母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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とある公爵夫人視点 憧れの人の娘が危機に陥ったと聞いて助けに立上がりました

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 貴族の朝は、普通はそんなに早くない……いえ、遅いものと相場は決まっているのよ。

 私達は夜会等で、遅くまで情報交換するのでどうしても朝は遅くなるの。
 昨日もいかにしてクリスティーネ様を王都に迎え入れるかを騎士団長夫人のブリギッタらを迎えて、ああでもないこうでもないと喧々諤々皆で案を出し合って遅くなったのよ。
 当然、今日は昼まで寝ようと思っていたのに、私は早朝からそのブリギッタの訪問でたたき起こされていた。

「どうしたの? ブリギッタ、こんなに朝早くに。何かクリスティーネ様を迎える良い案が浮かんだとでも言うの?」
 少し不機嫌になりながら私が聞くと、

「アリーナ、それどころではないわよ。クリスティーネ様の娘のアミちゃんがディアナに王宮に呼び出されたのよ!」
「何ですって! ディアナが何の用なの?」
 私は不吉な予感しかなかった。ディアナは王妃様の侍女長になるという私の夢をぶち壊してくれた張本人だ。私達が敬愛するクリスティーネ様を嵌めて、国外追放してくれたのがディアナだった。その女がクリスティーネ様の愛娘を呼び出す理由など、碌な事は考えられなかった。

「そんなの判らないわよ。ただ、昨日アミちゃんは生意気な第一王子と第二王子を吹っ飛ばしてくれたそうよ」
「それは昨日聞いたわ。私もそれを聞いてスカッとしたのよ」
 私達は皆で拍手喝采したのだ。
 側妃のエミーリアはクリスティーナ様がいらっしゃる時は、クリスティーネ様にペコペコしていたのに、いなくなられた途端に威張りだして、最近は第一王子の母だと威張っているそうだが、私達からしたら笑止だった。その第一王子も母に似てか態度が横柄で私達の間では問題になっていた。その第一王子とディアナの息子の第二王子をまとめて吹っ飛ばしてくれるなんて、さすがアミちゃんだと私達は拍手喝采したのよ。

「それについて、ディアナが叱責するって噂になっているわ。夫に聞いても詳しくは知らんの一言だったけれど」
「何ですって!」
 私は思わず立ち上がっていた。頭に血が上っていた。
 ディアナはアホみたいな顔つきをしているが策士だ。アミちゃんをクリスティーネ様の二の舞にしてはいけない!

「ディアナはいたいけなアミちゃんを虐めるつもり満々みたいよ。それに釣られて側妃の周囲も何か色々と画策しているみたいなの」
 ブリギッタも立ち上がった。

「こうはしていられないわ。直ちに王宮に行かなければ」
「私はカミラに声をかけるわ」
「私もできるだけ多くの者を糾合しして王宮に行くわ」
「ディアナとエミーリアに好きにはさせないんだから」
 絶対にアミちゃんを守らないと!
「セバスチャン! セバスチャンはどこ?」
「こちらに奥様」
「セバスチャン、緊急事態よ! アミちゃんが危ないの。直ちにクリスティーネ様親衛隊全員に武装して王宮に来るように伝えて」
 私は執事に命じていた。
「武装でございますか?」
執事は不審そうな顔で私を見てくれたが、
「心持ちよ、心持ち! なんとしてもディアナの策略からアミちゃんを守らないと」

 私はそのまま王宮に行く準備をして直ちに馬車を王宮に出した。

 こうなったら全員率いてディアナの所に殴り込みをかけてやるわ。側妃も一緒にいたらついでに王宮から叩き出してやる。
 私はアミちゃんを国外追放されたクリスティーネ様の二の舞にさせることだけはごめんだった。

 というか、ここでアミちゃんが学園追放なんかになってしまったら、二度とクリスティーネ様は王都には戻って来てくれないだろう。ここはどんなことがあってもアミちゃんを守らねばなるまい。


 王宮に着くと既に二十人くらいの親衛隊の面々が待っていた。
 それから次々に馬車が到着して親衛隊の面々を下ろしていく。
 衣装はクリスティーネ様の黒い髪を象徴する黒だ。
 続々と黒い夫人達が集まっていた。

「アリーナ、遅いわよ!」
 ブリギッタが文句を言ってきた。
「アミちゃんは?」
「30分くらい前にディアナの所に連れて行かれたそうよ」
「30分も前に?」
「早くしないと」
「判ったわ、皆、行くわよ!」
 私の言葉に全員頷いた。

 集団は50人くらいになっていた。
 これだけいれば良いだろう。
 私達は一団となってそのままディアナの部屋に向かったのだ。

 私達が50人と言っても皆護衛騎士と執事か侍女を連れているから総勢は200人近くになった。
 その集団が一団となって動くのだ。
 周りは騒然とした。

 しかし、私は公爵家の意向を振りかざし、誰何する騎士にはブリギツタが叱責して黙らせて、私達はディアナの部屋の前に行ったのだ。

 しかし、部屋の前には何故か誰もいなかった。

「変ね?」
 ブリギッタが不振がったが、これはまずいかもしれない。
「急がないと」
 私は扉を押したが、扉は閉まっていてびくともしなかった。

「仕方がないわね。行くわよ」
 私は皆に合図をした。

 ドッカーン
 私は魔力を込めて扉を吹っ飛ばしたのだ。

「ギャーーーー」
 悲鳴が聞こえたが知ったことではない。
「アミちゃん!」
 私達は中になだれ込んだのよ。

 中に入るとアミちゃんが騎士達に囲まれていた。

「アミちゃん!」
 私が悲鳴を上げた。

 そして、そのアミちゃんの前に見た顔を見つけた。私の実家のランプレヒト伯爵家の実の弟のドミニクだ。
「ドミニク、あなたは何をしているのです?」
「げっ、姉上!」
 弟は青い顔をした。

 私はつかつか歩いて行くと、

 パシーン!
 思いっきり弟の頬を張り倒しいた。

「ギャッ!」
 弟は吹っ飛んでいた。

 周りの騎士達もぎょっとして私を見た。

 私は魔力量は昔からあるのだ。身体強化したら、騎士の弟にも負けたことはなかった。

「ちょっと、アリーナ。あなた私の護衛騎士になんて事してくれるのよ」
 後ろからエミールの声が聞こえたが知ったことでは無かった。

「な、何をなさるのです」
 弟はむっとして起き上がってきたが、
「何をするとは私の言うことです。あなた、私の大切なアミちゃんに何をしようとしたの?」
「その娘が王妃様に襲いかかろうとしたので捕まえるように側妃様に命じられて……」
「まあ、何と言う事でしょう。貴方たち、こんなか弱い女の子を捕まえて皆で暴力を使おうとしていたの?」
 私が騎士達を睨み付けると、
「か弱いって、既に騎士が2人のされているんですけど……」
 弟が何か言いだしたが、
「黙らっしゃい。護身術も貴族のたしなみです。アミちゃん、大丈夫だった?」
 私はアミちゃんに駆け寄った。

「はい。公爵夫人」
「まあ、アミちゃん。公爵夫人なんてそんな、堅苦しい。私の事はそうね、アリーナおばちゃんと呼んでくれていいわ」
「ちょっと、アリーナ、何勝手に言ってくれているのよ。アミちゃん。私の事はブリギッタお姉様と呼んでくれていいわ」
 横からブリギッタが出てきて余計なことを言ってくれた。

「ちょっとブリギッタ、あなた、何勝手に言っているのよ。あなた実の姉でも何でもないでしょ」
「ふんっ、私の方があなたよりも若いもの」
「たった一ヶ月じゃない」

「おい、貴様等、儂を足蹴にして何を騒いでいる」
 振り返ると 私達の下敷きになったらしいハウゼン侯爵が起き上がってきた。
 私はその大声で今回の主犯がこの侯爵だと理解した。


「貴様等も王妃様襲撃の同罪で……」
 私は侯爵に最後まで話させなかった。
「お黙りになって侯爵。あなた良くも私のアミちゃんに手を出そうとしたわね」
 私は満面の笑みを浮かべてやったのだ。思わず、あの侯爵が、黙ってくれた程の。
周りの騎士達が思わず一歩下がってくれた。ドミニクなんて部屋の外に逃げ出しそうとしたくらいだ。クリスティーナ様直伝の怒りの笑みだ。侯爵風情が対応できるわけはないのよ!

「我がヨーク公爵家はじめ、ここにいる全貴族とやりあう覚悟はおありなのね!」
 私は侯爵に宣言してやったのだ!
***********************************
ここまで読んで頂いて、ありがとうございます。
侯爵の陰謀を破壊しつくした公爵夫人でした……
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