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第二章
4.試合い
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約束を楽しみにしていた様子なのは、シエルのしっぽがふりふりと揺れているのでわかった。
ワーウルフの姿で戦うらしい。
本気度が伺えた。
「レンと戦えるのは久しぶりだ」
「もう相手にならないかもしれないがな」
もっと小さい頃ーーといっても、ほんの数ヶ月前ではあるのだがーーにあまりにもねだるので相手をしてあげたが、その頃は体格差があるのでもちろん手加減をした。
今は体格ですでに負けているのでもちろん手加減をする気はなかった。もちろんやるなら勝つつもりだ。
「手加減しないでよ」
「もちろん、当たり前だ」
心をよんだわけではないだろうに、シエルがそう告げたのでグレンは笑みを浮かべて頷いた。
グレンは練習用に置いていてある剣をいくつかとり、降ってみると持ちやすそうなものを適当に選んだ。
練習用なので刃は潰してあるが、お互いの腕力を考えたら当たればそれなりの怪我をするだろう。
「じゃあ試合しようか」
剣を両手で握ると、すでに用意万端だったシエルも手に剣を握った。
闘技場に入り、互いに距離を開けて睨み合う。
自分たちの王子が人間と戦うということで、興味津々の兵士たちが周りに見学に集まってくるのがわかったが、集中してしまえば周りが見えなくなる。
強い瞳がまっすぐにグレンの姿を捉える。
神経を研ぎ澄ませると、息遣いや、体毛の一本一本のそよぎ、空気のながれ微かな指先の身じろぎなども感じ取れるような気がした。
シエルの毛が微かに逆立った気がした瞬間、グレンは脚力を利用して飛び込んできたシエルの一撃を弾いた。
二撃目を、前に剣を出して受け止める。
金属が軋みあう耳に不愉快な音が剣と剣の狭間からもれ、強い力で押し合ったことで剣がギシギシと音をたてた。
シエルの気配を読みながら押してくるタイミングで力を受け流すと、たたらを踏んだところを切りつけようとする。
だがシエルは素早く飛びすさり、距離をとった。
と思うと、体を低くして突進してくる。
グレンはそれにあわせて低い位置で剣を薙いだが、シエルは人間離れした脚力でそれを飛び越え襲いかかってきた。
だが軌跡を変えられない空中という隙をグレンは見逃さなかった。
腕力にものをいわせて高速で剣を振り戻すと、返す刀で空中のシエルに切りつける。
刃が届いたと思った瞬間、ひらりとシエルは空中で体勢を変えて刃先を避けると、飛び離れた。
二人は再び対峙して睨み合った。
「なかなかやるな。よけられると思わなかった」
「くそっ・・・やっぱりレンは強いなぁ」
シエルは悔しそうに呟く。
力の強さだけでいえば、若く、ワーウルフであるシエルにグレンは敵わないだろう。
強さというよりは、身についた戦闘のカンと知識がグレンを互角以上に戦わせていた。
「もういいのか?」
掌を向け指を曲げて挑発すると、シエルは苛立たしげに牙をむき出した。
「---来いよ!」
煽られるようにシエルが飛び込んでくる。
それを受け止め、鍔迫り合いをして突き放す。
何合か強く打ち合た後、グレンは柄を柔らかく握り直すと大きく踏み込み、シエルの剣を絡めとるように己の剣をひねった。
シエルの手から剣が飛び、転がり落ちる。
唖然とするシエルの鼻先に、グレンは刃先を突きつけた。
「…負けましたした」
シエルは降参の言葉を言うと、ガックリと肩を落とした。
ワーウルフの姿で戦うらしい。
本気度が伺えた。
「レンと戦えるのは久しぶりだ」
「もう相手にならないかもしれないがな」
もっと小さい頃ーーといっても、ほんの数ヶ月前ではあるのだがーーにあまりにもねだるので相手をしてあげたが、その頃は体格差があるのでもちろん手加減をした。
今は体格ですでに負けているのでもちろん手加減をする気はなかった。もちろんやるなら勝つつもりだ。
「手加減しないでよ」
「もちろん、当たり前だ」
心をよんだわけではないだろうに、シエルがそう告げたのでグレンは笑みを浮かべて頷いた。
グレンは練習用に置いていてある剣をいくつかとり、降ってみると持ちやすそうなものを適当に選んだ。
練習用なので刃は潰してあるが、お互いの腕力を考えたら当たればそれなりの怪我をするだろう。
「じゃあ試合しようか」
剣を両手で握ると、すでに用意万端だったシエルも手に剣を握った。
闘技場に入り、互いに距離を開けて睨み合う。
自分たちの王子が人間と戦うということで、興味津々の兵士たちが周りに見学に集まってくるのがわかったが、集中してしまえば周りが見えなくなる。
強い瞳がまっすぐにグレンの姿を捉える。
神経を研ぎ澄ませると、息遣いや、体毛の一本一本のそよぎ、空気のながれ微かな指先の身じろぎなども感じ取れるような気がした。
シエルの毛が微かに逆立った気がした瞬間、グレンは脚力を利用して飛び込んできたシエルの一撃を弾いた。
二撃目を、前に剣を出して受け止める。
金属が軋みあう耳に不愉快な音が剣と剣の狭間からもれ、強い力で押し合ったことで剣がギシギシと音をたてた。
シエルの気配を読みながら押してくるタイミングで力を受け流すと、たたらを踏んだところを切りつけようとする。
だがシエルは素早く飛びすさり、距離をとった。
と思うと、体を低くして突進してくる。
グレンはそれにあわせて低い位置で剣を薙いだが、シエルは人間離れした脚力でそれを飛び越え襲いかかってきた。
だが軌跡を変えられない空中という隙をグレンは見逃さなかった。
腕力にものをいわせて高速で剣を振り戻すと、返す刀で空中のシエルに切りつける。
刃が届いたと思った瞬間、ひらりとシエルは空中で体勢を変えて刃先を避けると、飛び離れた。
二人は再び対峙して睨み合った。
「なかなかやるな。よけられると思わなかった」
「くそっ・・・やっぱりレンは強いなぁ」
シエルは悔しそうに呟く。
力の強さだけでいえば、若く、ワーウルフであるシエルにグレンは敵わないだろう。
強さというよりは、身についた戦闘のカンと知識がグレンを互角以上に戦わせていた。
「もういいのか?」
掌を向け指を曲げて挑発すると、シエルは苛立たしげに牙をむき出した。
「---来いよ!」
煽られるようにシエルが飛び込んでくる。
それを受け止め、鍔迫り合いをして突き放す。
何合か強く打ち合た後、グレンは柄を柔らかく握り直すと大きく踏み込み、シエルの剣を絡めとるように己の剣をひねった。
シエルの手から剣が飛び、転がり落ちる。
唖然とするシエルの鼻先に、グレンは刃先を突きつけた。
「…負けましたした」
シエルは降参の言葉を言うと、ガックリと肩を落とした。
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