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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
エピローグ 王太子とサマーパーティーで踊りました
そして、1学期がなんとか終わった。
成績が発表さて、私は10番目だった。暗記科目は結構いけたのだが、理系科目と礼儀作法が少し厳しかった。それでこの成績だからがんばったと思う。
トップはフィル様だ。2番目がエルダ。私はB組の秀才にも負けてしまった。聖女は下から数えたほうが早かった。
まあ、10番なら合格圏だろう。
あれからスカンディーナからの動きはなかった。オースティン王国からの抗議は無視されてたのだ。その不気味な沈黙が何を意味するのかは不明だ。
そして、私がスカンディーナの元王女だということは公然の秘密になってしまった。フィル様と一緒にいるのも誰も何も言わなくなった。
「良かったですね。アン様」
ドーソンとかは言葉まで変えてくるんだけど、止めてほしい。私は今は平民なのだから。
私を目の敵にしていた王妃様も今は沈黙している。フィル様の抗議行動に相当参ったみたいだ。私の母の友人だったのに、その娘を虐げたと、裏切り者みたいな感じで皆からは見られていて、それもショックだったのかもしれない。
スカンディーナとの争いの種を作らないために、婚約は解消するとかいう話だったが、スカンディーナの勝手な襲撃にさすがの温厚な国王陛下も切れてしまったみたいだ。結局、私とフィル様の婚約もそのままだということになったみたいだ。
私としては今は平民だからと断りたかったのだが、フィル様が許してくれなかった。
そして、周りも、エルダとイングリッドとクリスティーン様がうちの養女になれと3人で言い募ってきていて、私としてもどうして良いか判らなかった。
貴族たちもスカンディーナが学園を襲撃してきたことに怒っており、私は国民にも好意的に見られているみたいだ。
でも、一部の貴族や国民はスカンディーナとの仲を心配していて、私をフィル様の婚約者にしておくのに反対してはいるが。
何故か、巷では私や母を主人公にした演劇が作られて流行っているそうだ。
本も何冊も出版されていみたいで、貧しい暮らしをしていた元王女が王太子に助けられて隣国の鬼摂政を撃退したと国民の人気はうなぎ登りなのだとか。
うーん、悪役令嬢が何故かヒロインになっているんだけど。何でだろう?
ちなみに本の中では悪役令嬢の位置に聖女がいるんだけど。元王女を聖女が虐めまくっているのだ。まあ事実だけど・・・・なんかゲームと全く違ってしまったんだけど・・・・。教会が本の出版元に抗議したそうだけど、事実は曲げられないと拒否されたという噂まで流れていて、悪役聖女というニックネームで呼ばれているとか。
まあ、自業自得だとは思うけど、教会の権威が落ちてしまって大変だとか。フィル様とかはいい気味だって言っているんだけど。
隣国の動きも気にはなる。本では兄に嫉妬した現女王と王妃に懸想した摂政が組んで叛逆をしたことになっていた。私は可愛そうな元王女なのだ。とある本によるとその王女をフィル様が援助して政権を奪還するというのまであるのだ。それは、争いの種になるので止めてほしい。多くの人が死ぬ戦争は誰も求めていないだろう。
それにブルーノは強大な魔術師だ。私がブルーノに対抗できたのはたまたまだし、ブルーノも本気ではなかったように思う。今度やったら勝てる保証はないので、必死に今はガーブリエル様にしごいてもらっている毎日だ。
そして、今日は一学期最後のサマーパーティーだ。
私は母に作ってもらった青に金の飾りの付いたドレスを着ていた。
それを見てエルダとイングリッドが意味深に頷き合っているんだけど、何でだろう? そんなに変かな?
二人に聞いても
「まあ、アンは知らないほうがいいんじゃない」
と訳の判らない回答が返ってきて私は混乱した。
そんなこんな事を会場でエルダらと話していると、音楽が奏でられ始めた。
ダンスの時間になったのだ。女性陣の所に男性陣がやってくる。
向こうからフィル様がこちらに向いて歩いてこられた。フィル様はグレーのスーツに赤のネクタイをつけていた。
私はエルダとイングリッドにフィル様の方に押し出されていた。
ええええ! 私はダンスはまだとても苦手なんだけど・・・・
フィル様は、私の前に来ると
「末尾がeのアン、私と一緒に踊っていただけますか」
と手を差し出されたのだ。
「私でお宜しければ」
私はやむを得ず、そう言うとフィル様に手を差し出した。
皆の見ている前で、踊るのは緊張するのだ。そんなに上手くないし・・・・。
でも、フィル様とダンス踊るのは嬉しかった。ステップを間違わないように気にしながら踊るのは大変だったけど。ゲームの時はヒロインとしてフィル様と踊っていたのだ。今は悪役令嬢だけど、何故かヒロイン役になっていた。
でも、フィル様が近いし、手をしっかり握られるのは恥ずかしい。
「アン、めちゃくちゃ上手くなったじゃないか」
「フィル様の教え方が上手かったからよ」
私が言うと
「そんなことないよ。アンのセンスが良かったからだよ」
フィル様が笑って言う。うーん、でも、なんかフィル様が近い気がするんだけど。腰の手も引き付けられているようだし。
「でも、良かった。アンが見つかって。婚約者のアンとこうして踊るのが俺の昔からの夢だったから」
私は微笑んで誤魔化した。
フィル様はそう言うけれど、私はもう王族ではない。平民のアンなのだ。いつまでもフィル様の横にいて良いはずはないと思うのだけど。
「アン、もう絶対に逃さないから」
私の考えを読んだようにフィル様は腰の手でぎゅっと私を抱きしめていた。
「フィ、フィル様!」
ええええ! ここで抱きしめちゃだめ。
私は足をもつれさせそうになったが、フィル様が上手い事リードしてくれて何とか転けなかったけれど・・・・。
なんとか一曲、フィル様と踊りきって私ほっとした。少し休もう。フィル様の周りにはいろんな令嬢が期待に満ちた目で、踊りたそうにしている。
私がフィル様から離れようとした時だ。
「じゃあ二曲目もお願い」
そうフィル様が言うと踊りだしたのだ。
「えっ、でも、フィル様、2曲同じ子と踊るのはよくないのでは」
私が授業で習ったことを言うと、
「何言っているんだ。君は僕の婚約者だ。何曲踊ってもいいさ」
「でも、折角の機会だから他の人とも踊られたほうが」
「アンも他の男と踊りたいというの?」
なんかフィル様が怒り出したんだけど、そう言うことではないのに。
「えっ、いや、そんな事は」
「ふんっ、そんな事は絶対に許さないから」
私が否定したのに、フィル様は許してくれなかった。
結局、そのパーティーの間中、フィル様は私を離してくれなかった。
皆からは呆れられていたと思う。
ルンド先生の視線も生温かかったし。
そして、王太子殿下もパーティーの間中独占するほど、亡国の王女を溺愛していると更に噂が流れたのだった。
おしまい
成績が発表さて、私は10番目だった。暗記科目は結構いけたのだが、理系科目と礼儀作法が少し厳しかった。それでこの成績だからがんばったと思う。
トップはフィル様だ。2番目がエルダ。私はB組の秀才にも負けてしまった。聖女は下から数えたほうが早かった。
まあ、10番なら合格圏だろう。
あれからスカンディーナからの動きはなかった。オースティン王国からの抗議は無視されてたのだ。その不気味な沈黙が何を意味するのかは不明だ。
そして、私がスカンディーナの元王女だということは公然の秘密になってしまった。フィル様と一緒にいるのも誰も何も言わなくなった。
「良かったですね。アン様」
ドーソンとかは言葉まで変えてくるんだけど、止めてほしい。私は今は平民なのだから。
私を目の敵にしていた王妃様も今は沈黙している。フィル様の抗議行動に相当参ったみたいだ。私の母の友人だったのに、その娘を虐げたと、裏切り者みたいな感じで皆からは見られていて、それもショックだったのかもしれない。
スカンディーナとの争いの種を作らないために、婚約は解消するとかいう話だったが、スカンディーナの勝手な襲撃にさすがの温厚な国王陛下も切れてしまったみたいだ。結局、私とフィル様の婚約もそのままだということになったみたいだ。
私としては今は平民だからと断りたかったのだが、フィル様が許してくれなかった。
そして、周りも、エルダとイングリッドとクリスティーン様がうちの養女になれと3人で言い募ってきていて、私としてもどうして良いか判らなかった。
貴族たちもスカンディーナが学園を襲撃してきたことに怒っており、私は国民にも好意的に見られているみたいだ。
でも、一部の貴族や国民はスカンディーナとの仲を心配していて、私をフィル様の婚約者にしておくのに反対してはいるが。
何故か、巷では私や母を主人公にした演劇が作られて流行っているそうだ。
本も何冊も出版されていみたいで、貧しい暮らしをしていた元王女が王太子に助けられて隣国の鬼摂政を撃退したと国民の人気はうなぎ登りなのだとか。
うーん、悪役令嬢が何故かヒロインになっているんだけど。何でだろう?
ちなみに本の中では悪役令嬢の位置に聖女がいるんだけど。元王女を聖女が虐めまくっているのだ。まあ事実だけど・・・・なんかゲームと全く違ってしまったんだけど・・・・。教会が本の出版元に抗議したそうだけど、事実は曲げられないと拒否されたという噂まで流れていて、悪役聖女というニックネームで呼ばれているとか。
まあ、自業自得だとは思うけど、教会の権威が落ちてしまって大変だとか。フィル様とかはいい気味だって言っているんだけど。
隣国の動きも気にはなる。本では兄に嫉妬した現女王と王妃に懸想した摂政が組んで叛逆をしたことになっていた。私は可愛そうな元王女なのだ。とある本によるとその王女をフィル様が援助して政権を奪還するというのまであるのだ。それは、争いの種になるので止めてほしい。多くの人が死ぬ戦争は誰も求めていないだろう。
それにブルーノは強大な魔術師だ。私がブルーノに対抗できたのはたまたまだし、ブルーノも本気ではなかったように思う。今度やったら勝てる保証はないので、必死に今はガーブリエル様にしごいてもらっている毎日だ。
そして、今日は一学期最後のサマーパーティーだ。
私は母に作ってもらった青に金の飾りの付いたドレスを着ていた。
それを見てエルダとイングリッドが意味深に頷き合っているんだけど、何でだろう? そんなに変かな?
二人に聞いても
「まあ、アンは知らないほうがいいんじゃない」
と訳の判らない回答が返ってきて私は混乱した。
そんなこんな事を会場でエルダらと話していると、音楽が奏でられ始めた。
ダンスの時間になったのだ。女性陣の所に男性陣がやってくる。
向こうからフィル様がこちらに向いて歩いてこられた。フィル様はグレーのスーツに赤のネクタイをつけていた。
私はエルダとイングリッドにフィル様の方に押し出されていた。
ええええ! 私はダンスはまだとても苦手なんだけど・・・・
フィル様は、私の前に来ると
「末尾がeのアン、私と一緒に踊っていただけますか」
と手を差し出されたのだ。
「私でお宜しければ」
私はやむを得ず、そう言うとフィル様に手を差し出した。
皆の見ている前で、踊るのは緊張するのだ。そんなに上手くないし・・・・。
でも、フィル様とダンス踊るのは嬉しかった。ステップを間違わないように気にしながら踊るのは大変だったけど。ゲームの時はヒロインとしてフィル様と踊っていたのだ。今は悪役令嬢だけど、何故かヒロイン役になっていた。
でも、フィル様が近いし、手をしっかり握られるのは恥ずかしい。
「アン、めちゃくちゃ上手くなったじゃないか」
「フィル様の教え方が上手かったからよ」
私が言うと
「そんなことないよ。アンのセンスが良かったからだよ」
フィル様が笑って言う。うーん、でも、なんかフィル様が近い気がするんだけど。腰の手も引き付けられているようだし。
「でも、良かった。アンが見つかって。婚約者のアンとこうして踊るのが俺の昔からの夢だったから」
私は微笑んで誤魔化した。
フィル様はそう言うけれど、私はもう王族ではない。平民のアンなのだ。いつまでもフィル様の横にいて良いはずはないと思うのだけど。
「アン、もう絶対に逃さないから」
私の考えを読んだようにフィル様は腰の手でぎゅっと私を抱きしめていた。
「フィ、フィル様!」
ええええ! ここで抱きしめちゃだめ。
私は足をもつれさせそうになったが、フィル様が上手い事リードしてくれて何とか転けなかったけれど・・・・。
なんとか一曲、フィル様と踊りきって私ほっとした。少し休もう。フィル様の周りにはいろんな令嬢が期待に満ちた目で、踊りたそうにしている。
私がフィル様から離れようとした時だ。
「じゃあ二曲目もお願い」
そうフィル様が言うと踊りだしたのだ。
「えっ、でも、フィル様、2曲同じ子と踊るのはよくないのでは」
私が授業で習ったことを言うと、
「何言っているんだ。君は僕の婚約者だ。何曲踊ってもいいさ」
「でも、折角の機会だから他の人とも踊られたほうが」
「アンも他の男と踊りたいというの?」
なんかフィル様が怒り出したんだけど、そう言うことではないのに。
「えっ、いや、そんな事は」
「ふんっ、そんな事は絶対に許さないから」
私が否定したのに、フィル様は許してくれなかった。
結局、そのパーティーの間中、フィル様は私を離してくれなかった。
皆からは呆れられていたと思う。
ルンド先生の視線も生温かかったし。
そして、王太子殿下もパーティーの間中独占するほど、亡国の王女を溺愛していると更に噂が流れたのだった。
おしまい
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