もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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ころちゃん視点 騎士団長に檻の中に入れられておいて行かれました

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 騎士団長はずんずん国王のところに歩いて行った。

「お前はここまてだで良い」
 そう言うと、騎士団長は部屋の入り口でレイから俺を受け取る。
 レイは気になるようだったが、そのまま帰って行った。
 こいつは脅しておいたけれど、脅しはきいているんやだろうか?
 口がきければ騎士団長に話すのに!
 まあ、レイのことは取りあえず後回しだ。
 俺は取りあえず、騎士団長と一緒に聞くことにした。

「非常事態だ。直ちに陛下に面談を」
 騎士団長は護衛している騎士に耳打ちした。
 近衞騎士は慌てて部屋の中に入っていった。
 すぐに騎士が帰ってきた。

「直ちに会われるそうです」
 俺はそのまま陛下のところに連れてた行かれたのだ。

「陛下、大変でございます!」
 騎士団長は国王のところにずんずん歩いて行ってくれたのだ。
「どうしたのだ?」
 国王が騎士団長に聞いていた。
「陛下人払いを」
 騎士団長が周りを見渡した。

「全員下がれ」
 侍従や侍女や騎士に国王が手を振った。
 中にいた者達は部屋を出て行く。
 全員が部屋を出ると

「その子犬がどうかしたのか? たしか、カーラの犬では無かったか? 前に宰相の反乱を予言する書き置きを残して出ていった使い魔だったか?」
 国王は俺を見て騎士団長に聞いていた。

「そうです。そして、今回その犬がこのような手紙を咥えてきたのです」
 騎士団長がベンヤミンの手紙を差し出した。
 国王は手紙を読んでいく。
 どんどん表情が険しくなっていった。
「なんだと! これは宰相の息子のベンヤミンからの手紙ではないか? 宰相が反乱を起こすから逃げろだと! 実の息子が密告してきたというのか?」
「はい。なんでも息子のベンヤミンの使い魔らしいガマガエルが持って来たようです」
「レーネンめ! 儂をノース帝国と組んで殺すというのか!」
 国王は手を握りしめていた。

「いかがなさいますか、陛下? まだ、帝国の兵士達はこちらには来ておりません。今ならば宰相邸を急襲すればなんとかなります」
 騎士団長が言い出してくれた。

「兵はどれくらいになる?」
 国王が質問した。
「今ならば王都と王宮の騎士や兵士を動員すれば500人にはなるかと」
「宰相邸は100人くらいか」
「いえ、色々探らせたところ300入るかと」
「500で行けるのか?」
「急襲すればなんとでもなります」
 騎士団長が主張した。
 まあ、それくらいの戦力が要ればなんとかなるだろうと俺は思った。
 宰相邸には騎士団長の言う通り300人くらいしか兵士達はいないはずだ。
 急襲して門を破ればなんとかなるだろう。

「そうじゃな。その方、やってくれるか?」
「御意。逆賊ヘルブラント・レーネンは必ず仕留めましょう」
 国王の問いに騎士団長は力強く頷いていた。

「では、直ちに集合させます」
「くれぐれも宰相には内密にな」
「そのために、前もって連絡方法を準備しておいたのです。お任せ下さい」
 騎士団長は俺を抱えて、廊下に出るなり、

「直ちに騎士達を集合させよ」
 近衞騎士達に伝えた。
「はっ」
 近衞騎士のうち一人が騎士の詰め所に駆けだした。
 そうしながら騎士団長は俺を連れて国王のところに戻る。

「陛下、この犬をお預けして宜しいですか?」
「カーラの犬なのだろう? カーラに預ければ良いのではないか」
 陛下が聞いていくれた。
 でも、それはまずい。もしカーラにまた一緒にお風呂に入れられたら、3日間は人間に戻れなくなる。それでは危急の時にカーラを助けられない。

「いえ、それでは逃げられてしまうと思います。今度は逃げられたら困りますから」
 騎士団長はガチャガチャと何をかを操作してくれた。
 これはなんだ? 鐵の柵みたいだったが……
 俺はカーラに預けられるのは出来たら避けたかったが、騎士団長の準備したものに不吉なものを感じたのだ。
 慌てて逃げようとしたが、騎士団長はがっちりと俺を捕まえてくれていた。

「おい、暴れるな」
「わんわん!」
 俺は逃げようとしたのだ。
 でも、逃れられなかった。

「この宰相の反乱が終われば、私自身でこの使い魔を調べたいと思いますから」
 そう言うと騎士団長は俺を鉄製の小さい檻の中に入れてくれたのだ。
「わんわんわんわん!」
 何をしやがる! 俺は吠え立てた。
 俺は思いっきり檻にぶつかったが、檻はびくともしなかった。
 いや、これはまずいだろう!

「うーーーー、わんわんわんわん!」
 俺は必死に吠えたが、騎士団長は無視してくれたのだ。
 ベイル達やカーラにも紐で繋がれたことはあったが、こんな狭い檻に入れられたのは初めてだった。
 俺は実験動物では無いんだぞ!
 というか、こんな檻の中では情報を調べることも出来なかった。サスウ帝国のフェルディナントの動向や先程の宰相の護衛隊長に裏切れと誘われていたレイがどうしたかもとでも気になっていたのだ。

「良いのか。私が預かっても?」
「騎士達に監視させて欲しいのです。陛下の部屋の前で番犬としておいて頂ければ宜しいかと」
 騎士団長が国王に答えてくれるが、

「わんわんわんわん!」
 いい加減にしろ! 貴様等俺はわざわざ情報を探り出してきてやったんだぞ!
 その恩人に対してこの扱いはなんなのだ!
 俺は必死に吠えたが、誰一人として檻から出してくれなかったのだ。
**************************************************
ここまで頑張ってきたころちゃん、檻に入れられてしまいました。
果たしてどうなる。
続きは明日です。
お楽しみに

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