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クリスとインディオの王女は白人の魔術部隊に襲われました
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翌朝、20騎の騎兵に守られてモニカとクリスの乗った馬車はコロンの街を出発した。
王都まで急いで10日の旅だった。
途中始祖が追放した怪鳥ギャオースの棲家の魔の山があるのでそれを大きく迂回するから、それだけかかるのであって、直線距離はもっと短かった。
「ギャオースってシャラザールの時からいるんですよね。すごいですよね」
それを聞いてクリスが言った。
「シャラは他人事だからそう言うけれど、過去何度か討伐隊が組まれているけれどその度に莫大な被害を被っているのよ。だから、ここ100年は討伐隊も起こしていないし、100キロ四方は立入禁止にしているわ。王都へ行くのも本当に遠回りになって、大変なんだから」
モニカは呆れて言った。
ドグリブ王国のど真ん中に魔の山があるので、住民達はいろいろと被害にあっているらしい。でも、元々ギャオースは王都のあたりに住んでいたのを始祖に追い出されたのだ。人間が怒るのは、何か違うようにクリスは思った。
一同は順調に進んだ。そして、魔の山の手前の山手に入った。
「なんか寂しそうな山々ですね」
鬱蒼と茂った薄暗い森を見てクリスが言う。
「流石にここまではギャオースも来ないよ」
モニカは王都との行き来を何度かしているので、ここには慣れていた。
「そうですよね」
そう頷きつつ、何故かクリスは胸騒ぎがした。
道は結構険しくまた、狭くなっており、騎馬隊が一列で進んだ。
その隊列を山上から見下ろす者達がいた。
ホワイテア帝国のアッチラ侵略軍の派遣した魔導部隊だった。
侵略軍の主力10万が戦神シャラザールを名乗る魔導師に殲滅されたの報に、その魔導師を倒すべく急遽派遣されてきたのだ。
「でも、大丈夫なのですか。これだけの戦力で」
心配して魔導部隊の副官が聞いてきた。何しろ相手はホワイテアの主力10万を一瞬で消滅させた魔導師なのだ。
「ふんっ、敵も騎士が20人だ。我が精鋭魔導師部隊で奇襲すればなんとかなろう」
「でも、敵はたった一人で10万の大軍を殲滅したんですよね」
「そんなの有り得んだろう。絶対に魔導爆弾等をうまく組み合わせたのだ」
「そうですよね。でないと精鋭10万がやられるなどありえませんよね」
副官は安心しようとして頷いた。
主力が殲滅させられたので、アッチラ島の侵略は頓挫していた。今は本国からの援軍を待っている状態だった。出来れば本国からの援軍の到着する前に、仇を取っておきたい司令部の意向も、この魔導部隊の派遣には反映されていた。
魔導部隊は侵略軍の虎の子、魔導師50人の精鋭だった。普通20騎の騎士たちに負けるわけはなかった。
王女も捕まえれば交渉材料にはなるだろう。しかし、第一目標は敵魔導師の殺害だ。最悪王女の殺害もやむを得なしと指示は受けていた。
前に騎兵10騎が走り、馬車を挟んで後ろに騎兵10騎が続いた。
そして、魔導爆弾を仕掛けた道の真ん中を馬車が差し掛かった時だ。
クリスは危険を察知した。
「危ない」
モニカの手を取るととっさに転移した。
それは爆発とほぼ同時だった。
一瞬で爆発が馬車と前後の騎士を巻き込んだ。
「姫様」
前後の騎士たちは慌てて馬車に駆け寄ろうとしたが、現れた魔導師達によって、次々に殺されていった。
「どうだ。魔導師は殺したか」
馬車の破片に近寄った指揮官が副官に聞く。
「判りません。ただ、爆発の時に馬車は空だったような気がしますが」
「転移したというのか」
「判りませんが」
副官は言葉を濁した。転移できる魔導師は少ない。この中では自分も含めて5人もいない。
「やむを得まい。取り敢えず手分けして付近を徹底的に捜索せよ」
「了解しました」
魔導師たちは直ちにあたりに散って行った。
王都まで急いで10日の旅だった。
途中始祖が追放した怪鳥ギャオースの棲家の魔の山があるのでそれを大きく迂回するから、それだけかかるのであって、直線距離はもっと短かった。
「ギャオースってシャラザールの時からいるんですよね。すごいですよね」
それを聞いてクリスが言った。
「シャラは他人事だからそう言うけれど、過去何度か討伐隊が組まれているけれどその度に莫大な被害を被っているのよ。だから、ここ100年は討伐隊も起こしていないし、100キロ四方は立入禁止にしているわ。王都へ行くのも本当に遠回りになって、大変なんだから」
モニカは呆れて言った。
ドグリブ王国のど真ん中に魔の山があるので、住民達はいろいろと被害にあっているらしい。でも、元々ギャオースは王都のあたりに住んでいたのを始祖に追い出されたのだ。人間が怒るのは、何か違うようにクリスは思った。
一同は順調に進んだ。そして、魔の山の手前の山手に入った。
「なんか寂しそうな山々ですね」
鬱蒼と茂った薄暗い森を見てクリスが言う。
「流石にここまではギャオースも来ないよ」
モニカは王都との行き来を何度かしているので、ここには慣れていた。
「そうですよね」
そう頷きつつ、何故かクリスは胸騒ぎがした。
道は結構険しくまた、狭くなっており、騎馬隊が一列で進んだ。
その隊列を山上から見下ろす者達がいた。
ホワイテア帝国のアッチラ侵略軍の派遣した魔導部隊だった。
侵略軍の主力10万が戦神シャラザールを名乗る魔導師に殲滅されたの報に、その魔導師を倒すべく急遽派遣されてきたのだ。
「でも、大丈夫なのですか。これだけの戦力で」
心配して魔導部隊の副官が聞いてきた。何しろ相手はホワイテアの主力10万を一瞬で消滅させた魔導師なのだ。
「ふんっ、敵も騎士が20人だ。我が精鋭魔導師部隊で奇襲すればなんとかなろう」
「でも、敵はたった一人で10万の大軍を殲滅したんですよね」
「そんなの有り得んだろう。絶対に魔導爆弾等をうまく組み合わせたのだ」
「そうですよね。でないと精鋭10万がやられるなどありえませんよね」
副官は安心しようとして頷いた。
主力が殲滅させられたので、アッチラ島の侵略は頓挫していた。今は本国からの援軍を待っている状態だった。出来れば本国からの援軍の到着する前に、仇を取っておきたい司令部の意向も、この魔導部隊の派遣には反映されていた。
魔導部隊は侵略軍の虎の子、魔導師50人の精鋭だった。普通20騎の騎士たちに負けるわけはなかった。
王女も捕まえれば交渉材料にはなるだろう。しかし、第一目標は敵魔導師の殺害だ。最悪王女の殺害もやむを得なしと指示は受けていた。
前に騎兵10騎が走り、馬車を挟んで後ろに騎兵10騎が続いた。
そして、魔導爆弾を仕掛けた道の真ん中を馬車が差し掛かった時だ。
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「危ない」
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それは爆発とほぼ同時だった。
一瞬で爆発が馬車と前後の騎士を巻き込んだ。
「姫様」
前後の騎士たちは慌てて馬車に駆け寄ろうとしたが、現れた魔導師達によって、次々に殺されていった。
「どうだ。魔導師は殺したか」
馬車の破片に近寄った指揮官が副官に聞く。
「判りません。ただ、爆発の時に馬車は空だったような気がしますが」
「転移したというのか」
「判りませんが」
副官は言葉を濁した。転移できる魔導師は少ない。この中では自分も含めて5人もいない。
「やむを得まい。取り敢えず手分けして付近を徹底的に捜索せよ」
「了解しました」
魔導師たちは直ちにあたりに散って行った。
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