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第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません

プロローグ シャラは娘と暮らせて幸せでした

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この話見つけて頂いてありがとうございます。

大賞目指してがんばります

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廃墟となった王宮から離れた山の中、

娘クローディアと一緒に暮らせるようになってシャラは幸せに暮らしていた。

地獄に居てクローディアがいじめられるのをただただ見せつけられて何も手を出せなかった日々はシャラにとって本当に地獄だった。
その日々と比べると今は本当に天国にいるようにシャラは感じていた。

今日もシャラは仲間とともに懸命に畑仕事をしていた。

仲間が王都から逃げ出してきた人々も含めて200人を超えたので、畑の開墾もやることにしたのだった。何しろ200名くらいが食べていかねばならないのだ。
狩りで獲物を捕るのも当然だったが、下手したらこの辺りの獣を尽く捕り尽くしてしまいそうだったのだ。

慌てたジャルカの指示の下皆力仕事に精を出していた。
何しろこの集団は体格もよく力仕事に長けたものが多いのだ。
あっという間に巨大な畑が出来上っていた。

王都は王宮を失い、治安状況も悪化していた。
それを嫌ってこの地に逃げて来る者もちらほらいた。
シャラは鷹揚にそれを許して住まわせたので、人の数は200名くらいの村になっていた。
静寂な山が騒々しい村になったので、ジャルカはいい顔をしなかったが、オオクニヌシから言われた手前、何も言えなかった。

シャラはこういった畑仕事も好きだった。

「あっ」
そのシャラの手が止まる。
遠くからおやつを持ってクローディアがステバンを伴ってやって来るのが見えたのだった。

「あやつ、何故クローディアと一緒にいる」
ニヤニヤ笑っているステバンを見てムッとするシャラであった。

「それはクローディアさんの護衛を姉御が命じられたからではないですか」
苦笑いを浮かべてチェレンチーが答える。
そう、娘が心配なシャラは、見た目巨体でいかにも強そうなノルディン族のステバンをクローディアの護衛に付けていたのだ。

「しかし、近すぎないか」
娘大事なシャラはブツブツ言う。

「いや、まあ、護衛というものはあんな感じては」
チェレンチーは単純なステバンのためにも援護しておいてやる。

「皆さん。ご苦労さまです。休憩の時間です」
クローディアの声が聞こえる。

「おーー、もうそんな時間か」
男共が一斉に手を止めてクローディアのもとに向かった。

「姉御は行かれないので」
動こうとしないシャラにチェレンチーが尋ねる。

「もう少し耕してから行く」
未だにクローディアに中々近づけないシャラなのだ。

そのくせ視線はずーーっとクローディアに向いている。

男共がクローディアの周りに集まってクローディアの焼いたお菓子を貪り食べている。

「アイツラ、そんなに近づくな」
ブルブル怒りに震えるシャラであった。

そのクローディアがチェレンチーに何か言われたのか、立ち上がってこちらに向かって来る。

「えっ」
シャラはそのままどこかに走り去ってしまいたい気分だったが、そうするわけにも行かず、無心に鍬を振った。同じところわ何度も・・・

「シャラザールさん。休憩して下さい」
クローデイアの声にビクッとする。

「いや、もう少し仕事をしてから」
「すごい穴ですね。何植えるんですか」
クローディアから言われて冷や汗が出た。
こんな穴ほってもどうしようもない。

「いや、ここに木を植えようと思って」
絶対にこんな畑の真ん中に木が生えていたら邪魔なだけなのだが、とっさにシャラは言っていた。

「えっ、そうなのですか」
「暑い夏に日陰があれば良いだろうと思って」
シャラは必至に言い訳した。

「まあ、暑い夏の日には日陰があっても良いものですものね」
「そうだろう」
後で絶対にチェレンチーにブツブツ小言を言われるのをシャラは覚悟した。

「じゃあシャラザールさん。こちらを向いて下さい」
「えっ」
向いたシャラザールの口に1口サイズのぷちケーキをクローディアは食べさせた。

シャラは真っ赤になる。娘に物を食べさせてもらった。
な、何てことだ。あの可愛かった赤子のクローディアに食べさせてもらってた。

シャラは幸せだった。

しかし、次の瞬間にそのケーキを喉につかえさせた。
「んんんん」
「シャラザールさん、大丈夫ですか」
クローディアは必至にシャラザールの背中を叩いた。

シャラはむせて大変だったが、娘に介抱されて、嬉しさで死にそうになっていた・・・・・
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