モブキャラなのに、溺愛ルート?!~成績取らないと消えるモブなので、死ぬ気で乙女ゲーム世界を生き抜きます~

ありす

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第五話

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「アリア様!お待たせしましたっ。行きましょう。」
「待ってましたわ、アリア様。ここからすぐのところにあると聞きました。」

私はアリア様とニコニコしながら放課後デート!有名なカフェへ行くんだ。
仲よくしていきたいとか、可愛いから拝みたいとか、そんな理由もあるけれど。
私が今一番聞きたいことは昨日の出来事!
そりゃ最終的には結ばれてほしかったけどさ!!
なんかもうくっついてる感じだったし。どゆこと?!
おかげで昨日はちゃんと眠れなかった・・・
そしてカフェにつき、窓ガラスの隣の席に案内される。

「・・・何か飲みますか?」
「あーえっと、私はあまり気分がのらない(嘘)ので・・・」

断ろうとすると、アリア様がにこりと笑う。

「私のおごりですわ。昨日のお礼です。」
「アイスコーヒーでお願いします。」
「ふふ。注文してきますね。」

な、な、なんて優しいんだ・・・・!!
うるうるした気持ちでアリア様を見送る。
私にはお小遣いなんてものはない。
両親は、学園での人付き合いもあるからとお小遣いの提案をしてくれたが、なんとか断った。
ユーズル家が裕福ではないことはよく分かっているし、学費だってばかにならない。
無論高等部は無料だけど!!
でも結局非常用とか言って一万円札を持たされた。
一円も使わないこの意思を貫いてる自分さすがにすごいと思う。

「おまたせしました。どうぞ。」
「ありがとうございます!!!」

アリア様がお盆に乗せて注文したものを持ってきてくれた。
私はおしゃれなグラスに入ったアイスコーヒーを飲む。
これ普通に千円近くしそう・・・
するとアリア様はお皿を差し出す。
なんとまあ美味しそうなアップルパイだ。

「えっ、これアリア様のじゃ・・・・」

と言おうとしたが、アリア様の前にはホットコーヒーとアップルパイが並んでいる。
アリア様は微笑む。

「私と同じものにしてしまったのですが、お好きでしょうか?もちろんおごりですわ。」
「えっ・・・ありがとうございます!!アップルパイ世界で1番好きなんです!」
「それはよかったです。」

嘘ではない。本当だ。
アップルパイに勝るものなんてないと思ってる。
毎年誕生日はアップルパイだし・・・!

「ではお言葉に甘えて、いただきますっ。」

んーっ!美味しい!!
アップルパイで世界救えると思う。美味しすぎる。
アリア様もアップルパイに感心していた。

「ところで、私たち、お互い他人行儀にするのはやめません?アリアでいいですわ。」
「本当ですか?!嬉しいです!私のこともモエって呼んでください!」
「ふふっ。敬語もいらないわ。改めてよろしくね、モエ。」
「よろしく、アリア!」

う、うわぁ~嬉しい!
アリアと友達になれた気分!
私モブなのに、ヒロインと友達になれた・・・!

「あ、そうだ。アリアに一番聞きたかったこと!昨日はいったい何があったの?」
「ええっと・・・」


『あの、なぜそんな優しくしてくれるのでしょうか・・・?』

私はまだ自分を抱えているダーク様に問いかけた。
ダーク様はあたりを見回し、近くのベンチに腰を下ろす。
私も開放してもらえた。
あと少しで心臓が飛び出るところだった・・・

『実は・・・入学式で見かけたときから、少し気になっておりまして。』
『へっ。』

思わぬ返答にびっくりしてしまい、つい変な声を出す。
ダーク様は少し照れながら言う。

『しかし目の前で微笑まれてしまってので・・・つい。すみませんびっくりしてしまいましたよね。』
『いっ、いえ!謝らないでください・・・それに、う、嬉しかったので・・・』

顔を上げることなんて到底できず私はうつむいたまま言った。
すると、ダーク様が手を差し出した。あの時みたいに。

『よかったら次は手をつないで散策しませんか?アリア嬢のこともたくさん知りたいですし。』
『は、はい!喜んで・・・!』


「・・・って感じだったわ。」
「すごい・・・」

なによりびっくりしたのはダーク様の行動。
なんか・・・思ってたより情熱的だった。
まあそんなことはともかく、なんだか上手くやれているようで一安心である。

「本当、昨日はありがとう。殿下にも感謝しているけど、モエがいなかったらこんなことできなかったわ。」
「私だってはやく二人を会わせたかったし・・・上手くいって良かった。」

二人でふふっと笑いあう。
アリア(ヒロイン)と仲良くなれたのもすっごく嬉しい。

モブって・・・意外と楽しいのかもしれない・・・!


そんなびっくりハプニングが起きてから一週間ほどしただろうか。
相変わらず殿下とも仲良くさせてもらっている。
ほんとなんで利益のない私と仲良くしてくれるのだろう。分からない・・・

「モエラニア嬢、少しいいかしら。」
「はい。なにか・・・?」

昼休み、図書館で本を読んでいると、クラスの令嬢たちに声をかけられた。

「ここだと話しにくいので、屋上についてきてもらえますでしょうか。」
「あ、はい。」

有無を言わせない笑みを浮かべられ、私は急いで本を元に戻して令嬢たちについていく。
人数は5人。
みんなそこそこ高貴な身分なのだろうか。身なり的に箱入りお嬢様って感じだ。
嫌な予感がするけど・・・
もやもやしたまま屋上へ着くと、中心にいるご令嬢が笑顔を消して言う。

「あなた、その身分で殿下に関わるのやめてもらえます?!」
「えっ、わ、私だって関わりたくて関わってるわけじゃ・・・」
「だまりなさい!関わってもらっておいてその口の利き方は何ですか?!」
「・・・」

しばし矛盾を感じてしまった。
いや、それよりも・・・!
やはりエル様と仲良くなんてモブにはできないのだ。

「これ以上、殿下に関わるのはやめてくださいな。それに、殿下は婚約者を探しにこの学園に来ているのですわ。あなたに構ってるように暇はないのです。」

そ、そうなんですね・・・
あまりの迫力ある言い方にすこしびびる。
この人演技派女優だ・・・なんて思いながら。

「人の話を聞いていますの?!」
「は、はい!気を付けますので・・・!それに!殿下と仲良くなりたいのなら話しかければいいのでは?」
「は?」

まさかそんな提案をされるとは思っていなかったのだろう。
演技派女優はピタリと動きを止める。
まわりのご令嬢さんもこそこそと話している。

「殿下はお優しいですし、意外に関わりやすいお方です。あなたのその美貌でお茶にお誘いすればメロメロですよ!」
「・・・そ、そんなことはわかっておりますわ。ただ、何とお誘いすれば・・・」
「それは任せてください。」

私はおどおどしている令嬢たちにウィンクする。

「私が今日の放課後、殿下をお茶に誘います。それで、途中から合流して、私が途中で抜ければいいだけの話です。」
「そ、それは悪くないわね。」
「よかったですね!マリアンヌ様!」
「私たち陰ながら応援していますわ!」

きゃっきゃと騒ぐ令嬢たち。
よかった、これで怒られる雰囲気は消えた・・・

「私はマリアンヌよ。放課後、学園の門で待ってますわ。それでは。」

ご令嬢様たち退場。
・・・・はぁ。
こんなことがこれからも起きていくって考えると・・・
殿下の婚約者を狙っている令嬢なんてたくさんいるだろうし。
そういえば、いつ頃決まるんだっけ。
ええっとたしか、中等部終了時だっけ・・・
盛大に卒業パーティーで宣言するんだよねえ。ヒロインと共に。
まあアリアはダーク様といい感じだし、そんなことにはならないだろうし。
じゃあ一体誰が婚約者になるんだろう・・・
きっと超美少女さんだろうなぁ。
のんきにそんなことを考えていると、予鈴が聞こえた。
わっ、いつのまに!!

私は人生最大のダッシュをしてなんとか教室までたどりついた。
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