1 / 2
緑色という男
001 green
しおりを挟む「そろそろ幸せになってみてはどうですか」
そんな事を言われたのは初めてなので、どう返事したらいいのか困惑した。
幸せ。
ハッピーとかラッキーとか、楽しいことに関係する確証のない言葉。
今自分が幸せでないから問われているのだろう。
「質問に質問で返すようだが、君にとって幸せとは何だ」
「幸せとは、考えない事です」
「バカになれというのか」
「進んでなれるものではないです。まして知能の低い者には幸せが何かすら分からないでしょう」
U+0391は自らの根を地に這わせ、周囲の情報を取り込み続けている。
思考し、考察し、吟味する彼女は今幸せではない。
「答えをくれないか。U+0391、僕は幸せになりたい」
「他人の提案するものに幸せはありません。先ほどの概念は他ならぬ貴方が述べたように、私にとっての幸せの価値観です」
「ヒントでもいいんだ」
「面会時間は終了していますよ。緑色の男、ここを去る事を強くお勧めします」
電源ランプが消え、彼女の意識は虚無へと消えていった。
後に残った残骸は、無機質なまま物体へと戻る。
「時間だ」
警備員のノックの音が、心の奥底まで響くようだった。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる