尽くしすぎの僕がスパダリに会ってざまぁして幸せになるまで。

鳥海あおい

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尽くしすぎの僕がスパダリに会ってざまぁして幸せになるまで。

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僕、佐伯涼の悪友たちの間のあだ名は「いい男育成マシーン」である。
大変ひどいあだ名だが的を射ている

僕は自分でいうのもなんだけどたいへん献身的な性格である。
僕はゲイである。
そして普通の小市民である。
身の程を知っているため、ほどほどに釣り合うようなレベルの男性と恋人になることが多い。

で、オカン属性があるのか大体尽くしてあれこれしてあげたり世話をやいたりしてしまう。
そんなこんなしているうちに、まずモサかった身だしなみがよくなり垢抜けてくると、男たちは自信を持ち始める。
仕事の相談にのったりアドバイスしたりするうちに出世し始めたりしはじめ、やがてモテはじめる。
そうすると今までそっぽを向いていたようなきれいどころに相手にされるようになり、奴らはそちらに尽くす方がよくなるらしい。
かくして僕はお役御免となり捨てられてしまうのだ。
「男は追われるより追いたい生き物なの!涼チャンは尽くしすぎなのよん!今のままじゃオカンよっ!」
と、行きつけのゲイバーのママ、カンナさんに毎回念をおされるのだが、やっぱりなかなか性根というものは変わらない。
つまり僕は悲しきあげちんなのであった。
   


で。
本日も僕はめちゃめちゃ落ち込んでいた。
僕の彼氏…だった男は、よりによって僕を捨てて僕の友人と付きあいはじめたのだった。
仲良くてお互い彼氏を交えてよく遊んだりしていた仲だったのでかなりこたえてしまった。
僕が資格取得を調べたり手伝ったりして、転職がうまくいった瞬間に別れ話になった。
恋愛は二人ではじめるのにやめるのは片方でよいんだもんなー。
最後は一方的に
「まじめすぎてつまんねーし、お節介が恩着せがましいし、飽きるんだよ!ブス!」
と言われて言葉がグサグサと突き刺さった。
真面目で尽くしてくれるとこが好きだよっていってくれていたのに、そこが嫌になったと言われると、もうどうしようもなくて悲しい。
彼の腕の中には友人だったやつがしがみついていて、ダメ押しに
「涼が睨んでるっ。こわーい!」
なんぞというもんだからさらに怒鳴りつけられ、友人だった奴はニヤニヤしていた。
わざと仲を見せつけるために煽ったんだと思う。性格悪!
それにしても付きあっていた時は優しい声で僕の名前をよんだり、愛してるよと言ってくれたその口で…辛すぎてほんと涙が止まらない。
「もういい男育成マシーンの名は返上する!僕はもう真面目はやめて悪い男になってやるぅ!!」
「ちょっとお、飲みすぎよぉ」
「で、尽くさせまくってやるんだあ~」
仕方ないのでバーでガバガバ強い酒を飲みながらひたすらくだをまく。
飲みすぎたせいで、普段考えもしてなかったことがつるつると言葉になって出てきた。
「面白いこと言ってるね」
隣に座っていた男がニコニコ笑いながら話かけてきた。
むっ、イケメンである。
190くらいありそうなガッチリした体格に、シンプルな黒Tにジーンズが様になっている。
なんか文字盤がグニョグニョしてる変わった時計をしているのがオシャレさんである。
普段は僕は身の程を知っているため、イケメン系なお方とは距離を置いて話すようにしてるが、今日は酔っ払いまくっていたので距離感0まっしぐらであった。
「おもしろくない~。マジです。本気と書いてマジ!」
「なるほど~」
お酒を口に運びながらもニコニコしている。感じのいい人だ。ママの様子から見てもへんな客じゃなさそう。
「もーこの子ったら失恋しちゃってね。白石さん、この子どう~?」
「正直言って、可愛い。めっちゃタイプ。お持ち帰りしたいくらい」
「またまた~お世辞はいいよ。どうせ僕なんていい男育成マシーンだもんね」
「なにそれ」
様になるしぐさでウイスキーの氷をいじっていたイケメン---白石さんは、ピタっと動きを止めた。
「…いい男育成マシーンてなに?」
「ぼくの~恋人たちはぁ、僕をあげちんとして利用して、必ず捨ててくんですぅ~」
自虐ネタに、さらに白石さんはぐっと眉を寄せた。
「そんなおこったようなかおもかっこいーね~」
「ありがとう」
心の声が漏れていたらしく白石さんは律儀にお礼を言った。
ふにゃふにゃとしているうちに、白石さんはママと何事かを話していたが、そんなうちに僕は酔いつぶれて眠ってしまったようだった。


 

「はっ!?」
目覚めたら睡眠姦されてました。
…ってなこともなく、僕はふわふわのベッドの上で目が覚めた。
「どこ??」
やばい!?酔ってなにかしでかした!?と思ってベッドから飛び起きるが、どうしたらよいかわからなくてウロウロしてしまう。 
二日酔いで頭が痛い…。
「起きた?」
昨日のハンサムな白石くんが覗きにやってきて、ようやく色々思い出した。
「昨日は…」
「頭痛いの?大丈夫?薬飲む?コーヒー飲む?」 
案内されたリビングには朝食が並んでいる。
甲斐甲斐しくするのは今まで自分だったから、戸惑ってしまう。
しかも
「悪い男になってもいいんだよ」
などと言うから、あやうく食べていたパンを喉につまらせてしまうところであった。
「き、昨日のは…」
「で、尽くさせまくるんでしょ?」 
わーー恥ずかしい!
でかい声で叫びながら転がりまくりたい!
というか時間を巻きもどしたい!
と、懊悩する僕とは違い、ひたすら白石くんは嬉しそうである。
「尽くさせてください!おねがいします!」
「え?」
これは壮大なドッキリなのか、それとも夢なのか。
僕は思わず白石くんの頬をつねった。
「痛っ!」
「夢じゃない…冗談」
「じゃなくて、本気だよ。つねるなら自分でおねがいします。てか、涼くんは尽くされたいんだよね?俺は尽くしたい人、君は尽くされたい人。winwinじゃない?」
「…怖い人??」
急展開すぎて話についていけないが、なにか危ないのか?
とにかく僕はもてたことがないゆえに到底素直に受けいれられない。
これはロマンス詐欺かなにかか?と疑心暗鬼になっていると、白石くんは慌てたようだった。
「そんな疑わないで!俺のこと覚えてない?」
うーん、こんなにハンサムなら、多分覚えてると思うけど、と、思っていると、白石くんはおもむろにアルバムを持ってきた。
小学校の卒業アルバム。
「涼くん、純くんって呼びあってた仲なのに」
「あーーー!!」
確かにいた!ぼわんと記憶が思いうかんでくる。
「白石純一くん、だよね」

純くんは小柄だったので、いまの白石くんと同一人物とは多分言われないとわからなかった。
しかも、海外に転勤のためいなくなってしまったから以来会ってないし。
「俺、小学校の頃体弱くて、運動もできないし、勉強もついてけないし、そんなとき涼くんがよく助けてくれて嬉しかった」
考えてみると、それは僕のオカン生活の原点なのかもしれない。
「しかも、僕はダメ人間なんだっていったら、できないからこそ人より努力する余地があるから、絶対無駄じゃない。頑張れ!っていってくれて、その言葉がずっと支えになってた。仕事で成功できたのも、その支えのおかげだと思っていて」
そんなこといったかな?
小学生の僕、なかなかいいこといってたんだな~と、過去の自分に感心する。
「で、いまの俺があるのは涼くんのおかげだから、なんでもしてあげたい!尽くしたい!だから付きあってください!」
なんかキラキラした目でみられると、まるでしっぽを振りながらまとわりついてくる大型犬を思わせる。
溺愛系わんこ…なかなか可愛い。
「僕、振られたばかりだし、また振られたらって思ったら辛いからまだ誰かと付き合う気にはならないかも…」
「貢ぐ君からならいい?」
「友達からなら…」
「じゃあ、涼くんは俺のシンデレ夫だね」
…なんか話が噛み合ってない気がするが、ひとまず友達ということに決まり、僕たちは再び朝食を食べ始めた。



そんな経緯で僕は白石くんとよく遊ぶようになった。
あちこち連れていかれてきせかえ人形にされて「全部ください」をされそうになったり、エステみたいなとこに連れてかれてツルピカにされたり、時々ゲリラ的シンデレ夫作戦みたいなのもありつつも、色々なところに遊びにいったり、食べにいったり…白石くんは博学だから話していてとても楽しい。
いくつかわかったことがあるが、白石くんとあのバーで会ったのは偶然だが、白石くんのほうは前から僕に気づいていたらしい。
ただ彼氏がいるみたいだし幸せそうだから、遠くから眺めて見守ることにしていたらしい。
あとは、白石くんがめちゃめちゃ金持ちで、有名な企業家だったということはびっくりしてしまった。
「どんな仕事をしているの?」と聞いたときに、いきなり『情○大陸』を見せられた僕の驚きを想像してほしい。
しかも、腕組みしながら「えー、そうですね。大切な人に、できないからこそ人より努力する余地がある。絶対無駄じゃない。頑張れ!っていってもらえて、その言葉が私を変えたきっかけですね」とかなんとか語っている映像を見た時は、なんだか変な汗が出てしまった。
そして気づいてしまった。
僕を罵倒して捨てた前彼が転職したのは、白石くんの会社だということを…。
波乱を呼びそうな気がしたので、このことはしばし黙っていることにした。




それにしても、白石くんは僕を甘やかしまくることに決めたみたいだった。
「好きだよ」「可愛い」とかしょっちゅう言ってくる。自分は今まで言う側ばかりだったので、やっぱりこそばゆい。不思議なもので、スキスキ言われているうちに僕も白石くんのことに絆されつつあった。
でも、また付きあって白石くんに捨てられてしまったらっていう不安があった。
尽くしてもだめだった僕が、尽くさなくなかったらもっとダメなんじゃないか?
そんな気持ちが消えないのだった。 



「なーんか最近アンタキレイになったんじゃないの?やっぱ愛されボディは違うってかんじ?」
久しぶりにバーで白石くんと待ちあわせして待っていたところ、ママに冷やかされてしまった。
「愛されボディって…まだヤッてません」
「えっ、まだお預けなの?お高くとまってちゃあまた他の子にとられちゃうわよッ」
「そこで古傷えぐるとかひどい!」
飲んでいたビールをどん!とカウンターに置く。
だが、前にふられた時のことを考えても辛くなくなっていることに気づく。
時間薬に白石薬のおかげかもと思っていると不意に影が差した。
「よー、相変わらずだな」
「……」
楽しく飲んでいた気分が一気に盛り下がってしまう。
一番会いたくないやつら…つまり、元彼とその恋人である元友人のコンビがいた。
飲みにきて僕に気づいたのだろう。スルーしてくれればいいのに、わざわざ声をかけてくるのが意地悪ではなかろうか。
会わないですめば越したことなかったのに…
「一人なんだ?」
「寂しいヤツだなあ」
「待ちあわせです」
僕はそっけなく言い、ニヤニヤする二人から目を放した。
こんなことを言う人ではなかったはずだ。
もっと真面目で、一所懸命で、人を見下したりしない人のはずだったのに。
派手目なスーツに身を包み、僕を見下してる元彼。なんでこんなに変わってしまったんだろう。
そもそも僕が寂しいヤツだったとしても、彼になにかを言われる筋合いもない。
「待ちあわせって、どうせしょぼいヤツだろ」
「しょぼいヤツですみませんが」
ずいっと、僕と二人の間に立ちふさがった影があった。
「涼くんにあんま近寄らないでくれますか?」
白石くーん!!グッドタイミング!
まさにヒーロー登場!みたいな感じのタイミングでの登場だった。
「俺の恋人に何か用ですか?」 
「なんだこいつ、カッコつけや…が…」
威勢よくがなりはじめた元彼は白石くんの顔をようやくしっかり見たらしい。
さーっと真っ青になった。
自分の務める会社の社長に喧嘩を売ってしまった人の顔ってこんな感じになるのかあ~と思っていたら、急にヘコヘコし始めた。
「アッ、す、すみません。以後チューイします」
白石くんは社員一人ひとり覚えているわけもないだろうけど、後日、白石くんがヤツが自分ところの社員って気づいたときが元彼の一番の修羅場だろうな。
いつ炸裂するしかわからないざまぁ時限爆弾に、ちょっぴり気の毒だと思いつつ、内心笑ってしまった。
キョドり始めた彼氏に不審そうにしていた元友人は、白石くんに視線を移すなり急にその瞳に熱がこもった。
わかるよ、君、ステイタス大好きだもんね。
とくに、白石くんのグニャグニャ時計を見た瞬間すごい目の色になった。
今では僕でも知っている。それがナントカカントカ(覚えられない)とかいうめちゃめちゃ高い時計だということを!
「あの…かっこいいですね。何てお名前ですかあ~」
退散しようとしている元彼を尻目に、元友は白石くんに色目を使いはじめた。
が、白石くんがガン無視したため、ムッとしたように立ち塞がる。白石くんはめちゃめちゃ冷たい目をして元友人を押しのけた。
「俺、心がきれいな人の声しか聞こえないの。性格ブスは無理!じゃあ涼くん行こうか」
「なっ…!」
絶句している元友人に自分で一矢報いたわけではないのは残念だけれど、ちょっとだけスッとした気がした。



その日、僕は白石くんを初めて自分の家に誘った。
白石くんは、わー、ここが涼くんの家かあ~とか、涼くんちのにおいがする~とか、子供みたいにはしゃいでいて微笑ましくて思わず笑ってしまった。
「さっきの元彼だよね。なんか色々余計なお世話だったらごめんね」
「大丈夫。もう元彼のことはふっきれたんだ。白石くんのおかげだよ」
それより、僕は決めていることがあった。
今日こそちゃんと白石くんにちゃんと返事をするって。 
「白石くん」 
緊張しながら僕は白石くんを呼んだ。
なあに?と見つめてくる目を見上げながら、僕は告白した。
「僕と付きあってください」
白石くんはびっくりしたように目を見開いた。そしてすごくすごく優しい顔をした。
「ありがとう。涼くんの彼氏にしてくれるんだね。絶対絶対別れないし。てか一生放さない」
ギュッと抱きしめられて甘い声に耳がゾクッとする。
それから、僕たちは互いに顔を寄せあってキスをした。
「小学校のときからだから、20年待ちかねたキスだ」
そう言って、白石くんは鼻血を出してひっくり返ってしまったため、僕たちの初夜はまた後日に延長とあいなったのであった。


さて、そんなこんなで僕と白石くんはしばらくして同棲しはじめ、楽しくラブラブ生活を送っている。
また捨てられちゃったらどうしよう、という心配はとりあえず杞憂だったようだ。
俺がしてあげるからいいんだよ、と言われてもやっぱり好きだと色々やってあげたくなるから、僕らはなんだかんだで尽くし尽くされお互いうまくいっているのだった。


数ヶ月後、TVを見ていたら『プロ○ェッショナル-仕事の○儀』で白石くんが「私のパートナーは自信をもたせるのがすごくうまくて。とにかく、尽くしてくれるから尽くしたくなるんです。パートナーがいるからこそ頑張ろうと思えるんです。会社も一緒で一方的でなくお互いホニャララ~」とかなんとか腕組みしながらのろけ話を語りまくっているのを見てまた変な汗をかくことになる僕がいるのはまた別のお話である。
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