モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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王太子殿下とカップル席で授業を受けさせられるようになりました

 私が連れていかれたのは生徒会室だった。
「えっ? あのエドガルド様? 私なんかが生徒会室に入るのは」
「良いんだよパウリーナさんは今後この国を背負って行く聖女様なんだから」
 強引に中に入れられてしまった。
「いや、私じゃなくて、セシリア様なんじゃないんですか?」
「何故、ここに隣国の聖女が出てくるんだ?」
 エドガルド様の機嫌が急降下するんだけど、何で?
 二人は生徒会室で仲良く食事をしていたはずなのに……

「パウリーナさんの方が余程優秀だろう?」
「いや、私はレベル10の下っ端聖女ですから」
「下っ端聖女があれだけのポーションは作れないよ」
「いや、高々初級ポーションですから」
 私が謙遜すると、
「高々初級って、誓っても良いけどあれだけのポーションをあの短時間に作れるのは聖女は何百人もいるけど、パウリーナさんしかいないって!」
「えっ、でもエドガルド様は見てませんよね」
 私が不思議に思って聞くと、エドガルド様は何か言いたそうにして、
「いや、母から聞いたから」
 気まずそうにエドガルド様が話してくれたんだけど……
「よお、エドガルドが女連れって珍しいじゃないか?」
 入ってきた生徒会長のベルトラン・バレンシア様がからかってきた。
「母からはきちんと面倒見るように言われているからな」
「ああ、平民聖女様ね。今巷で話題に成っている」
「えっ、話題になっているって?」
 私が思わず生徒会長に聞くと、
「何でも女に塩対応だったエドガルドが小さい聖女様に夢中になっているって、女どもが噂しているんだよ」
「ええええ! そんな噂になっているんですか?」
 私は慌てて、ベルトラン様を見ると、
「そうそう、あの女を全く寄せ付けなかった王太子殿下が、信じられないってね」
 女の人が横から説明してくれた。
「私はカンデラ・ロレンソ伯爵令嬢よ」
 カンデラが挨拶してくれた。この人も伯爵令嬢だ。平民は私しかいないんだけど……

「えっ、がっかりしてどうしたの?」
「いえ、みんな高位貴族の方々だなと思いまして」
「なに言っているのよ。あなたこそこの国を背負う聖女様じゃないの!」
「えっ、でも平民ですし」
「何言っているのよ! ここは聖マリアンヌ王国よ。聖女様の方が貴族より偉いのは決まっているじゃない!」
「そうだよ。パウリーナちゃん。この国は聖女様でもっているんだから、パウリーナちゃんはもっと威張っていて良いんだよ」
 カンデラに次いで生徒会長までそう言ってくれるんだけど……
「でも、私は下っ端聖女ですし」
「パウリーナさんは下っ端聖女じゃないよ。彼女は巨大な大鍋で大量のポーションを作るんだ。おそらくその能力は聖女一だよ」
「いえ、エドガルド様、私はアレハンドラ様やセシール様には敵いませんよ」
「いやいや、中級とか上級ポーションはものが少し違うだけだからね。絶対にリーナの方が凄いって」
「まあ、殿下が褒めるなんて余程のことよ」
「まあ、王妃様が太鼓判押していたしな」
「いや、だから、私は下っ端聖女で……」
「下っ端聖女が一撃でフェンリルを倒すか?」
 食気を積んでもって入ってきたダミアン様が口を挟んできた。
「いや、あれはたまたまで」
「たまたまでフェンリルは倒せないから」
「ひょっとしなくてもその能力はトップだから」
 ダミアン様とカルロス様まで言ってくれるんだけど……

 うーん、褒めてくれるのは良いんだけど、皆の前でそれを言ってくれるとアレハンドラ様やセシール様の反応が怖いんだけど……
 絶対に虐めとかがもっと酷くなるし……

「まあ、大丈夫だから。何かあれば俺が庇うから」
 とエドガルド様は言ってくれるけれど、庇われるほど私への虐めが悪化しそうなんですけど……



 私の危惧は当たっていた。

 食事を終えて、教室に帰ッて来ると、なんと私の机がひっくり返されていたのだ。
 筆箱の中身は飛び散っているし……
 私は唖然とした。

 慌てて散らばっている物を物を拾う。

「まあ、パウリーナ。殿下達とせっかく食べられたのに、帰ってきたら大変ね」
 言葉の外に今後もこうなるわよと言われているような気がした。
 これだから嫌だったのだ。
「まあ、酷い? 誰にやられたのかしら」
 そう言って隣クラスのセシールも来たんだけど……

 本当に止めてほしかった。
 まあ、これはひっくり返せば終わりだと思うけれど、ひっくり返された机を持ち上げようとした所に、用があると別行動していたエドガルド様が帰ってきた。

「誰だ? このようなつまらない嫌がらせをする奴らは」
 エドガルド様がセシールとアレハンドラ様を見るが
「さあ、どなたなんでしょう?」
「私も知りませんわ」
 二人は知らぬ存ぜぬを貫くつもりらしい。

「ふんっ、本当にガキだな」
 エドガルド様はそう言うと肩をすくめてくれた。
「まあ、良い! ダミアン、運んでくれ」
「へいへい!」
 ダミアン様とカルロス様が立派な長机を持って来た。そして、私とエドガルド様の机を退けてそこに設置してくれるなんだけど……これってひょっとして私とエドガルド様の机が長机に代わるという事?

「あのう、エドガルド様。これは?」
 私はエドガルド様に一応聞いていた。
「君と俺の机だ。母に学園のことを聞かれてパウリーナさんが色々虐めを受けているって言ったら、これを持って行きなさといって渡されたんだ」

 ええええ! 学園の机よりも遙かに高価そうな白塗りの机に代わるの? 
 というか、私とエドガルド様の二人の席が一つになってくっついていて、カップル席みたいに見えるんだけど。
 これ、本当にそうするの?

 私は目が点になっていた。

「これは母の物だからね。もしこれを傷つけたらどうなるか判っているよね!」
 エドガルド様はきっとしてアレハンドラ様を睨んでいるんだけど。
 こちらを見ているアレハンドラ様の顔が引きつっているんだけど……

「ええええ! エドガルド様。これは私とエドガルド様の愛の机ではありませんか? ちょっとモブですらないパウリーナさんは退きなさいよ」
 セシールが叫んでくれた。

 そう言えばアニメではヒロインへの虐めがあまりにも酷いからと落書きも出来ない特製の2人用の机と椅子をエドガルド様が学園に持ち込むシーンがあった。
 でも、それ物語の終盤にそうなるんだけど。
 私、ヒロインでもないんだけど、本当に良いの?

「というか、君らがパウリーナさんに余計な事をするからこういうことになったんだろう」
エドガルド様が言ってくれるんだけど、
「違います。エドガルド様。私のヒロインのポジションをパウリーナさんが奪うからですわ。エドガルド様お目を覚ましてください。私がセシールがエドガルド様の隣に座るのが普通なんです」
「はいはい、授業が始まるからもう、出ていってね」
 叫んでいるセシールをあっさりとダミアン様が追い出してくれた。
 
 一方のアレハンドラ様は私を射殺しそうな視線で睨んでくれるんですけど……

 というか、本当にこんなカップル席で私はエドガルド様とくっつきそうな位置で授業を受けさせられる訳?
 私は真っ赤になって固まってしまった……

 その間にカルロス様とダミアン様によって私の机の中の物が全て王妃様の机の引き出しの中に移されてしまって、私はエドガルド様の隣に座らされてしまったのだった。
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