106 / 121
乾杯した後聖女が苦しみだして、私は聖女に毒を盛った犯人にされました
しおりを挟む
「ハンブルク王国の王立学園の生徒の諸君。今君たちは前期を終えてほっとしているだろう」
学園長が壇上に上って挨拶を始めた。頷いている生徒がいる。
「特に一年生は初めてのテストを終えてほっとしていることと思う。私もほっとしている。特に今年はいろいろと問題を起す生徒も多く、私は疲れた」
その言葉と共に皆私達の方を見るんだけど、絶対にお兄様よね!
「ユリアに決まっているでしょう」
呆れたようにエックお兄様の横にいるマリアが呟いてくれたんだけど、お兄様も変わらないはずよ!
「テストは出来た者も出来なかった者もいるだろう。でも、結果はもう出た後だ。今更悔やんでも仕方が無い。それに喜んでほしい。明日からは皆の待ち望んでいた夏休みだぞ」
学園長が全員を見渡した。
「そうだ」
「夏休みだ」
皆期待に目を輝かせている。
「せっかくの夏休み、思いっきり羽を伸ばしてほしい。一学期間ご苦労様。夏の間に鋭気を養って後期からの授業に備えてくれたまえ」
珍しく、学園長の話は短かった。
皆一斉に拍手していた。
「では続いて国王陛下よりお言葉を頂戴したいと思います」
司会のラーデ先生の声に皆、グランドの観客席に作られた保護者席をみた。その真ん中の来賓席に国王陛下の姿が見えた。
「王立学園の諸君、一学期間、勉強に学園の行事にご苦労だった。この国の未来を引っ張る諸君の頑張りに私は拍手を送りたい」
保護者席から一斉に拍手があった。
今日は結構な保護者が観客席にいた。私の父親は相変わらず陛下の後ろに立っていたが。
「特にこの前期は、私の後ろに立っているホフマン公爵家の子供達の活躍が目立っていた。1年生のユリアーナを筆頭に我がクラウスの婚約者のリーゼロッテ、我が息子のクラウスを押えたフランツ、エックハルトの4人が主席をだし、一番上のアルトマイアーは成績こそ2位だったが、競技大会で剣術部門での優勝と大活躍だった。よく頑張ったと言いたいが、私の息子を始め、他の者にもより一層の努力を期待したい」
陛下の話に皆頷いていた。
ちょっと陛下、皆を煽るのは止めてよ! マリアがやる気になっているじゃ無い。私は一点差なんだから今度は負ける気しかしないんだけど……
その後も陛下の話の中に二回ほど私の話が出たような気がするが私は無視することにした。昔出会った小さい女の子が騎士を倒して驚いたとか、そんな子供がもう一年生にいるって私しかいないじゃ無い! 皆こちら見て笑っているし……私の黒歴史を話さないでほしい。フリッツ先生が私をきつい視線で私を睨んでくるし、これ以上剣術の成績が下がったら絶対にマリアに負けてしまうんだから!
「では今日は帝国からブッシュバウム枢機卿がいらしているのでお話し頂きましょう」
陛下の話の後で、司会のラーデ先生が枢機卿を指名した。
「王立学園並びにその保護者の皆さん。私は帝国というよりもこの大陸全ての国々で信仰されている教会の枢機卿です。此度は世界で久々にこの地に現れた聖女様のご様子をお伺いしにわざわざ帝国にある公国からやって参りました」
何か枢機卿の挨拶は前置きが長かった。これは長くなりそうだ。私はうんざりした。
「皆さん、聖女様はこの世界にとってとても尊いお方です。神から認められたお方なのです。その聖女様が少し蔑ろにされているという噂が流れて教皇猊下もとても心配なされております」
いきなり枢機卿はとんでもないことを言い出した。
すわ、これが断罪への序曲なのかと私は身構えた。
「学園の皆さんには出来ればもう少し聖女様を大切にして頂ければと思い苦言を述べさせていただきました。ところで皆さんは…………」
そこから枢機卿の長い話が始まったのだった。聖典に準ずる話として過去の聖女様とこの国の王との愛の物語を延々と話してくれたのだ。10分以上も。
私達生徒はうんざりした。
枢機卿としては聖女は王太子とくっつくべきだと言いたかったのだと思うけれど、生徒達の大半はうんざりして聞いていなかった。
「ということで私は聖女アグネス様の活躍を期待しております」
やっと長い枢機卿の話が終わった。
何に期待するのかよく判らなかったけれど、お姉様を押しのけてピンク頭がクラウスの婚約者になるということをだろうか?
より一層、私が頑張らないとと私は肝に銘じたのだった。
その後全員に給仕によってジュースが配られた。
「では乾杯の挨拶を生徒会長のアルトマイアーさんからしてもらいましょう」
その声に皆が私の隣のお兄様を見た。
「諸君。前期、ご苦労様。後期も頑張ろう。乾杯」
お兄様はその場で大声で叫んでいた。
「「「乾杯!」」」
皆大声で唱和した。
そして、私はそのジュースを一気飲みした。
バリン!
その時だ。誰かがジュースのコップを地面に落とししてわれる音がした。
そちらを見ると、ピンク頭が喉を押えて苦しんでいるのが見えた。
「キャーーーー」
「聖女様!」
「何事だ?」
「大変だ」
「聖女様が毒を盛られたぞ」
その声を聞いた途端に観客席の外から聖騎士がなだれ込んできた。
「動くな!」
聖騎士達は剣を抜いてたちまち私達を取り囲んだのだ。
私はそれを驚いて見ているしか出来なかった。
「ユリアーナ・ホフマン! その方、聖女アグネス様に毒を盛ったな」
騎士の一人が私を指さして叫んできたんだけど……私は何を言われたかとっさに判らなかったのだ。
******************************************************
ついに聖女に毒を盛った犯人だと名指しされたユリアの運命や如何に?
続きは明朝です。
お楽しみに!
学園長が壇上に上って挨拶を始めた。頷いている生徒がいる。
「特に一年生は初めてのテストを終えてほっとしていることと思う。私もほっとしている。特に今年はいろいろと問題を起す生徒も多く、私は疲れた」
その言葉と共に皆私達の方を見るんだけど、絶対にお兄様よね!
「ユリアに決まっているでしょう」
呆れたようにエックお兄様の横にいるマリアが呟いてくれたんだけど、お兄様も変わらないはずよ!
「テストは出来た者も出来なかった者もいるだろう。でも、結果はもう出た後だ。今更悔やんでも仕方が無い。それに喜んでほしい。明日からは皆の待ち望んでいた夏休みだぞ」
学園長が全員を見渡した。
「そうだ」
「夏休みだ」
皆期待に目を輝かせている。
「せっかくの夏休み、思いっきり羽を伸ばしてほしい。一学期間ご苦労様。夏の間に鋭気を養って後期からの授業に備えてくれたまえ」
珍しく、学園長の話は短かった。
皆一斉に拍手していた。
「では続いて国王陛下よりお言葉を頂戴したいと思います」
司会のラーデ先生の声に皆、グランドの観客席に作られた保護者席をみた。その真ん中の来賓席に国王陛下の姿が見えた。
「王立学園の諸君、一学期間、勉強に学園の行事にご苦労だった。この国の未来を引っ張る諸君の頑張りに私は拍手を送りたい」
保護者席から一斉に拍手があった。
今日は結構な保護者が観客席にいた。私の父親は相変わらず陛下の後ろに立っていたが。
「特にこの前期は、私の後ろに立っているホフマン公爵家の子供達の活躍が目立っていた。1年生のユリアーナを筆頭に我がクラウスの婚約者のリーゼロッテ、我が息子のクラウスを押えたフランツ、エックハルトの4人が主席をだし、一番上のアルトマイアーは成績こそ2位だったが、競技大会で剣術部門での優勝と大活躍だった。よく頑張ったと言いたいが、私の息子を始め、他の者にもより一層の努力を期待したい」
陛下の話に皆頷いていた。
ちょっと陛下、皆を煽るのは止めてよ! マリアがやる気になっているじゃ無い。私は一点差なんだから今度は負ける気しかしないんだけど……
その後も陛下の話の中に二回ほど私の話が出たような気がするが私は無視することにした。昔出会った小さい女の子が騎士を倒して驚いたとか、そんな子供がもう一年生にいるって私しかいないじゃ無い! 皆こちら見て笑っているし……私の黒歴史を話さないでほしい。フリッツ先生が私をきつい視線で私を睨んでくるし、これ以上剣術の成績が下がったら絶対にマリアに負けてしまうんだから!
「では今日は帝国からブッシュバウム枢機卿がいらしているのでお話し頂きましょう」
陛下の話の後で、司会のラーデ先生が枢機卿を指名した。
「王立学園並びにその保護者の皆さん。私は帝国というよりもこの大陸全ての国々で信仰されている教会の枢機卿です。此度は世界で久々にこの地に現れた聖女様のご様子をお伺いしにわざわざ帝国にある公国からやって参りました」
何か枢機卿の挨拶は前置きが長かった。これは長くなりそうだ。私はうんざりした。
「皆さん、聖女様はこの世界にとってとても尊いお方です。神から認められたお方なのです。その聖女様が少し蔑ろにされているという噂が流れて教皇猊下もとても心配なされております」
いきなり枢機卿はとんでもないことを言い出した。
すわ、これが断罪への序曲なのかと私は身構えた。
「学園の皆さんには出来ればもう少し聖女様を大切にして頂ければと思い苦言を述べさせていただきました。ところで皆さんは…………」
そこから枢機卿の長い話が始まったのだった。聖典に準ずる話として過去の聖女様とこの国の王との愛の物語を延々と話してくれたのだ。10分以上も。
私達生徒はうんざりした。
枢機卿としては聖女は王太子とくっつくべきだと言いたかったのだと思うけれど、生徒達の大半はうんざりして聞いていなかった。
「ということで私は聖女アグネス様の活躍を期待しております」
やっと長い枢機卿の話が終わった。
何に期待するのかよく判らなかったけれど、お姉様を押しのけてピンク頭がクラウスの婚約者になるということをだろうか?
より一層、私が頑張らないとと私は肝に銘じたのだった。
その後全員に給仕によってジュースが配られた。
「では乾杯の挨拶を生徒会長のアルトマイアーさんからしてもらいましょう」
その声に皆が私の隣のお兄様を見た。
「諸君。前期、ご苦労様。後期も頑張ろう。乾杯」
お兄様はその場で大声で叫んでいた。
「「「乾杯!」」」
皆大声で唱和した。
そして、私はそのジュースを一気飲みした。
バリン!
その時だ。誰かがジュースのコップを地面に落とししてわれる音がした。
そちらを見ると、ピンク頭が喉を押えて苦しんでいるのが見えた。
「キャーーーー」
「聖女様!」
「何事だ?」
「大変だ」
「聖女様が毒を盛られたぞ」
その声を聞いた途端に観客席の外から聖騎士がなだれ込んできた。
「動くな!」
聖騎士達は剣を抜いてたちまち私達を取り囲んだのだ。
私はそれを驚いて見ているしか出来なかった。
「ユリアーナ・ホフマン! その方、聖女アグネス様に毒を盛ったな」
騎士の一人が私を指さして叫んできたんだけど……私は何を言われたかとっさに判らなかったのだ。
******************************************************
ついに聖女に毒を盛った犯人だと名指しされたユリアの運命や如何に?
続きは明朝です。
お楽しみに!
515
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女召喚の聖女じゃない方~無魔力な私が溺愛されるってどういう事?!
未知香
恋愛
※エールや応援ありがとうございます!
会社帰りに聖女召喚に巻き込まれてしまった、アラサーの会社員ツムギ。
一緒に召喚された女子高生のミズキは聖女として歓迎されるが、
ツムギは魔力がゼロだった為、偽物だと認定された。
このまま何も説明されずに捨てられてしまうのでは…?
人が去った召喚場でひとり絶望していたツムギだったが、
魔法師団長は無魔力に興味があるといい、彼に雇われることとなった。
聖女として王太子にも愛されるようになったミズキからは蔑視されるが、
魔法師団長は無魔力のツムギをモルモットだと離そうとしない。
魔法師団長は少し猟奇的な言動もあるものの、
冷たく整った顔とわかりにくい態度の中にある優しさに、徐々にツムギは惹かれていく…
聖女召喚から始まるハッピーエンドの話です!
完結まで書き終わってます。
※他のサイトにも連載してます
私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします
ほーみ
恋愛
その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。
そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。
冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。
誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。
それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。
だが、彼の言葉は、決定的だった。
「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
虚弱体質で偽聖女だと追放された私は、隣国でモフモフ守護獣様の白き聖女になりました
・めぐめぐ・
恋愛
平民孤児であるセレスティアルは、守護獣シィに力を捧げる【聖女】の一人。しかし他の聖女たちとは違い、儀式後に疲れ果ててしまうため「虚弱すぎる」と、本当に聖女なのか神殿内で疑われていた。
育ての親である神官長が拘束され、味方と居場所を失った彼女は、他の聖女たちにこき使われる日々を過ごす。そしてとうとう、平民が聖女であることを許せなかった王太子オズベルトによって、聖女を騙った罪で追放されてしまった。
命からがら隣国に辿り着いたセレスティアルは、そこで衰弱した白き獣――守護獣ラメンテと、彼と共に国を守ってきた国王レイと出会う。祖国とは違い、守護獣ラメンテに力を捧げても一切疲れず、セレスティアルは本来の力を発揮し、滅びかけていた隣国を再生していく。
「いやいや! レイ、僕の方がセレスティアルのこと、大好きだしっ!!」
「いーーや! 俺の方が大好きだ!!」
モフモフ守護獣と馬鹿正直ヒーローに全力で愛されながら――
※頭からっぽで
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる