そろそろ幸せになりませんか?

nanao78

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緑色という男

002 端末喫茶

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悴む寒さに耐えながら、端末喫茶への道を行く。

明かりの消えた閉店街は、若者と娼婦で溢れていた。

何度か誘いを受けるのだが、一時的な快楽に時間も金も払う気は到底ない。

「お兄さん、幸せにするよ」

「君に幸せにされるほど、落ちぶれちゃあいない」

「日本語分からないね」

「そうか。おやすみ」

濁った空気の中を歩くのは好きだった。

自分の住んでいる地域よりも濃く、深く身体の中まで浸透する淀んだもの。

それを味わうことに、喜びを感じる。

地下道に差し掛かる手前の路地を進み、現代に似合わない木製の大きな扉をゆっくりと開く。

「いらっしゃいませ。何だ、グリーンか」

「いつもの席、空いてるか」

「たまには予約の電話ぐらい入れて欲しいもんだな」

呟きはするものの、金属製のカードキーを差し出す店長とは長い付き合いだ。

「先日の旅行は何処に」

「青い海の見える島だ。最近は物騒だから、癒されるのも悪くはなかったぜ」

「酒は飲んだのか」

「飲めたもんじゃねぇよ。5杯も飲めばあの世行きするアルコールだ」

「お大事に」

キーを受け取り、ルームへと向かう。

青い海の見える島、つまりは海外からの来訪者。

人数は5人で気性が粗め、か。

予約なしってことは、新入りのチンピラか何かか。

まぁいい。

会って話せば分かる。

「失礼します。ご注文の品お持ちしました」
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