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第一章 婚約破棄
皇太子の思惑
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「はくしゅっん」
高級ブティックの試着室でエドは盛大なくしゃみをした。
「お風邪ですか。」
出来たばかりの衣装を喜んで試着していたマティルダは心配して聞いた。
ピンクの髪にエドの青い髪の色を模した紺色のドレス。
赤青の信号みたいだなとエドの取り巻きの一人、財務卿の嫡男ゼーノス・モワットは思った。
「いや、別にたいしたことは無い。大方どこかの誰かが噂しているのだろう」
平然としてエドは言った。
「それなら良いんですが。」
キャピキャピしたマティルダは言う。
「アーカンソー様いかがですか」
王都の高級ブティックの店の女主人はお伺いを立てた。
「何か本当にキラキラしてきれいです。」
ふんだんに宝石をちりばめたそれは周りにはまぶしすぎた。
「王太子殿下。こちらで宜しいですか」
「そうだな。よく作ってくれた」
エドは礼を言う。
「王太子殿下の大切な方だとお伺いしていますので店のよりをかけてお作りました。
もしよろしければ今後ともごひいきにしてください。」
礼をして服を脱がす為に隣の控室に移動していく。
「でも、ミハイル嬢の事は宜しかったのですか?」
モワットは聞いた。
「私は皇太子だ。
私の横に立つのはこれからは庶民感覚の判るものでないとな。クリスは余りにもお高くとまっている」
エドは言い切った。
「王妃様はお許しになりますか?」
「母上には今回のテストの点数でも散々言われたさ。そこまで言うなら母上が受けられたら宜しかろうと言うと黙られたが」
王子の反抗期と思って黙られたのだろうか。それにしては点数が低すぎると思わないではなかったが。
モワットは一人心の中で思った。
まあ順位は学年の年半分くらいだったが。
「母としても大国のドラフォードの息子に負けたのが悔しいのだろう。もっともあいつは私より3っつも上だ。勝てなくて当然だろう。なんでこの学園に留学してきたか判らんが」
「殿下の幼馴染ではないのですか。昔こちらにいらっしゃられたことがあるのでしょう」
「小さいころだ。姉上とよくケンカしていたのを覚えている」
「王女様には宜しいのてすか。」
マーク・フリップ フリップ官房官男爵の長男が聞く。
「姉上はこの3年間北方勤務だ。なんでもノルディン帝国の皇太子とうまくやっていると聞く。
いずれは嫁入りする身。いつまでも私のことなどかまっていないというか私の婚約者は私が選ぶ」
「もはや王女殿下の国軍への影響力も弱まりつつあります。」
近衛師団長の三男のジェームス・ギルティが言った。
「まあいくら暴風王女とか言われてももうじき嫁入りされるお方ですから」
「叔父上はお前の好きにすればいいと言われたのだ。問題あるまい。」
笑ってエドは言った。
「王弟殿下のお墨付きがあれば問題ありませんね」
笑いながらモワットは別の事を考えていたのだが、王子は気づかなかった。
王弟殿下は別名たぬきおやじ。本心は何を考えているか判らない。
あわよくば王位継承を狙っているという噂もあった。
そのたぬきと暴風王女。どちらが強いだろうかと。
もし激突したら一瞬でたぬき親父は弾き飛ばされる。
だからそうなったら知らぬ存ぜぬを貫くだろう。
そして巻き込まれたら・・・・
もうその先は考えたくなかった。
高級ブティックの試着室でエドは盛大なくしゃみをした。
「お風邪ですか。」
出来たばかりの衣装を喜んで試着していたマティルダは心配して聞いた。
ピンクの髪にエドの青い髪の色を模した紺色のドレス。
赤青の信号みたいだなとエドの取り巻きの一人、財務卿の嫡男ゼーノス・モワットは思った。
「いや、別にたいしたことは無い。大方どこかの誰かが噂しているのだろう」
平然としてエドは言った。
「それなら良いんですが。」
キャピキャピしたマティルダは言う。
「アーカンソー様いかがですか」
王都の高級ブティックの店の女主人はお伺いを立てた。
「何か本当にキラキラしてきれいです。」
ふんだんに宝石をちりばめたそれは周りにはまぶしすぎた。
「王太子殿下。こちらで宜しいですか」
「そうだな。よく作ってくれた」
エドは礼を言う。
「王太子殿下の大切な方だとお伺いしていますので店のよりをかけてお作りました。
もしよろしければ今後ともごひいきにしてください。」
礼をして服を脱がす為に隣の控室に移動していく。
「でも、ミハイル嬢の事は宜しかったのですか?」
モワットは聞いた。
「私は皇太子だ。
私の横に立つのはこれからは庶民感覚の判るものでないとな。クリスは余りにもお高くとまっている」
エドは言い切った。
「王妃様はお許しになりますか?」
「母上には今回のテストの点数でも散々言われたさ。そこまで言うなら母上が受けられたら宜しかろうと言うと黙られたが」
王子の反抗期と思って黙られたのだろうか。それにしては点数が低すぎると思わないではなかったが。
モワットは一人心の中で思った。
まあ順位は学年の年半分くらいだったが。
「母としても大国のドラフォードの息子に負けたのが悔しいのだろう。もっともあいつは私より3っつも上だ。勝てなくて当然だろう。なんでこの学園に留学してきたか判らんが」
「殿下の幼馴染ではないのですか。昔こちらにいらっしゃられたことがあるのでしょう」
「小さいころだ。姉上とよくケンカしていたのを覚えている」
「王女様には宜しいのてすか。」
マーク・フリップ フリップ官房官男爵の長男が聞く。
「姉上はこの3年間北方勤務だ。なんでもノルディン帝国の皇太子とうまくやっていると聞く。
いずれは嫁入りする身。いつまでも私のことなどかまっていないというか私の婚約者は私が選ぶ」
「もはや王女殿下の国軍への影響力も弱まりつつあります。」
近衛師団長の三男のジェームス・ギルティが言った。
「まあいくら暴風王女とか言われてももうじき嫁入りされるお方ですから」
「叔父上はお前の好きにすればいいと言われたのだ。問題あるまい。」
笑ってエドは言った。
「王弟殿下のお墨付きがあれば問題ありませんね」
笑いながらモワットは別の事を考えていたのだが、王子は気づかなかった。
王弟殿下は別名たぬきおやじ。本心は何を考えているか判らない。
あわよくば王位継承を狙っているという噂もあった。
そのたぬきと暴風王女。どちらが強いだろうかと。
もし激突したら一瞬でたぬき親父は弾き飛ばされる。
だからそうなったら知らぬ存ぜぬを貫くだろう。
そして巻き込まれたら・・・・
もうその先は考えたくなかった。
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