お兄ちゃんができた!!

くものらくえん

文字の大きさ
2 / 2

優しいお兄ちゃんと人見知りの僕②

しおりを挟む
朝、まぶしい朝日が僕を照らしていた。
少し影が落ちて、誰かが僕を優しく揺さぶっている。

「…くん。悠くん、朝だよ。起きて。」

どこからか、年上の低くてかっこいい声が僕を呼んでいる。

「んん…あと、5分…むにゃ…」

でもとっっってもねむいし、起きたくない。
あと1時間は寝ていたい。お布団らぶ。

「悠くんが起きないと…キスしちゃうよ?」

え?僕が起きないと、このかっこいい声の持ち主が僕にキスする……?
!?な、なんだってーーー!?それは一大事だ!!起きなきゃ!!

「き、きす!?!?」

慌てて目を開けると、そこには青いエプロンの似合うイケメンさんがにっこり微笑んでいた。

天使さま?天使さまがなんでうちにいるんだ?
てかキス!?起きなかったらキスされてたの!?
そ、それはそれで寝ていた方がよかったかもしれない。

「おはよう、悠くん。」

はっ!待って!待って!
この美貌に素敵なお声、何よりこの呼び方は…!

「り、律お兄ちゃん…?」

「そう、律お兄ちゃん。」

正統派黒髪イケメンのお兄ちゃんこと、律お兄ちゃんがそこにいた。

僕の言葉を復唱する声ですら素晴らしいお声。
青いエプロンというイケメンか美少女しか着こなせない最高の服をいともたやすく着こなしている。

いや朝からビジュ爆発最高イケメンすぎて見つめるのがつらい。朝日よりまぶしい。
これ僕溶けちゃうんじゃないの?

「あわわわ……」

ほんとに、語彙力なくなる。
というか律お兄ちゃんの前でこんな照れたやばい顔見せたくない、恥ずかしすぎる!!

「ふふ、悠くんって困ったときあわわってなるよね。かわいい。」

いやいやいや!!律お兄ちゃんのほうがかっこよすぎるしかわいいです!!
ふふ、ってかわいすぎると思います。

「い、いや…そんなことないです…律お兄ちゃんこそ、かっこいい…ですっ…」

必死に語彙力を手繰り寄せて出た言葉は、噛み噛みでたどたどしい。
律お兄ちゃんは一瞬目を見開いたあと、いつもの笑顔に戻った。

「…そっか、それは嬉しいな…僕は悠くんの自慢の“お兄ちゃん”になりたいから。」

律お兄ちゃんは僕の瞳をじっと見つめて、意味深に微笑む。

「だから、悠くんは僕以外にかわいい顔しちゃだめだからね…?♡」

人差し指を僕の口にあてて、妖艶に微笑む律お兄ちゃん。

……いや沼すぎる!!!!なにこの人!!!!!顔がものすごく熱くなってきた!!!

「ふ、ふぁい…♡」

「よしよし、悠くんはいい子だねぇ♡」

綺麗で細くて大きい手が、僕の頭を撫でる。
かわいい顔なんてしてないよ!とか反論する余地もなく、律お兄ちゃんの甘い言葉に流されてしまった。

うぅ、僕はかわいくなんてないのに。
律お兄ちゃんに「かわいい」って言われたら、なんだか力が抜けちゃう。
お兄ちゃんパワー、恐ろしすぎる。

そうして今日も、律お兄ちゃんのかっこよさに逃げられませんでした…!くぅ!


「ふふ、悠くんの寝顔かわいかった…ほんとにキスしても、よかったのにな…♡」

「悠くんのお兄ちゃんになるために、我慢しないとな…あ~今すぐ抱きしめたい……♡」


今日も律お兄ちゃんの独り言は、悠くんには届かなかった。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

arise
2025.12.03 arise

更新ありがとうございます!
すっごく嬉しいです( ´∀`)
今回も悠くんがかわいすぎます笑

2025.12.03 くものらくえん

ありがとうございます!
悠くんがかわいく書けていたなら幸いです…!

解除
まるちな
2025.11.17 まるちな

はじめまして。
これから楽しみな作品です。更新楽しみにしてます☺

2025.12.03 くものらくえん

ありがとうございます!

解除

あなたにおすすめの小説

平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます

クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。 『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。 何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。 BLでヤンデレものです。 第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします! 週一 更新予定  ときどきプラスで更新します!

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

ただのカフェ店員はカリスマ社長に執着される

クズねこ
BL
「他の客に笑うな。俺だけにして」 俺は、小さなカフェで店員をしている。そのには毎日常連客が訪れる。それはカリスマ社長である一ノ瀬玲央だ。玲央はなぜかただのカフェ店員の俺に執着してくる。 でも、だんだんとカフェ店員と客だけの関係じゃなくなっていって……? だんだんと距離が近くなっていく執着BL。 週一更新予定です。

魔王様の執着から逃れたいっ!

クズねこ
BL
「孤独をわかってくれるのは君だけなんだ、死ぬまで一緒にいようね」 魔王様に執着されて俺の普通の生活は終わりを迎えた。いつからこの魔王城にいるかわからない。ずっと外に出させてもらってないんだよね 俺がいれば魔王様は安心して楽しく生活が送れる。俺さえ我慢すれば大丈夫なんだ‥‥‥でも、自由になりたい 魔王様に縛られず、また自由な生活がしたい。 他の人と話すだけでその人は罰を与えられ、生活も制限される。そんな生活は苦しい。心が壊れそう だから、心が壊れてしまう前に逃げ出さなくてはいけないの でも、最近思うんだよね。魔王様のことあんまり考えてなかったって。 あの頃は、魔王様から逃げ出すことしか考えてなかった。 ずっと、執着されて辛かったのは本当だけど、もう少し魔王様のこと考えられたんじゃないかな? はじめは、魔王様の愛を受け入れられず苦しんでいたユキ。自由を求めてある人の家にお世話になります。 魔王様と離れて自由を手に入れたユキは魔王様のことを思い返し、もう少し魔王様の気持ちをわかってあげればよかったかな? と言う気持ちが湧いてきます。 次に魔王様に会った時、ユキは魔王様の愛を受け入れるのでしょうか?  それとも受け入れずに他の人のところへ行ってしまうのでしょうか? 三角関係が繰り広げる執着BLストーリーをぜひ、お楽しみください。 誰と一緒になって欲しい など思ってくださりましたら、感想で待ってますっ 『面白い』『好きっ』と、思われましたら、♡やお気に入り登録をしていただけると嬉しいですっ 第一章 魔王様の執着から逃れたいっ 連載中❗️ 第二章 自由を求めてお世話になりますっ 第三章 魔王様に見つかりますっ 第四章 ハッピーエンドを目指しますっ 週一更新! 日曜日に更新しますっ!

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる

桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」 首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。 レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。 ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。 逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。 マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。 そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。 近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。