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テレシアさんの安否がわかったら教えてもらえませんか?
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衛兵所から煙が立ち上っている光景を見ていると、レベッタさんに抱きかかえられてしまった。荷物のように運ばれてしまう。
黙ってなすがままにされていると家が近づいてきた。
ルアンナさんと他の女性騎士たちが周囲にいる。
事件に気づいて駆けつけてくれたみたいだ。
「おケガはありませんか?」
「ないけど」
ルアンナさんの問いに対して、ピリピリとした空気をまとったレベッタさんが返事をした。声の感じからして怒っているみたい。
守るために駆けつけてくれた人たちに、どうしてそんな態度を取るのかわからない。
「ねぇ。なんでここにいるの?」
「それは……」
「あなたたちはイオちゃんの安全を守るのが仕事でしょ。どうしてすぐに駆けつけてこなかったの?」
怒っている理由がわかった。
なぜ近くで隠れて護衛していなかったのか。
メスゴブリンの時みたいに、助けに来なかったことを怒っているらしい。
「例の事件調査に人員を割いておりました」
「イオちゃんよりも大事なの?」
「彼を守るために、優先していたのです」
「ふーーん」
いつもは明るく優しいレベッタさんが珍しく問い詰めている。
また衛兵所から爆発が起こった。
女性たちが周囲を見る。
誰もいない。けど、どこかに隠れている可能性は否定できない。
「文句は後で聞きます。まずは入ってください」
「わかった」
ルアンナさんがドアを開けてくれたので、僕たちは家に入る。
パーティメンバーの三人が玄関で待機していて、僕のことを心配してくれていたようだ。みんな本当に心優しい人たち。
「ケガはない?」
ヘイリーさんが僕の体をペタペタと触り、首筋をペロリとなめた。
「大丈夫そう」
えええ!? こんなんでわかるの?
突っ込もうとしたらメヌさんが僕の股間を触る。
「こっちも無事だ。よかった」
体じゃなくて息子の方を心配したの!?!?
一気に緊張感が抜けてしまった。
抱きかかえられているから抵抗できないので、まだ撫でられ続けている。そろそろ大きくなってしまいそうだ。どうしようと助けを求めるように、頼れるアグラエルさんを見た。
微笑んでくれたので伝わっただろう。
「今度は私の番だ」
レベッタさんから僕を奪い取り、ドラゴンの翼で包み込む。周りが見えなくなった。
「夫婦の時間をたっぷりと堪能しよう」
抱きしめている腕に力が入った。
抜け出すなんて不可能だ。
「ちょっと! ずるいっ!」
「独り占めは禁止」
「すぐに解放しないなら、その翼をもぎとるよ」
仲間からクレームがきてもアグラエルさんは僕を抱きしめたまま。動かない。
このままだとケンカが起きちゃいそうだ。
「お前たち、落ち着け! 今そんなことをしている暇はないぞ!」
翼越しからでもはっきりとルアンナさんの声が聞こえた。
珍しく本気で怒っているみたい。
さすがにアグラエルさんも逆らうことは出来ないようで、僕を床の上に優しく立たせると、ドラゴンの翼を戻した。
「部下が衛兵所を確認している。安全が確認できるまでは、大人しくしていろ」
レベッタさんたちは大人しく従って、リビングの方に行った。
あえて残った僕はルアンナさんに話しかける。
「もしテレシアさんの安否がわかったら教えてもらえませんか?」
「あの傲慢な女か」
苦虫を噛み潰したような顔って初めて見た。すごく嫌そうにしている。
町を守る衛兵とスカーテ王女を守る騎士。どちらも似たようなお仕事だとは思うんだけど、だからこそ仲が悪いって感じなのかな。
「イオちゃんと仲がいいのか?」
「はい。一緒にご飯を食べる関係です」
「あの女、上手いことやりやがって」
小さい声だけど、しっかりと聞こえてしまった。あの優しいルアンナさんが暴言を吐いたのだ。
思っていたよりも二人の関係は悪いのかもしれない。
「仲がいいなら心配だろう。テレシアのこともちゃんと調べるから安心してくれ」
先ほどと表情は一変して笑顔だ。キラキラと輝いている。
女優になれるんじゃないかと思えるほど、先ほど表に出ていた嫌悪感を隠している。演技が上手だ。
仲が悪いからといって手を抜かれたら困る。あざとくて嫌だけど、少しだけ男だという利点を使ってみるか。
変装用の指輪と首輪を外すとルアンナさんの手を触り、優しく両手で包んだ。
「すごく心配なんです」
「そうだよね! 心配だよね!!」
顔が真っ赤だ。口から涎が出ている。
何か甘いフェロモンみたいなのがして、僕もドキドキしてきた。
「さっそく私も調べてくる! まっててねっ!」
ドアを勢いよく開くと飛び出してしまった。
部下の女性騎士たちは口をぽかんと開いて見送っている。何が起こったか分からず、あっけにとられているいたい。
家の護衛は騎士が数十人もいるから大丈夫なのかな。
「イオディプス様、なにかあったんですか?」
近くにいた一人の女性騎士が聞いてきた。
「衛兵所に向かったみたいです。それと様はいらないですよ。君とか呼び捨てで大丈夫です」
「いいんですか!?」
「もちろんです」
許可を出すと他の女性騎士たちが一斉に近づいてきた。
「私もいいですか!?」
「ずるい、私も!」
「あたいだって君って呼びたい! いい!?」
圧が強い。拒否なんて出来る空気じゃない。
「も、もちろんですよ。みなさん好きに呼んでください」
歓声が上がった。ここに重要人物がいるってバレちゃうと思うんだけど、感情をコントロールできないみたい。
男が絡むと理性が吹き飛んでしまうのは、どうにかならないのかな……。
黙ってなすがままにされていると家が近づいてきた。
ルアンナさんと他の女性騎士たちが周囲にいる。
事件に気づいて駆けつけてくれたみたいだ。
「おケガはありませんか?」
「ないけど」
ルアンナさんの問いに対して、ピリピリとした空気をまとったレベッタさんが返事をした。声の感じからして怒っているみたい。
守るために駆けつけてくれた人たちに、どうしてそんな態度を取るのかわからない。
「ねぇ。なんでここにいるの?」
「それは……」
「あなたたちはイオちゃんの安全を守るのが仕事でしょ。どうしてすぐに駆けつけてこなかったの?」
怒っている理由がわかった。
なぜ近くで隠れて護衛していなかったのか。
メスゴブリンの時みたいに、助けに来なかったことを怒っているらしい。
「例の事件調査に人員を割いておりました」
「イオちゃんよりも大事なの?」
「彼を守るために、優先していたのです」
「ふーーん」
いつもは明るく優しいレベッタさんが珍しく問い詰めている。
また衛兵所から爆発が起こった。
女性たちが周囲を見る。
誰もいない。けど、どこかに隠れている可能性は否定できない。
「文句は後で聞きます。まずは入ってください」
「わかった」
ルアンナさんがドアを開けてくれたので、僕たちは家に入る。
パーティメンバーの三人が玄関で待機していて、僕のことを心配してくれていたようだ。みんな本当に心優しい人たち。
「ケガはない?」
ヘイリーさんが僕の体をペタペタと触り、首筋をペロリとなめた。
「大丈夫そう」
えええ!? こんなんでわかるの?
突っ込もうとしたらメヌさんが僕の股間を触る。
「こっちも無事だ。よかった」
体じゃなくて息子の方を心配したの!?!?
一気に緊張感が抜けてしまった。
抱きかかえられているから抵抗できないので、まだ撫でられ続けている。そろそろ大きくなってしまいそうだ。どうしようと助けを求めるように、頼れるアグラエルさんを見た。
微笑んでくれたので伝わっただろう。
「今度は私の番だ」
レベッタさんから僕を奪い取り、ドラゴンの翼で包み込む。周りが見えなくなった。
「夫婦の時間をたっぷりと堪能しよう」
抱きしめている腕に力が入った。
抜け出すなんて不可能だ。
「ちょっと! ずるいっ!」
「独り占めは禁止」
「すぐに解放しないなら、その翼をもぎとるよ」
仲間からクレームがきてもアグラエルさんは僕を抱きしめたまま。動かない。
このままだとケンカが起きちゃいそうだ。
「お前たち、落ち着け! 今そんなことをしている暇はないぞ!」
翼越しからでもはっきりとルアンナさんの声が聞こえた。
珍しく本気で怒っているみたい。
さすがにアグラエルさんも逆らうことは出来ないようで、僕を床の上に優しく立たせると、ドラゴンの翼を戻した。
「部下が衛兵所を確認している。安全が確認できるまでは、大人しくしていろ」
レベッタさんたちは大人しく従って、リビングの方に行った。
あえて残った僕はルアンナさんに話しかける。
「もしテレシアさんの安否がわかったら教えてもらえませんか?」
「あの傲慢な女か」
苦虫を噛み潰したような顔って初めて見た。すごく嫌そうにしている。
町を守る衛兵とスカーテ王女を守る騎士。どちらも似たようなお仕事だとは思うんだけど、だからこそ仲が悪いって感じなのかな。
「イオちゃんと仲がいいのか?」
「はい。一緒にご飯を食べる関係です」
「あの女、上手いことやりやがって」
小さい声だけど、しっかりと聞こえてしまった。あの優しいルアンナさんが暴言を吐いたのだ。
思っていたよりも二人の関係は悪いのかもしれない。
「仲がいいなら心配だろう。テレシアのこともちゃんと調べるから安心してくれ」
先ほどと表情は一変して笑顔だ。キラキラと輝いている。
女優になれるんじゃないかと思えるほど、先ほど表に出ていた嫌悪感を隠している。演技が上手だ。
仲が悪いからといって手を抜かれたら困る。あざとくて嫌だけど、少しだけ男だという利点を使ってみるか。
変装用の指輪と首輪を外すとルアンナさんの手を触り、優しく両手で包んだ。
「すごく心配なんです」
「そうだよね! 心配だよね!!」
顔が真っ赤だ。口から涎が出ている。
何か甘いフェロモンみたいなのがして、僕もドキドキしてきた。
「さっそく私も調べてくる! まっててねっ!」
ドアを勢いよく開くと飛び出してしまった。
部下の女性騎士たちは口をぽかんと開いて見送っている。何が起こったか分からず、あっけにとられているいたい。
家の護衛は騎士が数十人もいるから大丈夫なのかな。
「イオディプス様、なにかあったんですか?」
近くにいた一人の女性騎士が聞いてきた。
「衛兵所に向かったみたいです。それと様はいらないですよ。君とか呼び捨てで大丈夫です」
「いいんですか!?」
「もちろんです」
許可を出すと他の女性騎士たちが一斉に近づいてきた。
「私もいいですか!?」
「ずるい、私も!」
「あたいだって君って呼びたい! いい!?」
圧が強い。拒否なんて出来る空気じゃない。
「も、もちろんですよ。みなさん好きに呼んでください」
歓声が上がった。ここに重要人物がいるってバレちゃうと思うんだけど、感情をコントロールできないみたい。
男が絡むと理性が吹き飛んでしまうのは、どうにかならないのかな……。
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