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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
聖女を虐めたと大司教と聖女と王妃から虐められました
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部屋には王妃様と、ゴテゴテした飾りをたくさんつけたお年寄り、恐らく大司教様だ。それとピンク頭の聖女が椅子に腰掛けていてその後ろに女官長の娘が立っている。その前には王妃様が座っていた。
私は席も勧められずにそのまま立たされたのだ。まあ、モブにさえなれなかった平民だから良いのだけど。でも何故こうなっているのかは良くは判らなかった。
「この娘が聖女様を虐めていたと申すのか」
王妃様が前の二人に聞く。
「はい。そうなんです。私、この子に、国から頂いた教科書とか、ノートとか隠されて大変だったのです」
「そうなのか。小娘」
王妃様は私に小娘呼ばわりだった。
「いいえ、そのような事実はありません」
私が言うが、皆聞く耳持たずだ。
「この小娘は私が王太子殿下と親しくさせていただいているのに、嫉妬したのです」
「そうです。聖女様が王太子殿下に近づくのが許さないと色々と王太子殿下に有る事無い事告げ口して聖女様の悪評を広めているのです」
私はあまりのことに唖然とした。
いや、それしているのはお前だろうと私は言いたかった。
「それだけに飽き足らずに、人を使って私の教科書破いたり、池に捨てたりしてくれるのです」
「なのに、自分が虐められているかのように、自分の教科書を破いたり、筆入れを壊したりして、虐められていると周りにはアピールしているのです」
「殿下もそれを信じられて私の言うことなど聞いてもいただけないのです」
ええええ、それ全部自分のことじゃないか。良くそう言うことを言う。
「な、何を言っているの。全部あなたがしてたことじゃない」
私は必死に反論した。
「ほら、こう言って嘘をつくのです」
「嘘はついてはおりません」
私は泣きそうになった。
「こう言って嘘泣きを始めるのです」
「本当に、こういった事にはたけた女で」
「いかにもずる賢そうな顔をしておりますな」
大司教が私を見て言う。えっ、いきなり教会のトップからこのようなお言葉をいただくとは思っていなかった。私は唖然とした。
私の言葉は誰ひとり聞いてくれない。何この状況。王妃様の前での断罪。
「私も平民の女が王太子の傍をうろつくのは感心しなかったのですが、そのようないじめまでしていたとは」
呆れて王妃様がおっしゃられる。いや、していないと言いたかったが、この状況では誰も信用してくれそうもなかった。
「それに、あろうことか、この女一味は、殿下にいたずらして魔術で目に隈を作らせたのです。それを聖女様に治させようとしたのです。魔術でのマークなど聖女様の力ではもとに戻るものではございません。そうして聖女様の力がないと宣伝せしめたのですぞ。この事は教会としても看過できませぬ」
「そうなのです。あれほど恥ずかしい思いをしたことはありません。皆に偽聖女と蔑まれたのです」
大司教と聖女が言った。
ええええ! あのイングリッドのしたいたずらのこと? あれはアンとしてもイングリッドがやりすぎたと思った。でも、それが判らなかった聖女も聖女だと思ったのは事実だ。
「なんと殿下にまでそのような悪戯をするなどこれは不敬ではありませんか」
「聖女様の力を不当に貶めることなど許されることでしょうか」
女官長とその娘が言い募る。
「我々教会としても見過ごすわけには参りません。王妃様。何卒王妃様のお力で、なんとかして頂けませんか」
大司教様までが冷たい目で私を見てくる。
「そこの小娘、何か言開きできますか」
王妃様が私を睨んできた。
ええええ、何この断罪。たしかにイングリッドがしたいたずらは事実だが、そんな大げさにするものでもないでしょう。聖女に対しては何もしていないけれど、王太子に対するいたずらしたのもイングリッドだけど、イングリッドに迷惑をかけることは出来ない。
でも、これって、結構問題になっているけど、私って罰せられるのだろうか?
私が不安に思ったとこだ。
外が騒がしくなった。
「お、お待ち下さい」
騎士たちの叫び声がした。
ドカーン
次の瞬間王妃様の部屋の扉が吹っ飛んだのだった。
私は席も勧められずにそのまま立たされたのだ。まあ、モブにさえなれなかった平民だから良いのだけど。でも何故こうなっているのかは良くは判らなかった。
「この娘が聖女様を虐めていたと申すのか」
王妃様が前の二人に聞く。
「はい。そうなんです。私、この子に、国から頂いた教科書とか、ノートとか隠されて大変だったのです」
「そうなのか。小娘」
王妃様は私に小娘呼ばわりだった。
「いいえ、そのような事実はありません」
私が言うが、皆聞く耳持たずだ。
「この小娘は私が王太子殿下と親しくさせていただいているのに、嫉妬したのです」
「そうです。聖女様が王太子殿下に近づくのが許さないと色々と王太子殿下に有る事無い事告げ口して聖女様の悪評を広めているのです」
私はあまりのことに唖然とした。
いや、それしているのはお前だろうと私は言いたかった。
「それだけに飽き足らずに、人を使って私の教科書破いたり、池に捨てたりしてくれるのです」
「なのに、自分が虐められているかのように、自分の教科書を破いたり、筆入れを壊したりして、虐められていると周りにはアピールしているのです」
「殿下もそれを信じられて私の言うことなど聞いてもいただけないのです」
ええええ、それ全部自分のことじゃないか。良くそう言うことを言う。
「な、何を言っているの。全部あなたがしてたことじゃない」
私は必死に反論した。
「ほら、こう言って嘘をつくのです」
「嘘はついてはおりません」
私は泣きそうになった。
「こう言って嘘泣きを始めるのです」
「本当に、こういった事にはたけた女で」
「いかにもずる賢そうな顔をしておりますな」
大司教が私を見て言う。えっ、いきなり教会のトップからこのようなお言葉をいただくとは思っていなかった。私は唖然とした。
私の言葉は誰ひとり聞いてくれない。何この状況。王妃様の前での断罪。
「私も平民の女が王太子の傍をうろつくのは感心しなかったのですが、そのようないじめまでしていたとは」
呆れて王妃様がおっしゃられる。いや、していないと言いたかったが、この状況では誰も信用してくれそうもなかった。
「それに、あろうことか、この女一味は、殿下にいたずらして魔術で目に隈を作らせたのです。それを聖女様に治させようとしたのです。魔術でのマークなど聖女様の力ではもとに戻るものではございません。そうして聖女様の力がないと宣伝せしめたのですぞ。この事は教会としても看過できませぬ」
「そうなのです。あれほど恥ずかしい思いをしたことはありません。皆に偽聖女と蔑まれたのです」
大司教と聖女が言った。
ええええ! あのイングリッドのしたいたずらのこと? あれはアンとしてもイングリッドがやりすぎたと思った。でも、それが判らなかった聖女も聖女だと思ったのは事実だ。
「なんと殿下にまでそのような悪戯をするなどこれは不敬ではありませんか」
「聖女様の力を不当に貶めることなど許されることでしょうか」
女官長とその娘が言い募る。
「我々教会としても見過ごすわけには参りません。王妃様。何卒王妃様のお力で、なんとかして頂けませんか」
大司教様までが冷たい目で私を見てくる。
「そこの小娘、何か言開きできますか」
王妃様が私を睨んできた。
ええええ、何この断罪。たしかにイングリッドがしたいたずらは事実だが、そんな大げさにするものでもないでしょう。聖女に対しては何もしていないけれど、王太子に対するいたずらしたのもイングリッドだけど、イングリッドに迷惑をかけることは出来ない。
でも、これって、結構問題になっているけど、私って罰せられるのだろうか?
私が不安に思ったとこだ。
外が騒がしくなった。
「お、お待ち下さい」
騎士たちの叫び声がした。
ドカーン
次の瞬間王妃様の部屋の扉が吹っ飛んだのだった。
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