好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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学園祭で第二王子が敵情視察にやって来ました

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第一王子の後は次から次に客が来て大変だった。メイド&執事喫茶は大繁盛だった。ジルおじさん関係の知り合いとかが訪ねてくれた。皆私の姿に目が点だったが、王子の前でもこの格好だったのでもう自棄だった。

夕方になって少し人が少なくなった時だ。外が騒がしくなった。
何事かと出てみると正装した第二王子が立っていたのだ。

「やっと来たか」
「すいません。今仕事中なので後で良いですか」
そう言って引っ込もうとした私に
「何を言っている。私が客として来てやったのだ」
王子が訳の判んない事を言い出した。

「敵情視察ですか」
「まあそんなところだな」
王子が前髪に触ってキザに言う。
なんかめんどくさそう。私は出来たら避けたかったのだが、ベッキーが首を振った。

「お帰りなさいませ。ご主人様」
私は良心の呵責を必至に誤魔化して挨拶した。

「うん、貴様の要請に依って来てやったぞ」
大袈裟に顎をあげて王子は宣った。

「頼んでないのに!」
私は小声で呟いた。

「リア!」
「何か申したか?」
ベッキーの叱責に仕方なしに私はよそ行きモードに徹する事にした。

「いえいえ、こちらの事でございます。ささ、こちらへ」
私は仕方なしに王子を席に案内した。

「お隣の売れっ子がこのような所で油を売っていて宜しいのですか?」
私の嫌みが早速炸裂した。隣はある程度のヨイショ貴族が居なくなると来客数ががらがらになったのだ。値段も金貨一枚と激高だし、端から我がクラスと勝負する気があったのか疑ってしまう。

「何、我が方はこちらと違って人が揃っているのだ。余計な心配じゃ」
と余裕のある振りをしてくれる。

こちらはこの時間でもまだ5人ばかり客がいるのに。
値段は王子が金貨一枚、公爵令嬢が銀貨8枚
侯爵が銀貨5枚、伯爵が銀貨3枚、子爵が銀貨2枚にしたところ、子爵とか伯爵はある程度忙しいのだが王子は顔を売りたい商人とか高位貴族が訪ねるくらいで、それが居なくなると暇になったと聞いていた。

「そちは忙しそうじゃの」
「はい、お陰さまでお昼食べる時間も殆どありませんでした」
本当に忙しかったのだ。でも来る人来る人に来月のサマーパーティに一緒に来て欲しいって言われたのだが、なんでだろ?サマーパーティって全員参加じゃないの?
それを見たベッキーが怒って、サマーパーティの話をするのは禁止にしてくれた。

「何人くらい接客したのじゃ?」
「さあ、ベッキーに確認すれば判ると思いますけど二桁は軽く越えています」
「そんなにか」
「女の子は皆越えていると思いますよ」
「本当か?」
王子はショックを受けたみたいだった。

そこへオーガストがコーヒーを持ってきてくれた。
それを受け取って、
「どうぞ」
王子に給仕する。

「ん」
王子は頷いて口に含んだ途端、「何だこの苦いのは!」
「えっ、殿下はコーヒーは初めてですか」
私は砂糖をスプーンにすくいながら言う。

「まあ、そうだが、コーヒーとはこのように苦い物なのか?」
そういう王子の顔は歪んでいた。そんなに苦かったかな?と多少は不審に思ったが、後でオーガストに確認したらわざと煮詰めて苦くしたのだとか。私でもそこまでしないのにこいつらは鬼だと思った。

「私も初めての時はそう思ったのですが、慣れたらまだ飲めますよ」
言いながら砂糖をスプーン二杯入れる。

「これでいかがですか?」
「うーむ、少しは飲めるか」
首をかしげて王子が言う。

「そちはもう、サマーパーティに誰と行くか決めているのか?」
「あのう殿下、サマーパーティって全員参加じゃないのですか?」
「それはそうだが、基本は一緒に行った相手と最初に踊るのだ。だから男どもは誰を誘うか今必死になっておるぞ。」
「えっそうなんですか?」

私は知らなかった。それで皆私に誘ってきた?
何で私に人気が出たか判らないけど、一番ハレンチな格好しているので、私なら断らないと思いやがったのか?
私はそんなに軽い女ではないし、カート一筋なのに!

ま、サマーパーティはカートと行くから問題はないけど。

「どうした、にまにまして」
王子が不思議そうに聞いてきた。
「殿下はどうするか決められたんですか?」
「それがなかなか気を使うのでな。どうしても王族と言う立場からここで誘うと、婚約者の最有力候補になってしまうからな。そちらのように気軽に誘えん」

「王子様は大変なんですね。でも、同じ学年ならレベッカさんにすれば良いんじゃ無いですか?位が一番高いですし、他の学年は知りませんけど」
私が言うと殿下はキョトンとした。
「いや、位が一番高いといえばプリシラ嬢だろう」
「何言ってるんですか?プリシラはメルヴィン様と一緒に行くに決まってるじゃないですか」
私の言葉に王子は固まっていた。

「えっ、知らなかったんですか?」
「それは誠か」
「はい、本人から聞きましたけど」
私の言葉にガタッと音を建てて王子が立ち上がった。
「すまん、また来る」
慌てて王子が飛び出して行った。

「アチャー、余計なこと言っちゃったかな? まあ、どのみちばれるんだから良いよね!」
私が言うと
「いやあ、お前から教えられたのがショックだと思うぞ」
オーガストが言ってきたがそういうものかな?



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