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側近の独り言 男爵領からお金を引き出していたのがばれてしまいました
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「姫様!」
俺の目の前で姫様が敵船と一緒にワープアウトしていった。
完全に参謀の俺の戦略ミスだ。
敵の高速宇宙船はここまで必死に逃げてきたから、俺の単純計算では敵がワープするまでに制圧は完了すると思っていた。
それが姫様が先陣をきって倉庫に突入すると同時に敵船がワープするなど、劇みたいな茶番だった。
これではみすみす姫様を敵に人質として差し出したようなものだ。
作戦参謀としては最悪の手を取ってしまった……
まあ、彼の姫様のことだから、無事だとは思うが……ボニファーツの絶対防御システムはあるし、安全は守られている。
ただ、姫様のことだから一人で船の制圧戦を始めかねない。姫様の愛機ビーナスには巡洋艦以上の兵器が搭載されているのだ。それでなくてもビーナスの主砲はブラスターだ。一撃で高速宇宙船を破壊しかねない。ワープしている宇宙船から亜空間に放り出された場合、延々と亜空間を漂うことになると言われているが、実際はどうなのかは判らない。まあ、ビーナスならば亜空間に一機だけ押し出されても壊れることはないのだが……
ボニファーツに頼めば探し出してくれるとは思うが、探し出すのはまた手間だ。
「直ちに全機帰還させろ。ボニファーツ殿ワープのトレースをお願いする。マルコ、あと何時間でワープできる」
我に返った艦長が次々に指示を出してくれる。
こういういざという時に沈着冷静な艦長は頼りになる。
「全マーキュリー隊は直ちに帰還してください。繰り返します。全マーキュリーは直ちに帰還してください」
「艦長、この航路じゃとおそらくフッセンじゃ」
「艦長、距離によりますが、後二時間くらいでワープできます」
浮き足立った艦橋が途端に落ち着いて皆次々に操作をして報告を始めた。
「2時間もかかるのか?」
俺が思わず呟くと
「いくらジュピターが高性能でも120光年の長距離ワープの後すぐの長距離ワープは無理だよ」
マルコが少しむっとして答えてくれた。
それはそうだ。
「ヨーナスは直ちにフッセン星域のチャートと重要戦略拠点のデータをメインクルー並びに騎士に送ってくれ」
「了解しました」
俺は艦長の指示に従って帝国の情報網にある公式記録と非公式記録のハッキングに入る。
姫様は大丈夫だろうか?
俺達が行くまでじっとしておいてくれ!
俺は祈った
でも、絶対に姫様はじっと実としていないだろうな……
俺は反撃を始める姫様の勇姿が見えるようだった。
「おい、マルコ、ワープはまだか?」
そこに慌てて帰ってきたアードルフがいきなりマルコに食ってかかるように聞いていた。
「まだかって、今ワープアウトしたところだし、後二時間はかかるよ」
「何だと、今すぐワープしろ」
「そんなの無理だよ」
「おい、待てよ、アードルフ!」
いきなりマルコに掴みかかったアードルフを俺が後ろから慌てて羽交い締めにして止める。
「おいおい、アードルフや、即座にワープに入ろうとしたらエネルギーチャージャーがいるぞ」
そこに横からボニファーツのホログラフが現れて余計な事を言ってくれた。
「じゃあすぐにつけてくれよ」
「無茶を言うな1兆ドルくらいかかるんだぞ!」
「1兆ドルもするのか……」
さすがのアードルフも目が点になった。
一兆ドルって言ったら戦艦1隻分くらいだ。
到底おいそれと簡単に出せる金額じゃない。
ユバスクラスの国家では絶対に無理だ。
「まあ、ヨーナスに任せていればなんとかしてくれるじゃろう」
「ボニファーツ、そんな無茶言うなよ。今でもめちゃくちゃしているんだぞ。フッセン側が知れば卒倒するレベルなのに」
俺が叫ぶと
「なあに、1京ドルに高々1兆ドル追加しようが問題はなかろうて」
ボニファーツは笑ってくれたが、おいおいどこまでさせる気だ!
俺はきれそうになった。
元々この船ジュピターの建造費は到底一国の経済規模からいって出来るものではなかったのだ。
特にボニファーツの開発した最終兵器が馬鹿みたいに金食い虫で、資金調達するために俺はボニファーツにも手伝わせてフッセン男爵領の預金を各銀行から抜き出すと同時に、細かい借金を各銀行にフッセン名義でしまくったのだ。男爵本人の邸宅代から愛人の邸宅代、果てはいない隠し子1000人くらいの手切れ金とかその生活費とか住宅費で借りまくって作り上げた。
バレそうになると帝国内のボニファーツの人脈を使ってもみ消したりして、なんとかこの巨大艦の費用を調達したのだ。
無断でフッセン男爵に借金させて……
「なあに、フッセン男爵が我が国に対してしてきた悪辣非道な行いに対する迷惑料という事で良かろう」
ボニファーツはのほほんと言ってくれたが、さすがの俺も胃が痛くなる金額だった。
やっと二時間が経って、そろそろフッセンに向けてワープにはいろうとした時だ。
「艦長、至近にワープアウトしてくる艦、多数あります」
「何だと、どこの船だ」
「帝国正規軍です。戦艦ビスマルク他巡洋艦三駆逐艦六、完全に囲まれています」
アンネが報告した。
まだワープは出来ないし、そもそも我が国は帝国と戦争状態ではないのだ。いきなり、戦端をきるのはさすがに不味い。
「ボニファーツ! 貴様、フッセンから莫大な金を引き出して何をした!」
画面にはいきなり皇帝の補佐官のアンドレイ・コンドボガが憤怒の形相で現れたのだった。
*********************************************************
ここまで読んで頂いて、有り難うございます。
ついにばれてしまったボニファーツ達。帝国の予算の半分を使い込んで出来たジュピター。
果たしてこの後どうなる?
続きをご期待下さい
俺の目の前で姫様が敵船と一緒にワープアウトしていった。
完全に参謀の俺の戦略ミスだ。
敵の高速宇宙船はここまで必死に逃げてきたから、俺の単純計算では敵がワープするまでに制圧は完了すると思っていた。
それが姫様が先陣をきって倉庫に突入すると同時に敵船がワープするなど、劇みたいな茶番だった。
これではみすみす姫様を敵に人質として差し出したようなものだ。
作戦参謀としては最悪の手を取ってしまった……
まあ、彼の姫様のことだから、無事だとは思うが……ボニファーツの絶対防御システムはあるし、安全は守られている。
ただ、姫様のことだから一人で船の制圧戦を始めかねない。姫様の愛機ビーナスには巡洋艦以上の兵器が搭載されているのだ。それでなくてもビーナスの主砲はブラスターだ。一撃で高速宇宙船を破壊しかねない。ワープしている宇宙船から亜空間に放り出された場合、延々と亜空間を漂うことになると言われているが、実際はどうなのかは判らない。まあ、ビーナスならば亜空間に一機だけ押し出されても壊れることはないのだが……
ボニファーツに頼めば探し出してくれるとは思うが、探し出すのはまた手間だ。
「直ちに全機帰還させろ。ボニファーツ殿ワープのトレースをお願いする。マルコ、あと何時間でワープできる」
我に返った艦長が次々に指示を出してくれる。
こういういざという時に沈着冷静な艦長は頼りになる。
「全マーキュリー隊は直ちに帰還してください。繰り返します。全マーキュリーは直ちに帰還してください」
「艦長、この航路じゃとおそらくフッセンじゃ」
「艦長、距離によりますが、後二時間くらいでワープできます」
浮き足立った艦橋が途端に落ち着いて皆次々に操作をして報告を始めた。
「2時間もかかるのか?」
俺が思わず呟くと
「いくらジュピターが高性能でも120光年の長距離ワープの後すぐの長距離ワープは無理だよ」
マルコが少しむっとして答えてくれた。
それはそうだ。
「ヨーナスは直ちにフッセン星域のチャートと重要戦略拠点のデータをメインクルー並びに騎士に送ってくれ」
「了解しました」
俺は艦長の指示に従って帝国の情報網にある公式記録と非公式記録のハッキングに入る。
姫様は大丈夫だろうか?
俺達が行くまでじっとしておいてくれ!
俺は祈った
でも、絶対に姫様はじっと実としていないだろうな……
俺は反撃を始める姫様の勇姿が見えるようだった。
「おい、マルコ、ワープはまだか?」
そこに慌てて帰ってきたアードルフがいきなりマルコに食ってかかるように聞いていた。
「まだかって、今ワープアウトしたところだし、後二時間はかかるよ」
「何だと、今すぐワープしろ」
「そんなの無理だよ」
「おい、待てよ、アードルフ!」
いきなりマルコに掴みかかったアードルフを俺が後ろから慌てて羽交い締めにして止める。
「おいおい、アードルフや、即座にワープに入ろうとしたらエネルギーチャージャーがいるぞ」
そこに横からボニファーツのホログラフが現れて余計な事を言ってくれた。
「じゃあすぐにつけてくれよ」
「無茶を言うな1兆ドルくらいかかるんだぞ!」
「1兆ドルもするのか……」
さすがのアードルフも目が点になった。
一兆ドルって言ったら戦艦1隻分くらいだ。
到底おいそれと簡単に出せる金額じゃない。
ユバスクラスの国家では絶対に無理だ。
「まあ、ヨーナスに任せていればなんとかしてくれるじゃろう」
「ボニファーツ、そんな無茶言うなよ。今でもめちゃくちゃしているんだぞ。フッセン側が知れば卒倒するレベルなのに」
俺が叫ぶと
「なあに、1京ドルに高々1兆ドル追加しようが問題はなかろうて」
ボニファーツは笑ってくれたが、おいおいどこまでさせる気だ!
俺はきれそうになった。
元々この船ジュピターの建造費は到底一国の経済規模からいって出来るものではなかったのだ。
特にボニファーツの開発した最終兵器が馬鹿みたいに金食い虫で、資金調達するために俺はボニファーツにも手伝わせてフッセン男爵領の預金を各銀行から抜き出すと同時に、細かい借金を各銀行にフッセン名義でしまくったのだ。男爵本人の邸宅代から愛人の邸宅代、果てはいない隠し子1000人くらいの手切れ金とかその生活費とか住宅費で借りまくって作り上げた。
バレそうになると帝国内のボニファーツの人脈を使ってもみ消したりして、なんとかこの巨大艦の費用を調達したのだ。
無断でフッセン男爵に借金させて……
「なあに、フッセン男爵が我が国に対してしてきた悪辣非道な行いに対する迷惑料という事で良かろう」
ボニファーツはのほほんと言ってくれたが、さすがの俺も胃が痛くなる金額だった。
やっと二時間が経って、そろそろフッセンに向けてワープにはいろうとした時だ。
「艦長、至近にワープアウトしてくる艦、多数あります」
「何だと、どこの船だ」
「帝国正規軍です。戦艦ビスマルク他巡洋艦三駆逐艦六、完全に囲まれています」
アンネが報告した。
まだワープは出来ないし、そもそも我が国は帝国と戦争状態ではないのだ。いきなり、戦端をきるのはさすがに不味い。
「ボニファーツ! 貴様、フッセンから莫大な金を引き出して何をした!」
画面にはいきなり皇帝の補佐官のアンドレイ・コンドボガが憤怒の形相で現れたのだった。
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ここまで読んで頂いて、有り難うございます。
ついにばれてしまったボニファーツ達。帝国の予算の半分を使い込んで出来たジュピター。
果たしてこの後どうなる?
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