聖女が醜くて臭いのは王子がクズだからです~隣国で善人イケメンに拾われたら美貌と良い匂いを取り戻しました~

サイコちゃん

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第2話

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「助けてぇ! 助けてッ! ここから出してッ!」

 私は真っ黒な空間で、絶叫していました。
 手足が縛られたまま袋に入れられているらしく、動けません。
 寒さと地面の感触から森だと分かりますが、その事実は私を恐怖させました。
 もし獣や魔物が襲ってきたら、あっという間に殺されてしまいます。
 私は体をくねらせ、暴れ回りました。

「助けてぇ……助けてぇ……ぜぇ、ぜぇ……」

 数時間後、ついに声の限界が訪れました。
 酸欠で意識が遠退き、気を失いそうになります。
 その時――

「大丈夫!? 今助けるから!」

 ザクリと音がして、袋が切り裂かれました。
 切れ目から見えたのは美しい顔――
 それが驚きの表情を浮かべます。

「き、君は――」
「ヒッ……ごめんなさい! ぶたないで!」

 私は思わず身構えました。
 今まで私を初めて見た人間は大抵殴ったり蹴ったりしました。
 だから彼もそうすると思ったのです。
 しかし――

「ぶたないよ! 大丈夫!?」
「え……?」

 彼は私を抱きかかえると、袋から出してくれました。
 そしてお姫様抱っこをすると、スタスタと歩き出したのです。

「あ、あのう……私、臭くないですか……?」
「あんな袋に入れられてたんだ、臭くて当たり前だよ」
「いえ、そうではないのですが……」
「兎に角、すぐにお風呂へ入ろう」

 私はそのまま森を抜け、彼の家に連れていかれることになりました。
 そして約束通り、お風呂に入れてもらうことになったのです。

「あのう……私がお風呂へ入ると、お風呂場が駄目になるんですが……」
「大丈夫大丈夫。兎に角、入ってくれると嬉しいな」
「は、はい……」

 言われるままお風呂場へ入るなり、私は驚きました。
 香油が塗ってあるタイルは汚れをはじき、ハーブが浮かぶ湯船はとても素敵な匂いがします。私はできるだけ満遍なく体を洗い、恐る恐る湯船に浸かりました。その途端、疲れが消し飛び、枯れていた喉もよく通るようになったのです。

「凄い……このお風呂……魔法みたい……――」

 あまりの気持ち良さにうっとりした私はついつい長湯をし、最後には眠ってしまいました。
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