皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
3 / 481
第一章 婚約破棄

転移するウィル

「どりゃー」

掛け声とともに空間から移転してきたウィリアムは全体重をのせてジャンヌに切りかかった。

「まだまだ」
ジャンヌは一瞬ではじき返す。

しかし、その力をそらしつつ更に切り結ぶ。

だが、ウィリアムはじりじりと押し返される。

腕に魔力を込めて強化するがジャンヌの力が勝っていた。

「おりゃー」

ジャンヌの掛け声と共にウィリアムは後ろの木立の中に叩きつけられていた。

「ホッホッホ。ウイリアムも力をつけてきましたが、まだまだですな」

傍で見ていた白髪の老人、魔導士顧問のジャルカは言った。

「でも姫様。おりゃーはちょっといけませんな。お妃さまが聞かれたら何と言われるか」

「ジャルカ爺。お母様に言うのだけは勘弁してくれ」

ジャンヌは苦笑いして言った。

「説教部屋に入れられたら出してもらえなくなるからな」

「今頃はクリス様も苦労していらっしゃるでしょうな」

「うーん、クリスか。クリスには悪い事したかな」
天真爛漫なクリス。

「王妃のお気に入りとはいえあの礼儀作法講座には苦労しているだろうな」

思わず遠くを見たジャンヌの前に

「隙あり!」

瞬間移動でウイリアムが切りかかってきた。

間一髪で剣で防ぐ。

「おのれウィル。卑怯だぞ」
ジャンヌの目が赤く光った。

「えっ。ジャンヌ様ちょっと。あれええええ」

ウィリアムは地面に吸い込まれるように消えた。

「えっ。ジャルカ爺。これはどうした事か」

ジャンヌは慌てた。

「どうした事と聞かれても、姫様は何をされたのですか?」

「何をしたも。今からやろうとした時にウィリアムの奴勝手に消えてしまったぞ。」

「うーん、しかし、あやつめは自分の意志ではなくて飛ばされたように見えましたが、

姫様は何をされたのです。」

ジャルカはジト目で見た。

「だから何もしていないって」

慌ててジャンヌは手を振る。

「変ですな。」

ジャルカは首をかしげる

「どっちの方に飛んで行った?」

「この向きですと王都の方ですな」

ジャルカは魔力の流れを辿る。

「王都って500キロはあるぞ。」

驚いてジャンヌは言った。

魔力の多いジャンヌと言えども一度で王都まで行くのはなかなか厳しい。

「そういえばウイリアムはクリス様に騎士の誓いをしましたな」

「ああ、姉を泣かせるやつは許さないと」

「ではクリス様に呼ばれたのではないかと」

「クリスに呼ばれた?」
ジャンヌは胡散臭そうに、ジャルカを見る。

「ジャルカ爺。何をしたんだ。」

「いやいや、ウィリアムの心意気にあまりにも感動しましてな。

確か、クリス様が泣かれたら転移するように騎士の誓いの魔法をかけましたのじゃ」

「・・・・・」

ジャンヌは何も返せなかった。

じゃあ地球の反対側でクリスが泣いたら地殻を通り越してウィリアムは転移するんだろうかと

今度試してみたいと思わず思ってしまったことは二人には言えないが…
感想 93

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたショックで前世の記憶を取り戻して料理人になったら、王太子殿下に溺愛されました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 シンクレア伯爵家の令嬢ナウシカは両親を失い、伯爵家の相続人となっていた。伯爵家は莫大な資産となる聖銀鉱山を所有していたが、それを狙ってグレイ男爵父娘が罠を仕掛けた。ナウシカの婚約者ソルトーン侯爵家令息エーミールを籠絡して婚約破棄させ、そのショックで死んだように見せかけて領地と鉱山を奪おうとしたのだ。死にかけたナウシカだが奇跡的に助かったうえに、転生前の記憶まで取り戻したのだった。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜

影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。 けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。 そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。 ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。 ※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。

王命により、婚約破棄されました。

緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい

歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、 裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会 ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った 全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。 辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。

婚約破棄される前に、帰らせていただきます!

パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。 普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。