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冤罪で聖騎士達に拘束されそうになった時、お兄様が雷撃で聖騎士達を吹っ飛ばしてくれました。
向こうでピンク頭が喉を押えてのたうち回っていた。
ええええ! 私がピンク頭に毒を盛ったって言うの?
私は何のことか判らずに頭の中が一瞬真っ白になった。
「ヒール!」
自らそう叫ぶと苦しんでいたピンク頭は癒やし魔術の光で囲まれた。
そして、次の瞬間、何とか立ち上がったのだ。
「せ、聖女様。大丈夫ですか?」
そこにブッシュバウム枢機卿が飛んで来た。
「ありがとうございます。枢機卿」
ピンク頭はそう答えると、態度をがらり変えて立ち直ったのだ。何事もなかったように。本当に毒を盛られていたのかというほどの立ち直りの早さだった。
「聖女の私が私が毒を盛られるなんて、信じられません。これも私とクラウス様が仲良くしているのに嫉妬したリーゼロッテ様が、その妹のユリアーナさんに指示して毒を盛ってくれたに違いありませんわ」
ピンク頭は私達を睨んで宣言してくれた。
「な、何を言っているのよ! そんな訳はないでしょ」
そのピンク頭に珍しくお姉様が反論していた。クラウスを横にしてお姉様がまともな言葉を発せるなんて信じられなかった。ものすごい進歩だ。
「そうだ。ユリアーナがむかついたら問答無用で魔術攻撃をするぞ。それにユリアーナなら毒殺なんて手の込んだややこしい事するくらいなら、その場で張り倒しているはずだ」
「「「そうだそうだ」」」
クラウスの言葉に周りの皆が頷いているんだけど。
何それ? それじゃあ、私は単なる直情発作型の馬鹿じゃない!
後でマリアに文句言ったら、
「その通りだと思うけれど」
ってあっさり頷かれてしまったんだけど……私も少しは考えるわよ!
私自身がどう思おうと、周りの皆がクラウスの意見に賛同して、私みたいな単細胞が毒を盛るなんて面倒くさいことをする訳はないと、私の冤罪が晴れようとした時だ。
「まあ、皆様いかがなされたのですか?」
そこに帝国の皇弟の娘ツェツィーリア様が私によく似た真っ青な衣装で現れたのだ。
衣装になされている金の刺繍は帝国のマークの金の竜だ。私が身に纏いたかったピーちゃんに似ていた。最もピーちゃんはもっと可愛かったし、今もお兄様の胸にでかでかと描かれているけれど……
そのツェツィーリア様が私の衣装を見て眉を上げた。何か気に食わないところがあるみたいだ。私の衣装に施されたマークを見て不機嫌になったみたいだけれど、このサラマンダーはお兄様のマークで私のマークまではない。気に入らないところがあるのならば、文句はお兄様に言ってほしいんだけど……
「聖女アグネス様がユリアーナさんに毒殺されそうになられたって本当ですの?」
ツェツィーリア様は不機嫌な顔のまま、ピンク頭に尋ねた。
「そうではないかと私は感じたのです」
ピンク頭が言うと、
「まあ、本当に信じられませんわ。ユリアーナさんがそんなことをされるなんて」
「聖女様を毒殺しようとするなんて」
「可愛い顔をしてそんなことをするなんて」
「人は見かけによらないのですね」
ツェツィーリア様の言葉に周りの者が口々に言い出してくれた。
遠くにいる皆がまた一斉に私を疑わしそうに見てくんれた。
えっ、私が疑わしいの?
「私、前にユリアーナさんが仲良くしていらっしゃる聖女様と王太子殿下を水魔術で攻撃しているのを見ました」
「私も見たわ」
「普通は王太子殿下にそんなことしたら不敬になるのに、ユリアーナさんは主席だからか全く気にせずに攻撃していました」
「あの時は本当にユリアーナさんが怖かったです」
B組の連中を中心に一番最初の魔術攻撃を見た生徒達が言いだした。
そう言われると事実だけに反論しづらい。
「私はユリアーナさんが聖女様とクラウス様を雷撃で攻撃したのを見ました」
「まあ、雷撃するなんて、1つ間違えたら死んでいたかも知れませんわ」
ツェツィーリア様が私を冷たい視線で見てくれた。
「帝国の学園で皇族を雷撃で攻撃したら反逆罪が適用されますわ」
フローラもここぞとばかり私を非難してくれた。
「まあ、そうなのですか?」
「それに比べて王国は反省文だけだったかと」
「王国の王立学園は処分が随分甘いのですね」
フローラが傘にかかって言ってきた。
「お二人が亡くならなかったのは聖女様のお力のせいだと思います。聖女様がいらつしゃらなかったら、お二人とも亡くなっていたと思います」
B組の女達が騒ぎ出した。
うーん、魔術で攻撃したのは事実だ。
でも、一応手加減はしていたはずだ。
「本当に恐ろしいわ」
「だから魔術攻撃しても私が死なないから今度は毒を盛ろうとしたんだと思うんです」
ピンク頭が涙目で言いだした。
「まあ、なんてお事なの。この大陸の至宝の聖女様を亡き者にしようとするなんて」
「あり得ないわ」
ツェツィーリア様とフローラの言葉にその周りの者達が頷く。
「聖女様を亡き者にしようとするなど言語道断」
ブッシュバウムは私を睨み付けてきた。
「聖騎士達よ。直ちにユリアーナを拘束せよ」
ブッシュバウムの声に、聖騎士達が私に殺到しようとした。
「ユリアに触れるな」
お兄様の一喝とともに、雷撃が私に襲いかかろうとした聖騎士達に襲いかかったのだ。
10人以上の聖騎士が一瞬で雷撃を喰らい、吹っ飛ばされていたのだった。
********************************************************
ユリアを守るお兄様は健在です。
ユリアの運命や如何に?
今夜完結予定です
お兄様を応援しようと思われる方はお気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
ええええ! 私がピンク頭に毒を盛ったって言うの?
私は何のことか判らずに頭の中が一瞬真っ白になった。
「ヒール!」
自らそう叫ぶと苦しんでいたピンク頭は癒やし魔術の光で囲まれた。
そして、次の瞬間、何とか立ち上がったのだ。
「せ、聖女様。大丈夫ですか?」
そこにブッシュバウム枢機卿が飛んで来た。
「ありがとうございます。枢機卿」
ピンク頭はそう答えると、態度をがらり変えて立ち直ったのだ。何事もなかったように。本当に毒を盛られていたのかというほどの立ち直りの早さだった。
「聖女の私が私が毒を盛られるなんて、信じられません。これも私とクラウス様が仲良くしているのに嫉妬したリーゼロッテ様が、その妹のユリアーナさんに指示して毒を盛ってくれたに違いありませんわ」
ピンク頭は私達を睨んで宣言してくれた。
「な、何を言っているのよ! そんな訳はないでしょ」
そのピンク頭に珍しくお姉様が反論していた。クラウスを横にしてお姉様がまともな言葉を発せるなんて信じられなかった。ものすごい進歩だ。
「そうだ。ユリアーナがむかついたら問答無用で魔術攻撃をするぞ。それにユリアーナなら毒殺なんて手の込んだややこしい事するくらいなら、その場で張り倒しているはずだ」
「「「そうだそうだ」」」
クラウスの言葉に周りの皆が頷いているんだけど。
何それ? それじゃあ、私は単なる直情発作型の馬鹿じゃない!
後でマリアに文句言ったら、
「その通りだと思うけれど」
ってあっさり頷かれてしまったんだけど……私も少しは考えるわよ!
私自身がどう思おうと、周りの皆がクラウスの意見に賛同して、私みたいな単細胞が毒を盛るなんて面倒くさいことをする訳はないと、私の冤罪が晴れようとした時だ。
「まあ、皆様いかがなされたのですか?」
そこに帝国の皇弟の娘ツェツィーリア様が私によく似た真っ青な衣装で現れたのだ。
衣装になされている金の刺繍は帝国のマークの金の竜だ。私が身に纏いたかったピーちゃんに似ていた。最もピーちゃんはもっと可愛かったし、今もお兄様の胸にでかでかと描かれているけれど……
そのツェツィーリア様が私の衣装を見て眉を上げた。何か気に食わないところがあるみたいだ。私の衣装に施されたマークを見て不機嫌になったみたいだけれど、このサラマンダーはお兄様のマークで私のマークまではない。気に入らないところがあるのならば、文句はお兄様に言ってほしいんだけど……
「聖女アグネス様がユリアーナさんに毒殺されそうになられたって本当ですの?」
ツェツィーリア様は不機嫌な顔のまま、ピンク頭に尋ねた。
「そうではないかと私は感じたのです」
ピンク頭が言うと、
「まあ、本当に信じられませんわ。ユリアーナさんがそんなことをされるなんて」
「聖女様を毒殺しようとするなんて」
「可愛い顔をしてそんなことをするなんて」
「人は見かけによらないのですね」
ツェツィーリア様の言葉に周りの者が口々に言い出してくれた。
遠くにいる皆がまた一斉に私を疑わしそうに見てくんれた。
えっ、私が疑わしいの?
「私、前にユリアーナさんが仲良くしていらっしゃる聖女様と王太子殿下を水魔術で攻撃しているのを見ました」
「私も見たわ」
「普通は王太子殿下にそんなことしたら不敬になるのに、ユリアーナさんは主席だからか全く気にせずに攻撃していました」
「あの時は本当にユリアーナさんが怖かったです」
B組の連中を中心に一番最初の魔術攻撃を見た生徒達が言いだした。
そう言われると事実だけに反論しづらい。
「私はユリアーナさんが聖女様とクラウス様を雷撃で攻撃したのを見ました」
「まあ、雷撃するなんて、1つ間違えたら死んでいたかも知れませんわ」
ツェツィーリア様が私を冷たい視線で見てくれた。
「帝国の学園で皇族を雷撃で攻撃したら反逆罪が適用されますわ」
フローラもここぞとばかり私を非難してくれた。
「まあ、そうなのですか?」
「それに比べて王国は反省文だけだったかと」
「王国の王立学園は処分が随分甘いのですね」
フローラが傘にかかって言ってきた。
「お二人が亡くならなかったのは聖女様のお力のせいだと思います。聖女様がいらつしゃらなかったら、お二人とも亡くなっていたと思います」
B組の女達が騒ぎ出した。
うーん、魔術で攻撃したのは事実だ。
でも、一応手加減はしていたはずだ。
「本当に恐ろしいわ」
「だから魔術攻撃しても私が死なないから今度は毒を盛ろうとしたんだと思うんです」
ピンク頭が涙目で言いだした。
「まあ、なんてお事なの。この大陸の至宝の聖女様を亡き者にしようとするなんて」
「あり得ないわ」
ツェツィーリア様とフローラの言葉にその周りの者達が頷く。
「聖女様を亡き者にしようとするなど言語道断」
ブッシュバウムは私を睨み付けてきた。
「聖騎士達よ。直ちにユリアーナを拘束せよ」
ブッシュバウムの声に、聖騎士達が私に殺到しようとした。
「ユリアに触れるな」
お兄様の一喝とともに、雷撃が私に襲いかかろうとした聖騎士達に襲いかかったのだ。
10人以上の聖騎士が一瞬で雷撃を喰らい、吹っ飛ばされていたのだった。
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