19 / 103
皇子と聖女が婚約者の友人を犯人扱いしてきたので、反論していたら、礼儀作法の先生がやってきました
しおりを挟む
「キャッ」
緑頭の甲高い耳障りな声が響いた。
第三皇子もずぶ濡れだ。
誰だろう?
こんな良いことをしたのは?
私は褒め称えたくて、周りを見渡したのだ。
でも、それらしい影は見えなかった。
おかしいな!
私が不審に思った時だ。
「だ、誰だ。俺様に水をぶっかけたのは」
ブルは激怒していた。
そして、皆をぐるりと見渡すと、
「貴様か!」
一目散にこちらに目がけて歩いてくるんだけど……
ええええ! 私はまだ、ブルと禄に話していないのに、何故、私を疑う?
「ベティーナ! 貴様だな! 私を濡れ鼠にさせるとは」
そう叫んでずんずん第三皇子がベティに近付いてきた。
良かった。将に魔術で水を頭の上から降らしてやろうとしたけれど、まだしてもいないのだ。
何故、私を目指してきた? お前はエスパーか?
と思ったけれど、ベティに向かってきたのか!
「まあ、なんということでしょう」
「聖女様だけでなくて殿下にも水をかけるなんて」
「不敬以外の何者でもありませんわ」
女達が噂しているけれど……
その中にはコローナもいた。
懲りない面々だ。辺境伯令嬢を悪し様に言うなんて!
私には許せなかった。
「いえ、私は何もしておりません」
ベティははっきりと否定しくれた。
私も横にいたけれど、犯人はベティではないと思う。
「嘘をつけ。貴様、俺様がパウリーネと親しくしていることに嫉妬してこのようなことをしたのであろう」
ブルは声高に主張するんだけど、状況証拠だけでベティを犯人にするなんて、これで本当に帝国の皇子なのか? そのレベルの低さに私は唖然とした。
それに婚約者のいるにもかかわらず、他の女と仲良くしていたのは皇子ではないか! 普通は婚約者に謝るのが基本なのに!
「本当に馬鹿みたい」
私は思わず口に出していた。
私の言葉に前にいたブルが目を見開いていた。
しまった!
静かにしているようにエックお兄様からは言われていたのに!
「おい、貴様、何か言ったか?」
ブルは私を睨み付けた。
「まあ、あの子、誰?」
「転校生じゃないの?」
「確か、ハンブルクからの留学生よ」
コローナ達が声に出しくれていた。
ここまで判っていたら仕方がない。挨拶は必要だろう。
「殿下、お初にお目にかかります。私はハンブルク王国のホフマン公爵家から参りましたユリアーナと申します」
私は一応カーテシーしたのだ。きれいに決まったと思う。
「ふん。貴様の挨拶などどうでも良いわ。貴様、今、俺様を馬鹿と言ったな」
ブルが青筋を立てて言ってくれるんだけど、帝国の皇子としていつもおだてられているから我慢できない体質なんだろうか?
普通は挨拶を返せよ!
これがクラウスがしたら、雷撃しているところだった。
帝国の皇子ともめ事はいけないと言われているからそうはしないけれど……
「いいえ、そうは申しておりません」
私は仕方なしに言い返した。
「嘘をおっしゃい。殿下に馬鹿者だと言ったでしょう」
横のパウリーネが口出してきた。
「いいえ、そうは申しておりません」
「嘘をつくな、そう言ったであろうが」
馬鹿に馬鹿と言って何が悪いのよと思わず叫びそうになった。
駄目だ駄目だ! ここはオブラートに包む必要がある。
「いいえ。私は馬鹿みたいに見えると言っただけで、馬鹿とは一言も申しておりません」
「な、何だと!」
「そんなの屁理屈じゃない!」
私の言い訳に二人は激高した。
「何が屁理屈なのですか? 宜しいですか! ここは帝国の由緒正しき学園です。本来、殿下の婚約者はこちらにいらっしゃるベティーナ様です。その婚約者がいる前で、破廉恥な淫乱聖女に胸を押しつけられて喜んでいる皇子殿下をなんとお呼びすれば良いのですか?」
私はこれでもオブラートに包んだのだ。
普通ならいい加減にしなさいと叫んで張り倒しているところだ。
「な、何だと貴様。俺様に逆らうのか?」
「逆らうも何も生徒の見本となるべき殿下が、学園の規律を乱して宜しいのですか? 本当に嘆かわしい。周りの側近の方々も何をしているのです?」
私は皇子の後ろに控えているでくの坊達をひと睨みした。
「な、何だと」
「高々、属国の公爵家の出のくせに」
「殿下に意見するなど許せん」
男達が何か言っているけれど、このホフマン公爵家の私に対してそういう口を聞くの?
皇子じゃなければ叩きのめしても良いよね。
というか、叩きのめさないと後でお兄様に叱責される。
ようし、やるか!
私が久々に手を出そうとした時だ。
「何を騒いでいるのですか?」
そこに閻魔の声もかくやというマイヤー先生の叱責の声が響いた。
ええええ!
このタイミングで出てくるか!
どの道なら私がやってから来てほしかった。
いやいや、それは駄目だ。また反省文10枚コースだ。新記録更新したらさすがにまずい。
帝国では静かにすると決めたのに!
「貴様は誰だ?」
ブルちゃんがなんか馬鹿なことを言った。
こいつ、マイヤー先生に逆らおうとするなんて、勇者だ。
でも、待って、私を巻き込まないで!
マイヤー先生が来た瞬間だ。
それまで、近くではやし立てていたE組の全員がさーーーーーっと引いたのだ。
さすがに痛い目に合っているから反応が早い。
私もそれに乗れば良かったのに、気付いたら周りにいるのはベティと馬鹿みたい皇子とその側近、それと緑頭だけになっていた。
皆めちゃくちゃ遠巻きにしている。
コローナ達が散々な目に合ったのを聞いているんだろう。
知らないのは馬鹿皇子だけだ。
まあ、所詮第三皇子だ。情報収集能力もないんだろう。
逆らって返り討ちに遭えば良いわ。
ただし、私を巻き込むのは止めてほしい。
私も逃げようとしてぎろりとマイヤー先生に睨まれてしまった。
ええええ! これは絶対に駄目な奴だ。
「殿下。この無礼者はマイヤーという新しく来た一年E組の担任だと思われます」
「そこのあなた。今私を何と呼びました」
ぎろりとマイヤー先生の目が光った。
「マイヤーと」
「黙らっしゃい!」
マイヤー先生の罵声が学園中に響き渡った。
私は思わず耳を塞いでいた。
「先生を呼び捨てにするとはどういう教育を受けているのですか? あなた、その顔はひょとしてガーブリエル・グートシュタイン侯爵の息子ですか」
「えっ、父をご存じで」
さすがの息子も口調を変えてきた。
「あなたのお父様にも苦労させられました。しかし、さすがのガーブリエル様も私を呼び捨てにするなどという事はありませんでしたが。あなたは勇気があるのですね」
ニコリとマイヤー先生は笑ってくれた。
「そうだろう。俺は父以上の剣術の腕があるからな」
胸を張って息子は言ってくれた。
こいつは馬鹿だ。
マイヤー先生が優しい口調になった時ほど怖いものはないのだ。
「それがどうしたのです? 昨日もE組の生徒達には注意しましたが、あなたにも注意する必要があるみたいですね。直ちにガーブリエルを呼び出しなさい」
マイヤー先生は後ろの研修生に命じていたのだ。
「き、貴様、相手は侯爵だぞ」
「それがどうしたのです。私は皇帝陛下から皇子殿下の教育を任されたのです。その側近からしてなっていないのであれば、保護者を呼び出すの当然でしょう」
「いや、しかし」
ブルはなおも抵抗しようとした。
無駄なことは止めてほしい……
私を巻き込まないで!
「いい加減になさい! そもそも殿下は側近に先生たる教師を呼び捨てにさせて、注意もしないとはどういう事なのですか? それで皇子が務まるとでも思っておられるのですか。そもそも側近のあなた方は何をしているのです……」
それから延々とマイヤー先生の叱責は続いたのだ。
私がまたお昼を食べられなかったのは言うまでもない……
*********************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
緑頭の甲高い耳障りな声が響いた。
第三皇子もずぶ濡れだ。
誰だろう?
こんな良いことをしたのは?
私は褒め称えたくて、周りを見渡したのだ。
でも、それらしい影は見えなかった。
おかしいな!
私が不審に思った時だ。
「だ、誰だ。俺様に水をぶっかけたのは」
ブルは激怒していた。
そして、皆をぐるりと見渡すと、
「貴様か!」
一目散にこちらに目がけて歩いてくるんだけど……
ええええ! 私はまだ、ブルと禄に話していないのに、何故、私を疑う?
「ベティーナ! 貴様だな! 私を濡れ鼠にさせるとは」
そう叫んでずんずん第三皇子がベティに近付いてきた。
良かった。将に魔術で水を頭の上から降らしてやろうとしたけれど、まだしてもいないのだ。
何故、私を目指してきた? お前はエスパーか?
と思ったけれど、ベティに向かってきたのか!
「まあ、なんということでしょう」
「聖女様だけでなくて殿下にも水をかけるなんて」
「不敬以外の何者でもありませんわ」
女達が噂しているけれど……
その中にはコローナもいた。
懲りない面々だ。辺境伯令嬢を悪し様に言うなんて!
私には許せなかった。
「いえ、私は何もしておりません」
ベティははっきりと否定しくれた。
私も横にいたけれど、犯人はベティではないと思う。
「嘘をつけ。貴様、俺様がパウリーネと親しくしていることに嫉妬してこのようなことをしたのであろう」
ブルは声高に主張するんだけど、状況証拠だけでベティを犯人にするなんて、これで本当に帝国の皇子なのか? そのレベルの低さに私は唖然とした。
それに婚約者のいるにもかかわらず、他の女と仲良くしていたのは皇子ではないか! 普通は婚約者に謝るのが基本なのに!
「本当に馬鹿みたい」
私は思わず口に出していた。
私の言葉に前にいたブルが目を見開いていた。
しまった!
静かにしているようにエックお兄様からは言われていたのに!
「おい、貴様、何か言ったか?」
ブルは私を睨み付けた。
「まあ、あの子、誰?」
「転校生じゃないの?」
「確か、ハンブルクからの留学生よ」
コローナ達が声に出しくれていた。
ここまで判っていたら仕方がない。挨拶は必要だろう。
「殿下、お初にお目にかかります。私はハンブルク王国のホフマン公爵家から参りましたユリアーナと申します」
私は一応カーテシーしたのだ。きれいに決まったと思う。
「ふん。貴様の挨拶などどうでも良いわ。貴様、今、俺様を馬鹿と言ったな」
ブルが青筋を立てて言ってくれるんだけど、帝国の皇子としていつもおだてられているから我慢できない体質なんだろうか?
普通は挨拶を返せよ!
これがクラウスがしたら、雷撃しているところだった。
帝国の皇子ともめ事はいけないと言われているからそうはしないけれど……
「いいえ、そうは申しておりません」
私は仕方なしに言い返した。
「嘘をおっしゃい。殿下に馬鹿者だと言ったでしょう」
横のパウリーネが口出してきた。
「いいえ、そうは申しておりません」
「嘘をつくな、そう言ったであろうが」
馬鹿に馬鹿と言って何が悪いのよと思わず叫びそうになった。
駄目だ駄目だ! ここはオブラートに包む必要がある。
「いいえ。私は馬鹿みたいに見えると言っただけで、馬鹿とは一言も申しておりません」
「な、何だと!」
「そんなの屁理屈じゃない!」
私の言い訳に二人は激高した。
「何が屁理屈なのですか? 宜しいですか! ここは帝国の由緒正しき学園です。本来、殿下の婚約者はこちらにいらっしゃるベティーナ様です。その婚約者がいる前で、破廉恥な淫乱聖女に胸を押しつけられて喜んでいる皇子殿下をなんとお呼びすれば良いのですか?」
私はこれでもオブラートに包んだのだ。
普通ならいい加減にしなさいと叫んで張り倒しているところだ。
「な、何だと貴様。俺様に逆らうのか?」
「逆らうも何も生徒の見本となるべき殿下が、学園の規律を乱して宜しいのですか? 本当に嘆かわしい。周りの側近の方々も何をしているのです?」
私は皇子の後ろに控えているでくの坊達をひと睨みした。
「な、何だと」
「高々、属国の公爵家の出のくせに」
「殿下に意見するなど許せん」
男達が何か言っているけれど、このホフマン公爵家の私に対してそういう口を聞くの?
皇子じゃなければ叩きのめしても良いよね。
というか、叩きのめさないと後でお兄様に叱責される。
ようし、やるか!
私が久々に手を出そうとした時だ。
「何を騒いでいるのですか?」
そこに閻魔の声もかくやというマイヤー先生の叱責の声が響いた。
ええええ!
このタイミングで出てくるか!
どの道なら私がやってから来てほしかった。
いやいや、それは駄目だ。また反省文10枚コースだ。新記録更新したらさすがにまずい。
帝国では静かにすると決めたのに!
「貴様は誰だ?」
ブルちゃんがなんか馬鹿なことを言った。
こいつ、マイヤー先生に逆らおうとするなんて、勇者だ。
でも、待って、私を巻き込まないで!
マイヤー先生が来た瞬間だ。
それまで、近くではやし立てていたE組の全員がさーーーーーっと引いたのだ。
さすがに痛い目に合っているから反応が早い。
私もそれに乗れば良かったのに、気付いたら周りにいるのはベティと馬鹿みたい皇子とその側近、それと緑頭だけになっていた。
皆めちゃくちゃ遠巻きにしている。
コローナ達が散々な目に合ったのを聞いているんだろう。
知らないのは馬鹿皇子だけだ。
まあ、所詮第三皇子だ。情報収集能力もないんだろう。
逆らって返り討ちに遭えば良いわ。
ただし、私を巻き込むのは止めてほしい。
私も逃げようとしてぎろりとマイヤー先生に睨まれてしまった。
ええええ! これは絶対に駄目な奴だ。
「殿下。この無礼者はマイヤーという新しく来た一年E組の担任だと思われます」
「そこのあなた。今私を何と呼びました」
ぎろりとマイヤー先生の目が光った。
「マイヤーと」
「黙らっしゃい!」
マイヤー先生の罵声が学園中に響き渡った。
私は思わず耳を塞いでいた。
「先生を呼び捨てにするとはどういう教育を受けているのですか? あなた、その顔はひょとしてガーブリエル・グートシュタイン侯爵の息子ですか」
「えっ、父をご存じで」
さすがの息子も口調を変えてきた。
「あなたのお父様にも苦労させられました。しかし、さすがのガーブリエル様も私を呼び捨てにするなどという事はありませんでしたが。あなたは勇気があるのですね」
ニコリとマイヤー先生は笑ってくれた。
「そうだろう。俺は父以上の剣術の腕があるからな」
胸を張って息子は言ってくれた。
こいつは馬鹿だ。
マイヤー先生が優しい口調になった時ほど怖いものはないのだ。
「それがどうしたのです? 昨日もE組の生徒達には注意しましたが、あなたにも注意する必要があるみたいですね。直ちにガーブリエルを呼び出しなさい」
マイヤー先生は後ろの研修生に命じていたのだ。
「き、貴様、相手は侯爵だぞ」
「それがどうしたのです。私は皇帝陛下から皇子殿下の教育を任されたのです。その側近からしてなっていないのであれば、保護者を呼び出すの当然でしょう」
「いや、しかし」
ブルはなおも抵抗しようとした。
無駄なことは止めてほしい……
私を巻き込まないで!
「いい加減になさい! そもそも殿下は側近に先生たる教師を呼び捨てにさせて、注意もしないとはどういう事なのですか? それで皇子が務まるとでも思っておられるのですか。そもそも側近のあなた方は何をしているのです……」
それから延々とマイヤー先生の叱責は続いたのだ。
私がまたお昼を食べられなかったのは言うまでもない……
*********************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
170
あなたにおすすめの小説
【完結】推しの悪役にしか見えない妖精になって推しと世界を救う話
近藤アリス
恋愛
「え、ここって四つ龍の世界よね…?なんか体ちっさいし誰からも見えてないけど、推しから認識されてればオッケー!待っててベルるん!私が全身全霊で愛して幸せにしてあげるから!!」
乙女ゲーム「4つの国の龍玉」に突如妖精として転生してしまった会社員が、推しの悪役である侯爵ベルンハルト(通称ベルるん)を愛でて救うついでに世界も救う話。
本編完結!番外編も完結しました!
●幼少期編:悲惨な幼少期のせいで悪役になってしまうベルるんの未来を改変するため頑張る!微ざまあもあるよ!
●学園編:ベルるんが悪役のままだとラスボス倒せない?!効率の良いレベル上げ、ヒロインと攻略キャラの強化などゲームの知識と妖精チート総動員で頑張ります!
※推しは幼少期から青年、そして主人公溺愛へ進化します。
虐げられていた黒魔術師は辺境伯に溺愛される
朝露ココア
恋愛
リナルディ伯爵令嬢のクラーラ。
クラーラは白魔術の名門に生まれながらも、黒魔術を得意としていた。
そのため実家では冷遇され、いつも両親や姉から蔑まれる日々を送っている。
父の強引な婚約の取り付けにより、彼女はとある辺境伯のもとに嫁ぐことになる。
縁談相手のハルトリー辺境伯は社交界でも評判がよくない人物。
しかし、逃げ場のないクラーラは黙って縁談を受け入れるしかなかった。
実際に会った辺境伯は臆病ながらも誠実な人物で。
クラーラと日々を過ごす中で、彼は次第に成長し……そして彼にまつわる『呪い』も明らかになっていく。
「二度と君を手放すつもりはない。俺を幸せにしてくれた君を……これから先、俺が幸せにする」
対人恐怖症のメンダーと辺境の騎士 ~この恋は、世界のほころびを繕う~
Moonshine
恋愛
辺境の地・ディトマスの第6要塞の制服管理課で、一人の働く女の子がいた。
彼女の名前はドルマ。仕事はこの要塞で働く騎士達の制服の繕い物だ。
ドルマは対人恐怖症で誰とも話をしない。だがドルマが繕った制服を纏うと、ほんの少しだけ戦闘の時に運が良くなると騎士達の間で評判なのだ。
辺境の防衛責任者として、毎年多くの犠牲者に胸を痛めていた辺境伯の息子・マティアスは、第6要塞にはその年一人も犠牲者が出ていない事に着目して、覆面調査を始める。
小さな手仕事が紡ぐ、静かな恋物語。
【完結】巻き戻してとお願いしたつもりだったのに、転生?そんなの頼んでないのですが
金峯蓮華
恋愛
神様! こき使うばかりで私にご褒美はないの! 私、色々がんばったのに、こんな仕打ちはないんじゃない?
生き返らせなさいよ! 奇跡とやらを起こしなさいよ! 神様! 聞いているの?
成り行きで仕方なく女王になり、殺されてしまったエデルガルトは神に時戻し望んだが、何故か弟の娘に生まれ変わってしまった。
しかもエデルガルトとしての記憶を持ったまま。自分の死後、国王になった頼りない弟を見てイライラがつのるエデルガルト。今度は女王ではなく、普通の幸せを手に入れることができるのか?
独自の世界観のご都合主義の緩いお話です。
婚約破棄はこちらからお願いしたいのですが、創造スキルの何がいけないのでしょう?
ゆずこしょう
恋愛
「本日でメレナーデ・バイヤーとは婚約破棄し、オレリー・カシスとの婚約をこの場で発表する。」
カルーア国の建国祭最終日の夜会で大事な話があると集められた貴族たちを前にミル・カルーア王太子はメレアーデにむかって婚約破棄を言い渡した。
傷跡の聖女~武術皆無な公爵様が、私を世界で一番美しいと言ってくれます~
紅葉山参
恋愛
長きにわたる戦乱で、私は全てを捧げてきた。帝国最強と謳われた女傑、ルイジアナ。
しかし、私の身体には、その栄光の裏側にある凄惨な傷跡が残った。特に顔に残った大きな傷は、戦線の離脱を余儀なくさせ、私の心を深く閉ざした。もう誰も、私のような傷だらけの女を愛してなどくれないだろうと。
そんな私に与えられた新たな任務は、内政と魔術に優れる一方で、武術の才能だけがまるでダメなロキサーニ公爵の護衛だった。
優雅で気品のある彼は、私を見るたび、私の傷跡を恐れるどころか、まるで星屑のように尊いものだと語る。
「あなたの傷は、あなたが世界を救った証。私にとって、これほど美しいものは他にありません」
初めは信じられなかった。偽りの愛ではないかと疑い続けた。でも、公爵様の真摯な眼差し、不器用なほどの愛情、そして彼自身の秘められた孤独に触れるにつれて、私の凍てついた心は溶け始めていく。
これは、傷だらけの彼女と、武術とは無縁のあなたが織りなす、壮大な愛の物語。
真の強さと、真実の愛を見つける、異世界ロマンス。
ある日、私は聖女召喚で呼び出され悪魔と間違われた。〜引き取ってくれた冷血無慈悲公爵にペットとして可愛がられる〜
楠ノ木雫
恋愛
気が付いた時には見知らぬ場所にいた。周りには複数の女性達。そう、私達は《聖女》としてここに呼び出されたのだ。だけど、そこでいきなり私を悪魔だと剣を向ける者達がいて。殺されはしなかったけれど、聖女ではないと認識され、冷血公爵に押し付けられることになった。
私は断じて悪魔じゃありません! 見た目は真っ黒で丸い角もあるけれど、悪魔ではなく……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる