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食堂では平民の皆によくやったと褒められました

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平民向け食堂はまだ空いていた。大半の生徒がまだゴールできていないのだ。
ゴーレム3体は倒したけれど、神秘の森にはまだ他の魔獣がいるんだろう。皆大丈夫なんだろうか。

「よう、平民の星」
5人で食べていると同じクラスのオーガストが声をかけてきた。彼の父は騎士のはずだ。

「何言っているのよ、オーガスト。私達、子爵令嬢と男爵令嬢で貴族が3人もいるんですけど」
ベッキーが言う。

「まあ、Sクラスになれていない段階でそんなに変わんないんじゃないか」
隣のベンジャミンが言う。彼はこの学園の過半数を占める正真正銘農家の出だ。このクラスには4人しかいないが。

「なんか事実だけどそれはムカつく」
膨れてベッキーが言う。

「じゃあ言い方を変えて一般クラスの星にするか」
慌ててオーガストが言い直す。かわいいベッキーらに睨まれたくはないのだろう。まあ、破壊女の私には皆見向きもしないだろうけど。


「なら良いわね」
ベッキーも仕方無しに頷く。

「じゃあ、一般クラスの星に乾杯」
「イエーイ」
「よくやったぞ一年」
食堂にいる皆が水を持って乾杯してくれた。

「いやあ、しかし、お前らがやってくれたせいでSクラスの王子達、ベスト10からも外れたみたいだぜ」
オーガストが笑って言う。

「あの王子、なんかいけ好かないからな」
「よくやった」
皆が次々に褒めてくれる。

何だ。皆言うことが私よりも不敬じゃないと私は安心しつつ、

「えっ、第二王子殿下10位にも入れなかったの?」
隣のベッキーに聞いた。

「そうみたいよ。最後はオーガストの班が入ったみたいだから」
「そっか、Aクラスから2班もベスト10に入ったんだ」
「お前らの班が王子達を模擬戦でこてんぱんにやっつけてくれたおかげで、何とか入れたんだ」
「そっか、ちょっとやりすぎたかな」
私は少しやりすぎたかと思って反省する。

「今更言う」
呆れてベッキーが言う。

「そうだ。オーレリア、お前の打倒王子のはちまき、メチャクチャ目立ってたぞ」
「そうよ。あれはやりすぎじゃない。結構お貴族様から顰蹙かってたわよ」
オーガスタとエイミーが言う。他のクラスメートも頷く。子爵や男爵連中も頷いている。

「まあ、絡まれたら言えよ。うちは最悪農家を継ぐからいつでも助けるぞ」
ベンジャミンが言ってくれた。

「そんな事言って、あなたこの学園来たのは文官になるためじゃないの」
ベッキーが言う。

「まあ、そらそうだけど、クラスメートの困った時は助けてやらないと」
ベンジャミンが言ってくれた。

「ありがとう。でも、私には障壁があるし大丈夫よ」
「そうよね。王子班全員を弾き飛ばすくらいだし」
「そんな事したのか」
「すげーえな。オーレリアは」
一介の庶民の女の子がそんなことで褒められて良いのかとも思ったが、まあ、そこは流そう。

「でも、お貴族様に絡まれるとお前んとこの商売に響くんじゃないのか」
オーガストが心配して聞いてくれた。

「大丈夫よ。うちの薬屋は冒険者とかメインだし。貴族相手の商売は少ないのよね」
「そう言う点はいいわよね。うちは商会やっているからお貴族様に睨まれると厳しいかも」
私の言葉にベッキーが少し気にして言う。

「えっ、じゃあ今回のせいで売上減ったりするの?」
私は慌てて聞いた。友人を揉め事に巻き込むのは本意ではない。

「まあ、その辺は大丈夫よ。うちの親父は商売はうまいし。それにリアのおかげて第一王子殿下と少しは仲良くなれたし」
「おいっ、ちょっと待て。第一王子殿下とお話できたのか」
「それどういう事」
オーガストとベンジャミンも聞いてくる。

何だコイツラ、やっぱり王子とお近づきになりたいんじゃないか。私は白い目で二人を見たが二人は無視した。

「・・・・というわけで第一王子殿下もリアの天然には笑っておられたわよ」
「そうか、オーレリアはすげーな。第一王子殿下を抜け駆けして一位になったんだ」
「ちょっとどういうことよ。こっちはか弱い女の子5人なんだから、当然レディーファーストよ」
私は反論したが、

「おいおい、第二王子を吹き飛ばしたオーレリアがか弱いってよく言うよな」
「本当。第一王子殿下まで騙すなんて」
「騙してないよ。ルールは守ったし」
私は膨れて言った。

「でも、普通そこは王子に花持たすところじゃないの」
「まあ、でも、私達に譲ってもらってもそれもどうだって感じだし」
ベッキーが言う。

「でも、表彰の挨拶では何ていうんだ?」
オーガスタが聞いてきた。

「えっ、何?挨拶って」
ハンナが慌てて聞いた。

「毎年優勝した班は最後に挨拶するんだよ」
「えっ、そんなの誰がやるの」
「そんなの班長のハンナに決まっているじゃない」
ハンナの叫びにベッキーが当然と応えた。我が班長は一番保護者の爵位が上のハンナだったのだ。

「ええええ!」
ハンナは叫んでいるが、私は話すのは苦手だし、お貴族様のハンナがやってくれた方が良いと思って黙っていた。
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