年下クンと始める初恋

鈴屋埜猫

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 居間に置かれたちゃぶ台を挟んで座りはしたものの、何からどう話せばいいのか分からず、黙りこくったまま。すると、午前二時を告げる振り子時計の音が鳴り、二人揃って時計を見上げた。
 すでに日付は変わって土曜日。一週間もの間、茉歩は葉一から逃げていたのだ。

「葉ちゃん、明日仕事……」
「いや、休みだけど……とりあえず寝るか。の、前にシャワー浴びる?」

 さすがに今からお風呂を沸かすわけにもいかない。

「葉ちゃん、先にいいよ?」
「あー……なんなら一緒に入る?」

 そっぽを向いたまま、葉一が呟いた声はなんとなく掠れているようにも聞こえた。

「なんっつって……」
「いいよ」

 戯けたようにこちらを見た葉一の顔が固まる。茉歩は立ち上がると、驚いている葉一の手を取り浴室へと歩き出した。
 呆けたように手を引かれるまま、茉歩の後を着いて来た葉一だったが、脱衣所に着くなり服を脱ぎ出した茉歩を見て慌て出す。

「いやいや、冗談だって……」
「先に入ってるね」

 背を向けた葉一を見ずに、服を脱ぎ去った茉歩は浴室へと入ってドアを閉めた。こんなことをするなんて、自分で自分にびっくりだ。
 さっきからうるさく鳴り響く心臓を押さえ付け、茉歩はシャワーのコックを捻った。
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