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クラス対抗戦1 騎士コースの面々を奇策で撃破しました
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ついに、クラス対抗戦当日がやってきた。
トーナメントの抽選は前日にあった。全18クラス、我がクラスは1回戦は免除、2回戦からだ。
我がクラスの最初の相手は、最初は3年生の騎士薬師共同チームだ。
次が第二王子のSクラスか、3年生の商学チームの勝者とだ。おそらく第二王子チームが勝つだろう。
第一王子チームは決勝まで当たらなかった。
そう、いきなり優勝候補2番めの騎士薬師チームとの対戦と、修羅場になったのだ。
そして、私達は戦場の位置についた。100メートル四方の広場だ。対角線上にも同じ広場があって、敵チームがついているはずだった。最初はこの中にしか配置につけないのだ。全フィールドは300メートル四方、中には小山もあれば林もある。見晴らしの良いのは陣地の100メートル四方だけだ。
服装は騎士連中は両チームとも騎士の防具をつけている。薬師連中は体操服のジャージだ。
でも何故か、対する私達女性陣は学祭に着込んだメイド服を着ていた。
何故か・・・・
私達女性陣は着るにあたっては必死にベッキーに抵抗したが、勝つのにこれしか無いのベッキーの一言に、練習試合で完敗している皆は一言も反論できなかったのだ。
割れればアウトの小さな風船も胸の谷間につけていた。
「これで反則にならないの?」
胸の谷間に風船を付けたことに対して、私はベッキーに質問したが、
「ルール上は問題ない」
の一言で片付けられた。
そらあ、胸の大きいエイミーらは良いかもしれないけれど、ベッキーも普通だし、でも、小さい私は胸の小ささが強調されてしまうではないのか?
「あら、胸で風船を割ってしまったらどうしましょう」
そう言ったエイミーを思いっきりしばきそうになったのは、決して私が悪いわけではないはずだ。
ふんっ、胸が小さくて割れませんよだ!
そんなこんなで不機嫌な私だった。
騎士チームは練習試合で圧勝していたので、余裕だった。
なんとこちらの広場に全員揃って出てきたのだ。
そして、前に立っている私達メイド服の姿に、騎士たちの目が点になった。
「な、何だ」
3年生の男達は驚いた。
でも、顔がにやけている。
皆、私達の格好を見てニヤついていた。
「な、なんて姿しているの」
「なんて破廉恥なの」
「信じられない」
後ろにいる薬師の女達が怒っていた。
本当にそうだ。同じ薬師の私もそう思いたいのに、私が同じ考えだとは、彼女らは絶対に認めてくれないだろう。嫌悪するように私達を睨んでいた。
そう、心にやましい思いのある私は、何故か、皆の後ろでゆうゆうと椅子に座って扇子で仰いでいた。
そして、何故か30秒に一度足を組み変えろとベッキーから指示されていた。
何故こんな馬鹿なことをしないといけないんだ。
男共のいやらしい視線を感じる。
観客の方から怒った視線を感じて見たらカートだった。怒っているみたい。
うーん、やっぱこの衣装、まずいって。
私がそう思った時だ。
騎士らがデレデレと女性陣の前に出てきた。
「皆どうしたのだ。その格好は」
「バーナード様。私達があなた方に、かなうわけ無いではないですか。この前大敗して、つくづく判ったのです。そこで優勝するのが確実なバーナード様達の、お心を慰めようとしてこうしてお待ちしていたのです」
ブリトニーがバーナードを引っ掛ける気満々で言った。
バーナードは将来的に騎士団に入り、幹部になるのは確実なほど優秀だ。こういうところでアタックしていいと皆にベッキーが発破をかけたのだ。
その後ろでは悔しそうにオーガストらが跪いている。
この作戦にオーガストらは大反対したのだが、「あんたらの実力では勝てないのがこの前の戦いでよく判ったじゃない」とベッキーの非情の一言で従わざるを得なかったのだ。
「あなた達が優勝された日には私を差し上げますわ」
ドロシアが爆弾発言をした。
おいおい、そんなセリフ無かったのに。
もうみんな、本当に楽しんでいる。良いのかこれで。
いや、ブリトニーとドロシアはあれはマジだ。本当に婚活している。
周りの審判の先生たちは呆れていた。
「さあ、バーナード様」
ブリトニーが立上って手を伸ばした。
「私のこの風船を潰して下さい」
ドロシアが胸の谷間を強調して突き出す。
「ウォーーー」
騎士のバカ男どもが駆け出した。本当に馬鹿だ。こんなのが将来騎士団に入ったら絶対に罠にかかるに違いない。私は騎士団の将来を悲観した。
そう、彼らと女性陣の間の足元には、我が優秀な魔導特殊部隊によって、試合開始10分間で土魔術で掘られた落とし穴が広がっていたのだ。
ズボッ
大きな音とともに、ニヤケ顔のまま騎士たちは全員揃って落とし穴に落ちたのだった。
騎士20名が一瞬にして戦闘不能に陥ったのだ。
その瞬間に後ろで跪いていた我が騎士部隊17名が薬師軍団に襲いかかった。
「うそっ」
「キャーーー」
薬師達が逃げにかかる。
しかし、騎士たちにはベッキーから厳しい一言が言い渡されていた。もし女に手加減したら二度と教室の敷居を跨がさないと。
まさか女相手に本気でやるわけには行かないが、ある程度本気出さないと、ベッキーはやりかねない。
それと「もしこの戦いで女に不覚を取ったら学園の周り10周だからね」
ベッキーの悪魔の一言に皆必死だった。
このクラスで一番怒らせてはいけないのは誰が何を言おうとベッキーだ。
「き、貴様ら卑怯だぞ」
バーナードは落ちたショックで風船が割れてしまって真っ赤に染まった状態で叫んでいた。
「ふんっ、先輩。こんな馬鹿な作戦に引っかかる先輩方が馬鹿なんです」
勝ち誇ったベッキーが仁王立ちして言い放った。
「おのれーーーー」
バーナードらは歯ぎしりして悔しがった。
「バーナード様。私は本気ですよ」
「私もですわ」
ブリトニーとドロシアが何故か終わったあとも懸命に言寄っていた。
戦いの勝負は、その後すぐに王様役の女生徒が捕まって風船が割られてついた。
我がAクラスの圧勝だった。
いつもこのクラス対抗戦で男が大半の騎士コースと女が大半の薬師コースでカップルが誕生するのだが、この年は騎士達がメイド服に惑わされた無様な姿を晒したことで、1組もカップルは出来なかったそうな。
なんかとても悪いことをした気分になったのは私だけだろうか。
勝った勝ったと喜ぶ私達Aクラスの横でこんな無様な負け方をした騎士たちは唖然としていた。
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さすがベッキー、やることがえげつない・・・・
次戦は第二王子戦 ベッキーの策やいかに
トーナメントの抽選は前日にあった。全18クラス、我がクラスは1回戦は免除、2回戦からだ。
我がクラスの最初の相手は、最初は3年生の騎士薬師共同チームだ。
次が第二王子のSクラスか、3年生の商学チームの勝者とだ。おそらく第二王子チームが勝つだろう。
第一王子チームは決勝まで当たらなかった。
そう、いきなり優勝候補2番めの騎士薬師チームとの対戦と、修羅場になったのだ。
そして、私達は戦場の位置についた。100メートル四方の広場だ。対角線上にも同じ広場があって、敵チームがついているはずだった。最初はこの中にしか配置につけないのだ。全フィールドは300メートル四方、中には小山もあれば林もある。見晴らしの良いのは陣地の100メートル四方だけだ。
服装は騎士連中は両チームとも騎士の防具をつけている。薬師連中は体操服のジャージだ。
でも何故か、対する私達女性陣は学祭に着込んだメイド服を着ていた。
何故か・・・・
私達女性陣は着るにあたっては必死にベッキーに抵抗したが、勝つのにこれしか無いのベッキーの一言に、練習試合で完敗している皆は一言も反論できなかったのだ。
割れればアウトの小さな風船も胸の谷間につけていた。
「これで反則にならないの?」
胸の谷間に風船を付けたことに対して、私はベッキーに質問したが、
「ルール上は問題ない」
の一言で片付けられた。
そらあ、胸の大きいエイミーらは良いかもしれないけれど、ベッキーも普通だし、でも、小さい私は胸の小ささが強調されてしまうではないのか?
「あら、胸で風船を割ってしまったらどうしましょう」
そう言ったエイミーを思いっきりしばきそうになったのは、決して私が悪いわけではないはずだ。
ふんっ、胸が小さくて割れませんよだ!
そんなこんなで不機嫌な私だった。
騎士チームは練習試合で圧勝していたので、余裕だった。
なんとこちらの広場に全員揃って出てきたのだ。
そして、前に立っている私達メイド服の姿に、騎士たちの目が点になった。
「な、何だ」
3年生の男達は驚いた。
でも、顔がにやけている。
皆、私達の格好を見てニヤついていた。
「な、なんて姿しているの」
「なんて破廉恥なの」
「信じられない」
後ろにいる薬師の女達が怒っていた。
本当にそうだ。同じ薬師の私もそう思いたいのに、私が同じ考えだとは、彼女らは絶対に認めてくれないだろう。嫌悪するように私達を睨んでいた。
そう、心にやましい思いのある私は、何故か、皆の後ろでゆうゆうと椅子に座って扇子で仰いでいた。
そして、何故か30秒に一度足を組み変えろとベッキーから指示されていた。
何故こんな馬鹿なことをしないといけないんだ。
男共のいやらしい視線を感じる。
観客の方から怒った視線を感じて見たらカートだった。怒っているみたい。
うーん、やっぱこの衣装、まずいって。
私がそう思った時だ。
騎士らがデレデレと女性陣の前に出てきた。
「皆どうしたのだ。その格好は」
「バーナード様。私達があなた方に、かなうわけ無いではないですか。この前大敗して、つくづく判ったのです。そこで優勝するのが確実なバーナード様達の、お心を慰めようとしてこうしてお待ちしていたのです」
ブリトニーがバーナードを引っ掛ける気満々で言った。
バーナードは将来的に騎士団に入り、幹部になるのは確実なほど優秀だ。こういうところでアタックしていいと皆にベッキーが発破をかけたのだ。
その後ろでは悔しそうにオーガストらが跪いている。
この作戦にオーガストらは大反対したのだが、「あんたらの実力では勝てないのがこの前の戦いでよく判ったじゃない」とベッキーの非情の一言で従わざるを得なかったのだ。
「あなた達が優勝された日には私を差し上げますわ」
ドロシアが爆弾発言をした。
おいおい、そんなセリフ無かったのに。
もうみんな、本当に楽しんでいる。良いのかこれで。
いや、ブリトニーとドロシアはあれはマジだ。本当に婚活している。
周りの審判の先生たちは呆れていた。
「さあ、バーナード様」
ブリトニーが立上って手を伸ばした。
「私のこの風船を潰して下さい」
ドロシアが胸の谷間を強調して突き出す。
「ウォーーー」
騎士のバカ男どもが駆け出した。本当に馬鹿だ。こんなのが将来騎士団に入ったら絶対に罠にかかるに違いない。私は騎士団の将来を悲観した。
そう、彼らと女性陣の間の足元には、我が優秀な魔導特殊部隊によって、試合開始10分間で土魔術で掘られた落とし穴が広がっていたのだ。
ズボッ
大きな音とともに、ニヤケ顔のまま騎士たちは全員揃って落とし穴に落ちたのだった。
騎士20名が一瞬にして戦闘不能に陥ったのだ。
その瞬間に後ろで跪いていた我が騎士部隊17名が薬師軍団に襲いかかった。
「うそっ」
「キャーーー」
薬師達が逃げにかかる。
しかし、騎士たちにはベッキーから厳しい一言が言い渡されていた。もし女に手加減したら二度と教室の敷居を跨がさないと。
まさか女相手に本気でやるわけには行かないが、ある程度本気出さないと、ベッキーはやりかねない。
それと「もしこの戦いで女に不覚を取ったら学園の周り10周だからね」
ベッキーの悪魔の一言に皆必死だった。
このクラスで一番怒らせてはいけないのは誰が何を言おうとベッキーだ。
「き、貴様ら卑怯だぞ」
バーナードは落ちたショックで風船が割れてしまって真っ赤に染まった状態で叫んでいた。
「ふんっ、先輩。こんな馬鹿な作戦に引っかかる先輩方が馬鹿なんです」
勝ち誇ったベッキーが仁王立ちして言い放った。
「おのれーーーー」
バーナードらは歯ぎしりして悔しがった。
「バーナード様。私は本気ですよ」
「私もですわ」
ブリトニーとドロシアが何故か終わったあとも懸命に言寄っていた。
戦いの勝負は、その後すぐに王様役の女生徒が捕まって風船が割られてついた。
我がAクラスの圧勝だった。
いつもこのクラス対抗戦で男が大半の騎士コースと女が大半の薬師コースでカップルが誕生するのだが、この年は騎士達がメイド服に惑わされた無様な姿を晒したことで、1組もカップルは出来なかったそうな。
なんかとても悪いことをした気分になったのは私だけだろうか。
勝った勝ったと喜ぶ私達Aクラスの横でこんな無様な負け方をした騎士たちは唖然としていた。
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さすがベッキー、やることがえげつない・・・・
次戦は第二王子戦 ベッキーの策やいかに
応援ありがとうございます!
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