銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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大破した帝国の戦艦から一目散に逃げ出しました

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 ジュピターは衝突のショックで凄まじい衝撃を受けていた。
「ギャーーーー!」
 横着にもシートベルトをしていなかったアーロンは天井に向けて吹っ飛んでいた。
 いつも私の悪口ばかり言っているからだ。
 少し溜飲が下がった。
 まあ、それどころではなかったけれど……

 もともとワープするときはワープアウト近辺に何もいないことを確認してワープするのだ。
 今回はワープする前にはいなかったのに、ワープアウトする直前にド悪ちゃんたちの船がワープアウトしてきたらしい。
 私達を追ってきたんだろうか?
 後でボニファーツに確認したらあり得ないとのことだった。
 まあ、ボニファーツがそう言うんならそうだろう。
 でも、たまたまド悪の艦隊が私達のワープアウトする地点にワープしてくるなんてあり得るのだろうか?
 広大な宇宙空間でたまたまニアミスする可能性なんて天文学的数字の確立なんだけど。ゼロコンマの下にゼロが見えないくらいついた後の一%だ。
 ド悪達が船の最大ワープ距離をワープしたのと戻って来た私達がぴったり重なる事になっていたなんて知らなかった。それでも天文学的数字の確立なんだけど……
「25の呪いだな」
 ヘイモが訳の判らない事を言ってくれたが、
「25なんてどこにもないでしょ」
「いや機動歩兵を25機積んでいたとか」
「なわけあるか!」
 私は思わず叫んでいた。
 後でド悪の旗艦のキエフがビスマルク型の25番艦だという事が判明したんだけど……
 そう教えてくれたボッチはこれは秘密にしておいた方が良いですよねと聞いてきたから私は大きく頷いた。25の呪い25の呪いって皆煩いのよ!

 ド悪達の艦隊も丁度ワープアウトしたところみたいでそれも何故か4隻が密集していた。
 後でボニファーツに聞いたら、巡洋艦単艦ではワープ距離が足りないので、まとまって戦艦のワープで強引に残りの巡洋艦を引きずってワープ距離を伸ばす為に密集していたらしい。そんなことが出来るなんて私では到底思いつかなかった。ド悪ちゃんは見た目ほど馬鹿ではないようだ。

 でも、それがド悪ちゃんの運の尽きだった。


 ワープアウトしたジュピターが最初に艦首で巡洋艦を引っかけたのだ。当然ジュピターの艦首にもバリアを張っていたので巡洋艦はそのバリアに引っかかって弾き飛ばされたのだ。ジュピターにはほとんど被害はなかった。
 弾き飛ばされた巡洋艦は回転していって隣の巡洋艦に激突したのだ。
 当たり所が悪かったのだろう。二隻は大爆発を起してくれた。
 それが残りの戦艦と巡洋艦も巻き込む。

 更にその前に戦艦にジュピターが激突していた。

「マルコ、回避だ」
 その前に艦長が指示を飛ばしてくれたけど……。
 マルコが必死に舵を切ってくれたのでまともにぶつかることはなかったが、戦艦から出ていた出っ張りにぶつかったのだ。

 凄まじい衝撃が艦内を襲う。

「ギャーーーー」
 地面に落ちていったアーロンの悲鳴が聞こえた。

 後でボニファーツに確認したら出っ張りに艦橋があったらしい。
 しつこいド悪ちゃんには悪いことをしたなと思う。さすがに無事では済まないだろう。
 でも、ジュピターはボニファーツが金に糸目をつけずに造っただけのことはある。ほとんど被害は無かった。
 でも、その後に衝突した巡洋艦の爆発の火炎が襲ってきた。

 流石のジュピターもその爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされていたのだ。
「ギャーーーー」
 アーロンがまた今度は天井へ向けて飛んでいた。
 さすがのジュピターも木の葉が舞うように振り回されて飛んで行ったのだ。

「マルコ、なんとか水平に戻せ」
「やっています」
 マルコが必死に舵で制御して回転を止めようとしてくれた。

「衝突箇所の破損チェックを急げ」
「了解です」
「全計器チェック」
「爆発による被害無いか全てチェックしろよ」
 艦長が次々に指示を飛ばす。

 なんとか回転が止まる。

「多少の計器に異常は見られますが、運行には支障ない者と思われます」
「武器関係もほとんど異常なし」
「帝国の艦隊の状況は?」
「レーダー反応あるのは戦艦キエフのみです」

 画面に映る艦船は真っ黒にすす転けたボロボロになった戦艦キエフだけだった。
 後の巡洋艦3隻は見当たらなかった。残りの一隻も爆発したんだろうか。
 キエフは所々穴が開いていて、エンジンも満足に動いていないようだった。
 残った戦艦キエフは見る限りこちらを攻撃してくるようには見えなかった。

「姫様。今のうちにできる限り離れたいのですが」
 艦長が進言してくれた。
「でも、救援に向かわなくて良いのかな?」
 私は少し良心に呵責を感じた。

「姫様、何をおっしゃっていらっしゃるんですか? ここは敵のど真ん中ですよ。敵はすぐに救援が現れますから」
 アンネに諭されてしまった。
 確かにそうだ。今のうちに離れた方が良いだろう。ここは他人の心配をしているよりもこちらの安全だ。

「それより、下ろしてくださいよ」
 アーロンの声が天井からした。
「えっ」
 慌てて天井を見ると防御ネットに絡まって天井から吊り下げられているアーロンが見えた。
「何しているのよ。そんなところで遊んでいないでさっさと降りてきなさいよ」
「降りられたら降りていますよ。網が絡まって降りられないんですよ」
 アーロンが助けを求めてきた。

「ええええ! アーロンはいつも煩いから天罰が落ちたんじゃない? そのままそこにいれば」
「姫様酷い。そんなこと言わないで助けてくださいよ」
 私が冷たく言うとアーロンが泣き言を天井から返してきた。
 そのまま置いておこうかと思ったけれど、天井にいても煩そうだ。
「ヘイモ、ヨキアム、下ろしてやって」
「ええええ!」
「面倒な!」
 ブツブツ文句を言いつつ、ヘイモとヨキアムが動き出してくれた。

 ジュピターは大破した戦艦キエフをその場に残して全力で離れた。
 そこからユバスまで900光年の隠密逃避行は、また本当に大変だったのだ。
*********************************
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
次は皇帝の怒りです
お楽しみに!
今日もガンガン更新していく予定です。
物語の中に25を25個並べる予定ですのでそれも探してもらえたら嬉しいです
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