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00:あ、俺悪役じゃん。
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「僕は、彼と幸せになる」
俺の瞳を真っ直ぐ見つめる双眸は、その真剣さを物語っていた。悔しい、その一言が俺の頭の中を埋め尽くす。
彼に選ばれたかった、彼の唯一になりたかった。その気持ちは今も変わらない。あの日彼に告げた愛の言葉は、一言一句嘘偽りのないものだった。
なのになんだろう、この軽さは。肩の荷が下りたというか、酷く苦しい呪いから開放された気分だ。
それと同時に、今までの己の行いが非常に醜い物だと自覚する。俺はなんて、酷い事を。
「…アルフォンス、俺」
出した声は震えていた。あぁ、罪悪感で心が押し潰されてしまいそうだ。
俺は彼に何をした?告白を受け入れて貰えないからと賊を雇って誘拐し、その後手篭めにしようとした。
彼の誘拐に気づいた第一王子が俺を殴って止めてくれたから大事はなかったものの、彼は酷く傷ついたはずだ。怖かっただろう、屈辱だっただろう。俺は、投獄されても可笑しくないことをしてしまった。
なのに彼は、示談にした。この事件に関わった者皆に口止めをし、無かった事にした。
「…すまなかった、アルフォンス。今までの行い全て、謝罪する。」
「え、」
俺は勢い良く頭を下げた。その行動が予想外だったのか、気の抜けた声が聞こえてくる。
彼はきっと、俺が逆上すると思っていたんだろう。だから隣には、彼の一番の味方である第一王子が控えている。
万が一俺が、剣を抜いてしまった時に即時行動できるように。部屋の外にはきっと、第一王子に仕えている騎士達が何名も控えているはずだ。
ゆっくりと顔を上げる。驚いた様子のアルフォンスは、次第にその表情を花の様に綻ばせた。その光景は、何処か…。
「……え、?」
そんな間抜けな声を出してしまう。俺は今、何て考えた?
この光景に見覚えがあると、本気で。そんな訳がない。こんな事、二度もあってたまるか。
アルフォンスの本心を聞いたのも、今までの行いを悔いたのも、その事を心の底から謝罪したのも…全部、初めての筈だった。なのにやはり、見覚えがある。
この後第一王子はきっと、俺を隣国へ売り飛ばす。そんな事分からない筈なのに、そう確信している。
「シルティア・ワングレイ侯爵令息、君がアルフォンスにしてきた事は本来罰さなければならない。だが彼は、そんな事はしなくて良いという…彼の慈悲に感謝するんだな。それに丁度、ユースチス国の王から魔術に長けた者を王弟殿下の教育係として借り受けたいとの申し出があった所だ」
王子の台詞にも、見覚えがある。聞き覚えではなく、見覚えが。何だろうか、この違和感は…まるで、物語の世界に直接入り込んでしまっているような。
そう思った瞬間、ずきりと頭が酷く痛んだ。それと同時に、膨大な量の誰かの記憶が流れ込んでくる。
知らない、誰だこの男は。聞いたことない、日本という島国だなんて。だけど確かにそれは事実で、可笑しい筈なのに自然と受け入れてしまっている自分も居る。
知らない言語に、知らない土地。知らない記憶の一部に、良く知っている世界の物語。
「恐らくだが、教育係として君は近日隣国へ送られる…これを罰として受け入れ、励むことだ」
「…畏まりました」
俺、悪役じゃん!そう叫びたい衝動をぐっと堪え、第一王子とアルフォンスに向かって恭しく礼をした。
俺の瞳を真っ直ぐ見つめる双眸は、その真剣さを物語っていた。悔しい、その一言が俺の頭の中を埋め尽くす。
彼に選ばれたかった、彼の唯一になりたかった。その気持ちは今も変わらない。あの日彼に告げた愛の言葉は、一言一句嘘偽りのないものだった。
なのになんだろう、この軽さは。肩の荷が下りたというか、酷く苦しい呪いから開放された気分だ。
それと同時に、今までの己の行いが非常に醜い物だと自覚する。俺はなんて、酷い事を。
「…アルフォンス、俺」
出した声は震えていた。あぁ、罪悪感で心が押し潰されてしまいそうだ。
俺は彼に何をした?告白を受け入れて貰えないからと賊を雇って誘拐し、その後手篭めにしようとした。
彼の誘拐に気づいた第一王子が俺を殴って止めてくれたから大事はなかったものの、彼は酷く傷ついたはずだ。怖かっただろう、屈辱だっただろう。俺は、投獄されても可笑しくないことをしてしまった。
なのに彼は、示談にした。この事件に関わった者皆に口止めをし、無かった事にした。
「…すまなかった、アルフォンス。今までの行い全て、謝罪する。」
「え、」
俺は勢い良く頭を下げた。その行動が予想外だったのか、気の抜けた声が聞こえてくる。
彼はきっと、俺が逆上すると思っていたんだろう。だから隣には、彼の一番の味方である第一王子が控えている。
万が一俺が、剣を抜いてしまった時に即時行動できるように。部屋の外にはきっと、第一王子に仕えている騎士達が何名も控えているはずだ。
ゆっくりと顔を上げる。驚いた様子のアルフォンスは、次第にその表情を花の様に綻ばせた。その光景は、何処か…。
「……え、?」
そんな間抜けな声を出してしまう。俺は今、何て考えた?
この光景に見覚えがあると、本気で。そんな訳がない。こんな事、二度もあってたまるか。
アルフォンスの本心を聞いたのも、今までの行いを悔いたのも、その事を心の底から謝罪したのも…全部、初めての筈だった。なのにやはり、見覚えがある。
この後第一王子はきっと、俺を隣国へ売り飛ばす。そんな事分からない筈なのに、そう確信している。
「シルティア・ワングレイ侯爵令息、君がアルフォンスにしてきた事は本来罰さなければならない。だが彼は、そんな事はしなくて良いという…彼の慈悲に感謝するんだな。それに丁度、ユースチス国の王から魔術に長けた者を王弟殿下の教育係として借り受けたいとの申し出があった所だ」
王子の台詞にも、見覚えがある。聞き覚えではなく、見覚えが。何だろうか、この違和感は…まるで、物語の世界に直接入り込んでしまっているような。
そう思った瞬間、ずきりと頭が酷く痛んだ。それと同時に、膨大な量の誰かの記憶が流れ込んでくる。
知らない、誰だこの男は。聞いたことない、日本という島国だなんて。だけど確かにそれは事実で、可笑しい筈なのに自然と受け入れてしまっている自分も居る。
知らない言語に、知らない土地。知らない記憶の一部に、良く知っている世界の物語。
「恐らくだが、教育係として君は近日隣国へ送られる…これを罰として受け入れ、励むことだ」
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