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お前は誰だ?
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民間人に偽装した騎士たちにもみくちゃにされてから数時間が経過した。陽も落ち始めて夕方になっている。
ルアンナさんは衛兵所から戻ってきてない。
許されることなら現場に行きたいんだけど、男性が危険なところに行くなとみんなに止められ、テレシアさんの無事を祈りながらもソファに座って待っている。
自分だけ安全なところにいるなんてすごく嫌な気分になる。落ち着かない。自己嫌悪に陥りそうだ。
何もせずにじーっと目の前にあるダークブラウンの木で作られたローテーブルを見ている。
「これ飲んで」
灰色のカップが置かれた。中には赤い液体が入っている。
顔を上げるとヘイリーさんが心配そうに僕を見ていた。
「ワインですか?」
「リラックスできる」
再びコップを見た。赤い液体に酷い顔をした僕の顔があった。
周囲を心配させているだろう。
アルコールに良い思い出はないけど、自分のためではなく、みんなのために飲んだ方が良いかもしれない。
これで気持ちが落ち着くならと考えながら手を伸ばす。
「イオディプス君いますか!!!」
ルアンナさんの声が聞こえた。
すぐに立ち上がるとドアを勢いよく開ける。
「どうでした!?」
「早く逃げて!」
なんと頭から血を流していた。体には細かい傷がある。土で汚れているし早く治療しなきゃ!
「その前に傷を――」
動き出す直前でヘイリーさんに後ろから抱きかかえられて、家の中に連れて行かれてしまう。
騒ぎを聞きつけたレベッタさんたちが二階に降りてきた。
「敵がきた。逃げる」
短い言葉だったけど、すべてを察したみたい。キッチンにある作られたばかりの地下通路へ行こうとする。ルアンナさんが飛んできた。
いち早く気づいたアグラエルさんがドラゴンの尻尾で勢いを殺しながら体を包み込む。
瞳が光ったヘイリーさんは素手で飛び出す。向かう先は玄関にいる女性だ。棍棒のようなスタッフを持っていて、血が付着している。あれで殴ったようだ。
接近戦が得意らしく動体視力を強化しているヘイリーさんの攻撃を避けている。彼女たちを守らなければ。その気持ちがスキルブースターを発動させ、パーティメンバー全員に効果を及ぼす。
「急に動きがっ!?」
スキルを強化したのだ。さすがに敵も劣勢になったようで、後ろに下がって家から出てしまう。
少しだけ時間ができた。アグラエルさんに話しかける。
「ルアンナさんは大丈夫ですか?」
「治療は必要だが、すぐには死なないだろう」
それさえ聞ければ十分だ。戦っているヘイリー心配で走り出して外に出る。
彼女は地面に倒れていた。
さっきまで優勢だったのに負けてしまったみたい。
視線の先には先ほど襲ってきた女性と、骨の形がわかるほど痩せこけた女性……そして男が一人いた。ぶっくりと太っていてカエルのように横に伸びた顔は見覚えがある。
「デブガエル!」
「ツエルだ!!」
ああ、そんな名前だった。記憶に留める必要すらなかったので忘れていた。
ぴったりなあだ名なんだから。
「お前がやったのか!!??」
勢いで言ってしまったけど、ツエルがヘイリーさんを倒せるとは思えない。二人の女性が犯人だとは思うけど、片方は立っているだけでフラフラとしているほど弱々しく、戦うどころか生きるのに必要な肉すら付いてなさそうだ。彼女は首輪をつけているけどアクセサリーには見えない。奴隷のように感じられた。
スタッフを持った女性は戦闘能力高いけど、スキルブースターで能力が底上げされたヘイリーさんに一人で戦って勝てるほどの実力があるとは思えなかった。
「この俺様が、戦うなんて野蛮なことなんてするはずないだろ」
「じゃあ、誰がやったッ!」
ムカつく笑みを浮かべるだけで答えてこない。脅してでも口を割らせるかと考えていると、拍手する音が聞こえた。
右側を見る。
庭の外側にまた男がいた。背はすらりと高く、猫耳の獣人だ。目はつり目で怖そうな雰囲気があるけど、人に安心感を与える笑みを浮かべていた。
「男が二人もいるとはな。さすが男性特区だ」
「お前は誰だ?」
全身に鳥肌が立っている。本能が危険だと訴えかけてきて、無意識のうちにバングルをつけている右腕を前に出していた。
「ん? 俺か。ダイチ。ちなみに細い女がシャナルンで、物騒な女はラレン。俺の物だから手を出すなよ」
聞いてないのに女性の方まで名前を教えてくれた。ついでにスキルまで言ってくれればいいのに。
「どうしてここにいる?」
「仲間集めだよ。なぁ、俺と一緒に新しい国を作らないか?」
「断る。出て行け」
初めて会った男にこんな提案をされて受け入れる人なんていないだろう。
当然のように断った。
「トップは男だけにして、女を奴隷のように扱える国だとしてもか?」
「反吐が出るほどの提案だ。検討する価値がない」
このダイチという男は何を言っているんだ? 女性を奴隷のように扱う国だって?
そんなもの僕が受け入れるはずないだろッ!
女性に冷たい男はいたけど、ここまで過激な考えを持っている人はいなかった。
ダイチは危険だ。この場で捕まえて牢に入れておかなければ、治安が乱される。
ルアンナさんは衛兵所から戻ってきてない。
許されることなら現場に行きたいんだけど、男性が危険なところに行くなとみんなに止められ、テレシアさんの無事を祈りながらもソファに座って待っている。
自分だけ安全なところにいるなんてすごく嫌な気分になる。落ち着かない。自己嫌悪に陥りそうだ。
何もせずにじーっと目の前にあるダークブラウンの木で作られたローテーブルを見ている。
「これ飲んで」
灰色のカップが置かれた。中には赤い液体が入っている。
顔を上げるとヘイリーさんが心配そうに僕を見ていた。
「ワインですか?」
「リラックスできる」
再びコップを見た。赤い液体に酷い顔をした僕の顔があった。
周囲を心配させているだろう。
アルコールに良い思い出はないけど、自分のためではなく、みんなのために飲んだ方が良いかもしれない。
これで気持ちが落ち着くならと考えながら手を伸ばす。
「イオディプス君いますか!!!」
ルアンナさんの声が聞こえた。
すぐに立ち上がるとドアを勢いよく開ける。
「どうでした!?」
「早く逃げて!」
なんと頭から血を流していた。体には細かい傷がある。土で汚れているし早く治療しなきゃ!
「その前に傷を――」
動き出す直前でヘイリーさんに後ろから抱きかかえられて、家の中に連れて行かれてしまう。
騒ぎを聞きつけたレベッタさんたちが二階に降りてきた。
「敵がきた。逃げる」
短い言葉だったけど、すべてを察したみたい。キッチンにある作られたばかりの地下通路へ行こうとする。ルアンナさんが飛んできた。
いち早く気づいたアグラエルさんがドラゴンの尻尾で勢いを殺しながら体を包み込む。
瞳が光ったヘイリーさんは素手で飛び出す。向かう先は玄関にいる女性だ。棍棒のようなスタッフを持っていて、血が付着している。あれで殴ったようだ。
接近戦が得意らしく動体視力を強化しているヘイリーさんの攻撃を避けている。彼女たちを守らなければ。その気持ちがスキルブースターを発動させ、パーティメンバー全員に効果を及ぼす。
「急に動きがっ!?」
スキルを強化したのだ。さすがに敵も劣勢になったようで、後ろに下がって家から出てしまう。
少しだけ時間ができた。アグラエルさんに話しかける。
「ルアンナさんは大丈夫ですか?」
「治療は必要だが、すぐには死なないだろう」
それさえ聞ければ十分だ。戦っているヘイリー心配で走り出して外に出る。
彼女は地面に倒れていた。
さっきまで優勢だったのに負けてしまったみたい。
視線の先には先ほど襲ってきた女性と、骨の形がわかるほど痩せこけた女性……そして男が一人いた。ぶっくりと太っていてカエルのように横に伸びた顔は見覚えがある。
「デブガエル!」
「ツエルだ!!」
ああ、そんな名前だった。記憶に留める必要すらなかったので忘れていた。
ぴったりなあだ名なんだから。
「お前がやったのか!!??」
勢いで言ってしまったけど、ツエルがヘイリーさんを倒せるとは思えない。二人の女性が犯人だとは思うけど、片方は立っているだけでフラフラとしているほど弱々しく、戦うどころか生きるのに必要な肉すら付いてなさそうだ。彼女は首輪をつけているけどアクセサリーには見えない。奴隷のように感じられた。
スタッフを持った女性は戦闘能力高いけど、スキルブースターで能力が底上げされたヘイリーさんに一人で戦って勝てるほどの実力があるとは思えなかった。
「この俺様が、戦うなんて野蛮なことなんてするはずないだろ」
「じゃあ、誰がやったッ!」
ムカつく笑みを浮かべるだけで答えてこない。脅してでも口を割らせるかと考えていると、拍手する音が聞こえた。
右側を見る。
庭の外側にまた男がいた。背はすらりと高く、猫耳の獣人だ。目はつり目で怖そうな雰囲気があるけど、人に安心感を与える笑みを浮かべていた。
「男が二人もいるとはな。さすが男性特区だ」
「お前は誰だ?」
全身に鳥肌が立っている。本能が危険だと訴えかけてきて、無意識のうちにバングルをつけている右腕を前に出していた。
「ん? 俺か。ダイチ。ちなみに細い女がシャナルンで、物騒な女はラレン。俺の物だから手を出すなよ」
聞いてないのに女性の方まで名前を教えてくれた。ついでにスキルまで言ってくれればいいのに。
「どうしてここにいる?」
「仲間集めだよ。なぁ、俺と一緒に新しい国を作らないか?」
「断る。出て行け」
初めて会った男にこんな提案をされて受け入れる人なんていないだろう。
当然のように断った。
「トップは男だけにして、女を奴隷のように扱える国だとしてもか?」
「反吐が出るほどの提案だ。検討する価値がない」
このダイチという男は何を言っているんだ? 女性を奴隷のように扱う国だって?
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女性に冷たい男はいたけど、ここまで過激な考えを持っている人はいなかった。
ダイチは危険だ。この場で捕まえて牢に入れておかなければ、治安が乱される。
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