死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?

わんた

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テレシアさんの安否がわかったら教えてもらえませんか?

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 衛兵所から煙が立ち上っている光景を見ていると、レベッタさんに抱きかかえられてしまった。荷物のように運ばれてしまう。

 黙ってなすがままにされていると家が近づいてきた。
 ルアンナさんと他の女性騎士たちが周囲にいる。
 事件に気づいて駆けつけてくれたみたいだ。

「おケガはありませんか?」

「ないけど」

 ルアンナさんの問いに対して、ピリピリとした空気をまとったレベッタさんが返事をした。声の感じからして怒っているみたい。

 守るために駆けつけてくれた人たちに、どうしてそんな態度を取るのかわからない。

「ねぇ。なんでここにいるの?」

「それは……」

「あなたたちはイオちゃんの安全を守るのが仕事でしょ。どうしてすぐに駆けつけてこなかったの?」

 怒っている理由がわかった。

 なぜ近くで隠れて護衛していなかったのか。

 メスゴブリンの時みたいに、助けに来なかったことを怒っているらしい。

「例の事件調査に人員を割いておりました」

「イオちゃんよりも大事なの?」

「彼を守るために、優先していたのです」

「ふーーん」

 いつもは明るく優しいレベッタさんが珍しく問い詰めている。

 また衛兵所から爆発が起こった。

 女性たちが周囲を見る。

 誰もいない。けど、どこかに隠れている可能性は否定できない。

「文句は後で聞きます。まずは入ってください」

「わかった」

 ルアンナさんがドアを開けてくれたので、僕たちは家に入る。

 パーティメンバーの三人が玄関で待機していて、僕のことを心配してくれていたようだ。みんな本当に心優しい人たち。

「ケガはない?」

 ヘイリーさんが僕の体をペタペタと触り、首筋をペロリとなめた。

「大丈夫そう」

 えええ!? こんなんでわかるの?

 突っ込もうとしたらメヌさんが僕の股間を触る。

「こっちも無事だ。よかった」

 体じゃなくて息子の方を心配したの!?!?

 一気に緊張感が抜けてしまった。

 抱きかかえられているから抵抗できないので、まだ撫でられ続けている。そろそろ大きくなってしまいそうだ。どうしようと助けを求めるように、頼れるアグラエルさんを見た。

 微笑んでくれたので伝わっただろう。

「今度は私の番だ」

 レベッタさんから僕を奪い取り、ドラゴンの翼で包み込む。周りが見えなくなった。

「夫婦の時間をたっぷりと堪能しよう」

 抱きしめている腕に力が入った。

 抜け出すなんて不可能だ。

「ちょっと! ずるいっ!」

「独り占めは禁止」

「すぐに解放しないなら、その翼をもぎとるよ」

 仲間からクレームがきてもアグラエルさんは僕を抱きしめたまま。動かない。

 このままだとケンカが起きちゃいそうだ。

「お前たち、落ち着け! 今そんなことをしている暇はないぞ!」

 翼越しからでもはっきりとルアンナさんの声が聞こえた。

 珍しく本気で怒っているみたい。

 さすがにアグラエルさんも逆らうことは出来ないようで、僕を床の上に優しく立たせると、ドラゴンの翼を戻した。

「部下が衛兵所を確認している。安全が確認できるまでは、大人しくしていろ」

 レベッタさんたちは大人しく従って、リビングの方に行った。

 あえて残った僕はルアンナさんに話しかける。

「もしテレシアさんの安否がわかったら教えてもらえませんか?」

「あの傲慢な女か」

 苦虫を噛み潰したような顔って初めて見た。すごく嫌そうにしている。

 町を守る衛兵とスカーテ王女を守る騎士。どちらも似たようなお仕事だとは思うんだけど、だからこそ仲が悪いって感じなのかな。

「イオちゃんと仲がいいのか?」

「はい。一緒にご飯を食べる関係です」

「あの女、上手いことやりやがって」

 小さい声だけど、しっかりと聞こえてしまった。あの優しいルアンナさんが暴言を吐いたのだ。

 思っていたよりも二人の関係は悪いのかもしれない。

「仲がいいなら心配だろう。テレシアのこともちゃんと調べるから安心してくれ」

 先ほどと表情は一変して笑顔だ。キラキラと輝いている。

 女優になれるんじゃないかと思えるほど、先ほど表に出ていた嫌悪感を隠している。演技が上手だ。

 仲が悪いからといって手を抜かれたら困る。あざとくて嫌だけど、少しだけ男だという利点を使ってみるか。

 変装用の指輪と首輪を外すとルアンナさんの手を触り、優しく両手で包んだ。

「すごく心配なんです」

「そうだよね! 心配だよね!!」

 顔が真っ赤だ。口から涎が出ている。

 何か甘いフェロモンみたいなのがして、僕もドキドキしてきた。

「さっそく私も調べてくる! まっててねっ!」

 ドアを勢いよく開くと飛び出してしまった。

 部下の女性騎士たちは口をぽかんと開いて見送っている。何が起こったか分からず、あっけにとられているいたい。

 家の護衛は騎士が数十人もいるから大丈夫なのかな。

「イオディプス様、なにかあったんですか?」

 近くにいた一人の女性騎士が聞いてきた。

「衛兵所に向かったみたいです。それと様はいらないですよ。君とか呼び捨てで大丈夫です」

「いいんですか!?」

「もちろんです」

 許可を出すと他の女性騎士たちが一斉に近づいてきた。

「私もいいですか!?」

「ずるい、私も!」

「あたいだって君って呼びたい! いい!?」

 圧が強い。拒否なんて出来る空気じゃない。

「も、もちろんですよ。みなさん好きに呼んでください」

 歓声が上がった。ここに重要人物がいるってバレちゃうと思うんだけど、感情をコントロールできないみたい。

 男が絡むと理性が吹き飛んでしまうのは、どうにかならないのかな……。
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