薬剤師ですが何かご用ですかと言ったら相手は転生した元彼女だった｡

第一章 出会い

始まりは、何気なく

「人は目が合うとわかるそうだ。何が？って言うと自分にとって、その人が運命の人かどうかって」そんな話を同僚の薬剤師の佐藤大樹が話すのを俺は頷きながら、心の中でスル－していた｡

俺、野宮大樹｡ 今は生まれ故郷である、この町薬局で勤務している｡ 

今現在は彼女は居ない。居たのだが、それは前世の話しらしい。

なぜ、話しらしいかというと、俺自身過去生の記憶があると気づいたのは、つい最近のことだからだ。

ある晴れた日、いつもと同じように俺は薬局で忙しく働いていた。俺的には薬の知識と人々を助ける使命感に満ち、いつも笑顔で接客に励んでいるつもりだ。

その日は、なぜか門をくぐるお客さんの女性が目に留まった。彼女は美しい黒髪と明るい笑顔を持ち、どこか見覚えのある顔に思えたのだ。

彼女がカウンターに近づいてくると、俺は心の中で彼女を覚えているような気がしてならなかった｡

俺は勇気を出してその女性に声をかけた。「いらっしゃいませ、何かお探しですか？」

その女性は少し戸惑っている表情で俺を見た。「実は、最近不思議なことがありまして...。薬局の前を通るたびに、どこか懐かしい気持ちがして、入ってみようと思ったんです。」

俺は、胸の高鳴りを感じて、正直焦った。今、まさに、俺の途切れ途切れの前世の記憶が頭の中に湧き出して来たのだった。

俺は心の震えを推し殺して声をかけた｡「もしかして、過去に知り合ったことがあるかもしれませんね。私は以前、別の人生で薬剤師の仕事をしていました。」