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第八章
悪鬼の終焉-04
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ナフバシュタートで撮影されたという1枚の写真。それは俺を驚愕させるに十分すぎる一枚となった。
俺はスタディウム・ノーディスタンの外れにある、キャンプ地での捕虜収容所に赴いていた。目的は、そう。行方不明のままだったリーヴァの居所について、その写真が撮られたというナフバシュタートのレクチャーを受けようと思っていたのだ。1枚の写真… そこに映っていたのは、踊る人形を纏う、一騎のドラグナー。その足元に写る、見覚えのある懐かしい少女の姿…。
「ああ、ライヴ様。嬉しく思いますわ」
「静、ちょうどよかった。ちょっと聞きたいことが…」
「ちょっと待った、ライヴ=オフウェイ」
「ちょっと邪魔しないでくれ。…いや、君でもいい。教えてくれないかエイサー」
「何かあったのか?」
「エース、…ああ、タレントも。君達からも話を聞きたい。時間を割いては貰えないか?」
「「「?」」」
◇ ◇ ◇ ◇
「クーリッヒ=ウー=ヴァンの物語を知るものは幸せである。心安らかであろうから。それ故に、伝えよう。悠久の歴史に埋もれてきた、英雄たちの物語を。…皆さん、こんばんは。クーリッヒ=ウー=ヴァンの世界へようこそ。当番組のナビゲーターを努めます、ブレンドフィア=メンションです。ご機嫌はいかがですか?
さて。いよいよグリーティスタン地方を舞台とした物語とお別れするときがやってまいりました。つまり、今回が最終回となります。ダーフ事変に始まった反帝国の物語も、スタディウム・ノーディスタン陥落を持って一区切りとなるのです」
クーニフ歴37年4月25日。ブラウ=レジスタルスメンバーはナフバシュタートへと、その足を進めることとなる。その詳細については未だ発掘・研究中で当時のことはよくわかっていない。何故なら、史書『ゲシュヒテ』には次のようなことが書かれている。
『ライヴ=オフウェイの強い希望により、この地を離れることになった』と。
「戯曲『ディクローム:クーリッヒ=ウー=ヴァン』において描かれているのは、一枚の絵をきっかけにライヴ少年が決意したと書かれています」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「それが何を示した絵であるのかは、こちらの方にも描かれていません。ただ、急を告げるような内容であったことは確かなようです」
では、その急を告げる内容とは一体何だったのであろうか?ミンダーハイト=ギリアートン教授が答えてくれた。
「…私は今、一足先にナフバシュタートにあるラウレスランド県の第20号遺跡に来ています。ここで発掘中のオベリスクに、面白い発見がありました。ここのところ、大きなドラグナーが描かれていますね。文字を読むと、このようになります
『”黒騎士”の登場により、この地域の反攻勢力は一気に鎮圧された。ブラウ=レジスタルスが来るまでは』
つまり、このオベリスクに記載されている時期がクーニフ歴37年春のこと。時期が一致するのです。これらの事実から言えることは、件の一枚の”絵”とは、この地方に現れたという”黒騎士”に関するものであったと想起できるのです…」
◇ ◇ ◇ ◇
「もしそのリーヴァという方がいたとしても、何ら不思議ではありませんわ」
静は両手の指を組んで、俺を一途に見つめてくる。リーヴァそっくりの整った顔立ちというこのもあって、余計に意識してしまう。気がつくと、その指を俺の指に絡めてきた。俺は思わずその手を離してしまった。
「…主様… 相変わらずつれないんですのね?」
淋しげな瞳で俺を見上げてくる。いや、そういうつもりでここに来たわけじゃないから。
「何をやっている!」
突然、エイサー・エース・タレントの三人が俺と静の間に割り込んできた。そして俺を指差しながら人を愚弄してくる。
「お前のような、お前のような下賤なやつに、シズカ様の好意を無下にする権利などない!」
「この羨まし… いや、無礼な奴め!」
「大体お前なんかなぁ、お前なんかなぁ…!」
はいはい、君たちは意見すらしてくれないのね。
「で、いたとしても不思議ではないとは、どういう意味?」
「その回答は簡単ですわ。主様がこの地… この世界にやって来た時には、一体どなたがいらっしゃったの?」
「リーヴァ。彼女しかいなかった。…それが?」
「つまり、そういうことですわ」
「わからないってば。キチンと説明してくれ」
「彼女…リーヴァには巫女としての素養があったということ…」
「巫女?」
「そう、巫女。この世界にジーベン・ダジールを引き起こすとされる七人の大天使を祀る巫女ですわ」
◇ ◇ ◇ ◇
俺は再度、アジ・ダハーカのローンの元を訪れていた。
「やはり、ナフバシュタートか…」
長いストレートの黒髪をゆっくりと揺らせながら、ローンが聞いてきた。
「…はい」
「リーヴァ嬢のことか?」
「そうです。俺は俺の成すべきことを全うしたいんですよ」
俺はアジ・ダハーカの艦橋の眼下に見える街並みを眺めていた。スタディウム・ノーディスタンが夕日に映えて、実に美しい。
「…ところで、静達の処遇なんですが…」
俺は先日から懸案のまま保留だった、第13連隊親衛隊所属の4名の話を持ち出した。
「…構わんよ。彼らからは、投降に際して我軍に入隊することに何の依存もない… とあの書類にサインをしている。もし、だがね。編入するのであれば、君の部隊に編入したいとも考えている」
「…つまり、厄介事は俺が責任を持って対処せよと?」
「ハハハ…、つまりそういう事だ。彼らを活かすも殺すも、君の采配次第だ。上手く運用するといい」
「そうできるほど、俺達は規模が大きくなったと?」
「…そうだ。これからの戦いにはフラウも、シェスターにも、皆にも部下がついてくる。それぞれ3騎~4騎の編成だ。そういう意味では、君は別格の部隊持ちと言うことになるな」
「そうなると、アジ・ダハーカではドラグナーを積みきれないのでは?」
「鹵獲したルフト・フルッツファグ・リッター”ハイド・ビハインド”がこれからの旗艦となる。私はそちらに移り、君がこの艦の艦長だ。…異論はあるかね?」
えええええええ!?
俺は驚愕した。なんで? どうして。どうして俺がアジ・ダハーカの艦長に?
「…私の判断だ。これからブラウ=レジスタルスの活動を展開する中で、どうしても二隻以上のフルッツファグ・リッターが必要になってくる。そんな状況下で、君はあのハイド・ビハインドを拿捕してくれた。感謝している」
「いや、感謝はいいんですが。そこで何故俺が艦長って話に?」
「君はズバ抜けた感性と機動力の持ち主だ。私の下でいたときにも、本当に助かっていた。そこで考えたのだ。もし君に一隻のフルッツファグ・リッターを預けたなら、どのように運用するだろうかと。私は想像するだに、ワクワクした。とても面白く、楽しくなってきたのだよ。…それが理由では問題かな?」
「アリアリですってば! 何ですか、その楽しそうだとかワクワクしたとか!?」
「いや、案外そういうものだよ。ただ、他のものに対しては言葉を飾りはするがね」
「では、君に預けるメンバーを選んで欲しい。
フラウ=シュルヌ
シェスター=ネッテ
アギル=イエーガー
シュターク=ヘラクレッシュ
ヘリン=イリュフレント
マーン=ヴァラートン
アースター=プランツ
エッセン=ハンプトフィンガー
スティンキー=タハオ
ダーツ=ワイト
ダリッテ=パゾン
…以上だ。それぞれ指揮官としても有望だし、副官としての起用もかまわない。ただし、このアジ・ダハーカにも搭載できるドラグナーの数は限られててね。どんなに積んでも、15騎までだ。どうだね?」
「そうですね。こういう事は早いほうがいいかと思います。…ただ俺は慣れた仲間と一緒にいたい。ですから、フラウ・シェスター・アギルの三名と、エッセン=ハンプトフィンガーに副官をお願いしたく考えています」
名簿を眺めながら、俺は即決した。息の合った仲間はやっぱり頼もしい。それにエッセンを副官に起用したのには理由がある。機動戦における指揮が非常に上手いのだ。おそらくだが、マトモに戦略でやりあったら間違いなく俺が負ける。それ位硬い男なのだ。これ以上信頼に足る人材はいない。
「…わかった。では今月中には出撃できるように手配しよう。そして、ナフバシュタートへはアジ・ダハーカのみでかかってもらう。…いいかな?」
「わ、わかりました。てか、俺たちだけですか?」
「…そうだ。危険な時には駆けつけられるよう、いつでもエンジンを温めておく」
「ローンさん達は?」
「このグリーティスタン地方の復興式に当たらねばならんのだ。それとも、君がやるかい?」
「俺が行ってきます」
「ならば、よろしい。辞令は私の名により出しておく。出発までに、準備を進めておいてくれ」
こうして、俺達のナフバシュタート出撃が決まった。正直言ってアジ・ダハーカの艦長を任されるなんて思いもよらなかったが、それはそれで自由にやってよしと言う意思表示なのだと解釈した。
3日後、アジ・ダハーカには次々とドラグナーが積み込まれていく。
ラウェルナ、ラーヴァナ、マガン・カドゥガン、そして真紅に塗られた真紅の流星の指揮官用ファハンが積み込まれた。更に言えば、白銀のサヴァニアと、色を同じくするファハン3騎も積み込まれていく。これで、8騎。そして、各指揮官に振り分けられたヘイムダルが2騎、ファハンが4騎。加えてクアット2騎が加わる。これで16騎!
…一騎多い? そこはご心配めさるな。ちゃんとロースムント商会を通して、アジ・ダハーカに少々の手を加えてある。故に、後2~3騎は載せることが可能だ。で、俺にはひとつの考えがあった。このアジ・ダハーカではメカニックマンを数班に分け、それをひとりに任せようというのだ。その責任者には、現在俺が雇っているマイスター:メイーダ=アストネイガーに担ってもらう。勿論、責任者としての手当は上げるし、班単位での整備で『均一で上質な整備を全員に』が実現できる。それに、技術を見せ合うことによって互いに向上しあってもらう。うん、これで万全!
4月30日朝。俺達のアジ・ダハーカは16騎のドラグナーを乗せて出港した。地上には龍馬騎士500に兵士が1000。その進路は遥か東、ナフバシュタートを目指して!
To be Continued... →2nd Season
俺はスタディウム・ノーディスタンの外れにある、キャンプ地での捕虜収容所に赴いていた。目的は、そう。行方不明のままだったリーヴァの居所について、その写真が撮られたというナフバシュタートのレクチャーを受けようと思っていたのだ。1枚の写真… そこに映っていたのは、踊る人形を纏う、一騎のドラグナー。その足元に写る、見覚えのある懐かしい少女の姿…。
「ああ、ライヴ様。嬉しく思いますわ」
「静、ちょうどよかった。ちょっと聞きたいことが…」
「ちょっと待った、ライヴ=オフウェイ」
「ちょっと邪魔しないでくれ。…いや、君でもいい。教えてくれないかエイサー」
「何かあったのか?」
「エース、…ああ、タレントも。君達からも話を聞きたい。時間を割いては貰えないか?」
「「「?」」」
◇ ◇ ◇ ◇
「クーリッヒ=ウー=ヴァンの物語を知るものは幸せである。心安らかであろうから。それ故に、伝えよう。悠久の歴史に埋もれてきた、英雄たちの物語を。…皆さん、こんばんは。クーリッヒ=ウー=ヴァンの世界へようこそ。当番組のナビゲーターを努めます、ブレンドフィア=メンションです。ご機嫌はいかがですか?
さて。いよいよグリーティスタン地方を舞台とした物語とお別れするときがやってまいりました。つまり、今回が最終回となります。ダーフ事変に始まった反帝国の物語も、スタディウム・ノーディスタン陥落を持って一区切りとなるのです」
クーニフ歴37年4月25日。ブラウ=レジスタルスメンバーはナフバシュタートへと、その足を進めることとなる。その詳細については未だ発掘・研究中で当時のことはよくわかっていない。何故なら、史書『ゲシュヒテ』には次のようなことが書かれている。
『ライヴ=オフウェイの強い希望により、この地を離れることになった』と。
「戯曲『ディクローム:クーリッヒ=ウー=ヴァン』において描かれているのは、一枚の絵をきっかけにライヴ少年が決意したと書かれています」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「それが何を示した絵であるのかは、こちらの方にも描かれていません。ただ、急を告げるような内容であったことは確かなようです」
では、その急を告げる内容とは一体何だったのであろうか?ミンダーハイト=ギリアートン教授が答えてくれた。
「…私は今、一足先にナフバシュタートにあるラウレスランド県の第20号遺跡に来ています。ここで発掘中のオベリスクに、面白い発見がありました。ここのところ、大きなドラグナーが描かれていますね。文字を読むと、このようになります
『”黒騎士”の登場により、この地域の反攻勢力は一気に鎮圧された。ブラウ=レジスタルスが来るまでは』
つまり、このオベリスクに記載されている時期がクーニフ歴37年春のこと。時期が一致するのです。これらの事実から言えることは、件の一枚の”絵”とは、この地方に現れたという”黒騎士”に関するものであったと想起できるのです…」
◇ ◇ ◇ ◇
「もしそのリーヴァという方がいたとしても、何ら不思議ではありませんわ」
静は両手の指を組んで、俺を一途に見つめてくる。リーヴァそっくりの整った顔立ちというこのもあって、余計に意識してしまう。気がつくと、その指を俺の指に絡めてきた。俺は思わずその手を離してしまった。
「…主様… 相変わらずつれないんですのね?」
淋しげな瞳で俺を見上げてくる。いや、そういうつもりでここに来たわけじゃないから。
「何をやっている!」
突然、エイサー・エース・タレントの三人が俺と静の間に割り込んできた。そして俺を指差しながら人を愚弄してくる。
「お前のような、お前のような下賤なやつに、シズカ様の好意を無下にする権利などない!」
「この羨まし… いや、無礼な奴め!」
「大体お前なんかなぁ、お前なんかなぁ…!」
はいはい、君たちは意見すらしてくれないのね。
「で、いたとしても不思議ではないとは、どういう意味?」
「その回答は簡単ですわ。主様がこの地… この世界にやって来た時には、一体どなたがいらっしゃったの?」
「リーヴァ。彼女しかいなかった。…それが?」
「つまり、そういうことですわ」
「わからないってば。キチンと説明してくれ」
「彼女…リーヴァには巫女としての素養があったということ…」
「巫女?」
「そう、巫女。この世界にジーベン・ダジールを引き起こすとされる七人の大天使を祀る巫女ですわ」
◇ ◇ ◇ ◇
俺は再度、アジ・ダハーカのローンの元を訪れていた。
「やはり、ナフバシュタートか…」
長いストレートの黒髪をゆっくりと揺らせながら、ローンが聞いてきた。
「…はい」
「リーヴァ嬢のことか?」
「そうです。俺は俺の成すべきことを全うしたいんですよ」
俺はアジ・ダハーカの艦橋の眼下に見える街並みを眺めていた。スタディウム・ノーディスタンが夕日に映えて、実に美しい。
「…ところで、静達の処遇なんですが…」
俺は先日から懸案のまま保留だった、第13連隊親衛隊所属の4名の話を持ち出した。
「…構わんよ。彼らからは、投降に際して我軍に入隊することに何の依存もない… とあの書類にサインをしている。もし、だがね。編入するのであれば、君の部隊に編入したいとも考えている」
「…つまり、厄介事は俺が責任を持って対処せよと?」
「ハハハ…、つまりそういう事だ。彼らを活かすも殺すも、君の采配次第だ。上手く運用するといい」
「そうできるほど、俺達は規模が大きくなったと?」
「…そうだ。これからの戦いにはフラウも、シェスターにも、皆にも部下がついてくる。それぞれ3騎~4騎の編成だ。そういう意味では、君は別格の部隊持ちと言うことになるな」
「そうなると、アジ・ダハーカではドラグナーを積みきれないのでは?」
「鹵獲したルフト・フルッツファグ・リッター”ハイド・ビハインド”がこれからの旗艦となる。私はそちらに移り、君がこの艦の艦長だ。…異論はあるかね?」
えええええええ!?
俺は驚愕した。なんで? どうして。どうして俺がアジ・ダハーカの艦長に?
「…私の判断だ。これからブラウ=レジスタルスの活動を展開する中で、どうしても二隻以上のフルッツファグ・リッターが必要になってくる。そんな状況下で、君はあのハイド・ビハインドを拿捕してくれた。感謝している」
「いや、感謝はいいんですが。そこで何故俺が艦長って話に?」
「君はズバ抜けた感性と機動力の持ち主だ。私の下でいたときにも、本当に助かっていた。そこで考えたのだ。もし君に一隻のフルッツファグ・リッターを預けたなら、どのように運用するだろうかと。私は想像するだに、ワクワクした。とても面白く、楽しくなってきたのだよ。…それが理由では問題かな?」
「アリアリですってば! 何ですか、その楽しそうだとかワクワクしたとか!?」
「いや、案外そういうものだよ。ただ、他のものに対しては言葉を飾りはするがね」
「では、君に預けるメンバーを選んで欲しい。
フラウ=シュルヌ
シェスター=ネッテ
アギル=イエーガー
シュターク=ヘラクレッシュ
ヘリン=イリュフレント
マーン=ヴァラートン
アースター=プランツ
エッセン=ハンプトフィンガー
スティンキー=タハオ
ダーツ=ワイト
ダリッテ=パゾン
…以上だ。それぞれ指揮官としても有望だし、副官としての起用もかまわない。ただし、このアジ・ダハーカにも搭載できるドラグナーの数は限られててね。どんなに積んでも、15騎までだ。どうだね?」
「そうですね。こういう事は早いほうがいいかと思います。…ただ俺は慣れた仲間と一緒にいたい。ですから、フラウ・シェスター・アギルの三名と、エッセン=ハンプトフィンガーに副官をお願いしたく考えています」
名簿を眺めながら、俺は即決した。息の合った仲間はやっぱり頼もしい。それにエッセンを副官に起用したのには理由がある。機動戦における指揮が非常に上手いのだ。おそらくだが、マトモに戦略でやりあったら間違いなく俺が負ける。それ位硬い男なのだ。これ以上信頼に足る人材はいない。
「…わかった。では今月中には出撃できるように手配しよう。そして、ナフバシュタートへはアジ・ダハーカのみでかかってもらう。…いいかな?」
「わ、わかりました。てか、俺たちだけですか?」
「…そうだ。危険な時には駆けつけられるよう、いつでもエンジンを温めておく」
「ローンさん達は?」
「このグリーティスタン地方の復興式に当たらねばならんのだ。それとも、君がやるかい?」
「俺が行ってきます」
「ならば、よろしい。辞令は私の名により出しておく。出発までに、準備を進めておいてくれ」
こうして、俺達のナフバシュタート出撃が決まった。正直言ってアジ・ダハーカの艦長を任されるなんて思いもよらなかったが、それはそれで自由にやってよしと言う意思表示なのだと解釈した。
3日後、アジ・ダハーカには次々とドラグナーが積み込まれていく。
ラウェルナ、ラーヴァナ、マガン・カドゥガン、そして真紅に塗られた真紅の流星の指揮官用ファハンが積み込まれた。更に言えば、白銀のサヴァニアと、色を同じくするファハン3騎も積み込まれていく。これで、8騎。そして、各指揮官に振り分けられたヘイムダルが2騎、ファハンが4騎。加えてクアット2騎が加わる。これで16騎!
…一騎多い? そこはご心配めさるな。ちゃんとロースムント商会を通して、アジ・ダハーカに少々の手を加えてある。故に、後2~3騎は載せることが可能だ。で、俺にはひとつの考えがあった。このアジ・ダハーカではメカニックマンを数班に分け、それをひとりに任せようというのだ。その責任者には、現在俺が雇っているマイスター:メイーダ=アストネイガーに担ってもらう。勿論、責任者としての手当は上げるし、班単位での整備で『均一で上質な整備を全員に』が実現できる。それに、技術を見せ合うことによって互いに向上しあってもらう。うん、これで万全!
4月30日朝。俺達のアジ・ダハーカは16騎のドラグナーを乗せて出港した。地上には龍馬騎士500に兵士が1000。その進路は遥か東、ナフバシュタートを目指して!
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