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第三章
フィスクランド攻防戦Side-A-03
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「で、この木の板で何をしようっていうのかな?」
それはフィスクランドに到着した翌日のこと。平べったい流線型をした木製のボードが俺達の元へと届けられた。その裏側には一枚の安定翼が取り付けられ、木々を頑丈に組み合わせて、一枚のボードに仕立てられている。そこのあたりは、この国の匠の技の力を借りて仕上げてもらった。設計図はヌッツに既に渡してあった。うん、なんだかんだ言って、いい仕事してくれる。
「今回の作戦にはスピードが鍵となるでしょう。そこで、サーフボードを作ってみました。期待の数が揃うまで後数日かかると思いますが、今はこのひとつで練習してみましょう!」
「さ… サーフボードとは?」
シュタークが不安げに聞いてくる。
「わかった! 盾の一種だね? でも木製のものじゃ心もとないし、なにより持つところがないから使いようがないよ…」
とは、シェスターの弁。
「…で、正確にはこれは何をするためのものなんだ、ライヴ?」
その言葉を待ってました、流石アギル! ちゃんとツボを突いてくる。
「それでは、これからこのサーフボードの使い方を説明します。くれぐれもよく聞いてくださいね」
◇ ◇ ◇ ◇
「皆さん、こんばんは。ご機嫌はいかがですか?ブレンドフィア=メンションです。ようこそ今宵もクーリッヒ・ウー・ヴァンの世界へ。今回もまた、ライヴ=オフウェイという少年が発明したとされるマリーネ・サーフボーダについて語っていきましょう。皆さんはサーフボーダをしたことがありますか? かくいう私も若い頃に少しだけ、嗜んだ頃がありました。波に乗って一気に海原を滑る。そんな、実に爽快なスポーツです。ですが、当時は軍事目的で作られたと聞いています。果たして、本当の事なのでしょうか? 一見戦争と関係がなさそうなサーフボーダ。これも歴史を紐解くと、面白い発見があるやもしれません…」
クーニフ=グロウサー歴37年2月、フィスクランドに建てられたオベリスクは語る。複数ある活火山の影響もあって、一年中凍らない巨大な塩湖、ジーストディ海。その湖で作戦を展開するにおいて、もっとも難しいとされていたのが海上での機動力であった。
「はい、マリーネ・サーフボーダの発明によって、船の概念が大きく変わっりました」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授である。
「それまでは基本、船とは風や人力などの動力でゆっくりと海上を走っていくものでした。例外的に、軍事用の船が機械式の動力を持っていたようです。それはおそらく、蒸気機関ではなかったかと私は考えます。時速10Nut(ナッター16km:約10ノット)程度の速度で、しかし当時としてはかなりの速さだったでしょう。当時を描いたとされるバンバスの文献には、マリーネ・ドラグナーの標準速度が時速約40Nut(64km:約40ノット)と伝えられています。陸上では無双を誇っていたランダー・ドラグナーもこれでは勝ち目がありません。そこで水の抵抗をギリギリまで落としたサーフボーダに行き着いたのでしょう。
…それにしても。ライヴ=オフウェイ少年の発想というか、着眼点には実に舌を巻かされます。前述のオベリスクの記述によると、ランダー・ドラグナーを水上でマリーネ・ドラグナーと引けを取らぬ機動力を発揮させたとあります。後世の作り話かもしれません。ですが、それ程までに強烈な発明であったことは確かなようです」
「それは、海上での移動が高速化が実現した瞬間でした。その面積に対して浅い船底。風力などを介してもかなりのスピードが出ることは、現代においてもなお、スポーツとして楽しまれていることを考えれば得心できますね」
そう語るのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「後の世… 今から100年ほど前に水中翼船の概念が発明されるまで、水上交通は非常にゆったりとしたものでした。しかし、既に数千年も前にこの基礎理論が完成していたのです。ライヴ=オフウェイという一人の少年には、一体どれだけの引き出しがあったのでしょう。勿論、この説に異を唱える学者もいます。ライヴ=オフウェイとは一人の個人ではなく、技能集団の総称であったと。しかし、本当にそうでしょうか?
確かに言われてみればそうかもしれません。たかだか16歳の少年が僅かの期間で3つもの発明と戦術を編み出したというのですから。否定論者からすれば、そこが納得いかないのでしょう。ですが、考えてもみてください。彼に関しての最も古い記述には『ジーベン・ダジールによってやって来た』とあります。もしこのことが本当であるならば、彼が異世界からの訪問者であるとするならば全てが腑に落ちるのです。まぁ、これを言い出すとキリがないのもキリがないのですがね。…そう、ひとつのロマンだと思って聞き流してください」
今もフィスクランドに立つオベリスクは我々に語りかけてくる。今から何千年も前に起こった戦争において、数々の発明があり、戦術も編み出されてきたと。それらの基本が全てこのクーリッヒ・ウー・ヴァンの物語の中に込められているのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
「そう、なかなかうまいじゃないですか!」
ついに人数分のサーフボードが届いた。
俺はランダー:マガン・カドゥガンを操るアギルに声をかけた。俺のいた世界でそうであったように、ボードに対して側面を向き、上手くバランスをとる。ただし、普通のサーフボードと異なるのは、その上に乗るランダーの背面には前進用のブースターがついているということだ。本来はこれでジャンプ時の補助動力や軌道修正・着地時のショック吸収を行うわけだが、前回のパラグライダーのときと同じく主動力として使用するという発想を応用したのだ。これを上手く使えば、水上・水中戦を得意とするマリーネ・ドラグナーと互角以上に対抗できるという計算に基づいている。俺達は交代しながらこのサーフボードの扱いに慣れていこうという腹づもりであった。
スカイアウフであるシェスターの乗騎:ラーヴァナはやはり上空から俺達の補佐をしてもらうとして、問題はシュタークであった。ランダー:ダグザードを駆るシュタークは剣闘こそ無類無双の剣士なのだが、どうもこういうことは苦手らしい。サーフボードを乗りこなすのに随分と苦労している。しかし、彼の強さは今回どうしても必要だった。故に、いかに機嫌よく練習してもらうかに苦心している。
「お疲れ様でした、シュタークさん。…でも、最初に比べたら随分とうまくなってきましたよ。これで完全マスターは目の前ですね!」
明るく声をかけても、今ひとつシュンとしている。人間としてもとても魅力的かつ可愛い人物であるのだが、ここはどうしても早く慣れてもらわないと困る。
「頑張ったシュタークさんに、ご褒美を用意しています。この地方特産のワインです。それとも、ブランデーがいいですか?なんでもご用意していますよ!」
「ハハハ… そう気を使わなくてもいい。俺は不器用だからな、誰よりも練習して、早くマスターしないとな。それに…」
「それに?」
「こんな年下の少年から心配されるようでは、俺の男がすたるってもんさ」
シュタークさん。ホント、すみません。がんばってください。応援していますからね!
◇ ◇ ◇ ◇
「いやぁ、なかなか簡単にはいかないものだな」
伸びをしながら、ローンが会議室から出てきた。ウィクサー首長国としては、あわよくばフィスクランドとフェアンレギオン砦の両方を取りに来ようという腹積りだと言うことがハッキリしたそうだ。実際にウィクサーサイドではジーストディ海国境付近に海上空母や護衛艦が集結している。当然といえば当然だが、スカイアウフとマリーネ両種のドラグナーが配備されているとのことだ。
「だが、君が紹介してくれたヌッツという男。アレはなかなかいい仕事をしてくれる」
ローンはそう言うと、俺達をブリーフィングルームへと集結させた。そして地図を広げると、ひとつの島を指し示す。
「ここがジーストディ海唯一の島『トリスモス』だ。協定により不可侵とされているが、ウィクサー側が実効支配していてなかなか手を出せない状況となっている。このトリスモス島に公爵の娘、アイネットが監禁されているということだ。島の面積は約1Ark(アーク:約4046㎡)という、とても小さいものだ。書簡によるやり取りでなんとか時間を稼いできたが、そろそろ限界が来ている。ライヴたちの方はどうなんだ?」
「俺が足を引っ張ってますなぁ…。今回は外れないといけないかもしれません…」
シュタークがシュンとして言葉を紡ぐ。俺はそんなシュタークへ助け舟を出した。
「では、シュタークさんはシェスターのラーヴァナに引っ張ってもらいましょう。これなら上手く乗りこなせるはずですよ」
「そ、そう… なのか?」
「ええ、難易度は格段に下がります。確かに上空からの警護が無くなるのは痛いですが、上陸後にシュタークさんがいないのはもっと痛い。ですから、ここは機動戦を重視していきましょう!」
「機動戦術?」
「そうです。俺が聞いた敵マリーネ・ドラグナーの速度は俺達の移動速度のそれよりも遥かに遅いです。国境線上の敵はフィスクランドの護衛艦や戦艦と一緒に俺が引きつけておきましょう。その間に、シュタークさん、アギルさん、シェスターの部隊がトリスモス島に上陸、救出作戦を展開してください。ローンさんにはウィクサー首長国に強い抗議の意を公式文書で出してもらうように要請します。いいですか? これは時間が勝負です。一発勝負ですが、皆さんであれば必ず出来ると確信しています! 必ず成功させましょう!」
「不思議だね。ライヴくんに言われると、本当にできそうって思えちゃう!」
シェスターが笑いながら言った。
「できるさ。なにせ、この俺が選んだエキスパートたちだ。できないわけがない」
「…そうだな、ライヴの言うとおりだ。では早速取り掛かろう。作戦開始は明晩0時! …皆には期待している」
「「了解!」」
◇ ◇ ◇ ◇
さて、ここからが俺のターン!
果たして、クーニフ=グロウサー歴37年2月17日零時。俺は護衛艦『ファグレット=オースティン』の舳先に搭乗していた。当方の護衛艦はこのファグレット=オースティンを中心に、五隻の艦隊で成立している。そして最後尾にいる海上空母には三騎のスカイアウフ:クワットとマリーネ:セドナが対船舶用:ドラグナー用の装備で控えている。
「それでは。俺が戦場を掻き回します。皆さんは混乱している敵さんを各個撃破してください!」
『-了解だ、若いの!-』
旗艦:ファグレット・オースティン艦長:マンデス=ミアデスからの言葉が届いた。これも無線の一種と考えるべきなんだろうな…。 そんなことを考えていると、再び言葉が俺のもとに届く。
『-幸運を祈る!-』
「了解、ではミッション・スタート!」
旗艦から数発の照明弾が打ち出された! 同時に俺は、敵艦隊に向けてサーフボードを走らせる。空母からはクワットとセドナが発進、やがて俺のレクルート=ファハンが敵艦隊を前に向きを変えると、投光機の光が俺を追いかけた。しかし、俺の想定通り追いきれない様子だった。これなら容易に撹乱できそうだ。それなら…。
俺はチョッピリ欲をかいてしまった。大剣を鞘から引き抜くと、勢いをつけて、艦船のひとつ…砲台の真下あたりに体当たりをかます。ゴ… ン… 船体の金属に剣がめり込む、鈍い音が響き渡った。大剣は見事に敵護衛艦に突き刺さり、やがてそれは大爆発を起こす。そして、更に俺は撹乱に入った。敵は完全にパニックに陥っているのが手に取るようにわかった。なにせ、こちらはランダーである。海上戦をもっとも不得手とするランダーが、こうも見事に機動戦をやってのけているのである。そりゃ、パニックもおこすわな~。俺は呑気に考えながら、サーフボードを走らせていた。俺を指向した砲台が次々と発砲する。だが、俺の動きについて来れるものはいない。
海中からも次々と銛のような弾丸が打ち出されてきた。おそらく、海中に潜んでいるマリーネ・ドラグナーだろう。だが残念、俺のほうが若干、素早いのさ! へへん!
敵護衛艦隊からの発砲が止むと、敵水上空母からスカイアウフが飛び立った。俺は待ってましたとばかりにそちらの方へと向かう。既にフィスクランドの艦艇からの艦砲射撃でウィクサー側は大半の艦艇を失っていた。敵の失策。このことも俺に味方してくれたようだ。この時代に於ける階上戦のセオリーとして、まず艦砲射撃、そして攻撃騎による直接打撃、という流れがある。これを俺は根底からひっくり返してしまったのだ。今からスカイアウフやマリーネを出したとしても手遅れである。敵艦船は既に瓦解、艦隊の体を成していなかった。
さて。敵スカイアウフだが、これが実は厄介だったりする。海上を滑るように走るこのサーフボードだが、流石にスカイアウフのスピードには劣る。こちらが勝るとすれば、打撃力くらいのものだ。俺はサーフボード上で大剣を振り回した。
…危ねぇ! やはり大きくバランスを崩しそうになる。これは一考の必要がある。
どうしようか、俺はいろいろ案を練ってみた。その間にも、敵スカイアウフの攻撃はひっきりなしにやって来る。
…仕方なし!
俺はサーフボードを破棄することにした。既に瓦解している艦隊を掻き乱す必要はもうない。ならば、格好の足場として機能してもらおうじゃないか! 俺はブースターを大きくふかすと、サーフボードにサヨナラした。そして、近くの艦艇へジャンプ! 炎を上げている艦艇に着地すると、一騎のスカイアウフがこちらにやって来た。流石の(本物の)ライヴくんの身体も、ウィクサーの言葉は全く翻訳できないらしい。一撃、二撃! 俺は大剣でその攻撃を防ぐと、狭い艦上で超信地旋回、そして、指揮甲板を足場にジャンプ! そのまま切り込んで羽根ごと敵スカイアウフを叩き落とす。羽根さえ奪ってしまえば、後は俺のものだ。俺は躊躇なく敵コクピットに大剣を突き刺した。
これで護衛艦1、ドラグナー1を落としたことになる。我が同胞も頑張っているようで、こちらに敵ドラグナーがやって来る気配はない。俺は足場にしている護衛艦に大剣を突き刺すと、次の護衛艦へと飛び移ろうとした。
その時である。発行信号! 青が3つ…。トラトラトラか!
これ以上の戦闘行為は不必要だ。俺は味方のスカイアウフ・クワットを呼んだ。
「お待たせしました! ライヴ殿」
俺はクワットの手をつかむと、そのまま戦線から離脱。手近な味方の護衛艦に飛び乗った。
おそらくは今頃、フェアンレギオン砦でも壮絶な戦いが繰り広げられているのだろう。だが俺に不安はなかった。彼の地は難攻不落の砦、しかも士気の高いドラグナー乗り達によって手堅く守られている。そうそうに落ちることはないだろう。こうして、フィスクランド攻防戦は俺達の大勝で幕を閉じたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
歴史家は言う。このフィスクランドでの大勝によって、ウィクサー側はこの国境の町とフェアンレギオン砦には簡単に手を出せないと判断したとされる。この戦いの意義について、オベリスクにはこのように刻まれている。
この戦を機に、ウィクサーの民はライヴ=オフウェイの名を知ることになった。優秀な軍師としてだけではなく、白く輝くドラグナーを駆って戦う悪魔の戦士だと。そして、彼に畏怖の念を込めてライヴ=オフウェイにこの言葉を贈ったのである。
「彼の者に我らが死の神:ムオーデルの大罪に処されんことを!」
◇ ◇ ◇ ◇
「ふあぁぁぁぁあ…」
「ライヴったら、おっきなあくび♪」
シェスターは無邪気に俺の頬を引っ張った。
「はひふぉふふぅ」
「この一件、ボク達も大変だったんだぞ! 結構無茶振りするんだから、たまったもんじゃないわよ」
「でも、こうして全員無事でここにいるじゃん。俺の人物選抜眼は正しかったということが証明されたろ?」
「結局、こちらの方も大きな損害は無かったわ。あの捕虜たちの多くも、引き続き残ってくれたしね」
「そうなの、フラウさん」
「もう、さん付けはよしてほしい。フラウでいい!」
「んじゃ、フラウ。結局どれだけ残ってもらえたの?」
「ランダーとスカイアウフのドラグナー乗りが7名と、騎士団の8割が同士として加わった計算になるわ。これは帝国にとっても大きな痛手となるでしょう。本当に大したひとね、ライヴは」
…あなた?
ちょ、チョット待ってくれ。今までフラウが俺のこと、そんな風に呼んだことなかったはずだ。
「もう、大好き!」
そう言いながら、フラウは俺の頭に抱きついてくる。気持ちいいんだけどさ、こんなとこリーヴァに見られたら…
「ああッ! ライヴ君はボクがツバつけたんだからね!」
シェスターが力いっぱい、俺の腕を引っ張った。だから何で、そういうフラグが立ってんだ? こんなところ、リーヴァにちょっとでもみられたら…!!!
…いたよ。いましたよ、かなり不機嫌なご様子で。
リーヴァは親指を下に向けると、ツンとして向こうへ行ってしまった。
どうしよう…。今度はどんな理由をつけて話をウヤムヤにしてしまおうか…。
それはフィスクランドに到着した翌日のこと。平べったい流線型をした木製のボードが俺達の元へと届けられた。その裏側には一枚の安定翼が取り付けられ、木々を頑丈に組み合わせて、一枚のボードに仕立てられている。そこのあたりは、この国の匠の技の力を借りて仕上げてもらった。設計図はヌッツに既に渡してあった。うん、なんだかんだ言って、いい仕事してくれる。
「今回の作戦にはスピードが鍵となるでしょう。そこで、サーフボードを作ってみました。期待の数が揃うまで後数日かかると思いますが、今はこのひとつで練習してみましょう!」
「さ… サーフボードとは?」
シュタークが不安げに聞いてくる。
「わかった! 盾の一種だね? でも木製のものじゃ心もとないし、なにより持つところがないから使いようがないよ…」
とは、シェスターの弁。
「…で、正確にはこれは何をするためのものなんだ、ライヴ?」
その言葉を待ってました、流石アギル! ちゃんとツボを突いてくる。
「それでは、これからこのサーフボードの使い方を説明します。くれぐれもよく聞いてくださいね」
◇ ◇ ◇ ◇
「皆さん、こんばんは。ご機嫌はいかがですか?ブレンドフィア=メンションです。ようこそ今宵もクーリッヒ・ウー・ヴァンの世界へ。今回もまた、ライヴ=オフウェイという少年が発明したとされるマリーネ・サーフボーダについて語っていきましょう。皆さんはサーフボーダをしたことがありますか? かくいう私も若い頃に少しだけ、嗜んだ頃がありました。波に乗って一気に海原を滑る。そんな、実に爽快なスポーツです。ですが、当時は軍事目的で作られたと聞いています。果たして、本当の事なのでしょうか? 一見戦争と関係がなさそうなサーフボーダ。これも歴史を紐解くと、面白い発見があるやもしれません…」
クーニフ=グロウサー歴37年2月、フィスクランドに建てられたオベリスクは語る。複数ある活火山の影響もあって、一年中凍らない巨大な塩湖、ジーストディ海。その湖で作戦を展開するにおいて、もっとも難しいとされていたのが海上での機動力であった。
「はい、マリーネ・サーフボーダの発明によって、船の概念が大きく変わっりました」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授である。
「それまでは基本、船とは風や人力などの動力でゆっくりと海上を走っていくものでした。例外的に、軍事用の船が機械式の動力を持っていたようです。それはおそらく、蒸気機関ではなかったかと私は考えます。時速10Nut(ナッター16km:約10ノット)程度の速度で、しかし当時としてはかなりの速さだったでしょう。当時を描いたとされるバンバスの文献には、マリーネ・ドラグナーの標準速度が時速約40Nut(64km:約40ノット)と伝えられています。陸上では無双を誇っていたランダー・ドラグナーもこれでは勝ち目がありません。そこで水の抵抗をギリギリまで落としたサーフボーダに行き着いたのでしょう。
…それにしても。ライヴ=オフウェイ少年の発想というか、着眼点には実に舌を巻かされます。前述のオベリスクの記述によると、ランダー・ドラグナーを水上でマリーネ・ドラグナーと引けを取らぬ機動力を発揮させたとあります。後世の作り話かもしれません。ですが、それ程までに強烈な発明であったことは確かなようです」
「それは、海上での移動が高速化が実現した瞬間でした。その面積に対して浅い船底。風力などを介してもかなりのスピードが出ることは、現代においてもなお、スポーツとして楽しまれていることを考えれば得心できますね」
そう語るのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。
「後の世… 今から100年ほど前に水中翼船の概念が発明されるまで、水上交通は非常にゆったりとしたものでした。しかし、既に数千年も前にこの基礎理論が完成していたのです。ライヴ=オフウェイという一人の少年には、一体どれだけの引き出しがあったのでしょう。勿論、この説に異を唱える学者もいます。ライヴ=オフウェイとは一人の個人ではなく、技能集団の総称であったと。しかし、本当にそうでしょうか?
確かに言われてみればそうかもしれません。たかだか16歳の少年が僅かの期間で3つもの発明と戦術を編み出したというのですから。否定論者からすれば、そこが納得いかないのでしょう。ですが、考えてもみてください。彼に関しての最も古い記述には『ジーベン・ダジールによってやって来た』とあります。もしこのことが本当であるならば、彼が異世界からの訪問者であるとするならば全てが腑に落ちるのです。まぁ、これを言い出すとキリがないのもキリがないのですがね。…そう、ひとつのロマンだと思って聞き流してください」
今もフィスクランドに立つオベリスクは我々に語りかけてくる。今から何千年も前に起こった戦争において、数々の発明があり、戦術も編み出されてきたと。それらの基本が全てこのクーリッヒ・ウー・ヴァンの物語の中に込められているのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
「そう、なかなかうまいじゃないですか!」
ついに人数分のサーフボードが届いた。
俺はランダー:マガン・カドゥガンを操るアギルに声をかけた。俺のいた世界でそうであったように、ボードに対して側面を向き、上手くバランスをとる。ただし、普通のサーフボードと異なるのは、その上に乗るランダーの背面には前進用のブースターがついているということだ。本来はこれでジャンプ時の補助動力や軌道修正・着地時のショック吸収を行うわけだが、前回のパラグライダーのときと同じく主動力として使用するという発想を応用したのだ。これを上手く使えば、水上・水中戦を得意とするマリーネ・ドラグナーと互角以上に対抗できるという計算に基づいている。俺達は交代しながらこのサーフボードの扱いに慣れていこうという腹づもりであった。
スカイアウフであるシェスターの乗騎:ラーヴァナはやはり上空から俺達の補佐をしてもらうとして、問題はシュタークであった。ランダー:ダグザードを駆るシュタークは剣闘こそ無類無双の剣士なのだが、どうもこういうことは苦手らしい。サーフボードを乗りこなすのに随分と苦労している。しかし、彼の強さは今回どうしても必要だった。故に、いかに機嫌よく練習してもらうかに苦心している。
「お疲れ様でした、シュタークさん。…でも、最初に比べたら随分とうまくなってきましたよ。これで完全マスターは目の前ですね!」
明るく声をかけても、今ひとつシュンとしている。人間としてもとても魅力的かつ可愛い人物であるのだが、ここはどうしても早く慣れてもらわないと困る。
「頑張ったシュタークさんに、ご褒美を用意しています。この地方特産のワインです。それとも、ブランデーがいいですか?なんでもご用意していますよ!」
「ハハハ… そう気を使わなくてもいい。俺は不器用だからな、誰よりも練習して、早くマスターしないとな。それに…」
「それに?」
「こんな年下の少年から心配されるようでは、俺の男がすたるってもんさ」
シュタークさん。ホント、すみません。がんばってください。応援していますからね!
◇ ◇ ◇ ◇
「いやぁ、なかなか簡単にはいかないものだな」
伸びをしながら、ローンが会議室から出てきた。ウィクサー首長国としては、あわよくばフィスクランドとフェアンレギオン砦の両方を取りに来ようという腹積りだと言うことがハッキリしたそうだ。実際にウィクサーサイドではジーストディ海国境付近に海上空母や護衛艦が集結している。当然といえば当然だが、スカイアウフとマリーネ両種のドラグナーが配備されているとのことだ。
「だが、君が紹介してくれたヌッツという男。アレはなかなかいい仕事をしてくれる」
ローンはそう言うと、俺達をブリーフィングルームへと集結させた。そして地図を広げると、ひとつの島を指し示す。
「ここがジーストディ海唯一の島『トリスモス』だ。協定により不可侵とされているが、ウィクサー側が実効支配していてなかなか手を出せない状況となっている。このトリスモス島に公爵の娘、アイネットが監禁されているということだ。島の面積は約1Ark(アーク:約4046㎡)という、とても小さいものだ。書簡によるやり取りでなんとか時間を稼いできたが、そろそろ限界が来ている。ライヴたちの方はどうなんだ?」
「俺が足を引っ張ってますなぁ…。今回は外れないといけないかもしれません…」
シュタークがシュンとして言葉を紡ぐ。俺はそんなシュタークへ助け舟を出した。
「では、シュタークさんはシェスターのラーヴァナに引っ張ってもらいましょう。これなら上手く乗りこなせるはずですよ」
「そ、そう… なのか?」
「ええ、難易度は格段に下がります。確かに上空からの警護が無くなるのは痛いですが、上陸後にシュタークさんがいないのはもっと痛い。ですから、ここは機動戦を重視していきましょう!」
「機動戦術?」
「そうです。俺が聞いた敵マリーネ・ドラグナーの速度は俺達の移動速度のそれよりも遥かに遅いです。国境線上の敵はフィスクランドの護衛艦や戦艦と一緒に俺が引きつけておきましょう。その間に、シュタークさん、アギルさん、シェスターの部隊がトリスモス島に上陸、救出作戦を展開してください。ローンさんにはウィクサー首長国に強い抗議の意を公式文書で出してもらうように要請します。いいですか? これは時間が勝負です。一発勝負ですが、皆さんであれば必ず出来ると確信しています! 必ず成功させましょう!」
「不思議だね。ライヴくんに言われると、本当にできそうって思えちゃう!」
シェスターが笑いながら言った。
「できるさ。なにせ、この俺が選んだエキスパートたちだ。できないわけがない」
「…そうだな、ライヴの言うとおりだ。では早速取り掛かろう。作戦開始は明晩0時! …皆には期待している」
「「了解!」」
◇ ◇ ◇ ◇
さて、ここからが俺のターン!
果たして、クーニフ=グロウサー歴37年2月17日零時。俺は護衛艦『ファグレット=オースティン』の舳先に搭乗していた。当方の護衛艦はこのファグレット=オースティンを中心に、五隻の艦隊で成立している。そして最後尾にいる海上空母には三騎のスカイアウフ:クワットとマリーネ:セドナが対船舶用:ドラグナー用の装備で控えている。
「それでは。俺が戦場を掻き回します。皆さんは混乱している敵さんを各個撃破してください!」
『-了解だ、若いの!-』
旗艦:ファグレット・オースティン艦長:マンデス=ミアデスからの言葉が届いた。これも無線の一種と考えるべきなんだろうな…。 そんなことを考えていると、再び言葉が俺のもとに届く。
『-幸運を祈る!-』
「了解、ではミッション・スタート!」
旗艦から数発の照明弾が打ち出された! 同時に俺は、敵艦隊に向けてサーフボードを走らせる。空母からはクワットとセドナが発進、やがて俺のレクルート=ファハンが敵艦隊を前に向きを変えると、投光機の光が俺を追いかけた。しかし、俺の想定通り追いきれない様子だった。これなら容易に撹乱できそうだ。それなら…。
俺はチョッピリ欲をかいてしまった。大剣を鞘から引き抜くと、勢いをつけて、艦船のひとつ…砲台の真下あたりに体当たりをかます。ゴ… ン… 船体の金属に剣がめり込む、鈍い音が響き渡った。大剣は見事に敵護衛艦に突き刺さり、やがてそれは大爆発を起こす。そして、更に俺は撹乱に入った。敵は完全にパニックに陥っているのが手に取るようにわかった。なにせ、こちらはランダーである。海上戦をもっとも不得手とするランダーが、こうも見事に機動戦をやってのけているのである。そりゃ、パニックもおこすわな~。俺は呑気に考えながら、サーフボードを走らせていた。俺を指向した砲台が次々と発砲する。だが、俺の動きについて来れるものはいない。
海中からも次々と銛のような弾丸が打ち出されてきた。おそらく、海中に潜んでいるマリーネ・ドラグナーだろう。だが残念、俺のほうが若干、素早いのさ! へへん!
敵護衛艦隊からの発砲が止むと、敵水上空母からスカイアウフが飛び立った。俺は待ってましたとばかりにそちらの方へと向かう。既にフィスクランドの艦艇からの艦砲射撃でウィクサー側は大半の艦艇を失っていた。敵の失策。このことも俺に味方してくれたようだ。この時代に於ける階上戦のセオリーとして、まず艦砲射撃、そして攻撃騎による直接打撃、という流れがある。これを俺は根底からひっくり返してしまったのだ。今からスカイアウフやマリーネを出したとしても手遅れである。敵艦船は既に瓦解、艦隊の体を成していなかった。
さて。敵スカイアウフだが、これが実は厄介だったりする。海上を滑るように走るこのサーフボードだが、流石にスカイアウフのスピードには劣る。こちらが勝るとすれば、打撃力くらいのものだ。俺はサーフボード上で大剣を振り回した。
…危ねぇ! やはり大きくバランスを崩しそうになる。これは一考の必要がある。
どうしようか、俺はいろいろ案を練ってみた。その間にも、敵スカイアウフの攻撃はひっきりなしにやって来る。
…仕方なし!
俺はサーフボードを破棄することにした。既に瓦解している艦隊を掻き乱す必要はもうない。ならば、格好の足場として機能してもらおうじゃないか! 俺はブースターを大きくふかすと、サーフボードにサヨナラした。そして、近くの艦艇へジャンプ! 炎を上げている艦艇に着地すると、一騎のスカイアウフがこちらにやって来た。流石の(本物の)ライヴくんの身体も、ウィクサーの言葉は全く翻訳できないらしい。一撃、二撃! 俺は大剣でその攻撃を防ぐと、狭い艦上で超信地旋回、そして、指揮甲板を足場にジャンプ! そのまま切り込んで羽根ごと敵スカイアウフを叩き落とす。羽根さえ奪ってしまえば、後は俺のものだ。俺は躊躇なく敵コクピットに大剣を突き刺した。
これで護衛艦1、ドラグナー1を落としたことになる。我が同胞も頑張っているようで、こちらに敵ドラグナーがやって来る気配はない。俺は足場にしている護衛艦に大剣を突き刺すと、次の護衛艦へと飛び移ろうとした。
その時である。発行信号! 青が3つ…。トラトラトラか!
これ以上の戦闘行為は不必要だ。俺は味方のスカイアウフ・クワットを呼んだ。
「お待たせしました! ライヴ殿」
俺はクワットの手をつかむと、そのまま戦線から離脱。手近な味方の護衛艦に飛び乗った。
おそらくは今頃、フェアンレギオン砦でも壮絶な戦いが繰り広げられているのだろう。だが俺に不安はなかった。彼の地は難攻不落の砦、しかも士気の高いドラグナー乗り達によって手堅く守られている。そうそうに落ちることはないだろう。こうして、フィスクランド攻防戦は俺達の大勝で幕を閉じたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
歴史家は言う。このフィスクランドでの大勝によって、ウィクサー側はこの国境の町とフェアンレギオン砦には簡単に手を出せないと判断したとされる。この戦いの意義について、オベリスクにはこのように刻まれている。
この戦を機に、ウィクサーの民はライヴ=オフウェイの名を知ることになった。優秀な軍師としてだけではなく、白く輝くドラグナーを駆って戦う悪魔の戦士だと。そして、彼に畏怖の念を込めてライヴ=オフウェイにこの言葉を贈ったのである。
「彼の者に我らが死の神:ムオーデルの大罪に処されんことを!」
◇ ◇ ◇ ◇
「ふあぁぁぁぁあ…」
「ライヴったら、おっきなあくび♪」
シェスターは無邪気に俺の頬を引っ張った。
「はひふぉふふぅ」
「この一件、ボク達も大変だったんだぞ! 結構無茶振りするんだから、たまったもんじゃないわよ」
「でも、こうして全員無事でここにいるじゃん。俺の人物選抜眼は正しかったということが証明されたろ?」
「結局、こちらの方も大きな損害は無かったわ。あの捕虜たちの多くも、引き続き残ってくれたしね」
「そうなの、フラウさん」
「もう、さん付けはよしてほしい。フラウでいい!」
「んじゃ、フラウ。結局どれだけ残ってもらえたの?」
「ランダーとスカイアウフのドラグナー乗りが7名と、騎士団の8割が同士として加わった計算になるわ。これは帝国にとっても大きな痛手となるでしょう。本当に大したひとね、ライヴは」
…あなた?
ちょ、チョット待ってくれ。今までフラウが俺のこと、そんな風に呼んだことなかったはずだ。
「もう、大好き!」
そう言いながら、フラウは俺の頭に抱きついてくる。気持ちいいんだけどさ、こんなとこリーヴァに見られたら…
「ああッ! ライヴ君はボクがツバつけたんだからね!」
シェスターが力いっぱい、俺の腕を引っ張った。だから何で、そういうフラグが立ってんだ? こんなところ、リーヴァにちょっとでもみられたら…!!!
…いたよ。いましたよ、かなり不機嫌なご様子で。
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