業火な御馳走

赤八汐カケル

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最後の御馳走

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笑顔を見つめていたら、見つめ返されて、部屋には甘酸っぱい空気が流れ、暫く時が止まったような感覚に陥っていた。私の頬を撫で、腕を後ろに回し顔を近づけてきた。私は軽く目を閉じて待っていると唇に柔らかいものが優しく触れ始めたが、直ぐに離れた。

「ごめん…俺何やってんだろ」
自身の大胆な行動に驚いたような照れてるような顔をして謝ってくれたが、私はそんな十思に顔を近づけて、「謝るぐらいなら最初からするな」と色っぽく囁きもう一度キスをした。次第に二人はお互いに舌を絡め合って、心に空いた穴が徐々に埋まっていく感じがした。

私はゆっくりと唇を離すと、十思の唇に人差し指でそっと抑えた。

「これ以上はまた今度にしよう、私、抑えられなくなりそうだから……」
脳みその奥底から炭酸水みたいにジュワジュワと快感に近い何かがが溢れてきておかしくなりそうだった。人生で感じたことがないような快感に支配されそうで怖かった。

十思は私と同様に、快感に支配されそうな表情をしていたが、私が人差し指に驚いている表情に変えて、私の言ったことを聞いていた。

「そうだね、うん、また今度ね」
「今度があるんだよね、なんか嬉しいな!」
微笑んで嚙みしめてながら、言っていた。その表情を見ていると何だか私も嬉しく感じてくる。


ドアに鍵を差し込む音が聞こえた。

「ただいま!」
父と母が帰ってきた、二人の両手にはこれでもかってぐらいにパンパンになった買い物袋を持っていた。

「今日はね、奮発して沢山、御馳走買ってきちゃった!」
母のテンションは頗るすこぶ高かった。そこから予想すると相当な御馳走だということがわかる。私の口の中で唾液が出る

家族みんなで、豪華な御馳走をテーブルの上に並べた。真ん中のホットプレートには、私の顔以上の大きさのA5ランクのステーキ、その周りには、ポテトフライ、サラダ、飲み物、などが並べられた。

ホカホカの白米などが準備されると、席についた。

父が飲み物を入れてあるコップを掲げた。
「それでは、舞の退院を祝って乾杯!」

「乾杯!」

この時の私はとても幸せで、愛おしくて、この時間がこれからは永遠に続くと思っていた、だが、それは儚い夢だった、まさに春が終われば散ってしまう桜の花びらのような…でも、それは、もう少しした未来の話で、
過去の自分にはもう少し最後の晩餐を楽しんでもらおう。でも、正直、こんなにも幸せを味合わせてからあんなにも残酷な世界に落とされるのなら、最初から不幸だった方が幸せだったのではないかと今更ながら思う。








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