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生まれ変わる日
しおりを挟む私は今日、死にます。
1年前に余命宣告されました。私は何でも重い病気らしい…
生まれた時から一緒の幸恵ちゃんは
今年で13歳になる。でも私はもう、あなたと一緒に生きられない…
2人で遊んだ公園にも、夏に行った山や川にも…行けない
私の横で幸恵ちゃんが泣いていた…
ワンワン泣いていた……
私を育ててくれた両親も泣いていた……
みんな泣いていた。
何でそんなに泣いているの?元気だして!
私の事で泣かないで、みんな笑ってよ…私はみんなの笑顔が大好きなの……ねぇ……
私は最後の力を振り絞った。
そして、身体を引きずって家族の近くに寄り、精一杯に元気な声で笑ってと言った…でも掠れていた声しか出なくて伝わらなかった…のかみんなは声を出して泣いている。
とても悲しい…
私の灯火はどんどん消えかけている…
もう歩く元気もない…
最後にみんなの笑顔が見たかった……
その時に、幸恵が庭で咲いている白くて綺麗な花をそっと置いてくれた。
「ねぇ、チョコ、その花はね、ノースポールって言うの…」
幸恵は涙でぐちゃぐちゃの顔を目一杯の笑顔にした。
「花言葉は、輪廻転生って言うの…だからね、生まれ変わっても、また一緒だよ!」
みんなも幸恵と同じように涙でぐちゃぐちゃの顔を目一杯に笑顔にした。
私も笑って静かに目を瞑った。
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