僕のおにいは世界一!

柴傘

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俺の弟は天使の生まれ変わり。

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 初めてその子に出会った時、運命だと思った。

 ふわふわと柔らかそうな茶髪に、まあるくてぱっちり二重の大きな瞳。可愛いという言葉はこの子の為に作られたんじゃないか、そう錯覚してしまう程可愛らしい彼と、どうにか知り合いたいと思った。
 だから都合よく道に迷っているふりをして、話しかけた。この子は道案内を断らないだろうという謎の自信もあった。

 結果的には大成功だったが、最大の問題点が浮上した。

「あ、ここ…僕の家です」

 そう言った彼はふんわりとはにかむ。まさか、この子が俺の義理の弟になる子だったなんて。

 嬉しい反面、絶望した。これから家族になる相手に、間違っても手なんて出せない。そんな事をしてしまえば親父だけじゃなく義母からの信頼も失うだろう。
 この気持ちはしまっておこう、そう決意した。

 少なくとも、義兄という立場で接する事ができる。

 見たところ俺に対して忌避感や嫌悪感は抱いてないようだし、上手くいけば家族としての信頼も得る事ができるだろう。
 そうすれば、少なくとも碧が結婚するまではそばにいられるはず…それまでに、ちゃんと諦めをつけないと。

 そんな決意は結局意味を為さなかったと知るのは、まだだいぶ先のお話。

 ◇

 あおが大学生になり、一緒に住むようになってから暫く経つ。

 同棲してから気付いたが、あおは恐らくオメガ性だ。時折漂ってくる甘い香りは、俺をどうしようもなく引き寄せる。
 しっかりと抑制剤で制御してくれているお陰か、ヒートを起こして襲うような事は起こっていない。それが唯一の救いだった。

 このままだと俺は、いつかあおを手篭めにしてしまいそうだ。だけど、今の暮らしを諦めたくもない。

 仕事を終え疲れて帰れば、可愛らしい天使のようなあおが笑顔で出迎えてくれる。それだけでも癒やされるのに、食事も風呂の支度も整えてくれている。
 あおだって大学の授業や課題で忙しい筈なのに、絶対俺より先に帰ってきて俺を迎える準備を整えてくれている。

 いくら兄弟とはいえ、ここまでするだろうか?いや、しない。断言できる。

 あおが俺を見つめる眼差しには、隠しきれない好意が混ざっていた。本人的にはちゃんと隠せているつもりなんだろうけど、全然隠せていない。
 頭を撫でれば心底嬉しそうに笑うし、悪戯に抱き締めれば耳まで真っ赤に染まる。そんないじらしい姿が余りにも可愛くて、ついつい悪戯をしてしまう。

 可愛い可愛い、俺のあお。本人の合意さえ得られれば、直ぐにでも俺が番ってやれるのに。

「ただいまぁ…」

 無理矢理付き合わされた飲み会でうっかり深酒をしてしまい、ぼんやりとしたまま帰宅する。

 ぱたぱたと小さく響く可愛らしい足音。それだけでも癒やされるのに、あおは俺を出迎えぎゅっと抱きついてきた。
 可愛い、俺の碧。俺よりずっと細い身体を抱きしめ返すと、嬉しそうな笑い声が聞こえてきた。

 本当に可愛くてたまらない。あぁ、このまま碧を抱き潰したい。

 そんな肉欲が溢れてきて、咄嗟に理性を総動員する。酔った勢いなんて、最低すぎる。
 万が一あおがその気になってくれているのなら、素面のときにちゃんと告白して返事を貰ってからにしたい。そう思うのに、本能なのかなんなのか…俺の指先は、あおの細腰を厭らしくなでていた。

「…っん、おにい…?」

 腕の中から俺を見上げるあおの目は、明らかに困惑していた。だけどその中に確かな期待も滲んでいて、余計理性を揺さぶられる。

 駄目だ駄目だと思いながらも、自分の行動を抑えられない。熱の籠もった眼差しで見つめ返せば、あおの可愛らしい唇が嬉しそうに弧を描いた。
 あ、駄目だ。そう思う間もなく、あおの唇と俺の唇は重なっていた。

「おにい、大好き…ぼくのこと、めちゃくちゃにして」

 そう掠れた声で囁かれて、我慢できる男はいるのだろうか?少なくとも俺は駄目だった。

 あおをソファに押し倒す。そのまま性急に唇を重ねれば、開かれた隙間からぬるりと舌を滑り込ませた。
 甘さすら感じるようなあおの咥内を、味わうように舐る。互いの舌肉が擦れあう快感に、どちらともなく吐息が漏れ出た。

 ただそれだけで、俺の下肢は熱を持つ。我ながら単純すぎる、そう思うけど止められない。

「ン、ふ…ぁ、」

 あおの口から漏れ出る甘い声に、血が煮えたぎったように熱くなる。

 とっくに酔いなんてさめていて、止めなきゃいけないって分かっているけど…誘うようにくねるあおの肢体から、目が離せない。
 するりと素肌を撫でるたび、あおの口から甘い声が上がる。ぷっくりと赤く熟れる乳首を吸い上げれば、あおの腰がびくりと跳ねる。

 あおの行動一つ一つが、可愛くて厭らしくて…堪らなく興奮を掻き立てられる。

「おにい、おにいっ…すき、だいすき」

 あおが俺を好きと言うたび、愛おしさが溢れ出る。今まで兄弟だからと我慢してきた己を、酷く後悔した。

 もっと早く、思いを告げていればよかった。そうすれば悶々とする事もなかったし、愛しいあおを目一杯愛してやれた。
 あおの下衣を脱がせると、しとどに濡れる後孔が露になる。ひくひくと収縮するそこは、はやく俺の屹立を入れてくれと誘っているようだった。

 これだけ濡れていれば大丈夫だとは思うが、念のため具合を確かめるべくつぷりと中指を挿入する。

「っん…あ、」

 うっとりとこぼれ出るあおの声がやらしすぎて、一瞬動きが止まってしまった。

 中指をきゅうきゅうと締め付ける柔らかい肉壁を、ゆっくりと擦りあげる。指を逃すまいと懸命に吸い付いてくる胎内が可愛くて、態と引き抜こうとすれば抗議の声が上がった。
 二本目の指も難なく飲み込む後孔は、俺のを入れても問題なさそうだった。くぱと左右に軽く開けば、とろりとした愛液を零す綺麗な桃色の肉襞が露になる。

 その淫靡な光景に、無意識に喉がこくりと鳴った。

「おにい…おにいのおちんぽ、ちょうだい?」

 いやらしくも可愛らしいお強請りに、俺の理性はぷつりと切れた。

 ◇

「~っぁあ!ひう、んっ…!」
「は、あお…あおい、俺のあお」

 ひっきりなしにあおの口から漏れる嬌声に、互いの肌がぶつかる音。

 もう何度目か分からない絶頂が訪れ、俺はあおの子宮にどくどくと精液を注ぎこんだ。このまま孕んでしまえ、そうまじないをかけて。
 結合部からこぷりと漏れ出る白濁は、相当量を注ぎ込んだ事を証明している。避妊をするような余裕は、俺にはなかった。

 最低な兄だと思う反面、このいけない事をしている背徳感がお互いの興奮をより一層煽っていく。

 俺が絶頂するのと同時にあおも達したらしい。ひくひくと胎内が収縮して、精を一滴残らず絞り上げようと締め付けてくる。
 それと同時に吹いた潮は、あおの腹の上をぐしょぐしょに濡らしていた。その光景がとんでもなく刺激が強くて、際限なく屹立が硬度を取り戻す。

 そろそろ止めないと、あおの身体が持たない。駄目だ、もっと子宮に精を注いで孕ませないと。

 相反する二つの思考が頭の中を占める。俺が取った選択は、無慈悲にも後者だった。
 今度はゆっくりとした律動で、殆ど胎内を屹立で満たしたまま優しく揺さぶる。子宮口を刺激されるのが堪らないのか、快感から逃げるようにあおの腰がくねる。

 宥めるように腰を撫で、とんとんと優しいのっくを続けているうちに、あおは再び潮を吹き絶頂する。

「っはぁ、あお…」

 あおが達した際の強い締め付けに、俺もまた絶頂した。余りにも早い己の絶頂に驚くけど、あおがやらしいから仕方ない。

 もうそろそろ本気でやめよう、そう思って自身を引き抜こうとする腰にあおの両足が絡みつく。
 そしてそのままぬいちゃやだ、なんて可愛い事を言われてしまえば俺はあおに逆らえない。あぁ、俺の弟はこんなにも可愛い。

 ただひたすら俺を煽るばかりのあおの行動に、お仕置きと称して続けたセックスは明け方まで続いた。

 ◇

「ただいま」

 あれから数週間、俺たちは相変わらず一緒に暮らしている。変わった事といえば、夜に甘い雰囲気になるくらいだろうか。

 挨拶とともに玄関に足を踏み入れ、ふと違和感に気づく。いつもは走って出迎えてくれるあおの姿が一向に見えない。あおの靴もあるし、出かけているわけではなさそうだ。
 調子でも悪くて寝ているのだろうか、そんな心配が頭によぎり家の中へと歩みを進める。

 その途中、ふわりと香る甘ったるい香りに足が止まった。然し直ぐ、あおの部屋へと動き始める。

「…あお、」
「っ…おにい」

 ノックもせずに部屋へ入れば、ベッドの上にこんもりと積まれた衣服が真っ先に目に入った。

 全部俺の服だ。ワイシャツからコートまで、色んな衣服が乱雑に積み上げられている。
 オメガの、巣作り。一瞬でそれを理解しあおの名前を呼べば、巣の隙間から赤らんだ顔が覗いた。どうやら、遂に発情期がきたらしい。

 ふらふらと近くまで歩みより、あおの頬を優しくなでる。うっとりと双眸を細めたあおは、俺の服をぎゅっと握り締めた。

「おにい、それもほしい。ぜんぶぬいで…はやく、」

 ぐいぐいとシャツを引っ張る姿の可愛らしさに、思わず頬がゆるむ。

 言われるまま衣服を脱ぎあおに与えると、しゅんっと一瞬で巣の中に服が引き込まれていった。
 あお、もう一度名前を呼ぶ。するとひょこりと再びあおの顔が覗いた。

 優しく髪を撫でてやり、汗で張り付く前髪をどけてやる。

「あお、巣作り上手だね…よくできてる。偉いえらい」
「えへ…おにいの服、いっぱいで嬉しい」

 そう言ってへにゃりと破顔する姿に、心臓が撃ち抜かれる。俺、あおに何回萌え殺されているんだろうか。

 触れるだけの口付けを施せば、誘うように唇が開く。そこにぬるりと舌を差し込み、あおの舌を絡め取る。
 くちゅくちゅと水音を立てながら口付け、互いの唾液を混ぜ合い飲み干す。唇を離した頃には、あおの呼吸は上がっていた。

 可愛い、俺のあお。ようやくあおと番える。

「あお、噛んでもいい?」
「…ん。おにい、はやく番になって…」

 甘えた声でそう言うあおの項に、俺は力強く歯を突き立てた。
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