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第一章 美咲と健斗
訓練
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中学校の校庭に着くと待っていた人達が少し身構える。
「それじゃ順番にこいつを殴るなり蹴るなりしてダメージを入れてくれませんか」
後ろを向かせ殴りやすいようにすると、最初に殴ったのは最年長の男だった。
「年齢が高いほど苦痛の時間も長いですよ」
そう言ってもその男は「大丈夫です」と頭を下げた。
やる気満々だね。
全員がダメージを入れ終わったので、ゴブリンに逝ってもらうことに。
「これからみなさんの目の前でゴブリンを殺します」
「絶対に目を背けたりしないで下さいね」
そう言って美咲の顔を見る。
コクンと頷いて、ジャキン と音をたてて爪を出す。
出来るだけ残酷にと耳打ちして美咲に託す。
美咲はゴブリンの後頭部へ爪と突き刺し真上に腕を上げた。
ブッシュー
ゴブリンの血が噴水のように吹き上がる。
何人か目をそむけたが、すぐに進化の苦痛に見舞われる。
大勢でのたうち回る光景は、何とも言えないシュールさがある。
数分経ち、最後の年長男が起き上がると全員の進化完了だ。
若い子は身長が高くなっただけであまり顔も変わらないが、中年以上の3人はかなり若返ったことに喜び、スマホで自分の顔を見たりしている。
今は充電できないから無駄に使うのはやめた方が良いけど。
「まずはスキルの取得は行動発生系と言うのを体感して頂きます」
「全員、思いっきり真上にジャンプしてください」
「連続で何度も何度も飛んでみてくださいね」
「取得出来たらステータス画面で確認してください」
早い子は3~4回飛んだだけで超跳躍を覚える。
遅い人でも10回も掛からず覚えた。
こればっかりは年齢も性別も関係ない。
「こんな感じで同じ動作を繰り返せばその先の領域に入ります」
「じゃぁ次に向こうの暗闇を凝視してみてください」
「暗闇でも見える様になるスキルを覚えるはずです」
時間差はあるものの、全員暗視や夜目などの暗闇視認スキルを覚えた
「空を飛ぶスキルはどうやれば?」
「うちらが使ってるのは空飛ぶスキルじゃなくて風を身体に纏わせるスキルなんよ」
美咲が代わりにしゃべってくれた。
こんな場面ではわらびが居た方が良かったかな。
いくつかの質問に受け答えして、まずはレベルを3にしようと提案した。
「んじゃー美咲はこの人たちを連れて公園に行ってくれる?」
「健ちゃんは?」
「誰かがここを守ってないと約束が違ったらあかんやろ」
「わかったー それじゃ皆さん、いっきましょか~」
「あ~ レベルが3になったら一旦帰って来てね」
「りょ~かい!!!」
敬礼しながら軽快に門を飛び越えていった美咲に続き、全員が足早に彼女を追いかける。
ちゃんと今覚えた跳躍のスキルを上手く使いこなして付いて行く人も居る。
数分して真っ先に帰ってきたのは30代くらいの女性二人組だった。
とは言え、今は二十歳くらいの若いお嬢さんにしか見えないが。
「ただいまです」
「もうレベルは3になりましたか?」
「はいっ。ゴブリンがたくさん居たので」
「それで相談があるんです」
「選択肢かな?何々表示されました?」
「私は武器がパチンコなので選択肢はなかったんですが」
「パチンコ?スリングショット?」
「そうですそうです♪」
「どんな職業でした?」
「投擲手です」
「おっ?狙撃手じゃなく投擲手でした?」
「はい、何か変なんです?」
「いやいや、漫画のソゲキングから連想してね」
「パチンコだったら狙撃手じゃないのかって勝手に思ったから」
スリングは投擲に分類されるのかーと思った。
「で、彼女は何が発現したのかな?」
もう一人の大人しそうな女性は重そうに口を開く。
「私は肉弾戦がしたかったのですが、何故か魔法職しか無いんです」
ステータスを見せてもらうと、INTとMPが高いし補正も付いている。
どう見ても魔法職が有能な感じだけど。
「一人魔法適性が高い子が居るって言ってたのは君の事だったんですね」
選択肢は [闇魔術師] [闇魔法士] [闇法師]
「魔術師と魔法士の違いがわからんけど」
「自分なら闇法師を選ぶな~」
笑いながらそう言うと、キッときつい目で見てくる。
真剣に悩んでるのに馬鹿にするなよとか思ったのだろうか。
でも陰気臭い感じで、職業に全部"闇"が付くとか・・・
「んじゃ、一旦職業は保留にしておいたらどうでしょうか?」
「行動発生系なので、肉弾戦を続けていれば新しい職業を覚えるかも知れません」
「確証は全く無いのですが、もしかしたらって期待しても良いかと」
「肉弾戦するにも、あの大男さんみたいな武器が無いし」
こりゃ俺に武器のおねだりでもしにきたのかな(笑)
美咲辺りがペラペラ喋ったんだろう。
「ん~カイザーナックルくらいしかないけど、良いかな?」
「はいはいっ」
今まで根暗で口数も少なめだったのに、やたら明るい返事に物思う。
ぞろぞろとみんなが帰ってきたので、部屋に武器を取りに行く事に。
空に浮かんで家路に向かおうとすると、その二人と美咲が付いて来る用意をしている。
仕方ないなーとか思いつつ
「わらびさーん、ちょっとの間ここの統率お願いできますか?」
「は~い♪いいですよ」
「職業の選択の相談も乗ってあげてください」
「わっかりましたー」
「その後の行動はお任せします」
「まっかせといて~」
なんか美咲に喋り方が似てきた気がするのは気のせいか?
美咲と空中散歩をしながら家を目指す。
女性二人は連続ハイジャンプで付いて来る。
公園に差し掛かったくらいに、二人ともが声をあげる。
「「あっ」」
どうやらなにかスキルを覚えたらしい。
ステータスボードを開いてキャッキャと言いながら見ている。
「どうしましたか?」
「重量操作っていうスキルを覚えました」
「あぁ超跳躍使ってたから。着地のダメージ軽減出来ますね」
「色々応用できそうなスキルだね」
「100が基準値で、0~1000まで自由に重さを変えれるみたい」
「体重詐称しほうだいだー」
「超跳躍を使って自分の重量を0にすると、慣性力で飛行出来るんじゃない?」
と提案してみる。
女性二人はその通りにやると、飛行してるような動きに歓声を上げる。
「飛んでるー」
「やったね~」
そう言えばこの二人は空を飛ぶのにどうすれば良いか聞いてきてた人達だね。
でも、重量0なら横風吹いたら飛ばされると思う。
「慣れるまで気を付けてね」
「んじゃーここで練習しよっかー」
美咲が二人に提案してくれたので、自分だけで家路に急ぐ。
実際、家まで付いて来られるのはちょっと嫌だったから助かった。
カイザーナックルは別称で、メリケンサックと言うのが一般的な言い回しだね。
拳に握り込んで打撃力を高めるもので、昔の不良は必ずポケットに入れて持ち歩いてたような時代もあった。
らしい(知らんけど)
この通称三角メリケンと呼ばれる物は、指を通す4つの穴の外側が△に尖り致傷力も高めだ。
おまけに持ち主がやすりで尖らせてるので殺傷武器として使える。
悪い持ち主だ。
スリングショットも競技用の物があったので、替えのゴム何本かと弾を1000発程袋に入れて持っていってあげよう。
彼女が持っていたのはY字型のパチンコと言われるものだったから、こっちの方が有用だろう。
競技用なので、射程距離も50m以上あるし、進化した力なら100mも夢ではないだろう。
照準レーザーも付けておいてあげよう。
弾は無くなったらパチンコ屋にでも入って補充してくれ。
そのうち魔弾とか撃てるようになるんじゃないかな?
知らんけど
「それじゃ順番にこいつを殴るなり蹴るなりしてダメージを入れてくれませんか」
後ろを向かせ殴りやすいようにすると、最初に殴ったのは最年長の男だった。
「年齢が高いほど苦痛の時間も長いですよ」
そう言ってもその男は「大丈夫です」と頭を下げた。
やる気満々だね。
全員がダメージを入れ終わったので、ゴブリンに逝ってもらうことに。
「これからみなさんの目の前でゴブリンを殺します」
「絶対に目を背けたりしないで下さいね」
そう言って美咲の顔を見る。
コクンと頷いて、ジャキン と音をたてて爪を出す。
出来るだけ残酷にと耳打ちして美咲に託す。
美咲はゴブリンの後頭部へ爪と突き刺し真上に腕を上げた。
ブッシュー
ゴブリンの血が噴水のように吹き上がる。
何人か目をそむけたが、すぐに進化の苦痛に見舞われる。
大勢でのたうち回る光景は、何とも言えないシュールさがある。
数分経ち、最後の年長男が起き上がると全員の進化完了だ。
若い子は身長が高くなっただけであまり顔も変わらないが、中年以上の3人はかなり若返ったことに喜び、スマホで自分の顔を見たりしている。
今は充電できないから無駄に使うのはやめた方が良いけど。
「まずはスキルの取得は行動発生系と言うのを体感して頂きます」
「全員、思いっきり真上にジャンプしてください」
「連続で何度も何度も飛んでみてくださいね」
「取得出来たらステータス画面で確認してください」
早い子は3~4回飛んだだけで超跳躍を覚える。
遅い人でも10回も掛からず覚えた。
こればっかりは年齢も性別も関係ない。
「こんな感じで同じ動作を繰り返せばその先の領域に入ります」
「じゃぁ次に向こうの暗闇を凝視してみてください」
「暗闇でも見える様になるスキルを覚えるはずです」
時間差はあるものの、全員暗視や夜目などの暗闇視認スキルを覚えた
「空を飛ぶスキルはどうやれば?」
「うちらが使ってるのは空飛ぶスキルじゃなくて風を身体に纏わせるスキルなんよ」
美咲が代わりにしゃべってくれた。
こんな場面ではわらびが居た方が良かったかな。
いくつかの質問に受け答えして、まずはレベルを3にしようと提案した。
「んじゃー美咲はこの人たちを連れて公園に行ってくれる?」
「健ちゃんは?」
「誰かがここを守ってないと約束が違ったらあかんやろ」
「わかったー それじゃ皆さん、いっきましょか~」
「あ~ レベルが3になったら一旦帰って来てね」
「りょ~かい!!!」
敬礼しながら軽快に門を飛び越えていった美咲に続き、全員が足早に彼女を追いかける。
ちゃんと今覚えた跳躍のスキルを上手く使いこなして付いて行く人も居る。
数分して真っ先に帰ってきたのは30代くらいの女性二人組だった。
とは言え、今は二十歳くらいの若いお嬢さんにしか見えないが。
「ただいまです」
「もうレベルは3になりましたか?」
「はいっ。ゴブリンがたくさん居たので」
「それで相談があるんです」
「選択肢かな?何々表示されました?」
「私は武器がパチンコなので選択肢はなかったんですが」
「パチンコ?スリングショット?」
「そうですそうです♪」
「どんな職業でした?」
「投擲手です」
「おっ?狙撃手じゃなく投擲手でした?」
「はい、何か変なんです?」
「いやいや、漫画のソゲキングから連想してね」
「パチンコだったら狙撃手じゃないのかって勝手に思ったから」
スリングは投擲に分類されるのかーと思った。
「で、彼女は何が発現したのかな?」
もう一人の大人しそうな女性は重そうに口を開く。
「私は肉弾戦がしたかったのですが、何故か魔法職しか無いんです」
ステータスを見せてもらうと、INTとMPが高いし補正も付いている。
どう見ても魔法職が有能な感じだけど。
「一人魔法適性が高い子が居るって言ってたのは君の事だったんですね」
選択肢は [闇魔術師] [闇魔法士] [闇法師]
「魔術師と魔法士の違いがわからんけど」
「自分なら闇法師を選ぶな~」
笑いながらそう言うと、キッときつい目で見てくる。
真剣に悩んでるのに馬鹿にするなよとか思ったのだろうか。
でも陰気臭い感じで、職業に全部"闇"が付くとか・・・
「んじゃ、一旦職業は保留にしておいたらどうでしょうか?」
「行動発生系なので、肉弾戦を続けていれば新しい職業を覚えるかも知れません」
「確証は全く無いのですが、もしかしたらって期待しても良いかと」
「肉弾戦するにも、あの大男さんみたいな武器が無いし」
こりゃ俺に武器のおねだりでもしにきたのかな(笑)
美咲辺りがペラペラ喋ったんだろう。
「ん~カイザーナックルくらいしかないけど、良いかな?」
「はいはいっ」
今まで根暗で口数も少なめだったのに、やたら明るい返事に物思う。
ぞろぞろとみんなが帰ってきたので、部屋に武器を取りに行く事に。
空に浮かんで家路に向かおうとすると、その二人と美咲が付いて来る用意をしている。
仕方ないなーとか思いつつ
「わらびさーん、ちょっとの間ここの統率お願いできますか?」
「は~い♪いいですよ」
「職業の選択の相談も乗ってあげてください」
「わっかりましたー」
「その後の行動はお任せします」
「まっかせといて~」
なんか美咲に喋り方が似てきた気がするのは気のせいか?
美咲と空中散歩をしながら家を目指す。
女性二人は連続ハイジャンプで付いて来る。
公園に差し掛かったくらいに、二人ともが声をあげる。
「「あっ」」
どうやらなにかスキルを覚えたらしい。
ステータスボードを開いてキャッキャと言いながら見ている。
「どうしましたか?」
「重量操作っていうスキルを覚えました」
「あぁ超跳躍使ってたから。着地のダメージ軽減出来ますね」
「色々応用できそうなスキルだね」
「100が基準値で、0~1000まで自由に重さを変えれるみたい」
「体重詐称しほうだいだー」
「超跳躍を使って自分の重量を0にすると、慣性力で飛行出来るんじゃない?」
と提案してみる。
女性二人はその通りにやると、飛行してるような動きに歓声を上げる。
「飛んでるー」
「やったね~」
そう言えばこの二人は空を飛ぶのにどうすれば良いか聞いてきてた人達だね。
でも、重量0なら横風吹いたら飛ばされると思う。
「慣れるまで気を付けてね」
「んじゃーここで練習しよっかー」
美咲が二人に提案してくれたので、自分だけで家路に急ぐ。
実際、家まで付いて来られるのはちょっと嫌だったから助かった。
カイザーナックルは別称で、メリケンサックと言うのが一般的な言い回しだね。
拳に握り込んで打撃力を高めるもので、昔の不良は必ずポケットに入れて持ち歩いてたような時代もあった。
らしい(知らんけど)
この通称三角メリケンと呼ばれる物は、指を通す4つの穴の外側が△に尖り致傷力も高めだ。
おまけに持ち主がやすりで尖らせてるので殺傷武器として使える。
悪い持ち主だ。
スリングショットも競技用の物があったので、替えのゴム何本かと弾を1000発程袋に入れて持っていってあげよう。
彼女が持っていたのはY字型のパチンコと言われるものだったから、こっちの方が有用だろう。
競技用なので、射程距離も50m以上あるし、進化した力なら100mも夢ではないだろう。
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弾は無くなったらパチンコ屋にでも入って補充してくれ。
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