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癒やし魔法を使って聖女になるはずが、地味ダサ女が聖女になってしまいました
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「喰らえ!」
襲って来たムーンウルフをズバッと王子様が剣で斬り下げる。
ムーンウルフは一瞬で斬り飛ばされた。
しかし、ムーンウルフの群れが次から次に襲ってきた。
王子様らはそれを次々に斬り倒していった。
「おいっ、何でこんなところにムーンウルフの群れがいるんだよ。騎士たちがチェックしたんじゃないのかよ」
「とりあえずやるしかあるまい」
王子様らが叫ぶ。
「俺等5人で大半はなんとかする。漏れた分は頼むぞ」
王子様達は前に突っ込んでいった。
「えっ、そんな」
二年生の男たちが慌てる。
騎士志望のアハティとヨーナスは剣を抜いた。
でも、二年生の男たちは無理だ。
前の殿下たちから討ち漏らしたムーンウルフが向かってくるが、側面にいた二年生は騎士志望では無かったはずだ。
でも、こんな奴らのために私のとっておきの魔法を見せる訳にはいかない。私は地味ダサ女に任せることにしたのだ。
アハティが剣でムーンウルフの牙を受ける、がその剣をムーンウルフが咥えたのだ。
「えっ?」
アハティの動きが止まった。
「燃えろ!」
横から地味ダサ女が火魔法で対処していた。
そうそう、護衛は頑張って働くのだ。
前からムーンウルフがいなくなった。
でも、変だ。
まだでかいムーンウルフがいるはずだ。
私は周りを見たのだ。
その時だ。
向こうから更に大きな巨体ムーンウルフがこちらに走ってきたのだ。
来た! こいつだ。
「ニーナ危ない!」
私の前に出たアハティは一瞬で巨大ムーンウルフの手で弾き飛ばされた。
一目散にムーンウルフは私に向かって駆けてきたのだ。
ムーンウルフはヒロインの私ではなくて、地味ダサ女目指してくるんだけど。
絶対におかしい。
私は大声で叫びたかった。
「燃えよ」
地味ダサ女が炎の魔法を浴びせたが、狼がそれをかいくぐってきたのだ。
「ニーナ!」
遠くから王子様の声が聞こえたる
そして、いきなり地面から巨大ゴーレムが現れて一瞬で巨大ムーンウルフを突き上げていたのだ。
ムーンウルフの体にゴーレムのパンチがめり込み、巨大ムーンウルフは血を吐いて吹っ飛んでいった。
そして、この時が来たのだ。
ヒロインではない地味ダサ女を目指した巨大狼に対しても、その地味ダサ女を助けようとした王子様に対しても、私は切れていたが、でも、ここで私が聖女になるのだ。
「ヴィル!」
アクセリの悲鳴が聞こえた。
私はムーンウルフに襲われた王子様が倒れるのが目に入った。
そのムーンウルフはアクセリ様に退治されていたが、そこには血まみれで息絶え絶えの王子様がいたのだ。
私は慌てて王子様に駆け寄ろうとした。
でも、私の前を地味ダサ女がかけていったのだ。
「ウィル様!」
そして、邪魔なことにその王子様を地味ダサ女が抱えているんだけど。
「ニーナ、良かった」
息絶え絶えに王子様が言ってくれたんだけど……
「ヒール」
私は小さな声で癒やし魔術を使おうとした。
「あれ?」
出来ない! 何故だ?
「ヒール」
私はもう一度やろうとした。でも出来ないのだ。
何故だ。私はヒロインのはずだ。
このままでは私の王子様が死んでしまう。
私が焦りに焦った時だ。
「痛いの痛いの飛んでいけ!」
地味ダサ女がとんでもない詠唱をしてくれたのだ。
なんだ、そのダサい詠唱は?
日本にいた頃の幼い子供にいうおまじないじゃないか!
私は完全に地味ダサ女の行動を馬鹿にしたのだ。
しかしだ!
なんと地味ダサ女の体が金色に光ったのだ。
えっ?
私は唖然とした。
そして、大きな金の光が地味ダサ女の手から伸びて王子様を包んでいたのだ。
瞬く間に王子様の体の傷は塞がったのだ。
嘘! なんで地味ダサ女がヒールを使えるの?
そんなのおかしい! 絶対に変だ!
「私が私がヒロインなのよ!」
でも、私のつぶやきは誰ひとり聞いていなかったのだ。
*************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
下にリンクも張っています
襲って来たムーンウルフをズバッと王子様が剣で斬り下げる。
ムーンウルフは一瞬で斬り飛ばされた。
しかし、ムーンウルフの群れが次から次に襲ってきた。
王子様らはそれを次々に斬り倒していった。
「おいっ、何でこんなところにムーンウルフの群れがいるんだよ。騎士たちがチェックしたんじゃないのかよ」
「とりあえずやるしかあるまい」
王子様らが叫ぶ。
「俺等5人で大半はなんとかする。漏れた分は頼むぞ」
王子様達は前に突っ込んでいった。
「えっ、そんな」
二年生の男たちが慌てる。
騎士志望のアハティとヨーナスは剣を抜いた。
でも、二年生の男たちは無理だ。
前の殿下たちから討ち漏らしたムーンウルフが向かってくるが、側面にいた二年生は騎士志望では無かったはずだ。
でも、こんな奴らのために私のとっておきの魔法を見せる訳にはいかない。私は地味ダサ女に任せることにしたのだ。
アハティが剣でムーンウルフの牙を受ける、がその剣をムーンウルフが咥えたのだ。
「えっ?」
アハティの動きが止まった。
「燃えろ!」
横から地味ダサ女が火魔法で対処していた。
そうそう、護衛は頑張って働くのだ。
前からムーンウルフがいなくなった。
でも、変だ。
まだでかいムーンウルフがいるはずだ。
私は周りを見たのだ。
その時だ。
向こうから更に大きな巨体ムーンウルフがこちらに走ってきたのだ。
来た! こいつだ。
「ニーナ危ない!」
私の前に出たアハティは一瞬で巨大ムーンウルフの手で弾き飛ばされた。
一目散にムーンウルフは私に向かって駆けてきたのだ。
ムーンウルフはヒロインの私ではなくて、地味ダサ女目指してくるんだけど。
絶対におかしい。
私は大声で叫びたかった。
「燃えよ」
地味ダサ女が炎の魔法を浴びせたが、狼がそれをかいくぐってきたのだ。
「ニーナ!」
遠くから王子様の声が聞こえたる
そして、いきなり地面から巨大ゴーレムが現れて一瞬で巨大ムーンウルフを突き上げていたのだ。
ムーンウルフの体にゴーレムのパンチがめり込み、巨大ムーンウルフは血を吐いて吹っ飛んでいった。
そして、この時が来たのだ。
ヒロインではない地味ダサ女を目指した巨大狼に対しても、その地味ダサ女を助けようとした王子様に対しても、私は切れていたが、でも、ここで私が聖女になるのだ。
「ヴィル!」
アクセリの悲鳴が聞こえた。
私はムーンウルフに襲われた王子様が倒れるのが目に入った。
そのムーンウルフはアクセリ様に退治されていたが、そこには血まみれで息絶え絶えの王子様がいたのだ。
私は慌てて王子様に駆け寄ろうとした。
でも、私の前を地味ダサ女がかけていったのだ。
「ウィル様!」
そして、邪魔なことにその王子様を地味ダサ女が抱えているんだけど。
「ニーナ、良かった」
息絶え絶えに王子様が言ってくれたんだけど……
「ヒール」
私は小さな声で癒やし魔術を使おうとした。
「あれ?」
出来ない! 何故だ?
「ヒール」
私はもう一度やろうとした。でも出来ないのだ。
何故だ。私はヒロインのはずだ。
このままでは私の王子様が死んでしまう。
私が焦りに焦った時だ。
「痛いの痛いの飛んでいけ!」
地味ダサ女がとんでもない詠唱をしてくれたのだ。
なんだ、そのダサい詠唱は?
日本にいた頃の幼い子供にいうおまじないじゃないか!
私は完全に地味ダサ女の行動を馬鹿にしたのだ。
しかしだ!
なんと地味ダサ女の体が金色に光ったのだ。
えっ?
私は唖然とした。
そして、大きな金の光が地味ダサ女の手から伸びて王子様を包んでいたのだ。
瞬く間に王子様の体の傷は塞がったのだ。
嘘! なんで地味ダサ女がヒールを使えるの?
そんなのおかしい! 絶対に変だ!
「私が私がヒロインなのよ!」
でも、私のつぶやきは誰ひとり聞いていなかったのだ。
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ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
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応援ありがとうございます!
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