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3人目 内海さん
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「こんにちは」
「」
「今日はどうされました」
内海たける、19歳。
肩幅が狭い細身の男性。
返事をするという教育はどうやら受けていないようだった。
「内海さん?」
「はい」
「今日はどういったご相談でしょうか」
「相談はありません」
そうですか。
ではおかえりください。
とは言えない。
自分から何かを発しない。
周りの空気を読みすぎる。
そういった類いのものか。
「ではこちらからいくつか質問させてください」
「はい」
「今日の朝ごはんは何でしたか」
「目玉焼きと、ご飯です」
「美味しかったですか」
「いえ、別に」
方向性を変えますか。
「内海さんは普段、何をしていますか」
「ゲームです」
「どんなゲームですか」
「普通のパソコンのゲームです」
「FPSですか」
「違いますよ。あんなのと一緒にしないでください」
「失礼しました」
ニートのくせによく吠えるものだ。
(すみませんね、先生)
隣の母親が小さく呟く。
お母さん、あなたの息子さんは悪いことはしていない。
勿論いい事もしていない。
人畜無害なだけです。
「そのゲームで、内海さんは強いんですか」
「ランキングでは上位0.28%に入ってます」
「それは強いと言っていいものですね」
「普通ですよ」
「大会などは出た事はあるんですか」
「あります。日本全国大会で3位でした」
サラッと言う。
ゲームに自信はあるし、実力もある。
今の時代ならプロゲーマーとして仕事がありそうなものではあるが。
(ゲームで働くなんて、うちの子は一族の恥ですよ)
ため息。
「内海さん、すみません。ちょっと外でお待ちいただいてもいいですか?」
「分かりました」
当事者の退場。
異例の出来事である。
「お母さん」
(はい)
「私は今日内海さんと話がしたいんです」
(でもうちの子は無口なので)
「そういう意味ではないんです」
「あの、先生。今誰と話しているんですか?」
井上ひかり。
つい最近雇った助手には、内海たけるの母親が見えていない。
内海たけるの母親は、数年前に亡くなっているのだから。
「」
「今日はどうされました」
内海たける、19歳。
肩幅が狭い細身の男性。
返事をするという教育はどうやら受けていないようだった。
「内海さん?」
「はい」
「今日はどういったご相談でしょうか」
「相談はありません」
そうですか。
ではおかえりください。
とは言えない。
自分から何かを発しない。
周りの空気を読みすぎる。
そういった類いのものか。
「ではこちらからいくつか質問させてください」
「はい」
「今日の朝ごはんは何でしたか」
「目玉焼きと、ご飯です」
「美味しかったですか」
「いえ、別に」
方向性を変えますか。
「内海さんは普段、何をしていますか」
「ゲームです」
「どんなゲームですか」
「普通のパソコンのゲームです」
「FPSですか」
「違いますよ。あんなのと一緒にしないでください」
「失礼しました」
ニートのくせによく吠えるものだ。
(すみませんね、先生)
隣の母親が小さく呟く。
お母さん、あなたの息子さんは悪いことはしていない。
勿論いい事もしていない。
人畜無害なだけです。
「そのゲームで、内海さんは強いんですか」
「ランキングでは上位0.28%に入ってます」
「それは強いと言っていいものですね」
「普通ですよ」
「大会などは出た事はあるんですか」
「あります。日本全国大会で3位でした」
サラッと言う。
ゲームに自信はあるし、実力もある。
今の時代ならプロゲーマーとして仕事がありそうなものではあるが。
(ゲームで働くなんて、うちの子は一族の恥ですよ)
ため息。
「内海さん、すみません。ちょっと外でお待ちいただいてもいいですか?」
「分かりました」
当事者の退場。
異例の出来事である。
「お母さん」
(はい)
「私は今日内海さんと話がしたいんです」
(でもうちの子は無口なので)
「そういう意味ではないんです」
「あの、先生。今誰と話しているんですか?」
井上ひかり。
つい最近雇った助手には、内海たけるの母親が見えていない。
内海たけるの母親は、数年前に亡くなっているのだから。
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