母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
79 / 106

不敬なことを言ったのは友人なのに、最後は私が一番不敬だと皆に決めつけられました

しおりを挟む
 お姉様方、決しておば様方ではないのご一行様がA組で私を助けるようにとそれぞれの子供達に命じてくれた。
 命令された子供達は少し戸惑っていた。いきなり平民を応援するようにとか言われてもすぐには無理だと思う。
 カサンドラとか涙目になっていたから絶対に何か誤解をしている。私はフランツに手を出そうなんて全然思っていないのに! 誤解をできる限り早めに解こうと私は決心した。でも、その前に試験があってすぐに手は打てなかったのよ!


 私が5時間目の終わったあとの休憩時間に教室に戻ると、
「アミ、どこかに行くなら前もって言ってよ」
「朝起きたらあなたがいないから本当に驚いたのよ」
「どれだけ探したと思っているのよ」
 エーレン等に怒られてしまった。
「本当に、皆で必死に探して、それでもいないから、もしかしてって担任に問い合わせたら、王妃様に呼び出されたって聞いて、生きた気もしなかったわよ」
 ビアンカが説明してくれた。

「ゴメン、皆、早朝にお腹が減って目が覚めてしまって……」
「そうしたら私達を起こしなさいよ」
 なんかエーレンの目が赤いんだけど……

「朝早すぎるから悪いかなと思って……」
「何言っているのよ。いつもなら平気で私達を叩き起こすくせに」
「ゴメン、これからは叩き起こすから」
 私が言い訳したときだ。

 グーーーー
 盛大に私のおなかが鳴ったのだ。
 そう言えば、ご飯今まで食べていなかった……
 そう思い出した途端だ。私は体の力が急になくなってしまった。
 そして、へなへなと私はその場に座り込んでしまったのよ。

「ちょっと、アミ!」
「どうしたの、大丈夫?」
 慌てて皆寄ってきて倒れそうになる私を支えてくれた。


「ひょっとして、アミ、食事を取っていないの?」
 エーレンの言葉に私はもう頷くことしか出来なかった。

 そうだ。確かにアナおばちゃんのくれたお菓子を食べようとしたときに、リックや侯爵、果てはアリーナおば様達が入ってきて、結局食べられなかったのだ。その後はいろんな事がありすぎて忘れていた。

 でも、思い出した途端に私は気が遠くになっていた。
 もう私、これ以上は耐えられないかも……お腹が空きすぎて死ぬこともあるんだろうか?

 急激に意識が薄れそうになった頭で考えていると、

「ちょっと、アミったら」
 ビアンカ達が驚いて私を揺すったりしてくれたんだけど、

「はい、アミ」
 エーレンが焼き菓子を私の口の中に放り込んでくれた。
 私はそのお菓子をバリバリとかみ砕いて飲み込んだ。
 ほんの少しだけ生き返った。パワーが戻ってきた。

「ああ、エーレン、もっと!」
 少し起き上がって私が言うと、
「あなたね!」
 エーレンは呆れた顔をして私を見てくれたが、諦めたようにお菓子の入った紙袋を差し出してくれた。

「ありがとう、エーレン。愛しているわ!」
 最大限の賛辞をエーレンにすると、私はバリバリとエーレンの焼き菓子を食べ出したのだ。
 もう恥も外聞も何もかもあったものではなかった。
 何しろ本当にお腹が減ってあと少しで死ぬところだったのだ。

「すげえ、腹の減った豚が餌を食べてるみたいだ」
 ライナーがとんでもないことを言ってくれた。

「はいたー、何か言った?」
「アミ、食べ終えてから話しなさいよ」
 むさへぼり食べながら叫んだらエーレンに注意されてしまった。

 私は全て飲み込んだ。
 そして、ライナーに文句を言おうとしたら、ライナーはもうどこにも見当たらなかった。
 危険を察知したらしい。

 絶対に明日文句を言ってやると私は心に決めたのだった。

 丁度その時に授業の開始のベルが鳴って帝国語の教師が入ってきた。
 私はエーレンにもらったお菓子でなんとか帝国語の授業を耐えきったのだ。

 そして、6時間目の授業が終わった。



「で、どうだったの?」
「王妃様に虐められたの?」
 一同が私を囲んで聞いてくれた。
 場所は食堂だった。
 私は授業の後に食堂に移動した。
 そして、軽食を食べながら、皆に説明したのよ。

「お行儀が悪いから食べながら話さないで」
 と何度かエーレンに注意されながら……


 結局お母様とアナおばちゃんが友達だったとは皆には言えなくて、王妃様を目の前にして緊張していたら、リックが飛び込んできて私を庇ってくれたことを話したら、エッダやビアンカ達は「アミはリック様に愛されているのね」と勘違いしていたし……

 リックは私に子供の頃世話になったから、その恩を返そうとしてくれているだけなのよ。

 更にはそこに侯爵と側妃がやってきて、私を拘束しようとしてくれた時に、お母様の親衛隊の方達が来て助けられたという事実を話したのだ。

「そうか、アミは第一皇子派の側妃様とハウゼン侯爵に睨まれているんだな。これから大変なんじゃないのか?」
 ゲルト等が少し心配してくれたが、
「まあ、そこは今まで通りよ。それに母の親衛隊のお姉様方が子供達に私を守るように命令してくれたし」
 私が最後にA組でアリーナおば様達がしてくれたことを話すと、

「アミ、あなた凄いじゃない! あなたのお母様の親衛隊は全部で100人以上いるみたいだから、おのおの1人の子供が学園に通っているとすると100人ものあなたの庇護者が出来たという事でしょ。平民クラスは皆あなたの味方だとすると6学年で240名いるし全部で340名もの味方がいればいくら第一王子とはいえ、これ以上あなたに何癖つける訳にはいかないわよ」
 ビアンカはそう言ってくれたけれど、第一王子は我が道を行くタイプで、自分勝手で傲慢だから、そんなの関係ないんじゃないかなと私は思ったんだけど……

 それにヨーク公爵家はお母様が多くのシンパを集めてはいるが、その分各方面に敵を作っているから、皆が味方とは限らないと思う。

「もう第一王子のあのいけ好かないディートリヒもアミの敵じゃないのね」
 ビアンカが感心して頷いてくれたけれど、皆ぎょっとしてビアンカを二度見した。
「ビアンカ、口は災いの元だぞ」
 心配してアーベルが言いだした。こいつ、私の時は全然心配していないくせに、何故かビアンカの事は気にしていた。

「そうよ。そんなこと言うなんて不敬よ。どこに第一皇子派のお貴族様がいるか判らないんだから気をつけないと」
「ビアンカ、めったなことを言うものではないわ。毎回不敬三昧なことをしているアミはまだ無敵だからいいけれど、あなたはそうではないんだから」
 エッダとエーレンが心配していた。

「ちょっと私が不敬三昧で王子を王子とも思っていないって何よ! 私も一応王子様とは話さないように注意しているわよ。それなのに、いつも向こうから喧嘩売ってくるのよ。私は何も悪くないわよ!」
 私が文句を言うと、
「あなたが一番不敬よね」
 エーレンに一言で決めつけられたんだけど、違うから!

 でも誰も認めてくれなかった……解せぬ、違うのに!
************************************
ここまで読んで頂いて、ありがとうございます。一番不敬なのは言うまでもないですよね。さすが悪役令嬢の娘。でも、そろそろ第一王子の魔の手が遅い来るかも……
続きをお楽しみに!
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...