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大団円?

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カンカンカンカン……。


ジェットの格納庫からコクピットに向かって走っている4人の内、2人は迷わずにプライベート室へ向かっている。ヒロトとエドワードだ。その2人を追うように、マサとカズキが走る。
銃声が聞こえる。
単発が散弾に変わった。
エドは呟いてる。
 「あいつは、自分のを壊してるのか……」

もう少しで着くという時に、誰かが床に這いつくばってるのが見えた。
すると、叫び声が聞こえた。

 「ジョーーーーッ!!」

エドは安心した。
 「トモは元気みたいだな。今回は離れてて良かったよ。マルクの奴、蹲ってるだろうな」
ヒロトはダッシュをかけた。
 「トモッ!」

ヒロトの、その走りを見て3人は目を瞠った。
 「はやっ……!」

ヒロトは蹲ってるマルクを見ると、蹴り上げた。
 「マルクッ。お前は、許さんっ」
マルクは下から蹴り上げられ、天井に頭をぶつけてしまった。

 「トモ、大丈夫か?もう大丈夫だからな」
ヒロトはトモを抱き締めると、トモは匂いを嗅ぎ相手が分かったのか、呻き声は止まった。
その様子を見ていたエドは思い出していた。
 「トモは、ヒロト様の匂いを嗅いでますよ。本人にしか分からない区別ですよね」と、苦笑しながらアランが言ってた。「トモは犬か…」と、自分は言ってたものだった。
アラン……。
いや、今は浸っている時ではない。

 「マルク。自分の部屋は、自分で片づけろよ」
そう言ったエドは、2人の日本人に目を向けた。
 「怪我は?」
 「大丈夫です。それよりもボス……」

2人の声が、同じ様に重なってくる。
 「ああ、トモは大丈夫だ。ヒロがトモを診ている」
タカは呟いてる。
 「発砲が好きな人みたいですね。単発だけでなく散弾まで持ってるなんて……」
エドは、タカに聞いた。
 「どっちが先に撃った?」
 「私は最初は構えてたけど、撃ち返すより避ける方に集中してました。ボスの事はユウマに任せてね。ああ、そうだ。ボスに向かって撃ったので、私は銃尻で叩いたんですよ。でも、少ししか当たらなかった」

なるほど、この男は頭の回転がいいのか。私の一言で、知りたい事を幾つも返してくれる。
 「しかし、無茶苦茶に撃つ人ですね。せっかくの調度品がもったいない」
 「タカ」
 「なんだ?」
 「見て、これ。まるでネズミの巣穴みたいだ。少し大きいけどな」
ユウマが指差した個所を見て、タカは呟いていた。
本当だ。私たちをネズミ呼ばわりしてくれたんだ。今度は、この人をネズミ呼びしてやろう。

そう言って、ユウマとタカは2人して笑っていた。

それを聞いてたエドは、感心していた。
この2人の男は肝が据わってるのか、度胸があるのか、単純バカなのか……?

そう思ってたら、カズキが見かねてエドに言ってきた。
 「エド・ボス。その2人も私と同じですよ」
 「何が?」
 「同じ大学の同じ医学部を卒業して、ドクターをしている。ボスの周りを囲んでいた9人の内の2人ですよ」
 「え? ユタカとも同じ……」
 「そうですよ。ラーメン屋と、マサと、ユタカと、タカと、ユウマと、ワンと、私。そしてボスを入れて8人共、同じですよ」

カズキの、その言葉を聞きエドは面食らった。
あのラーメン屋も、そうなのか?


だが、そこで大団円にはならなかった。

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