悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
102 / 121

心配事は色々出てきましたが、取りあえず、テストに集中しました

 あの後、先生らと警備の騎士達が飛んできた。
 果ては近衛騎士団長のお父様と王都騎士団長のキンメル侯爵までやってきて、本当に大変だった。

「そもそも貴様の娘がいろいろ余計な事をやるからこんなことになるのだ!」
「何だと、うちの娘が何をしたというのだ?」
「聖女様を聖女様とも思わずに嫉妬に狂って魔術攻撃をしたというではないか」
「何を言っている。その件は王太子殿下にその聖女様とやらが不敬にも抱きついたから、やったと申していたが……」
「王太子殿下もろとも魔術攻撃したその方の娘こそが不敬だろう」
「ふんっ、学園にいる間は生徒は皆平等だ」
「何を言う。それでも限度があるだろうが」
 私のことで言い合う、二人に私は少し青くなった。
 少し考えなしにやり過ぎたのかもしれない。

「何を言うか。今回の件はそもそも不審者を学園内に入れた貴様の手落ちだろうが。人手が足りないのならば我が騎士団から貸し出そうか」
「何だと。人手は足りているわ!」
 二人の言い合いは終わりそうに無かった。
「いい加減にしなさい!」
 そこに業を煮やしたマイヤー先生が雷を落としたのだ。
 私は唖然とした。この二人を怒鳴りつけるなんてなんて無謀なことをと思ったのに、
「「はい」」
 二人は大人しくなったのだ。
 ええええ! お父様達よりもマイヤー先生は強いの?
 ひょっとしてこの国最強?
 私はまさか、お父様達がマイヤー先生の教え子で学園在学中は散々怒られていたのを知らなかったのだ。
 マイヤー先生っていくつなんだろう? と思ったのは内緒だ。



「考えたら、ユリアってゲームの中の悪役令嬢ユリアーナよりも過激なのよね」
 翌日、休み時間にマリアに指摘されたんだけど、
「えっ、そうなの?」
 私は初耳だった。
「ゲームの中の悪役令嬢のユリアーナは婚約者の王太子殿下と仲良くなった聖女にいろんないじめをしていじめ抜いたんだけど、雷撃したっていうのは無いんだけど」
 そうマリアに教えてもらって私はやり過ぎていたのを知ったのだ。
 そんなつもりは全くなかったんだけど、悪役令嬢ユリアーナよりも酷い事をしていたらしい。
「このままいったらあなた、サマーパーティーで断罪されるかもしれないわよ」
 マリアに指摘されて私は青くなった。
「えっ、そうなの? でも、そんなのもっと前に教えてよ」
「教えるも何も、あなた私が言う前に既に攻撃していたじゃない」
 マリアに言われて何も言い返せなかった。

「でも、マリア、私クラウスの婚約者じゃ無いわよ」
「うーん、聖女を虐めた悪役令嬢リーゼロッテ様の取り巻き令嬢筆頭ということで一緒に断罪されるんじゃない」
 マリアが話してくれたけれど、
「悪役令嬢から格下げされたのね」
「何を言っているのよ!」
 私はマリアに呆れられた。
「まあ、今回の件、あなたに手を出そうとするなんて命知らずのことをするのは、あなたの家に反発するキンメル侯爵か、聖女を抱える教会か、それともあなたのお兄様にアプローチしてあなたに邪魔されているツェツィーリア様の帝国よ」
 マリアが指折り数えてくれた。
「えっ、私、ツェツィーリア様の邪魔なんてしていないわよ」
 私がそう反論したらマリアは頭を抱えていた。
「あなたね。どう見てもあなたのお兄様はあなたにべったりじゃない」
「それは昔から過保護だし、シスコンなのよね」
 私がマリアに言い訳したら、更にマリアは呆れた顔をして私を見つめてくれたんだけど。

「そう思っているのはあなただけよ」
「どういう意味よ」
「問題は帝国よね。まあ、でも、あなたのお兄様がいる限り問題は無いと思うんだけど」
 私を無視してマリアは考え出した。

「ユリアーナ様。昨日は大丈夫でしたか?」
 そこにゲオルクがやってきて尋ねてくれた。
「貴様、俺が聞く前に」
 慌ててダミアンが飛んで来たんだけど。
 その後ろにボンズとニールも付き従っていた。

 私はサラマンダー退治で、この3人の剣を壊してしまったので、ダンジョンで拾っていた剣を適当に渡したのだ。それまでブツブツ文句を言っていた3人だが、その瞬間、
「こ、このような剣をもらっても良いのですか」
「さすがユリアーナ様」
「死ぬまでついて行きます」
 あっという間に3人の態度が変わってしまったんだけど……

「ユリアーナ様。このような高価な剣を渡しても良いのですか?」
 ゲオルクが聞いてきたが、
「えっ、そんな高価なの?」
 私はよく知らなかったのだ。
「下手したら金貨千枚以上の値がつきますが」
 ゲオルクの声に私は青くなった。失敗した。金貨千枚って言えば平民が一生涯食べていける値段だ。最悪公爵家を追い出された時の資金に取っておけば良かった。そう後悔したが、もう襲い。
「良いのよ良いのよ。またダンジョンで取ってくれば良いんだから」
 私は愛想笑いをした。最悪宝物庫からお父様に言ってもらえば良いだろう。
 私は無理矢理納得したのだ。

「私は大丈夫よ。お兄様のお守りもあったし」
「何かあれば命に代えて俺が守りますから」
「何を言う、ユリアーナ様の一の子分は俺だ」
 ゲオルクの言葉にダミアンが横から声を出してきた。
「俺達も遠くから身守ります」
 ボンズ等は平常運転だ。
 まあ、自分の身は自分で守れるし、下手に傍にいられてお兄様のお守りで攻撃されたらまずいんだけど……

「それよりもゲオルク、あなた、ユリアを守っても良いの?」
 マリアが変なことを聞いてきた。
「マリア、何を言うんだ。俺はユリアーナ様の家臣だ」
「でも、あなた帝国の人間じゃない」
「ふんっ、ユリアーナ様の銀髪は帝国の高貴な印。俺が守ったとしても問題ない」
「あなた、ツェツィーリア様がユリアを斬れって言ってもそう言えるの?」
 更にマリアはとんでもないことを言い出したんだけど……
「はああああ? ツェツィーリア様がそんなこと言われる訳はないだろう。例え言われても、俺はユリアーナ様に忠誠を誓ったのだ。裏切ることはない」
 頼もしくもゲオルクは言い切ってくれたんだけど、本当に良いんだろうか?
 帝国の人間なのに?
 私は心配したけれど、そう言われて悪い気はしなかった。
「なら良いけれど」
 疑い深そうにマリアはゲオルクを見た。
「はあ? 騎士は忠誠が全てだ。問題ないぞ」
 ゲオルクがマリアを睨み返していた

「まあ、何でもいいわ」
 私はそう言うと二人の間に入ったのだ。そして、こちらを見ていたクラスの皆を見回した。
「それよりも皆、テストまであと少しよ。色々あったけれど、テストでB組なんかに負けたら許さないから。絶対に勝つわよ。良いわね」
「「「おおおお!」」」
 クラスの皆が叫んでくれた。
 そう、前期の終わりのテストまであと少し、色々と心配事が出てきたけれど、取りあえず、私はテストに集中したのだ。
************************************
陰謀渦巻く中、テストに集中するユリアでした。
続きは今夜です。

感想 71

あなたにおすすめの小説

私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか

あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。 「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」 突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。 すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。 オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……? 最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意! 「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」 さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は? ◆小説家になろう様でも掲載中◆ →短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます

婚約破棄だ!と言われ実家に帰ったら、最推しに餌付けされます

黒猫かの
恋愛
王国の第一王子クレイスから、衆人環視の中 で婚約破棄を言い渡されたローゼン侯爵令嬢ノエル。

逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子

もちもちほっぺ
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。 (その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!) 期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。

運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。

ぽんぽこ狸
恋愛
 気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。  その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。  だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。  しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。  五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。

伯爵令嬢が婚約破棄され、兄の騎士団長が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

悪役令嬢になったようなので、婚約者の為に身を引きます!!!

夕香里
恋愛
王子に婚約破棄され牢屋行き。 挙句の果てには獄中死になることを思い出した悪役令嬢のアタナシアは、家族と王子のために自分の心に蓋をして身を引くことにした。 だが、アタナシアに甦った記憶と少しずつ違う部分が出始めて……? 酷い結末を迎えるくらいなら自分から身を引こうと決めたアタナシアと王子の話。 ※小説家になろうでも投稿しています

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて

奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】 ※ヒロインがアンハッピーエンドです。  痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。  爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。  執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。  だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。  ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。  広場を埋め尽くす、人。  ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。  この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。  そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。  わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。  国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。  今日は、二人の婚姻の日だったはず。  婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。  王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。 『ごめんなさい』  歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。  無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。