母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
46 / 106

私を応援する人文字が貴族の貴賓席からデカデカと浮かび上がって度肝を抜かれました

しおりを挟む
 そして、魔術大会最終日、この日は観客も大勢いた。

 大半の保護者がきているのではないかという位盛況だった。
 エーレンが言うには第一王子殿下も第二王子殿下も剣術で決勝に残っていて、順当に勝っていけば確実に当たるんだけど……ヒール役が確定したって感じ……うーん、前世は病弱でひとりぼっち、今世は悪役令嬢の娘でヒール役って、何なの!
 もっと皆に応援してもらいたいと願った私が馬鹿だった……

 エーレンが心配した通り、私の誰か貴族の隠し子説は生徒達に広がっているみたいで、
「ねえ、あの子よ」
「えっ、ああ、単なる平民の子供だと思っていたのにお貴族様のお手つきだったていう」
 長い説明をするなと思いながら聞き耳を立てていたら、

「どこかの子爵家なの?」
「黒髪だからクッツァー家?」
「クッツァー家は伯爵家よ」
「私はヨーク公爵様が気にしていたという噂を聞いたわ」
「えっ、公爵家の隠し子なの?」
「私は王家の隠し子ッて皆が噂していたけれど」
 皆好き勝手なことを言ってくれているんだけど……
 うーん、あの母がお手つきってガラじゃ無いと思うんだけど……
 無理矢理しようとしたら命がなかったと思う。
 それにそんなことしたら絶対に責任を取らせていたと思うし……

 食堂から会場にエーレン等と向かった。
 その生徒達の席に入る手前で待ち構えていた一組の男女がいた。

「あなたが一年の平民の代表ね」
 偉そうな女が聞いてきた。
「私は一年生全員の代表です」
 むっとした私は訂正してやった。
 私は貴族も代表してるんだよ。
 そう言ってやりたくなった。

「ふんっ、生意気な平民だな。いくら自分の母親が子爵か男爵のお手つきになってお前が生まれたとは言え、認知されないと平民なのは変らないぞ」
「本当に生意気よね」
 二人して言ってくれた。

「本当にお貴族って言うだけで馬鹿が多いわね」
 私は思わず呟いてしまった。
「ちょっとアミ!」
 横でエーレンが真っ青になったが、もう遅かった。

「な、なんだと、貴様! 平民分際でこのハウゼン侯爵家の令息たる俺に馬鹿とは何だ」
「馬鹿に馬鹿って言って何が悪いのよ。良いこと、うちの母の前で絶対にそんなこと言っては駄目よ。この前もどこかの馬鹿子爵が同じようなことを言って母に燃やされていたから」
「はああああ! 貴様。侯爵家の俺に手を出したらお祖父様が黙っていないぞ」
「それがどうしたのよ。母にとってこの国の国王陛下も帝国の皇帝陛下も関係ないわよ。この前も帝国の皇帝の使者と名乗った男が来たけど、頭を燃やされていたから。死なないように間に入って助ける私の身になってよね」
 あの時は本当に大変だったのだ。

「な、何だと、嘘をつくな! 貴様のような平民の家に帝国から使者が来るわけ否だろうが」
「本当よ。馬鹿が映るからクレーメンス様行きましょう」
「ふんっ、本番では貴様を地面に這いつくばせてやるから、覚悟していろよ」
 捨て台詞を吐いて自称侯爵令息が去って行った。

「あれは何なの?」
「あなたがこれから対戦する二年A組のクレーメンス・ハウゼン侯爵令息とその同じクラスで婚約者のフリーデ・グーテンベルクだとおもうわ」
 後から来たビアンカが教えてくれた。

「本当に好きなことを言ってくれていたな」
 後にぞろぞろ我がCクラスの面々がいた。
 クレーメンスは私の後のクラスメートを見てやばいと思って逃げていったみたいだった。

「アミ、今日は俺たちが応援するからな」
「そうだ。お貴族様には負けるなよ」
 ゲルトが言ってくれるんだけど、今回の剣術の各学年の代表で平民は私だけだ。それって全員に勝てって事じゃない!
 まあ、私は負けるつもりはないけれど……

「もう、アミも右から左に流しなさいよ。相手は今飛ぶ鳥も落とす勢いの第一王子の外戚のハウゼン侯爵家よ。敵に回してどうするのよ。これ以上決闘受けたら本当に学園長が許さないと思うわよ」
 私はエーレンに注意された。
 学園長にこれ以上睨まれるのは困る。

「うーん、でも、向こうから喧嘩を売ってくるのよね。今日もお貴族様のおばさま方がたくさんいらっしゃっているから、絶対にあの憎たらしいクレーメンスの応援よね。私が勝ったらまたブーイングの嵐よ」
 私はうんざりしていた。
「まあ、仕方がないじゃない。あなたは悪役令嬢の娘なんだから」
 エーレンが私に聞こえるだけの小さな声で言ってくれた。
「何だかな」
 私はクラスの観客席に入った。

 今日は学年の代表が戦うファイナルだけだから全員がクラス席に座っていた。我がCクラスは一年の一番はし、すなわち生徒達の一番端だった。

 向かい側には生徒達の保護者達が大量に入っていた。
 お貴族様が大半だが、平民の親もきているみたいだった。

「今日はクラスの代表のアミが出るから応援に来てよねって両親に頼んでいたから一族郎党引き連れて来ているはずよ。あっ、あそこ、『お父さん!』」
 エッダは聞こえるわけないのにこんなところから大声で呼んでいたし……
 凄い! 私にはあんな恥ずかしいことは出来ない!
 私は他人事なのに少し顔が赤くなった。

「「エッダ!」」
 向こうから大声でお父さんが叫んでいるのが見えた。
 なんか恥ずかしいけれど、少し微笑ましかった。私の育ての父はもういないし……
 それに、見ている段には他人事だし……
 私は微笑んでいたのだ。

「「お前の応援しているアミちゃんってどこだ?」」
「えっ?」
 私はまさかここで大声で名前を呼ばれるとは思っていなかったのだ。

 止めて! 
 それで無くてもお手つきの子供とか言って噂されているのに!

 私が顔面蒼白になった時だ。
「「この子がアミよ」」
 返事しなくて良いのに、エッダが私の手を上げさせて、大声で叫んでくれた。

「おい、あの子がお手つきの娘だってよ」
「まあ、認知もされていないのに何て威勢が良いんでしょう」
「本当に、平民は世間知らずね」
 A組とB組からぼそぼそと声が聞こえてくる。
「ちょっと止めてよ。エッダ!」
 私は真っ赤になっていた。

「奥様、あの子がアミという娘だそうです」
 でも、それだけでなくて、エッダのお父さんは横の偉そうな夫人を見て報告しだしたんだけど……もうやめてよ!
 奥様って言うことはあの子がヨーク公爵夫人、私の叔父の奥様って言うだけで私とは関係ない。
 お母様が国外追放されて公爵家も色々と肩身の狭い思いをしているはずだ。絶対に良い思いをしていない!
 絶対に嫌みを言われる。
 何て言われるんだろう?
 私が戦々恐々とした時だ。

「まあ、本当にクリスティーナ様とそっくりだわ」
「えっ?」
 私は嬉々として喜び出すヨーク夫人を見て目を見開いた。
 何故散々迷惑をかけられたはずの母の名を喜々として呼んでいるんだろう?
 私には理解できなかった。

「キャー、本当に!」
「瞳が金色なところを除いたら本当にクリスティーナ様そっくりよ」
「間違いないわ」
「こんなところでクリスティーナ様のお子様に会えるなんて」
「生きてて良かった」
 なんか泣き出している奥様もいるんだけれど……
 何故? お母様は現王妃様に悲惨な虐めをして皆の前で断罪されて国外追放されたはずなのに! こんな公の場でお母様の名前を出して良いの?
 私には信じられなかった。

 それに皆真っ黒の衣装を着ているんだけど何でだろう?
「アミの、というかアミのお母様の髪の色に合わせたんじゃないの?」
 エーレンが言ってくれたけれど、でも、あの集団どう見ても100人以上いるんだけど……
 
「カミラ、でかしたわ」
「でしょう。私もお見かけした時は鳥肌が立ちました」
 何か皆で歓喜しているんだけど……
 お母様は追放されたんじゃないの?

「さあ、皆さん、行きますわよ」
 ヨーク公爵夫人が合図した。

 その瞬間だ。
『頑張れアミちゃん』
 私を応援する人文字がデカデカと浮かび上がったのだ。
***********************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
クリスティーネ親衛隊の復活です。
唖然とする第一王子派のハウゼン侯爵家
次はその息子とアミが戦います。
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...