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第1章:昭和15年10月
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「ん、ああ。」
自らの陰部をイジりながらヒナは喘ぎ声を漏らした。
「そろそろかい?」
「まだ。指、入れてみるね。」
ヒナは中指を火照った秘部の中に入れた。
(もう、膜は破れたわ。)
「いいよ、相馬さん。来て。」
相馬はその中に自らのモノを挿入した。
有沢ヒナは大正時代半ば、青森県に産まれた。
幼い頃から聡明だった彼女は近所に住む幼馴染の影響で文学、特に歴史小説や時代小説を好むようになった。
幼馴染は非常に頭が切れて、末は博士か大臣かと地元でも囁かれていた。
また難しい物事をわかりやすく教える事に長けていて、いつしか彼女は小説だけでなく彼そのものにも惹かれていった。
そんな幼馴染には体を許してもいい。
そう彼女は考えるようになった。
だがそんな彼女の願いも虚しく散ってしまった。
幼馴染は親が決めた許嫁と結婚した。
やがて彼女は上京し、文芸雑誌の編集者として働くようになった。
(頭のいい男に抱かれたい。)
幼馴染との事から、そんな事を考えるようになっていた。
その頃から手淫も覚えていった。
頭に浮かぶのは初恋の幼馴染だった。
初めて男と抱き合ったのは20歳の夏だった。
相手は雑誌の懸賞小説に応募していた慶應ボーイだった。
(男のアレと処女膜が破れた後の血ってグロテスクなのね。)
初めて行為を終えた後、ヒナはそんな事を考えていた。
慶應ボーイとの関係はほどなくして終わりを告げた。
その後も彼女は色々な男と関係を持つようになった。
雑誌に連載をしている小説家、小説家志望の学生。
時には性技が巧みと噂の高等遊民と下宿で抱き合う事もあった。
(最も予想ほどには巧みさは感じなかったが。)
そして抱き合う内に自分は処女膜が再生する体質で、挿入前には手淫が必要だという事もわかってきた。
しかしそんな日々は長くは続かなかった。
昭和12年7月、支那事変(日中戦争)が勃発した。
時局柄性に奔放な女編集者はふさわしくないとの理由で系列雑誌の「大同文芸」に異動となり、満州国の首都新京に着任となった。
そこで知り合ったのが文芸評論家、相馬和臣だった。
━ 金鵄輝く 日本の
栄ある光 身にうけて
いまこそ祝へ この朝
紀元は二千六百年
ああ一億の 胸はなる
二人が果てた後、外から流行りのレコードが聞こえた。
相馬はそれに合わせて鼻歌を歌いながら、櫻を口に咥えた。
「紀元二千六百年か。ここは満州だというのになんで内地(日本国内)のレコードなんぞ聞いてるんだろうな。」
相馬はマッチに火をつけ、煙を吐き出しながら呟いた。
「あら。そう言いつつ口ずさんでたじゃない。」
「それはつい、だな。」
「元アカの人でも懐かしい?」
「だから確かに僕は小林先生の弟子だったけど…。」
「冗談よ、冗談。でも…。」
「ん?」
「こっちはアカいよ。」
そう言いながらヒナは相馬のイチモツを再び触り始めた。
「あれあれ、夕べはお盛んだったんですか?相馬先生。」
「違うっての。」
明くる日、相馬とヒナは「満州文芸護国会」の会合に参加していた。
「満州文芸護国会」は満州国の文芸関係者が参加する国策団体だ。
支那事変が勃発して間もない昭和12年の10月に発足した。
「みなさん、お疲れ様です。」
協和服を着た男が軍服の男を伴い、部屋に入ってきた。
場の空気が一気に冷えきったのを相馬は感じていた。
協和服の男は甘粕正彦。
かつて憲兵大尉だった人物で関東大震災の時に無政府主義者の大杉栄、内縁の妻の伊藤野枝、甥の橘宗一少年を殺害した罪で刑務所に収監された。
出所後満州に渡り、満州国建国後警務司長(現在の日本だと警察庁長官に該当)、満州国協和会総務部長を歴任し、昭和14年に満映(満州映画協会)理事長に就任した。
この年、昭和15年の頭から満州文芸護国会の顧問も兼任するようになった。
この会合の顧問に就任したのは映画の原作本を発掘するためという噂もあるが、「関東軍の名代」として言論の統制をするためという物騒な噂も飛び交っている。
「紹介しましょう。こちらは関東軍の金山参謀です。」
「金山です。この度、関東軍との連絡役を承りました。」
軍服姿の男が自己紹介をした。
その目を見てヒナは内地にいた頃の事を思い出していた。
「あれ、あなたは…。」
「大同文芸の有沢です。」
その日の夜、ヒナは関東軍司令部の前で金山に声をかけた。
「良かったら大同大街の「京城楼」で食事しませんか?」
「いいですよ。」
「故郷の味は懐かしいですか?」
「ご存知だったのですね。私が朝鮮出身だという事を。」
前菜の朝鮮漬(キムチ)に箸を伸ばしながらヒナは切り出した。
金山英順は李王家と親戚筋に当たる朝鮮人だ。
朝鮮人ではあったが李王家に連なる血筋、大日本帝国陸軍の士官学校が朝鮮人の入校も認めていた事から彼は陸軍軍人の道を選んだ。
二・二六事件の前後、帝国陸軍では皇道派と統制派の苛烈な派閥争いがあったが、皮肉にも異民族出身であったが故に派閥争いには巻き込まれなかった。
その後も順調に昇進を重ね、陸軍大学校卒業後少佐に昇進し、関東軍参謀となった。
「東京にいた頃、朝鮮文化の記事を書いた事があったのですよ。その折に帝都在住の朝鮮人の方に取材して。覚えてらっしゃらないですか?」
「ああ、そういえば前にそんな取材を受けましたね。確か二・二六事件の前の年でしたな。」
「ええ。あの頃は確か麻布の連隊におられましたよね。」
「そうでしたね。その後記事はどうなったんですか?」
「時局柄朝鮮文化の記事はふさわしくないと言われ、休載になっちゃったんですよ。」
「そうでしたか。」
そんな話をしつつ二人は酒を飲み、朝鮮料理を肴にした。
「どうしたんです、胸を抑えて。」
「京城楼」を出た後、金山は金鵄を咥えながら切り出した。
「酔っちゃいました。」
頬を赤らめながらヒナは答えた。
「官舎で少し休みませんか?」
「ええ。」
官舎の自室に入るや否や金山はヒナを押し倒した。
「私、処女膜が再生する体質なんです。まずは自分でしてみますので。」
ヒナは秘部を触り始めた。
━ 勝ってくるぞと勇ましく
誓って国を出たからは
手柄立てずに死なれよか
進軍ラッパ聞くたびに
瞼に浮かぶ旗の波
どこからか「露営の歌」のレコードが鳴り響いていた。
自らの陰部をイジりながらヒナは喘ぎ声を漏らした。
「そろそろかい?」
「まだ。指、入れてみるね。」
ヒナは中指を火照った秘部の中に入れた。
(もう、膜は破れたわ。)
「いいよ、相馬さん。来て。」
相馬はその中に自らのモノを挿入した。
有沢ヒナは大正時代半ば、青森県に産まれた。
幼い頃から聡明だった彼女は近所に住む幼馴染の影響で文学、特に歴史小説や時代小説を好むようになった。
幼馴染は非常に頭が切れて、末は博士か大臣かと地元でも囁かれていた。
また難しい物事をわかりやすく教える事に長けていて、いつしか彼女は小説だけでなく彼そのものにも惹かれていった。
そんな幼馴染には体を許してもいい。
そう彼女は考えるようになった。
だがそんな彼女の願いも虚しく散ってしまった。
幼馴染は親が決めた許嫁と結婚した。
やがて彼女は上京し、文芸雑誌の編集者として働くようになった。
(頭のいい男に抱かれたい。)
幼馴染との事から、そんな事を考えるようになっていた。
その頃から手淫も覚えていった。
頭に浮かぶのは初恋の幼馴染だった。
初めて男と抱き合ったのは20歳の夏だった。
相手は雑誌の懸賞小説に応募していた慶應ボーイだった。
(男のアレと処女膜が破れた後の血ってグロテスクなのね。)
初めて行為を終えた後、ヒナはそんな事を考えていた。
慶應ボーイとの関係はほどなくして終わりを告げた。
その後も彼女は色々な男と関係を持つようになった。
雑誌に連載をしている小説家、小説家志望の学生。
時には性技が巧みと噂の高等遊民と下宿で抱き合う事もあった。
(最も予想ほどには巧みさは感じなかったが。)
そして抱き合う内に自分は処女膜が再生する体質で、挿入前には手淫が必要だという事もわかってきた。
しかしそんな日々は長くは続かなかった。
昭和12年7月、支那事変(日中戦争)が勃発した。
時局柄性に奔放な女編集者はふさわしくないとの理由で系列雑誌の「大同文芸」に異動となり、満州国の首都新京に着任となった。
そこで知り合ったのが文芸評論家、相馬和臣だった。
━ 金鵄輝く 日本の
栄ある光 身にうけて
いまこそ祝へ この朝
紀元は二千六百年
ああ一億の 胸はなる
二人が果てた後、外から流行りのレコードが聞こえた。
相馬はそれに合わせて鼻歌を歌いながら、櫻を口に咥えた。
「紀元二千六百年か。ここは満州だというのになんで内地(日本国内)のレコードなんぞ聞いてるんだろうな。」
相馬はマッチに火をつけ、煙を吐き出しながら呟いた。
「あら。そう言いつつ口ずさんでたじゃない。」
「それはつい、だな。」
「元アカの人でも懐かしい?」
「だから確かに僕は小林先生の弟子だったけど…。」
「冗談よ、冗談。でも…。」
「ん?」
「こっちはアカいよ。」
そう言いながらヒナは相馬のイチモツを再び触り始めた。
「あれあれ、夕べはお盛んだったんですか?相馬先生。」
「違うっての。」
明くる日、相馬とヒナは「満州文芸護国会」の会合に参加していた。
「満州文芸護国会」は満州国の文芸関係者が参加する国策団体だ。
支那事変が勃発して間もない昭和12年の10月に発足した。
「みなさん、お疲れ様です。」
協和服を着た男が軍服の男を伴い、部屋に入ってきた。
場の空気が一気に冷えきったのを相馬は感じていた。
協和服の男は甘粕正彦。
かつて憲兵大尉だった人物で関東大震災の時に無政府主義者の大杉栄、内縁の妻の伊藤野枝、甥の橘宗一少年を殺害した罪で刑務所に収監された。
出所後満州に渡り、満州国建国後警務司長(現在の日本だと警察庁長官に該当)、満州国協和会総務部長を歴任し、昭和14年に満映(満州映画協会)理事長に就任した。
この年、昭和15年の頭から満州文芸護国会の顧問も兼任するようになった。
この会合の顧問に就任したのは映画の原作本を発掘するためという噂もあるが、「関東軍の名代」として言論の統制をするためという物騒な噂も飛び交っている。
「紹介しましょう。こちらは関東軍の金山参謀です。」
「金山です。この度、関東軍との連絡役を承りました。」
軍服姿の男が自己紹介をした。
その目を見てヒナは内地にいた頃の事を思い出していた。
「あれ、あなたは…。」
「大同文芸の有沢です。」
その日の夜、ヒナは関東軍司令部の前で金山に声をかけた。
「良かったら大同大街の「京城楼」で食事しませんか?」
「いいですよ。」
「故郷の味は懐かしいですか?」
「ご存知だったのですね。私が朝鮮出身だという事を。」
前菜の朝鮮漬(キムチ)に箸を伸ばしながらヒナは切り出した。
金山英順は李王家と親戚筋に当たる朝鮮人だ。
朝鮮人ではあったが李王家に連なる血筋、大日本帝国陸軍の士官学校が朝鮮人の入校も認めていた事から彼は陸軍軍人の道を選んだ。
二・二六事件の前後、帝国陸軍では皇道派と統制派の苛烈な派閥争いがあったが、皮肉にも異民族出身であったが故に派閥争いには巻き込まれなかった。
その後も順調に昇進を重ね、陸軍大学校卒業後少佐に昇進し、関東軍参謀となった。
「東京にいた頃、朝鮮文化の記事を書いた事があったのですよ。その折に帝都在住の朝鮮人の方に取材して。覚えてらっしゃらないですか?」
「ああ、そういえば前にそんな取材を受けましたね。確か二・二六事件の前の年でしたな。」
「ええ。あの頃は確か麻布の連隊におられましたよね。」
「そうでしたね。その後記事はどうなったんですか?」
「時局柄朝鮮文化の記事はふさわしくないと言われ、休載になっちゃったんですよ。」
「そうでしたか。」
そんな話をしつつ二人は酒を飲み、朝鮮料理を肴にした。
「どうしたんです、胸を抑えて。」
「京城楼」を出た後、金山は金鵄を咥えながら切り出した。
「酔っちゃいました。」
頬を赤らめながらヒナは答えた。
「官舎で少し休みませんか?」
「ええ。」
官舎の自室に入るや否や金山はヒナを押し倒した。
「私、処女膜が再生する体質なんです。まずは自分でしてみますので。」
ヒナは秘部を触り始めた。
━ 勝ってくるぞと勇ましく
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