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はじまり
036 特訓は続くよ
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そうして圭は、一人特別授業と相成った次第である。
話の成り行きとして、圭は対侵蝕者の重要な戦力として数えられている。
だが当然の事として、それを拒否するという選択肢も存在した。
千沙都としても、先日まで一市民であった圭を戦闘に駆り出す事を無理強いするつもりはなかったようで、圭が選択肢を持つ事を強調していた。
しかしこれからの事を考えれば、圭個人の我儘で逃げ出す事を選ぶ訳にはいかなかった。
一人でいるところを侵蝕者の群れに襲われでもすれば今度こそ命は無いだろうし、誰かが助けてくれるのだとしても、その者が圭の代わりに命を失う事も十分に考えられる。
それは千沙都かもしれないし、緋美佳かもしれないし、名も知らぬ哨戒部隊の誰か、或いは眞尋や穂、一樹であるのかもしれないのだ。
圭自身が己を守れる程に強くなれば、転じてそれは圭以外の者の命を守る事ができるという考えにも繋がる。
本格的に対侵蝕者活動に入ったとしても、これまでの日常生活に破綻をきたさない程度で構わないとさえ、千沙都は約束してくれていた。
状況によってはその約束が反故にされないとも限らないが、その時はその時だ。今はできる限りの事をやるべきなのだ。
(それにしても…)
校舎裏で待ち受ける面子を考え、嘆息する。
なにかと摩擦の起こりそうな人員を集めてくれたものだと胃を押さえたくなるが、学外の者を無闇に招き入れて他の生徒の不安を煽ってしまう事を考慮すれば、最上級の面子である事は違いない。
なんとしてでも短期間で強くなる。
いずれ戻ってくる緋美佳の力になってみせようと、圭は芝生を蹴る爪先に力を入れた。
「よぅし! 待っていたぞ!」
校舎裏に戻った圭を迎えたのは、沢木の嬉々とした叫び声だった。
特訓のメニューはこうだ。まずは校庭を一周。
次に、校舎裏を三つに区分し、それぞれを担当する沢木、八津坂、継島との模擬戦を2分ずつ。
そしてまた校庭を一周走る。基本的にその繰り返しだ。
模擬戦を2分。数字だけ見れば短いような気もするが、3ラウンド連続となれば結果的に6分にもなる。
とてもではないが、6分もの時間を全力で動き回る自信も体力もない。
だが、圭が相手の身体に有効打を入れた時点でそのラウンドは終了という事になっているので、先手必勝、早期突破を狙うのみだ。
誰をみても身体能力の高い三人だ。逃げ続ける事で時間を稼ぐなど出来そうにないし、何のための特訓かを考えれば積極的に立ち向かわなければ意味がない。
(よし、いくぞ!)
圭にとって有利な点を挙げるならば、相手の得意とする戦い方を知っている事だ。
沢木はボクシング、八津坂は剣道、継島は体術。
継島の体術だけは一般人には馴染みが薄く、また漠然とした括りであるだけに、どのような攻撃をしてくるのか見当もつかない。
僅かな油断も許されないが、ここでそんな事を言ったところでどうにかなるものでもない。とにかく全力で飛び込むだけだ。
「ふんっ!」
グローブを装着した沢木の剛腕が、屈んだ圭の頭上を薙いだ。
芝生の上を滑るように移動しながらも、その体幹に揺らぎがない事に内心舌を巻いた。
周囲の空気を巻き込むように繰り出される拳圧は、全国大会で猛者共を薙ぎ倒したという自慢話が法螺話ではない事を証明している。
結局、矢継ぎ早に繰り出される両の拳をかわすのに精一杯であり、そのまま時間切れを迎える事となった。
「うむ、惜しかったな! 筋は良いぞ!」
当初の鉄拳制裁など忘れたかのように、沢木は大きく笑顔を見せた。
肌を流れる汗と白い歯が無駄に光る。
沢木の猛攻が途切れる一瞬の隙を衝いて何度か飛び込みかけた圭だったが、軽いフットワークも駆使して腕を振り回し続けていた沢木の懐に到達するには至らなかった。
有効打どころか相手に触れる事すら叶わなかった圭ではあったが、逃げに徹さず前に出ながらも剛腕の餌食にならなかった事に、沢木は素直に評価を与えた。
そして時間切れの後に、千沙都の件で怒りを漲らせていた自分を思い出す。
「後の二人もクリアして、早くもう一周いってこいっ!」
どれだけ意気込んでみても、また拳を振り回し始めれば怒りの感情など忘れて夢中になってしまうのだろうが。
「やれやれ。沢木先生にも困ったものだな」
蹲踞を崩さずに観察を続けていた八津坂が、ゆっくりと腰を上げた。
すぐに熱くなる熱血教師というのが流行ったのは、何年前の頃だったろうか。
個人的には決して嫌いではないのだが、その過ぎた熱血ぶりと、熱く語ればどの生徒も自分と同じように目を輝かせるものだと思い込んでいるのは肌に合わない。
沢木では思考回路が単純すぎる故に、それも仕方なしと達観するほかあるまい。
それにしてもと、改めて圭に目を向ける。
いまどき特訓だなどと、千沙都からの依頼を聞いた時はどんな時代錯誤かと思ったものだ。
非常勤講師の千沙都とて、八津坂の実力を知らないでもないだろう。
剣道のルールに則った上で防具着用であればともかく、こんな野良稽古のような条件では多少手を抜いてみたところで病院送りという結果さえも覚悟せねばならない。
なにしろこちらの手には、竹刀という武器がある。
安全性も考慮されたスポーツ用の武具ではあるが、使い方一つで相手の命を奪う事のできる凶器へと変貌するのだ。
しかし、今の沢木相手の動きを見る限りでは『手加減なしでいいからね』と言った千沙都の言葉もまんざら冗談ではないのだと分かる。
結局のところ、圭は沢木への有効打を放つ事なく終始してしまったが、チャンスが皆無だった訳でもない。
何度も踏み込もうとしていたのは自棄からではなく、『見えて』いたからだ。
ただ、どう身体を動かせば良いのか、知識ばかりが先行して身体が追い付いてないといった風に八津坂の目には映った。
実際にはその通りであり、その観察眼こそが八津坂の最大の武器である。
なるほど、それで特訓なのかと今更ながらに合点がいく。
実戦さながらの訓練を重ねる事によって、目の前で息を荒げる下級生は急激に力を伸ばすに違いない。
千沙都が認めるだけの資質を秘めた者であれば退魔師養成科に抜擢されていても不思議はないのだが、説明されていない裏事情があるのならば追求すべき事ではないのだろう。
もとより八津坂はそんな事に興味はないのだから。
「さぁ! かかってきたまえ…!」
八津坂は竹刀を上段に構えると、圭に声援を送る女子生徒に一瞬だけ視線を走らせた。
「圭ちゃーん! 頑張れえっ!」
小柄な少女は元気一杯で、なかなかに愛くるしいではないか。
足に怪我を負っている少女と比べれば幼さばかりが目立ってしまうが、そういうのも悪くはない。
そしてもう一人はといえば、賞賛に値する美しさだった。
どの学年にも一人や二人はいるだろう、男子生徒憧れの君を地で行っている。
固く結んだ三つ編みと機能性重視の眼鏡が堅物的な印象を相手に与えるかもしれないが、自分を軽く見せないというスタイルはむしろ好ましい。
(ふふ…、楽しみじゃあないか)
才能を秘めたる後輩に恨みがある訳でもないが、二人の少女の視線を自分に向けさせるための生贄となってもらおうではないか。
「…あれ?」
神速の太刀筋で圭を叩き伏せる筈であったが、八津坂の耳に入ってきたのは圭の困惑した声だった。
そしてその声を掻き消すように、耳元で空気の流れが渦を巻く。
一体何が起きたのか、それを知る事なく八津坂の意識は暗転した。
話の成り行きとして、圭は対侵蝕者の重要な戦力として数えられている。
だが当然の事として、それを拒否するという選択肢も存在した。
千沙都としても、先日まで一市民であった圭を戦闘に駆り出す事を無理強いするつもりはなかったようで、圭が選択肢を持つ事を強調していた。
しかしこれからの事を考えれば、圭個人の我儘で逃げ出す事を選ぶ訳にはいかなかった。
一人でいるところを侵蝕者の群れに襲われでもすれば今度こそ命は無いだろうし、誰かが助けてくれるのだとしても、その者が圭の代わりに命を失う事も十分に考えられる。
それは千沙都かもしれないし、緋美佳かもしれないし、名も知らぬ哨戒部隊の誰か、或いは眞尋や穂、一樹であるのかもしれないのだ。
圭自身が己を守れる程に強くなれば、転じてそれは圭以外の者の命を守る事ができるという考えにも繋がる。
本格的に対侵蝕者活動に入ったとしても、これまでの日常生活に破綻をきたさない程度で構わないとさえ、千沙都は約束してくれていた。
状況によってはその約束が反故にされないとも限らないが、その時はその時だ。今はできる限りの事をやるべきなのだ。
(それにしても…)
校舎裏で待ち受ける面子を考え、嘆息する。
なにかと摩擦の起こりそうな人員を集めてくれたものだと胃を押さえたくなるが、学外の者を無闇に招き入れて他の生徒の不安を煽ってしまう事を考慮すれば、最上級の面子である事は違いない。
なんとしてでも短期間で強くなる。
いずれ戻ってくる緋美佳の力になってみせようと、圭は芝生を蹴る爪先に力を入れた。
「よぅし! 待っていたぞ!」
校舎裏に戻った圭を迎えたのは、沢木の嬉々とした叫び声だった。
特訓のメニューはこうだ。まずは校庭を一周。
次に、校舎裏を三つに区分し、それぞれを担当する沢木、八津坂、継島との模擬戦を2分ずつ。
そしてまた校庭を一周走る。基本的にその繰り返しだ。
模擬戦を2分。数字だけ見れば短いような気もするが、3ラウンド連続となれば結果的に6分にもなる。
とてもではないが、6分もの時間を全力で動き回る自信も体力もない。
だが、圭が相手の身体に有効打を入れた時点でそのラウンドは終了という事になっているので、先手必勝、早期突破を狙うのみだ。
誰をみても身体能力の高い三人だ。逃げ続ける事で時間を稼ぐなど出来そうにないし、何のための特訓かを考えれば積極的に立ち向かわなければ意味がない。
(よし、いくぞ!)
圭にとって有利な点を挙げるならば、相手の得意とする戦い方を知っている事だ。
沢木はボクシング、八津坂は剣道、継島は体術。
継島の体術だけは一般人には馴染みが薄く、また漠然とした括りであるだけに、どのような攻撃をしてくるのか見当もつかない。
僅かな油断も許されないが、ここでそんな事を言ったところでどうにかなるものでもない。とにかく全力で飛び込むだけだ。
「ふんっ!」
グローブを装着した沢木の剛腕が、屈んだ圭の頭上を薙いだ。
芝生の上を滑るように移動しながらも、その体幹に揺らぎがない事に内心舌を巻いた。
周囲の空気を巻き込むように繰り出される拳圧は、全国大会で猛者共を薙ぎ倒したという自慢話が法螺話ではない事を証明している。
結局、矢継ぎ早に繰り出される両の拳をかわすのに精一杯であり、そのまま時間切れを迎える事となった。
「うむ、惜しかったな! 筋は良いぞ!」
当初の鉄拳制裁など忘れたかのように、沢木は大きく笑顔を見せた。
肌を流れる汗と白い歯が無駄に光る。
沢木の猛攻が途切れる一瞬の隙を衝いて何度か飛び込みかけた圭だったが、軽いフットワークも駆使して腕を振り回し続けていた沢木の懐に到達するには至らなかった。
有効打どころか相手に触れる事すら叶わなかった圭ではあったが、逃げに徹さず前に出ながらも剛腕の餌食にならなかった事に、沢木は素直に評価を与えた。
そして時間切れの後に、千沙都の件で怒りを漲らせていた自分を思い出す。
「後の二人もクリアして、早くもう一周いってこいっ!」
どれだけ意気込んでみても、また拳を振り回し始めれば怒りの感情など忘れて夢中になってしまうのだろうが。
「やれやれ。沢木先生にも困ったものだな」
蹲踞を崩さずに観察を続けていた八津坂が、ゆっくりと腰を上げた。
すぐに熱くなる熱血教師というのが流行ったのは、何年前の頃だったろうか。
個人的には決して嫌いではないのだが、その過ぎた熱血ぶりと、熱く語ればどの生徒も自分と同じように目を輝かせるものだと思い込んでいるのは肌に合わない。
沢木では思考回路が単純すぎる故に、それも仕方なしと達観するほかあるまい。
それにしてもと、改めて圭に目を向ける。
いまどき特訓だなどと、千沙都からの依頼を聞いた時はどんな時代錯誤かと思ったものだ。
非常勤講師の千沙都とて、八津坂の実力を知らないでもないだろう。
剣道のルールに則った上で防具着用であればともかく、こんな野良稽古のような条件では多少手を抜いてみたところで病院送りという結果さえも覚悟せねばならない。
なにしろこちらの手には、竹刀という武器がある。
安全性も考慮されたスポーツ用の武具ではあるが、使い方一つで相手の命を奪う事のできる凶器へと変貌するのだ。
しかし、今の沢木相手の動きを見る限りでは『手加減なしでいいからね』と言った千沙都の言葉もまんざら冗談ではないのだと分かる。
結局のところ、圭は沢木への有効打を放つ事なく終始してしまったが、チャンスが皆無だった訳でもない。
何度も踏み込もうとしていたのは自棄からではなく、『見えて』いたからだ。
ただ、どう身体を動かせば良いのか、知識ばかりが先行して身体が追い付いてないといった風に八津坂の目には映った。
実際にはその通りであり、その観察眼こそが八津坂の最大の武器である。
なるほど、それで特訓なのかと今更ながらに合点がいく。
実戦さながらの訓練を重ねる事によって、目の前で息を荒げる下級生は急激に力を伸ばすに違いない。
千沙都が認めるだけの資質を秘めた者であれば退魔師養成科に抜擢されていても不思議はないのだが、説明されていない裏事情があるのならば追求すべき事ではないのだろう。
もとより八津坂はそんな事に興味はないのだから。
「さぁ! かかってきたまえ…!」
八津坂は竹刀を上段に構えると、圭に声援を送る女子生徒に一瞬だけ視線を走らせた。
「圭ちゃーん! 頑張れえっ!」
小柄な少女は元気一杯で、なかなかに愛くるしいではないか。
足に怪我を負っている少女と比べれば幼さばかりが目立ってしまうが、そういうのも悪くはない。
そしてもう一人はといえば、賞賛に値する美しさだった。
どの学年にも一人や二人はいるだろう、男子生徒憧れの君を地で行っている。
固く結んだ三つ編みと機能性重視の眼鏡が堅物的な印象を相手に与えるかもしれないが、自分を軽く見せないというスタイルはむしろ好ましい。
(ふふ…、楽しみじゃあないか)
才能を秘めたる後輩に恨みがある訳でもないが、二人の少女の視線を自分に向けさせるための生贄となってもらおうではないか。
「…あれ?」
神速の太刀筋で圭を叩き伏せる筈であったが、八津坂の耳に入ってきたのは圭の困惑した声だった。
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