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第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません
マーマ王国はシャラに降伏を勧告しましたが、使者は余計な一言で瞬殺されました
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マーマ王国。最近力を持ち出した軍事国家である。国王キャメロン・マーマは軍拡を進め出した張本人であり、その勢いは留まる所を知らず、近隣諸国を併合し尽くすはずであった。
兄の前国王は平和主義者だったが、第一師団長だったキャメロンが反乱を起こして政権をひっくり返したのだった。
キャメロンは兄の国王を始め、王妃やその子供たちも全員処刑していた。
血の繋がった兄一族を皆殺しにしたことで、キャメロンは国民には残虐王と呼ばれて恐れられていた。
そして、キャメロンは周囲の小国を併合、軍事大国への階段を順調に駆け上がろうとしていた。
その前に立ちふさがったのが、シャラだった。
シャラは攻めてきたマーマ王国軍の皇太子を中心とした精鋭1万を殲滅していた。
キャメロンとしてはこれは屈辱以外の何物でもなかった。
早急な対応方法を部下たちとたてていた。
「ダレル王国が滅んだのは間違いないのじゃな」
「はい。なんでも、娘を我軍の生贄爆弾にされそうになったことに、怒ったその母シャラ一党が反逆して、王国を転覆させたそうです」
宰相のチェスター・ジンデルが報告した。
「で、何故我軍がそれに巻き込まれておる」
「そこは良くわかりませんが、シャラなる魔導師の力は絶大で、我軍を1撃で殲滅したとの報告もあります」
「1撃での、そのようなこと信じられんが」
「大方魔導爆弾を地面に埋めておったのでしょう。敵方には魔導師のジャルカもおります」
大柄な第二王子のアーロン・マーマが言った。
「ジャルカか。あの死にぞこない。しかし、いくらなんでもそろそろ年ではないのか」
国王がジャルカが聞いたら切れそうなことを平然と言う。
「そう言えば20年前に、ダレル王国がノルディンの大軍に攻め込まれた時もシャラなる者が自爆攻撃でその大軍を道連れに自爆した事があったと記憶しますが」
魔導師のディーンが記憶を手繰って披露した。
「そのシャラとかいうもの、名前が同じじゃの」
キャメロンが気づいていった。
「その者は死ななかったのか」
「いや、たしかに死んだと記憶しておりますが」
「同じ名の別人か」
「まあ、判りませんが」
ディーンは口を濁した。ディーンとしては不吉な予感がして、あまりこの件については関わりたくはなかった。
「まあ、ダレル国がなくなったのなら、傘下に入らぬかと勧誘するのも手じゃな」
冷酷な顔をした国王が言った。
「しかし、我軍1万が殺されておりますが」
アーロンが嫌そうに言った。
「それはそうじゃが、もしそやつらが余の傘下に入れば、この辺りの制圧はいとも簡単になるのではないか。傘下に入れてから使えぬと判ればその時は煮るなり殺すなり好きにすれば良いのではないかの」
人を人とも思わない冷徹な笑みを浮かべて国王は言った。
「確かに、傘下に入ってくれれば、今後の展開は楽になりますが」
宰相はが言う。
「直ちに使者を見繕って勧誘させよ」
「御意」
宰相が頭を下げた。
それを不満そうにアーロンは見ていた。
シャラの耕している畑にその使者は来た。
使者はマーマ王国の威をかりて尊大な態度だった。
「シャラとか言うのはその方じゃな。恐れ多くも国王陛下はその方をダレル郡の代官に任命された。ありがたく拝命するが良い」
マーマ王国の使者が前に座ったままのシャラの前で、傲慢に言った。
「おい、チェンバレー、この者、気が触れたのか」
「左様でございますな。シャラ様に1万の賊軍を殲滅された国王は恐怖のあまりおおかた頭が狂ったのでしょう」
チェンバーは馬鹿にしたように言った。
「な、何を申す。我がマーマ王国軍はまだ大半の精鋭を残しておるわ。一度勝ったくらいで良い気になるな」
使者は立上って言い切った。
「お頭。やってもいいか」
それに対して切れたステバンが立上って言った。
その身長は2メートルを超えて使者を睥睨して見下ろした。
「ヒィィィぃ」
その姿に使者は恐怖のあまり腰砕けになった。
「間違うな。負けたのはそちらだぞ。その方らの王自らが貢物を携えて謝罪に来るのが筋であろう」
チェレンチーは男を見下して言った。
「な、なんと、我がマーマ王国に逆らうのか。どうなっても知らぬぞ。その方の娘がどうなっても良いのか」
男は思わず漏らしていた。
しかし、それは男が絶対に言ってはいけない言葉だった。
「何だと、クローディアに手を出すだと」
シャラは一瞬で憤怒の顔になったかと思うと、雷撃を男に放っていた。
ステバンとチェレンチーが思わず伏せる。
凄まじい爆発音と閃光が起こる。
その後には巨大なクレーターがあいていた。
当然使者だった男たちは影も形も残っていなかった。
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ここまで読んで頂いてありがとうごさいます
本日もう一話更新します
兄の前国王は平和主義者だったが、第一師団長だったキャメロンが反乱を起こして政権をひっくり返したのだった。
キャメロンは兄の国王を始め、王妃やその子供たちも全員処刑していた。
血の繋がった兄一族を皆殺しにしたことで、キャメロンは国民には残虐王と呼ばれて恐れられていた。
そして、キャメロンは周囲の小国を併合、軍事大国への階段を順調に駆け上がろうとしていた。
その前に立ちふさがったのが、シャラだった。
シャラは攻めてきたマーマ王国軍の皇太子を中心とした精鋭1万を殲滅していた。
キャメロンとしてはこれは屈辱以外の何物でもなかった。
早急な対応方法を部下たちとたてていた。
「ダレル王国が滅んだのは間違いないのじゃな」
「はい。なんでも、娘を我軍の生贄爆弾にされそうになったことに、怒ったその母シャラ一党が反逆して、王国を転覆させたそうです」
宰相のチェスター・ジンデルが報告した。
「で、何故我軍がそれに巻き込まれておる」
「そこは良くわかりませんが、シャラなる魔導師の力は絶大で、我軍を1撃で殲滅したとの報告もあります」
「1撃での、そのようなこと信じられんが」
「大方魔導爆弾を地面に埋めておったのでしょう。敵方には魔導師のジャルカもおります」
大柄な第二王子のアーロン・マーマが言った。
「ジャルカか。あの死にぞこない。しかし、いくらなんでもそろそろ年ではないのか」
国王がジャルカが聞いたら切れそうなことを平然と言う。
「そう言えば20年前に、ダレル王国がノルディンの大軍に攻め込まれた時もシャラなる者が自爆攻撃でその大軍を道連れに自爆した事があったと記憶しますが」
魔導師のディーンが記憶を手繰って披露した。
「そのシャラとかいうもの、名前が同じじゃの」
キャメロンが気づいていった。
「その者は死ななかったのか」
「いや、たしかに死んだと記憶しておりますが」
「同じ名の別人か」
「まあ、判りませんが」
ディーンは口を濁した。ディーンとしては不吉な予感がして、あまりこの件については関わりたくはなかった。
「まあ、ダレル国がなくなったのなら、傘下に入らぬかと勧誘するのも手じゃな」
冷酷な顔をした国王が言った。
「しかし、我軍1万が殺されておりますが」
アーロンが嫌そうに言った。
「それはそうじゃが、もしそやつらが余の傘下に入れば、この辺りの制圧はいとも簡単になるのではないか。傘下に入れてから使えぬと判ればその時は煮るなり殺すなり好きにすれば良いのではないかの」
人を人とも思わない冷徹な笑みを浮かべて国王は言った。
「確かに、傘下に入ってくれれば、今後の展開は楽になりますが」
宰相はが言う。
「直ちに使者を見繕って勧誘させよ」
「御意」
宰相が頭を下げた。
それを不満そうにアーロンは見ていた。
シャラの耕している畑にその使者は来た。
使者はマーマ王国の威をかりて尊大な態度だった。
「シャラとか言うのはその方じゃな。恐れ多くも国王陛下はその方をダレル郡の代官に任命された。ありがたく拝命するが良い」
マーマ王国の使者が前に座ったままのシャラの前で、傲慢に言った。
「おい、チェンバレー、この者、気が触れたのか」
「左様でございますな。シャラ様に1万の賊軍を殲滅された国王は恐怖のあまりおおかた頭が狂ったのでしょう」
チェンバーは馬鹿にしたように言った。
「な、何を申す。我がマーマ王国軍はまだ大半の精鋭を残しておるわ。一度勝ったくらいで良い気になるな」
使者は立上って言い切った。
「お頭。やってもいいか」
それに対して切れたステバンが立上って言った。
その身長は2メートルを超えて使者を睥睨して見下ろした。
「ヒィィィぃ」
その姿に使者は恐怖のあまり腰砕けになった。
「間違うな。負けたのはそちらだぞ。その方らの王自らが貢物を携えて謝罪に来るのが筋であろう」
チェレンチーは男を見下して言った。
「な、なんと、我がマーマ王国に逆らうのか。どうなっても知らぬぞ。その方の娘がどうなっても良いのか」
男は思わず漏らしていた。
しかし、それは男が絶対に言ってはいけない言葉だった。
「何だと、クローディアに手を出すだと」
シャラは一瞬で憤怒の顔になったかと思うと、雷撃を男に放っていた。
ステバンとチェレンチーが思わず伏せる。
凄まじい爆発音と閃光が起こる。
その後には巨大なクレーターがあいていた。
当然使者だった男たちは影も形も残っていなかった。
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