなかったのだ。
騎士さん達の額に脂汗が流れるのが見えた。
「そこをどけ!」
ベイルが叫ぶ。
騎士さん達が少し下がる。
「もっとだ」
私を連れてベイルは一歩前に出た。
騎士達はやむを得ず扉の外に出た。
それに続いてベイルは私を連れて外に出た。
外では民衆が遠巻きにして見ている。
騎士さん達が私たちを囲んで抜剣している。
「ひ、姫様」
「動くな!」
サーヤが駆け寄ろうとしてベイルが叫んでいた。
「全員、この王女を殺されたくなかったら、剣を捨てろ」
「はああああ! 貴様こそ、完全に囲まれている。剣を捨てて投降しろ」
騎士さんが忠告した。
「この王女が死んでも良いのか!」
ベイルはにたりと笑って私の喉元に剣を突きつける。
私の首筋が少し暖かくなった。
刃が食い込んで血が流れ出したみたいだった。
「ひ、姫様! た、隊長、ここはこいつらの言うことを聞いた方が」
「し、しかし」
サーヤの言葉に騎士の隊長は躊躇してくれたみたいだったけれど、
「やむを得ん。皆、剣を捨てろ」
「しかし、隊長」
「さっさと剣を捨てろ」
隊長の強い言葉に騎士達が諦めて、ゆっくりと足下に剣を捨てるのが見えた。
「「「キャッ」」」
騎士達の後ろで悲鳴が上がる。
そちらを見ると人を突き飛ばすように馬車が突っ込んできたのだ。
「避けろ」
騎士さん達は慌ててその馬車を避けた。
「ヒヒーン」
2頭立ての馬車が私とベイル達の前に止まった。
「ベイル乗せろ」
御者台にいる男が叫んだ。
「キャッ」
ベイルが私を馬車の中に強引に中に入れる。
「よし、出すんだ。後は俺が引き受ける」
ベイルの声がした。
馬車の扉が閉められる。
中にいた男に私は抱きしめられていた。
私が暴れようとしたが、男の力が強くてどうしようもなかった。
馬車が動き出した。
騎士達が剣を構えるが、そこに、ベイルが剣を抜いて騎士達を斬っていく。
「姫様!」
サーヤの悲鳴が聞こえた。
でも、私が最後に見えたのは剣を抜いた白い衣装の剣士が何故かベイルを斬り結ぶ所だった。
あの剣士は誰なの?
子供の頃にみた白い騎士様みたいに見えたんだけど……
通行人達に悲鳴を上げさせながら馬車は高速で走る。
しかし、何かが後ろから駆けてくるのが見えた。
私が目をこらすと白馬に乗った白い剣士様だった。
その見た目は絵本で見たようにとても凜々しかった。
「何やつだ?」
馬車の御者が叫んでいるが、あっという間に追いついてきた剣士は御者の男を鞘をつけたままの剣で一瞬で突き落としていた。
「止まれ」
そして、剣士は馬に命じていたのだ。
何故か馬はその命令を聞いて止まってくれた。
「くっそう」
私を捕まえていた男は私に剣を突きつけて外に降りた。
「この女を殺されたくなかったら剣を捨てろ」
男は剣士に叫んでいた。
でも、凜々しい白い剣士様は悠々と馬から飛び降りて私たちの前に立ってくれた。
「聞こえねえのか? 剣を捨てないとこの女を殺すぞ」
男はヒステリックに叫んでくれた。
「ふん、雑魚が何か叫んだか」
次の瞬間何が起こったか私には判らなかった。
私を掴んでいた男が一瞬で後ろに吹っ飛んでいったのだ。
そして、支える者がいなくなった私はバランスを崩して倒れそうになった。
その私を白い剣士様が抱き留めてくれたのだ。
「大丈夫か?」
剣士様はそう聞いてくれた。
私が頷くと、剣士様は私を縛っていたロープを切ってくれて、猿ぐつわも外してくれた。
次の瞬間、私は何でそんな行動をしたか理解できなかった。
思いっきりその白い剣士様に抱きついていたのだ。
怖かったというのもあると思うが、その助けてくれた剣士様が何故かとても懐かしい人のように思えたのだった。
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