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7.食事+α
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俺のキース---とテオ--のイメージは「ちょっと意地悪」である。
昔の双子にとっての俺はどっちかというとおちょくりの対象で、まだ高校生だった俺はからかわれてはむきになって噛みつく、という関係だったからだ。
だから早いとか、イかせたったとか…キースは絶対からかってくると思ったのに。
拍子抜けしていると、ガチャリと部屋の扉が開いて、シルヴァが入ってきた。
「うん、ゲッソリしていたのがだいぶ顔色がよくなってる。くまも消えてますね」
なりゆきとはいえエロいことをしてしまった事後のがバレないか心配な俺を尻目に、キースはしゃあしゃあと言った。
「回復魔法しっかりかけといたからな」
「じゃあ回復の次は食事ですね」
シルヴァは運んできたワゴンを指差した。
見ると美味しそうなあれこれ料理が並んでる。
シルヴァと入れ替わるようにキースがじゃあまた、と出ていってしまい、俺はシルヴァと二人きりになった。
「とりあえず色々持ってきたので、何でも好きなもの食べてくださいね」
「食欲ないんだ。俺、朝はほとんど食わないし。コーヒーと食べてもトーストくらいかな」
「こーひーととーすと?」
いかん、また異世界にないものを言ってしまった。
「いや、ちょっとしか食べないって意味」
シルヴァは微笑んだ。
ちょっと冷たそうな顔がすこしほころぶと、超絶美形の笑みの破壊力すごくて思わず目をそらす。
まばゆいっ!
「…ちゃんと食べないと体に悪いですよ。だって…」
ブドウ(っぽい)果物の皿を、シルヴァはワゴンからとった。
果物なら食べれるかも…と考えていたら、いきなり手首を掴まれてしまう。
「ほら、今のあなたなら片手で簡単にどうにかできる」
えっ!?と思った瞬間、ぐるりと視界がまわり、俺は両手首を掴まれたまま再びシーツの上にひっくり返されていた。
えっ、またこのシチュエーション?
「こんなに弱かったでしたっけ?」
「勇者チートがなくなったんだよ!今の俺は一般人」
勇者として呼び出された時は様々なチート能力が付与されていた。
これ、なんてラノベ?て感じで、見た目特に筋肉隆々でもないのに力が強かったり、怪我が治りやすかったり…あと光魔法が使えたりとか。
ちなみに、今回は残念ながらそんな能力は付与されてないようだ。
チートは勇者の時しかないのかもしれない?まだ来たばかりでしたことといえばぐーすか寝たのと、アレしかしてない。
どうなんだろ?
「それはそうとそろそろ離してくれないかな」
とりあえず、この体勢はちょっと嫌である。
が、シルヴァも細く見えるが、やはり騎士だけあってしっかり筋肉がついているし、動きのツボを抑えているのか、軽く掴まれているだけみたいな感じなのに、動くことができない。
シルヴァは俺の言葉を完無視すると、じいっと見下ろしてきた。
「クロエ、だいぶ面変り変わりましたね」
「そうかな。確かに背はかなり伸びたけど…そんな変わったかな?」
「とりあえず、食べて元気にならないと。召喚されてきた時の気だるくて物憂い感じも蠱惑的でしたけど…また何回か回復魔法もかけてもらったほうがよいですね」
シルヴァの赤みを帯びた唇の両端が上がり、笑みの形に弧を描いた。
思わず見とれているとブドウが口に押し込まれ、俺は反射的に咀嚼した。
「美味しい」
あまいくて美味しい。
「よかった。もっとちゃんと食べて」
つられるよいな何度かブドウを食べさせてもらってしまってから、あれ、何でこんなことになってるんだっけ?と、我にかえる。
俺はシルヴァを見返した。
紫色の瞳に、今までみたことのないような色が浮かんでいて、ちょっと不安になる。
「で、そろそろ放してもらってよいかな?子供じゃないから自分で食べれるって」
「確かにもう子供じゃないですよね」
シルヴァがブドウの皿をサイドテーブルに置いた。
と思ったら。
不意に口を唇で塞がれた。
(またこの展開~!!)
俺は心の中で叫んだ。
昔の双子にとっての俺はどっちかというとおちょくりの対象で、まだ高校生だった俺はからかわれてはむきになって噛みつく、という関係だったからだ。
だから早いとか、イかせたったとか…キースは絶対からかってくると思ったのに。
拍子抜けしていると、ガチャリと部屋の扉が開いて、シルヴァが入ってきた。
「うん、ゲッソリしていたのがだいぶ顔色がよくなってる。くまも消えてますね」
なりゆきとはいえエロいことをしてしまった事後のがバレないか心配な俺を尻目に、キースはしゃあしゃあと言った。
「回復魔法しっかりかけといたからな」
「じゃあ回復の次は食事ですね」
シルヴァは運んできたワゴンを指差した。
見ると美味しそうなあれこれ料理が並んでる。
シルヴァと入れ替わるようにキースがじゃあまた、と出ていってしまい、俺はシルヴァと二人きりになった。
「とりあえず色々持ってきたので、何でも好きなもの食べてくださいね」
「食欲ないんだ。俺、朝はほとんど食わないし。コーヒーと食べてもトーストくらいかな」
「こーひーととーすと?」
いかん、また異世界にないものを言ってしまった。
「いや、ちょっとしか食べないって意味」
シルヴァは微笑んだ。
ちょっと冷たそうな顔がすこしほころぶと、超絶美形の笑みの破壊力すごくて思わず目をそらす。
まばゆいっ!
「…ちゃんと食べないと体に悪いですよ。だって…」
ブドウ(っぽい)果物の皿を、シルヴァはワゴンからとった。
果物なら食べれるかも…と考えていたら、いきなり手首を掴まれてしまう。
「ほら、今のあなたなら片手で簡単にどうにかできる」
えっ!?と思った瞬間、ぐるりと視界がまわり、俺は両手首を掴まれたまま再びシーツの上にひっくり返されていた。
えっ、またこのシチュエーション?
「こんなに弱かったでしたっけ?」
「勇者チートがなくなったんだよ!今の俺は一般人」
勇者として呼び出された時は様々なチート能力が付与されていた。
これ、なんてラノベ?て感じで、見た目特に筋肉隆々でもないのに力が強かったり、怪我が治りやすかったり…あと光魔法が使えたりとか。
ちなみに、今回は残念ながらそんな能力は付与されてないようだ。
チートは勇者の時しかないのかもしれない?まだ来たばかりでしたことといえばぐーすか寝たのと、アレしかしてない。
どうなんだろ?
「それはそうとそろそろ離してくれないかな」
とりあえず、この体勢はちょっと嫌である。
が、シルヴァも細く見えるが、やはり騎士だけあってしっかり筋肉がついているし、動きのツボを抑えているのか、軽く掴まれているだけみたいな感じなのに、動くことができない。
シルヴァは俺の言葉を完無視すると、じいっと見下ろしてきた。
「クロエ、だいぶ面変り変わりましたね」
「そうかな。確かに背はかなり伸びたけど…そんな変わったかな?」
「とりあえず、食べて元気にならないと。召喚されてきた時の気だるくて物憂い感じも蠱惑的でしたけど…また何回か回復魔法もかけてもらったほうがよいですね」
シルヴァの赤みを帯びた唇の両端が上がり、笑みの形に弧を描いた。
思わず見とれているとブドウが口に押し込まれ、俺は反射的に咀嚼した。
「美味しい」
あまいくて美味しい。
「よかった。もっとちゃんと食べて」
つられるよいな何度かブドウを食べさせてもらってしまってから、あれ、何でこんなことになってるんだっけ?と、我にかえる。
俺はシルヴァを見返した。
紫色の瞳に、今までみたことのないような色が浮かんでいて、ちょっと不安になる。
「で、そろそろ放してもらってよいかな?子供じゃないから自分で食べれるって」
「確かにもう子供じゃないですよね」
シルヴァがブドウの皿をサイドテーブルに置いた。
と思ったら。
不意に口を唇で塞がれた。
(またこの展開~!!)
俺は心の中で叫んだ。
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