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17.公爵令息は決闘に代理人を出してきました
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六時間目は地理の授業だったけれど、皆なんか上の空だった。
それを感じたのか先生も少し早めに授業を終えてくれた。
「ようし、やっと放課後だ」
「魔術大会の前哨戦だ」
「頼んだわよ、アミ!」
「応援しているから」
エッダ達は私に声援を送ってくれた。
うーん、でも、学園長からはくれぐれも問題を起すなと再度釘を刺されたのに、決闘なんてして良いんだろうか?
今度何か問題が起こったら後が怖いんだけど……
でも、誰も私の心配なんて聞いてくれなかった。
「なんとかなるわよ」
エッダなんて完全に他人事なんだけど……いや、相手はお父様の勤め先の御曹司じゃないの?
私が尋ねたら、
「親は親、子は子よ」
といいきってくれたんだけど、今世それが通用するんだうか?
私は危惧したけれど、本人が良いって言っているんだったら良いんだろう。
それより私のことだ。
今回何か問題起したら、学園長の激怒は目に見えている。例え、ヨーゼフ先生が庇ってくれたとしても……いや、先ほど先生の指導の下では嫌だと断ったから機嫌損ねて庇ってくれないかもしれないし、下手したら退学処分もあるんじゃないのか? 私は心配になってきた。
「今まで決闘で退学処分された生徒はいないわよ」
エーレンが言い切ってくれたけれど、相手はこの国で一番偉い公爵様の息子だ。そんの判ったことではないではないか?
私は適当に手を抜こうと心に決めたのだ。
あの見た目からしてフランツは見目が良いだけで、魔術の実力なんて大したことは無いと思うから、それで通用するはずだ。
そう思って私は放課後クラスのみんなと第二訓練場に向かった。
その日の放課後第二訓練場の周りは山なりの人で熱気に溢れかえっていた。
一年生はほとんど全員、他の学年も結構入っていた。
「おおおお! 幾多のお貴族様を地面に叩きつけてきた平民の雄、アマーリアさんが入場です」
ブックマーク先輩が拡声魔術でアナウンスしてくれた。
「「「おおおお」」」
大観衆が応えてくれた。
「アマーリア様」
「頑張れ、アマーリア」
「今こそ平民パワーをみせつけてやってくれ!」
高学年の先輩達の大声援が聞こえた。
変だ! この学園三分の二位がお貴族様で、平民と言っても大半が王宮の官僚か魔術師の子弟かお貴族様の家に出入りしている金持ちの子供達が大半で、お貴族様に勝つと親が困る連中が大半のはずなのに。
なんで私の応援が多いんだろう?
親が冒険者なんてこの学園にはほとんどいない。皆各地の専門学校に行っているのかな?
話が逸れた……
ブックマーク先輩が言っていたように、いつも魔術大会でボコボコにされている鬱憤を私で晴らしたいんだろうか?
「そして、片や貴族の雄、フランツ・ヨーク公爵令息です」
そして、もう一方のフランツがA組の面々を連れて登場した。
「「「キャーーーー」」」
「フランツ様!」
「素敵よ!」
「平民女なんて叩き潰して!」
女達の大声援が起こった。
こちらは貴族平民関係なしに女達の大声援だ。
判った。私を応援しているのは平民の男を中心にフランツに対するやっかみで、一部貴族男子も私を応援してるみたいだ。
うーん、ここで私がフランツを倒したらまた女達の私に対するあたりが強くなりそうだし……女の恨みは怖いって言うから適当にお茶を濁そうか……
「アミ、頼んだぞ」
「C組の名誉はお前にかかっている」
「絶対にお貴族様に勝ってね」
でも、クラスの皆にそう応援されたら、前世病弱で病室でボッチだった私は頑張るしかないではないか!
まあ、女達の嫌みは流せばなんとかなるだろう。
私もやる気になった。そう、クラスの為に頑張る!
なんというクラス愛、そう、こういうことをやるために私はお母様と喧嘩してこの学園にやってきたのだ。前世出来なかったクラスの期待を背負って戦う!
何て素晴らしい響きなんでしょう!
私が右手の控えから体操服で訓練場に出ると、左手の控えから真っ黒いローブを着た中年の陰険そうな男が出てきたんだけど……
「ええええ! フランツって実は中年のオヤジだったの?」
思わず私は声に出していた。
「何を言う、俺はここにいるぞ」
控室から、フランツが顔を出した。
「ええええ! じゃあ、この男は前座か何かなの?」
確か決闘を申し込んできたのはフランツのはずだ。
なんでこんな中年のオヤジが出てきたんだろう?
「失礼な! 吾輩はヨーク公爵家随一のお抱え魔術師だぞ。公爵令息様が貴様のような平民の相手を直接するわけはないだろう!」
男が言い訳してくれたんだけど、
「ええええ! 子供のけんかに親が出てくるの?」
私は思わず叫んでいた。
「本当だよな」
「A組は卑怯だぞ」
「子供の喧嘩に親を出すな」
「フランツ卑怯だぞ」
「ヨーク公爵家は卑怯者か」
周りの男の生徒たちが大声で騒ぎだしたんだけど……
「何を言っている、これだから平民は」
「元々そちらに示した契約書に代理を使うと書いているだろう」
フランツの取り巻きたちが説明してくれたけれど……
「そんなのどこにも書かれていないわよ」
エーレンが向こうから提示された条件書を見て言いだしたが、
「その一番下に対戦者が調子の悪い時は代理を立てると書かれているだろうが!」
側近が指摘してくれた。
「こんな下の小さい文字ふつう読まないわよ」
ビアンカが言い返したが、
「ふんっ、これだから平民はダメなんだ。契約書や条件書を端から端まで見ないで文句を言うからな」
「平民共は契約書や条件書見て納得の上契約しないからいつも碌な事にならないんだろう」
取り巻き令息達が馬鹿に私達をしてくれるんだけど……
「何を言っているかわからないんだけど、それって公爵家では日ごろからよくわからない平民を平気で騙して搾取していると公言しているわけ」
私は言ってやったのだ。
「な、なんだと平民娘」
「そうよ。ヨーク公爵家を貶めるな」
「読まなかった貴様らが悪いのだろうが」
貴族たちは反論してきたが……
「そうだ、亜美ちゃん良いこと言った」
「ヨーク公爵家は日頃から俺たち平民を卑怯な手を使って搾取しているんだ」
「信じられないぞ」
男達が私の味方をしてくれた。
「さあて、代理人を立ててきた公爵家に対して怒りの収まらないアマーリア嬢。我々としても地面に這いつくばる公爵令息が見れなくて残念です」
とか、ブックメーカー先輩は言いだしてくれたし……
「アミ、ごめん、見落としたみたい」
エーレンが謝ってくれた。
「ううん、エーレン、別に大丈夫よ。私は別にあの魔術師でも問題はないわ」
私は魔術師を見た。母以外で魔術の戦いをする大人は初めてだった。どうなるかわからなかったが、フランツみたいに手加減しないで済むならその方が楽だ。
「ふふん、そのようなでかい態度が取れるのも今のうちだぞ。平民女。
我が輩は全力で行くからな。死なないと良いな」
中年男は不敵な笑みを浮かべてくれたけど、こちらも母と訓練するときは命がけだ。中途半端な気持ちで対戦すると本当にしゃれにならないのだ。
母はこの国随一の魔術師だとか自慢してくれていたけれど、この魔術師はどれくらいの力があるんだろう?
私はこの学園に来てから、初めて私とまともに対決できる魔術師が出てきたのでとても嬉しかった。
久しぶりに本気で出来る。
私はやる気満々になっていたのだ。
******************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
代理決戦は……
お楽しみに!
それを感じたのか先生も少し早めに授業を終えてくれた。
「ようし、やっと放課後だ」
「魔術大会の前哨戦だ」
「頼んだわよ、アミ!」
「応援しているから」
エッダ達は私に声援を送ってくれた。
うーん、でも、学園長からはくれぐれも問題を起すなと再度釘を刺されたのに、決闘なんてして良いんだろうか?
今度何か問題が起こったら後が怖いんだけど……
でも、誰も私の心配なんて聞いてくれなかった。
「なんとかなるわよ」
エッダなんて完全に他人事なんだけど……いや、相手はお父様の勤め先の御曹司じゃないの?
私が尋ねたら、
「親は親、子は子よ」
といいきってくれたんだけど、今世それが通用するんだうか?
私は危惧したけれど、本人が良いって言っているんだったら良いんだろう。
それより私のことだ。
今回何か問題起したら、学園長の激怒は目に見えている。例え、ヨーゼフ先生が庇ってくれたとしても……いや、先ほど先生の指導の下では嫌だと断ったから機嫌損ねて庇ってくれないかもしれないし、下手したら退学処分もあるんじゃないのか? 私は心配になってきた。
「今まで決闘で退学処分された生徒はいないわよ」
エーレンが言い切ってくれたけれど、相手はこの国で一番偉い公爵様の息子だ。そんの判ったことではないではないか?
私は適当に手を抜こうと心に決めたのだ。
あの見た目からしてフランツは見目が良いだけで、魔術の実力なんて大したことは無いと思うから、それで通用するはずだ。
そう思って私は放課後クラスのみんなと第二訓練場に向かった。
その日の放課後第二訓練場の周りは山なりの人で熱気に溢れかえっていた。
一年生はほとんど全員、他の学年も結構入っていた。
「おおおお! 幾多のお貴族様を地面に叩きつけてきた平民の雄、アマーリアさんが入場です」
ブックマーク先輩が拡声魔術でアナウンスしてくれた。
「「「おおおお」」」
大観衆が応えてくれた。
「アマーリア様」
「頑張れ、アマーリア」
「今こそ平民パワーをみせつけてやってくれ!」
高学年の先輩達の大声援が聞こえた。
変だ! この学園三分の二位がお貴族様で、平民と言っても大半が王宮の官僚か魔術師の子弟かお貴族様の家に出入りしている金持ちの子供達が大半で、お貴族様に勝つと親が困る連中が大半のはずなのに。
なんで私の応援が多いんだろう?
親が冒険者なんてこの学園にはほとんどいない。皆各地の専門学校に行っているのかな?
話が逸れた……
ブックマーク先輩が言っていたように、いつも魔術大会でボコボコにされている鬱憤を私で晴らしたいんだろうか?
「そして、片や貴族の雄、フランツ・ヨーク公爵令息です」
そして、もう一方のフランツがA組の面々を連れて登場した。
「「「キャーーーー」」」
「フランツ様!」
「素敵よ!」
「平民女なんて叩き潰して!」
女達の大声援が起こった。
こちらは貴族平民関係なしに女達の大声援だ。
判った。私を応援しているのは平民の男を中心にフランツに対するやっかみで、一部貴族男子も私を応援してるみたいだ。
うーん、ここで私がフランツを倒したらまた女達の私に対するあたりが強くなりそうだし……女の恨みは怖いって言うから適当にお茶を濁そうか……
「アミ、頼んだぞ」
「C組の名誉はお前にかかっている」
「絶対にお貴族様に勝ってね」
でも、クラスの皆にそう応援されたら、前世病弱で病室でボッチだった私は頑張るしかないではないか!
まあ、女達の嫌みは流せばなんとかなるだろう。
私もやる気になった。そう、クラスの為に頑張る!
なんというクラス愛、そう、こういうことをやるために私はお母様と喧嘩してこの学園にやってきたのだ。前世出来なかったクラスの期待を背負って戦う!
何て素晴らしい響きなんでしょう!
私が右手の控えから体操服で訓練場に出ると、左手の控えから真っ黒いローブを着た中年の陰険そうな男が出てきたんだけど……
「ええええ! フランツって実は中年のオヤジだったの?」
思わず私は声に出していた。
「何を言う、俺はここにいるぞ」
控室から、フランツが顔を出した。
「ええええ! じゃあ、この男は前座か何かなの?」
確か決闘を申し込んできたのはフランツのはずだ。
なんでこんな中年のオヤジが出てきたんだろう?
「失礼な! 吾輩はヨーク公爵家随一のお抱え魔術師だぞ。公爵令息様が貴様のような平民の相手を直接するわけはないだろう!」
男が言い訳してくれたんだけど、
「ええええ! 子供のけんかに親が出てくるの?」
私は思わず叫んでいた。
「本当だよな」
「A組は卑怯だぞ」
「子供の喧嘩に親を出すな」
「フランツ卑怯だぞ」
「ヨーク公爵家は卑怯者か」
周りの男の生徒たちが大声で騒ぎだしたんだけど……
「何を言っている、これだから平民は」
「元々そちらに示した契約書に代理を使うと書いているだろう」
フランツの取り巻きたちが説明してくれたけれど……
「そんなのどこにも書かれていないわよ」
エーレンが向こうから提示された条件書を見て言いだしたが、
「その一番下に対戦者が調子の悪い時は代理を立てると書かれているだろうが!」
側近が指摘してくれた。
「こんな下の小さい文字ふつう読まないわよ」
ビアンカが言い返したが、
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「平民共は契約書や条件書見て納得の上契約しないからいつも碌な事にならないんだろう」
取り巻き令息達が馬鹿に私達をしてくれるんだけど……
「何を言っているかわからないんだけど、それって公爵家では日ごろからよくわからない平民を平気で騙して搾取していると公言しているわけ」
私は言ってやったのだ。
「な、なんだと平民娘」
「そうよ。ヨーク公爵家を貶めるな」
「読まなかった貴様らが悪いのだろうが」
貴族たちは反論してきたが……
「そうだ、亜美ちゃん良いこと言った」
「ヨーク公爵家は日頃から俺たち平民を卑怯な手を使って搾取しているんだ」
「信じられないぞ」
男達が私の味方をしてくれた。
「さあて、代理人を立ててきた公爵家に対して怒りの収まらないアマーリア嬢。我々としても地面に這いつくばる公爵令息が見れなくて残念です」
とか、ブックメーカー先輩は言いだしてくれたし……
「アミ、ごめん、見落としたみたい」
エーレンが謝ってくれた。
「ううん、エーレン、別に大丈夫よ。私は別にあの魔術師でも問題はないわ」
私は魔術師を見た。母以外で魔術の戦いをする大人は初めてだった。どうなるかわからなかったが、フランツみたいに手加減しないで済むならその方が楽だ。
「ふふん、そのようなでかい態度が取れるのも今のうちだぞ。平民女。
我が輩は全力で行くからな。死なないと良いな」
中年男は不敵な笑みを浮かべてくれたけど、こちらも母と訓練するときは命がけだ。中途半端な気持ちで対戦すると本当にしゃれにならないのだ。
母はこの国随一の魔術師だとか自慢してくれていたけれど、この魔術師はどれくらいの力があるんだろう?
私はこの学園に来てから、初めて私とまともに対決できる魔術師が出てきたのでとても嬉しかった。
久しぶりに本気で出来る。
私はやる気満々になっていたのだ。
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ここまで読んで頂いて有難うございます。
代理決戦は……
お楽しみに!
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