蒼き炎の神鋼機兵(ドラグナー)

しかのこうへい

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第三章

フィスクランド攻防戦Side-A-01

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「それは何を作っているのだ、ライヴ?」
「ああフラウさん、これはですね…」
ブラガルーンの街の外れで宿営を張って数日、俺は朝からゴソゴソと工作に勤しんでいた。この工作は先のフェアンレギオン砦強襲戦の折に、その演習をしていた湖の畔で見つけた植物から端を発する。この世界で俺が作ろうとしていた”それ”はよっぽど特異なものに見えたのだろう。元騎士だというフラウ=シュルヌは俺の姿を見るなり、好奇心旺盛に尋ねてきたのである。
「これは、バリエーラの西で取ってきた植物ですよ」
「ああ、それはわかっている。湖畔にたくさん生えていたバンバスの幹だな。私が聞いているのは、何を作っているのかということさ。朝早くからバンバスを割る音が聞こえたので、何をしているのかと不思議に思ってだな?」

俺は日本の竹に似た植物を見つけて、その何本かをコッソリと持ち帰っていた。そして丁度いい寸法に切りそろえると、ナタを使って上から8分割し、そのうちの4本一組を組み合わせようとしていたのである。
「竹刀を作ろうとしていたんですよ。剣の練習をする時、いつも皆さん本物の剣を使っているでしょ? 確かに実戦に向いていますが、実力差がない方同士だとどうしても怪我人が発生しています。ですから、安全に練習できるこの竹刀を作ってるんですよ」
「シナイ…? 初めて聞くな。それは一体どういうものなんだ?」
「まァ見ていてください。面白いものが出来上がりますから」

俺は8分割にしたバンバスの幹のバリを小刀で丁寧に取っていく。また、持ち手となる根っこの方の部分を握り手の長さで滑らかに削ると、最終仕上げのヤスリを全体にかけた。
「ねぇ、ライヴ。一応言われた通りのものを作ってみたのだけれど…」
リーヴァがヒースという鹿によく似た動物の皮を鞣したものを加工してやって来た。

「いいですか、フラウさん。よく見ててくださいよ?」
俺はまず、持ち手の部分を筒状になったヒースの皮に差し込んだ。ヒースの皮はその片方を閉じてあり、その長さは削った持ち手の長さと一致するようにしてある。そして、もう片側の先端部も小さなキャップ状のヒースの皮をかぶせ、そこから1/3程のところにこれまた紐状のヒースの皮を巻いていく。それらを丈夫な紐で結びつなげていく。細かい所はちゃんと指示通りにリーヴァが作ってきてくれていたので、組み立ては案外とすんなりできた。
『ぱっぱらっぱぱっぱっぱ~!』
俺の脳内で、某アニメのファンファーレが鳴り響く。

「完成です。いかがですか?」
「ほほう… これは…」
俺は竹刀をフラウに手渡すと、彼女はそれをブンと振ってみせた。
「…なるほど、これは面白い発明だな! これならば剣の指南も安心してできるというものだ」
「フラウさん、これが竹刀です。これを導入することで、怪我人は随分と減ることでしょうね」
「ほう! ほう! ほほう! 程よく撓っていい感じじゃないか! 流石に剣と同様の重さはないが、これはなかなか…!」
よっぽど気に入ったのか、フラウは出来上がったばかりの竹刀をブンブンと振り回していた。
「あとひとつ! あとひとつだ。早く作って、私と対戦しないか? どうだ、ライヴ? 私は久しぶりにウキウキしている!」



◇     ◇     ◇     ◇

「クーリッヒ・ウー・ヴァンの物語を知るものは幸せである、心穏やかであろうから。だからこそ伝えよう、勇敢な英雄たちの物語を。…みなさん、ご機嫌いかがですか? 当番組のナビゲーター、ブレンドフィア=メンションです。さて、皆さんは何かしら剣術を嗜んだことはありますか? その時に必ずと言っていいほど手にするもの… そう、それがこのシナイです。何だよ、それ位知ってるよ! 皆さんはきっとそのようにおっしゃるでしょうね。でも、このシナイもライヴ=オフウェイという少年の発明だと言ったら、いかがでしょう? …私も正直、ビックリしました。前述のとおり私も剣術を嗜むものの一人として長くこの竹刀を愛用してきましたが、ここでもクーリッヒ・ウー・ヴァンの英雄の影が見えてくるとは思ってもみなかったのです。

さて。このシナイですが、それまで本物の剣や木刀で行われていた剣術の鍛錬で使用されるようになって以来、剣術の達人と呼ばれる人物が数多く輩出されるようになってきました。それもこれも、大怪我をすることなく安全に、安価で手軽に手に入るようになってから剣術の指南を受ける者が劇的に増えたということもあげられます。このような発明まで果たしてしまうライヴ=オフウェイという人物は、一体どのような人物だったのでしょうか?」

バリエーラ県立博物館が所蔵するオベリスクのひとつに、当時のライヴ少年の人柄を示すレリーフが刻まれている。

「この部分をみてください。彼がバンバスの幹から竹刀を作り出し、剣術の指南をする様子が描かれています。いや、本当に微笑ましいですね。それまでの剣の鍛錬と異なり、遥かに多くの市民たちが剣術を学んでいることが見て取れます」
そう話すのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「このレリーフを見る限り、彼は人道的にも徳の高い人物として描かれています。それほどまでに、このシナイというアイテムの登場は劇的かつ、爆発的に広まりました。それもそうでしょう。剣や木刀で稽古していた頃に比べれば、遥かに大怪我をするものが激減したわけですから。ですが、このことは同時に、数多くの市民をも戦乱に巻き込んでしまったという一面も持っているのです。もしこの事実が彼が望んだことであると言うならば、確信犯とでも言うべき一面も持ち合わせていたのかもしれません」

「ですが、その一方で。剣術をスポーツとしても普及させたということも忘れてはならないでしょう」
そう話すのはミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「確かに剣術の一般市民への普及で志願兵が増えたというのも明白な事実です。ですがもし、この発明がなかったならば、現在のようにスポーツの一環として剣術が普及していたでしょうか? それまでの剣術は兵士として志願したものか、或いは貴族の嗜みとしての一面しかありませんでした。それをスポーツのして昇華させたという事実は、彼の功績というべきよりほかありません。お陰でこの私ですら段持ちであるわけですから、それ程までに彼の偉業は大きかったと評価するべきでしょう」



◇     ◇     ◇     ◇

俺とフラウとの剣撃戦が開始されると、いつの間にか周辺に人だかりができていた。ダーフの村から付いてきた者やバリエーラから参戦した者、フェアンレギオン砦の麓にあるブラガルーンの住民の姿もあった。基本、先の戦いで投降してきた騎士たちも捕虜として監視下の下である程度の自由を保証している。その騎士たちもまた、興味津々で様子を見に来ていた。

「なるほど、これは実に楽しい! 私はこれまで剣術の稽古はひとつ間違えば命を落とす厳しいものだとばかり思っていたが、その認識も変わるかもしれんな!」
「いや、高々剣の稽古で命を落としたり大怪我しちゃいかんでしょ! その人は後の剣豪になる方かもしれませんしね!」
パン! パパン!
俺とフラウの竹刀が打ち合う音が鳴り響く。が、これはきっとフラウが手を抜いてくれているのだろう、その剣撃はかなり長く続いている。その姿は実に楽しそうで、俺もまた釣られて笑顔になっていた。
「ライヴ。話には聞いていたが、お前なかなかやるな! この私に一本も取らせないものなどそうそうはおらなんだぞ!」
「へぇ、そうなんですか?」
「謙遜するな、自信を持ってよい! これは賛辞なのだからな!」
「それは実に光栄の至り… っと、危ねぇ!」
「ハハハ、まだまだ若いな!」
「それは実力不足という意味で?」
「いや、その剣の威勢の良さだ。こうやって対戦していても、それが実によく分かる。楽しいぞ!」
「では、チョッピリこういう手も使ってみましょうか… と!」
俺は手元でくるっと竹刀を回し、フラウの竹刀を絡めて弾き飛ばした。フラウは今、何をされたのか現状把握に懸命な様子。観衆もまた、何が起こったのかわからなかったみたいで、シーン… としていた。
「ライヴ、今のは…?」
「…巻き上げ、といいます。滅多に決まることがないんですが、俺が得意とする戦法の一つですよ」

パチ… パチパチ… パチパチパチ…
拍手とどよめきが起こった。それはあたりを巻き込んで、どんどん大きくなっていく。
「え…? そんなに凄いことしましたっけか?」
俺は観衆の反応に帰って驚いていた。
「ああ、剣を叩き落とすという技はあるが、今のように奪われるという体験は生まれて初めてだ。…なんて大したやつなんだ、お前は!」
突然、フラウが抱きついてきた。騎士というだけあって筋肉質なのかと想いきや、意外と柔らかい。それに、いい匂いもする。
「ちょ… ちょちょちょちょ…」
俺は自分の顔が真っ赤になるのを感じた。そして、あたりを見渡してリーヴァがいないか確認する。

…いたよ。いましたよ、かなり不機嫌そうな表情で。
リーヴァは親指を下に向けると、ツンとして向こうへ去っていった。嗚呼、後でなんと言って弁解しよう…。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、フラウの俺を抱きしめる力が強くなってくる。む、胸が… フラウの胸が俺の顔を埋めて、…その、…柔らかくてなかなか気持ちい… じゃない、ヤバい! コレは早くリーヴァを追いかけなくては! しかし、追いかけた時にはリーヴァの姿は既になく… 俺は後で起きうるであろう修羅場を想像して頭を抱えていた。

それにしても。もしかして俺、モテ期に入ったとでもいうのか…?

◇     ◇     ◇     ◇

「ほう、そういう事があったのか」
ローンは笑いをこらえながら、俺の報告を聞いていた。
「随分と賑やかだと思っていたが、そういう事が、ね。それは随分と見込まれたようだよ、ライヴ。もしかすると、婿に、と言ってくるやもしれん。覚悟しておくことだな」
「他人事だと思って、好きなこと言ってくれますね。後でリーヴァになんと言って弁解すりゃいいのやら…」
「なに、ふたりとも嫁にすればいいではないか。何の問題もあるまい?」
「え… だって、一夫一婦制なのでは?」
「なんだ、そのイップイップというのは? 経済力や地位さえあれば、男は何人でも妻を娶ることができる。常識だろう?」
それ、なんていうハーレム設定なんスか?
「もちろん、その逆もある。一人の妻に対して夫が数人という例だな。私はゴメンだが」
「な、ナルホド。そういう世界観なのですね、ここは」

「とにかく、だ。そのシナイとやら、導入しよう。いくらで買い取らせてもらえる?」
ローンの目は真剣だった。これは権利を、という事なのだろうか?
「それは生産する、という意味でですか?」
「もちろんだ。これは周辺諸国でも十分商売になる。ましてや権利さえ取っておけば、放っておいても資産は入ってくるのだ。こんな美味しい商売はあるまい?」
クックックと笑いながら、ローンさま。いいとこの貴族とは聞いていても、こりゃ随分と苦労なさっているんですな。
「お好きな額で結構ですよ。俺はここでの価値判断がわかりませんし、それに貨幣レートも今ひとつ理解していませんしね」
「それは随分と欲のない話だな。…分かった、君とのこれからの付き合いも考えて、5千Rig(リーガル)でどうだ?」
「五千…リーガル…?」
「ちなみに、だ。1Rigあれば、普通の庶民が一年遊んで暮らせる金額だと思えばいい。理解できるかな?」
「え… え… それって…?」
「五千では安いか… では八千!」
「ちょ、ちょっと待って!」
「まだ足りないと?」
「いや、決してそうでは…。わかりました。七千五百で…」
俺は恐る恐るふっかけてみた。
「ようし、商談成立だ! これで大儲けができる。しかも、元手はバンバスとヒースの皮だ。これ以上儲かる話はない!」
「ローンさんってば、意外と俗物なのですね」
「何を言う。地位だけでは食っていけないのが、世界の常識だろう?」

◇     ◇     ◇     ◇

「…ということになったんだ」
俺は発行された手形をリーヴァに渡した。
「こここここここここここここ…!」
「リーヴァ、もしかして、壊れた?」
「7500Rig!? …ふう…」
リーヴァは意識を失ってしまった。コレって、相当な額なんだな…。額が大きすぎて、実感も何もありゃしないや。

◇     ◇     ◇     ◇

「ライヴ、ライヴはいるか? ああ、また剣を交えよう!」
あれから一週間が経った。何が気に入ったのか、フラウは毎日のようにやって来る。
「噂は聞いたわよ、ライヴ! ボクにも指南して貰えるかな?」
何処で噂を聞きつけたのか、シェスターもやって来るようになった。
「ほう…これがシナイか。俺の剣は普通よりも若干長いのだが、特注はできるのかい?」
シュタークである。全身筋肉と言った風貌で、大の酒好き。この日も酒の匂いをプンプンさせながらやって来た。
「ふむ、これがシナイね。確かに面白そうだ。少し、練習でもしておくかな?」
アギルである。彼も間接攻撃は得意であるものの、剣は若干苦手意識を持っているのだそうだ。
「噂は聞かせてもらったわ。私のも準備してもらえるかしら。できれば一手お願いできると嬉しいのだけれど」
ヘリン=イリュフレント。俺よりも四つ上で、カールしたシルバーの髪をバレッタで留めている。いかにも色気のあるお姉様と言った風貌の彼女は。もう一人のスカイアウフ乗りだ。
「……」
遠くから訝しそうに見つめている視線があった。マーン=ヴァラートンだ。気のせいか、どうも俺と彼は反りが合わないらしい。普段から何かと難癖をつけてくる。まぁ、中にはそういう人間もいるさ、俺はそう思うことにしている。

以上が、アジ=ダハーカにいるドラグナー乗りだ。他にも陸上騎兵団の騎士たちや有志の戦士たちがいるが、とりあえず割愛。ドラグナー乗りは他にいるとのことだが、辺境遊撃隊に加わっていないと言うだけの話である。そのドラグナー乗りは既に落とした砦や城に数人単位で配置されているとのことだった。

俺は工作の得意な市民の力も借り、人数分の竹刀を各々の注文通りに準備すると、ひとりひとりに配って歩いた。結果として、その誰かとも剣を交えることになったのだが、本当にこっちの身にもなって欲しい。いくら愉しいと言っても限度がある。ローンはローンで増産体制を考えているようで、これを専門に扱う業者の入札を開始した。どうやら正規ルートでの販売を考えているらしい。と同時に、在野から有望な騎士を探すという目的もあったと見た。俺、なんだかこの世界の人々に悪い事をしたのかもしれない。

とにかく、だ。
これで剣術の稽古で大怪我をするものはかなり減るはずだ。加えて、剣術の技量的な幅も大きくなるだろう。いいことをしたのだ。俺はそう思うことにした。

◇     ◇     ◇     ◇

こういう平和な日々が続けばいいのだが、どうやらそうもいかないらしい。ある日、ひとりの伝令がやってきた。
ブラガルーンから北へ30Giz(約48km)、そこにフィスクランドという港街がある。その街を治めているフィスモンガー公爵から救援を求めてきたのだ。その様子から、ただ事ではないことは明白だった。俺たちの間に緊張感が走る。

そして、伝令からの重い口が開かれたのだった…。
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