転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
33 / 62

憧れのウィル様が助けてくれました

しおりを挟む
男が私の胸に手を伸ばしたところで、私は思いっきり肘鉄を男に食らわせたのだ。

「グェっ」
男が鳩尾を押さえて呻くのと、部屋の扉がダンッと開くのが同時だった。

「大丈夫か、ニーナ嬢!」
そこにはなんとウィル様が飛び込んで来たのだ。

「ウィル様!」
私は鳩尾を押さえて呻いている男を弾き飛ばして、思わずウィル様に飛び付いていたのだ。
いや、結果として、ウィル様の胸の中に飛び込んでいた。

私はウィル様に会えた喜びと男に抱きつかれたショックで結果的にウィル様の胸に飛び込んでいたのだ。

ウィル様はいきなり私に飛び込まれて驚いたみたいだけれど、私を邪険にすることなく、抱き締めてくれた。

暖かい! 夢にまで見た、ウィル様だ。

私はその胸板にスリスリしてみた。あの時上着の暖かさと同じだ。

「あなたは……」
なんか、男、子爵令息は驚いてウィル様を見ていた。

やっぱりウィル様は貴族の間では有名人なんだろうか?

「お前は、王立学園の生徒になんて事してくれるんだ」
「いや、これは私とニーナ嬢の問題で」
「嘘言わないで、いきなり胸に手を伸ばしてきたのはあなたじゃない!」
私が子爵令息の意見にムッとして反論すると、
「そもそも個室になって文句を言わなかったのはお前だろう」
「個室しか無いって言ったのはあなたじゃない!」
「個室に二人になった段階でこうなっても良いって事だろうが」
「なんですって!」
私は完全にプッツン切れていた。ウィル様が居なかったらそのままあの冒険者崩れみたいに燃やしていた。

でも、何故か、ウィル様は頭を押さえているんだけれど……

「ユリアンティラ子爵令息。確かに、ニーナ嬢は貴族のマナーを知らないかもしれませんが、それを、あなたが悪用して良いと言う事はないですよね」
そして、ウィル様の後ろから、何故か、不機嫌さ満載のアクセリ様が現れたんだけど……

何故? 何故ラスボスがここにいるの? って感じなんだけど。

ウィル様とアクセリ様は知り合いなんだろうか?

まあ、会長とウィル様が知り合いなのだから、その側近のアクセリ様が知り合いの可能性はあるとは思うんだけど……

「あ、あなた様はトウロネン様……」
子爵令息が驚愕して、アクセリ様を見ているんだけど。

そらあ、怖いよね。

それでなくとも、普通の時でさえ、副会長のアクセリ様に話しかけるのはためらわれるのに、不機嫌なアクセリ様なんて、絶対に話したくない。

「ユリアンティラ子爵令息、詳しいことは隣で聞きましょう」
顔は笑っているが、目は氷のように冷えた目のアクセリ様が言われた。

これは絶対にダメな奴だ。

「いや、トウロネン様、これには色々と訳がありまして……」
必死に言い訳しようとする子爵令息を、有無を言わさずアクセリ様が引き摺って行った……


「でニーナ嬢、何故、あいつと二人だけでの個室にいた?」
不機嫌さを隠さずに、ウィル様が言うんだけど。

私はこれまでの経緯を話した。

「君は礼儀作法にはまだ精通していないのかも知れないが、基本は未婚の男女が二人きりで個室にいるのは良くないんだぞ」
と、ウィル様に怒られた。

「そ、そうなんですか?」
私は知らなかった。と言うか田舎では普通に男の子らと二人で部屋にいたこともあるんだけど。

「子供の時はいざ知らず、妙齢の女の子は気を付けるべきだ。現に今、君は襲われそうになっただろう!」
「でも、それは仕方がなくて」
「何が仕方がないだ! 二人きりになりそうな時にそれは嫌だってはっきり断ればよかっただろう! 何故断らなかったんだ!……」
「そんな……」
きつくウィル様に言われて、私は涙が湧き出したのだ。

「えっ、いや、ニーナ嬢、いきなり泣き出さなくても」
ウィル様は慌てて、私の涙を止めようとしてくれたが、私の涙は全然止まらなかったのだ。
「だって、ひどい、私、学園に入ったばかりで、右も左もまだわからないのに」
久しぶりに知っている人にあったからだろうか?

私は緊張の糸が切れたように泣き出したのだ。

それを止めようと必死にウィル様が努めてくれたけれど、私の涙はなかなか止まらなかったのだ。





*************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』この話のライラ視点です。
ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342

下にリンクも張っています

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

子供が可愛いすぎて伯爵様の溺愛に気づきません!

屋月 トム伽
恋愛
私と婚約をすれば、真実の愛に出会える。 そのせいで、私はラッキージンクスの令嬢だと呼ばれていた。そんな噂のせいで、何度も婚約破棄をされた。 そして、9回目の婚約中に、私は夜会で襲われてふしだらな令嬢という二つ名までついてしまった。 ふしだらな令嬢に、もう婚約の申し込みなど来ないだろうと思っていれば、お父様が氷の伯爵様と有名なリクハルド・マクシミリアン伯爵様に婚約を申し込み、邸を売って海外に行ってしまう。 突然の婚約の申し込みに断られるかと思えば、リクハルド様は婚約を受け入れてくれた。婚約初日から、マクシミリアン伯爵邸で住み始めることになるが、彼は未婚のままで子供がいた。 リクハルド様に似ても似つかない子供。 そうして、マクリミリアン伯爵家での生活が幕を開けた。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

とんでもない侯爵に嫁がされた女流作家の伯爵令嬢

ヴァンドール
恋愛
面食いで愛人のいる侯爵に伯爵令嬢であり女流作家のアンリが身を守るため変装して嫁いだが、その後、王弟殿下と知り合って・・

困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。

新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。 趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝! ……って、あれ? 楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。 想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ! でも実はリュシアンは訳ありらしく…… (第18回恋愛大賞で奨励賞をいただきました。応援してくださった皆様、ありがとうございました!)

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

処理中です...